登記完了後にもさまざまな手続きがある

無事に登記が完了して会社設立に至っても、さまざまな手続きを行わなければなりません。どのような書類を提出しなければならないのかについて、ここでは解説していきます。

事業開始前に必要な手続き

登記完了後、まず会社の口座開設を行う必要があります。売上の入金や支払いなどを行うことができるので、早速手続きに着手しましょう。また、口座開設のほかに行うべき手続きは4つあります。いずれにおいても、登記事項証明書の添付が必要なので、登記完了後に行うことになる手続きです。

  • 許認可関係の手続き(必要な業種のみ)
  • 創業融資の手続き
  • 税務関連の届出の提出
  • 労務関係の届出の提出

上記のなかで、注意が必要なのは「許認可関係の手続き」です。許可が下りるまでに時間を要するので、後回しにすると事業のスタートが大幅に遅れることもあります。飲食業やホテル業など許認可が必要な業種であれば、優先的に進めるようにしましょう。

「創業融資の手続き」も、設備資金や運転資金の面から、できるだけ迅速に進めたいところです。また、起業のタイミング次第では、創業補助金を公募していることも考えられます。そういった応募も手続きも併行して進めておくと、資金面で大きなバックアップにつながります。

創業融資については『創業融資のまとめ(日本政策金融公庫と自治体の制度融資)』を参照してください。

ビジネスはスピードが重要です。上記の書類手続きを迅速に行うことで、事業に集中する環境をいち早く獲得しましょう。

税務関連の書類手続き

税務関連において必要な届出は以下の通りです。

提出先 提出書類 提出する場合 提出期限
税務署 法人設立届出書 必須 会社設立の日から2か月以内
給与支払事務所等の開設届出書 給与を支払う場合 第1回給与支払日まで(役員報酬も含む)
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 源泉所得税の納期の特例を受ける場合 納期の特例を受ける月の初日の前日まで
青色申告の承認申請書 青色申告の承認を受ける場合 設立から3か月以内
消費税課税事業者選択届出書 消費税の課税事業者を選択する場合 設立第1期の終了日まで
消費税簡易課税制度選択届出書 消費税の簡易課税を選択する場合 設立第1期の終了日まで
都道府県税務事務所 法人設立届出書 必須 都道府県による
市町村(東京23区は不要) 法人設立届出書 必須 市町村による

税務関連の届出は、税務署・都道府県(各税務事務所)・市町村の3カ所に提出します。なかには、専門家の判断が必要なものもあるので、顧問税理士を立てて、事前に相談しておきましょう。

労務関連の書類手続き

労務関連において必要な届出は以下の通りです。

提出先 提出書類 提出する場合 提出期限
年金事務所 健康保険・厚生年金保険新規適用届 健康保険・厚生年金保険に加入する場合 健康保険・厚生年金保険に加入する日から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 健康保険・厚生年金保険に加入する場合 健康保険・厚生年金保険に加入する日から5日以内
健康保険被扶養者(異動)届 被保険者に扶養する者がいる場合 扶養に入る場合、できる限り早く
国民年金第3号被保険者資格取得届 被保険者に被扶養配偶者がいる場合 扶養に入る場合、できる限り早く
適用事業報告 従業員を1人でも使用するようになった場合 雇ってからできる限り早く
労働基準監督署 時間外労働及び休日労働に関する協定届 従業員に時間外労働をさせる場合 時間外・休日労働を行う前まで
労働保険関係成立届 従業員を1人でも使用するようになった場合 従業員を雇った日から10日以内
労働保険概算保険料申告書 従業員を使用するようになった場合 従業員を雇った日から50日以内
ハローワーク 雇用保険適用事業所設置届 雇用保険に加入する従業員を使用するようになった場合 従業員を雇った日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 雇用保険に加入する従業員を使用するようになった場合 従業員を雇った月の翌月10日まで

労務関連の届出は、いくつかの提出先があるので、整理しておきましょう。

まずは、年金事務所です。役員報酬を支払う場合や、従業員を雇用した場合には、健康保険・厚生年金保険に加入しなければなりません。その手続きのための、健康保険・厚生年金保険関連の書類は、年金事務所に提出することになります。

たとえ、雇った従業員がパートタイマー・アルバイトの場合でも、1日または1週間の労働時間と1カ月の所定労働日数が、ともに通常の労働者の4分の3以上あれば、健康保険・厚生年金保険への加入義務があります。書類手続きをしっかりと行いましょう。

そのほかに、労働基準監督署やハローワークなどに労務関連の届出を行うことがあります。従業員の雇用に伴う届出や労働保険料に関する書類は労働基準監督署に、雇用保険関連の書類についてはハローワークに届出を行います。

労働基準監督署に対しては、従業員を1人でも雇えば届出が必要ですが、雇用保険については、雇用保険の加入義務がある従業員を雇ったときだけハローワークへ届出を行います。

雇用保険は、正社員だけではなく、雇用期間31日以上で、週20時間以上働く(昼間部生は対象外)アルバイトやパートタイマーにも、加入する義務があります。会社設立時のメンバーをよく確認して、書類手続きに不備はないか十分に確認するようにしましょう。

中野 裕哲 なかの ひろあき
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。
年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。
著書・監修書に「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』新しいウィンドウで開く」、「図解 知識ゼロからはじめる起業の本 新しいウィンドウで開く」がある。
URL:http://v-spirits.com/ 新しいウィンドウで開く
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