はじめての青色申告体験記 第1回「ゼロからのスタート」|

はじめての青色申告体験記

はじめての青色申告体験記

これまで確定申告の意味もよくわからないまま、見よう見まねで白色申告をしていたというフリーライター穴澤賢さん。ただ個人事業主として、そろそろちゃんと青色申告がしたい…と思っていたそうです。とはいえ、何からはじめたらいいのかさっぱりわからない。わからないことはプロに聞け、とばかりに税理士の吉田先生を訪ねることにしました。青色申告用のソフト「やよいの青色申告」を片手にさっそうと訪問したものの、吉田先生からは意外な手ほどきを受けることに…。

ゼロからのスタート

現在、僕はフリーランスのライターをしている。フリーライターというと聞こえはいいかもしれないが、簡単にいえば一匹オオカミで、何の保証もない。大海原を小さなイカダでふわふわ浮いているようなものだ。今のご時世、大きな船(会社)でもいつ沈没するかわからないが、それよりはるかに不安な毎日を送っているのが、僕らフリーランスの人間ということになる。僕自身、何とか物書きのはしくれとして暮らせているのが、奇跡に近いとさえ思っている。

さて、そんな僕に「弥生会計」でおなじみの弥生株式会社の担当者から、青色申告のレビューを書いてみませんかというオファーがあった。これまで一応「個人事業主」として、見よう見まねで確定申告はしていたものの、「確定申告」というものが何なのか、実はよくわかっていなかった。お金に関していえば、ぶっちゃけどんぶり勘定で、年末になると膨大な領収書の山に向かって頭を悩ますのが恒例となっていた。このままではいかんと常々思っていたところ。なるほど。渡りに船とはこのことだ。この機会に、しっかりと確定申告について学んでみようではないか。フリーランスとはいえ、立派な個人事業主。いうなれば「ひとり社長」だ。会社の業績をあげるためにも、お金の管理をきちんと自分でするためにもしっかりやらねば。

この体当たり企画により、同じような立場の人に少しでも参考になればと思う。肩書きは違えど、僕らはフリーランスという意味では仲間なのだから。

とりあえず詳しい人に話を聞いてみる

さて、しかし、これまでがいい加減すぎて、ちゃんとやろうと思っても、何からはじめていいのかわからない。青色申告には節税効果があるとかないとか、その程度の知識だけだ。そんなときは、詳しい人の話を聞くのが一番。そう考えて向かったのは、東京は中野に事務所をかまえる「吉田信康税理士事務所」。まずは、「確定申告」とはどういう目的でするものなのか(あほすぎる質問といわないでください…)、そもそも白色申告と青色申告の違いは何なのか、そのあたりを率直に質問してみた。すると吉田先生は、素人まるだしの僕の質問に対して、気さくにこう答えてくれた。

吉田先生

今回お話をお聞きした税理士の吉田信康先生。親身になって相談に乗ってくれた。まず、確定申告をするのは納税のためで、個人事業主の義務ですね(笑)。会社員の場合は会社がやってくれますが、個人、つまりフリーランスの場合はご自分でやらなければならない。そこから、自分が国へ支払う税金が決定するわけです。あとは、自分が実際に稼いでいるお金が把握しやすくなったり、またそれによって今後の事業目的なんかも立てやすくなったりします。青色申告と白色申告の違いは、穴澤さんの場合、最大65万円の控除が受けられるというメリットでしょうね。ただ、青色申告はきちんと会計ソフトを使って、申告用の書類を作成する必要があります。

吉田先生

 青色申告白色申告
帳簿記帳記帳の義務あり記帳の義務なし。ただし、事業所得が300万円を超える場合には、記帳の義務が発生。
決算書の作成「損益計算書」「貸借対照表」「収支内訳書」
特典1.最高65万円の特別控除
※税金がかかる所得が65万円減り、その分の税額が下がる。

2.家族への給与の一部が必要経費になる。スタッフの給与は全額必要経費になる。

3.30万円までの減価償却資産について、減価償却の特例が受けられる。

4.赤字損失分を3年間繰り越しできる。
家族やスタッフの給与の一部が必要経費になる。

穴澤
へぇ…そういうことなんですね。何気なくやっていました。やっぱり65万円の控除は大きいですね。

吉田先生

だけどね、それだけが目的で青色申告をしても挫折しちゃいますよ。多くのみなさんは、自分で使ったお金が会社の経費なのか、プライベートのものなのか、わからなくなっていませんか?いちいち交通費を計算するのはめんどうだしね。だから皆さんそこで止まっちゃうんですよ。僕がいいたいのは、まず青色申告をする前の意気込みというのでしょうか。自分で商売をしているんだという意識ですね、まずはそれが大切だと思いますね。

穴澤
なるほど。ええ、たしかに以前無料ソフトでおこづかい帳をつけたことはあるけど、食費とか、外食代とか、どこまでが経費で、どこまでがプライベートなものなのか、さらにその名目をいちいちつけるのが面倒臭くて、一ヶ月でやめてしまった経験があるなぁ。そのとき学んだことといえば、一ヶ月の飲み代、及び酒代がとんでもない額だったということくらいだ。

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はじめての青色申告体験記

  1. 第一回 準備編
  2. 第二回 インストール編
  3. 第三回 取引入力編
  4. 第四回 決算編
  5. 最終回 提出編