弥生プレゼンテーション 弥生の今とこれから 弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎

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 弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎

弊社代表取締役社長 岡本浩一郎からは「弥生の今とこれから」というテーマでプレゼンテーションを行いました。
▲プレゼンテーションムービーはこちら

前半部は「弥生のこれまで」の振り返りとなり、ライブドア時代から2014年までの問題点の洗い出しと課題解決のために取った施策等について説明いたしました。弥生の目指すべきは顧客が達成したいことを手伝う「事業コンシェルジュ」であると明確にし、そのために行った努力とその結果としての売上100億円突破、さらには消費税率の引き上げへの対応からオリックスグループへの参画まで、内容は多岐に渡りました。

後半部は「弥生のこれから」についての展望となりました。弥生が創る未来、企業として達成したいこと、クラウドへの取り組み、新製品「弥生会計 オンライン」のスタート、会計業務の次のステージ、中小企業のために弥生が会計事務所と共に目指すこと等、会計ソフトの進化すべき方向をしっかり見定めつつ、会計事務所と真のパートナーとなり共に歩んで行きたいとの想いが語られました。

■ライブドア時代には急成長も、じつは問題山積

2004年度にライブドアグループに参画した弥生は、その後も順調に売上を伸ばしていきます。2004年度には66.3億円だった売上は、ライブドアグループから独立する2007年度には93.8億円と、右肩上がりに急成長しました。

しかし、売上100億円突破は目前のはずが、実際には問題が山積みでした。製品開発においては「できない」が口癖で、不具合も頻発していました。一方で、マーケティング/営業においては、「そもそも弥生のお客さまは誰なのだろう、どうやってリーチすればいいのだろう?」という有様で、マーケティングという概念がなかったのです。

2008年に社長に就任した岡本は、まず弥生の存在意義を明確にします。企業としてのミッション、ビジョン、バリューの明確化です。

■目指すべき姿は「事業コンシェルジュ」

弥生のビジョンとして、新たに掲げたキーワードは「事業コンシェルジュ」でした。「お客さまにとって、弥生会計は手段でしかない」ということに気づき、ソフトを提供して終わりではなく、顧客が達成したいことを手伝うことこそ、弥生のビジョンとしたのです。「お客さまの事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズにお応えする」ことを目指したのです。

ただし、すぐに結果につながることはなく、2008年度、2009年度と売上本数、売上金額共に減少していきます。

■努力は結実! 苦節5年でようやく売上100億円を突破

2011年1月に全面改良した弥生会計の主要機能「所得税の確定申告モジュール」は、最先端の技術を使い、申告書を見たままのイメージでの入力を可能にし、使い勝手を大幅に向上させた画期的なものでした。
課題の認識を行い、対応を明確化にしてきた成果が表われてきたのです。製品開発では「一貫したプロジェクト管理で品質の作り込み」を行い、マーケティング/営業においては、「マーケティングが出発点。お客様があって、マーケットがあって、そこにどうリーチしていくかの営業がある」という考え方を浸透させ、短期思考や個別最適ではなく、中期的な結果と全体最適を目指していきました。

こうした地道な努力の結果、2009年度までは下がっていた売上も、2010年度からは順調に伸び始め、2012年度には102.3億円と、岡本体制となって5年目にしてついに100億円の大台を突破しました。

■消費税率の引き上げとXP! 2014年は「危機」を「機会」に

17年ぶりに消費税率の引き上げが行われた2014年ですが、最終的に引き上げが確定したのは半年前の2013年10月1日でした。こうした中、開発の前倒しを行い、例年よりも早く10月14日に消費税引き上げに対応した新製品の発売を開始できました。開発力の強化が図られた成果です。
その際、8%と10%の二段階の税率引き上げという不確定要素に関しては、“あんしん”キャンペーンと銘打ち、あんしん保守サポートを新規購入者には最大15か月間無償で提供することにしました。

消費税率の引き上げだけでなく、Windows XPのサポート終了も重なりました。お問い合わせが大幅に増加することが予想されたため、札幌カスタマーセンターを増床し、サポート体制を強化しました。大阪カスタマーセンターと合わせて合計630席の体制とし、2014年通期では前期比1.43倍、125万件のお問い合わせに対応することができました。

これらの成果として、2014年度はマーケットシェアが一段と向上します。弥生会計の本数シェアは68.0%、金額シェアでは81.4%を獲得しました。会社全体の売上は、前年度の111.3億円から2014年度は162.0億円と大幅な増収増益を達成することになりました。

2014年12月にはオリックスグループの一員となることが発表されましたが、弥生は弥生でこれまでと変わりません。オリックスの金融の力と、弥生のテクノロジーの力でこれまでにないFinTechという新たな価値を提供することを目指しています。

■弥生のこれから~未来を予測することはできないが、創ることはできる

コンピューターテクノロジーの循環サイクルは、クラウドの登場により、分散の時代から再び中央集中の時代となりました。通信回線が飛躍的に向上する中で、データを中央に置くか分散させるかの選択では、中央に置く方が管理の効率性が良いのです。この「中央集中」は、時代の流れと考えています。

ただメインフレームのような過去の中央集中に先祖返りするのではありません。弥生はクラウド、PC、スマートデバイスを組み合わせることによって、使い勝手を犠牲にはせず、進化した中央集中を目指していきます。

未来を予測することはできませんが、創ることはできます。経営にも最初から決まった正解はありません。弥生は率先してクラウドを活用していきます。自ら進化すると同時に、時代の流れを創ろうと考えています。

さらに弥生が本当に達成したいのは、「会計業務の究極の効率化」です。

■会計ソフトによる「会計業務の究極の効率化」とは

会計ソフトが登場する以前の会計業務はすべて手作業によるものでした。会計ソフトはこれを大きく変えたことになります。弥生が考える究極の業務の効率化とは、その業務自体を要らなくすることです。会計ソフトの登場により、「転記と集計という業務においては究極の業務の効率化が実現」されたのです。手作業の時代を会計業務1.0とすると、会計ソフトは会計業務2.0の時代を創ったと言えるでしょう。

ただし、会計ソフトの誕生から30年以上が経ったいま、「果たして弥生は新たな価値を創ってきたのか」とも自問しています。そして、弥生は会計業務を新しいステージ会計業務3.0に進化させようと考えています。これを可能にするのが技術の進化、そして規制緩和です。

新しい業務効率化の例として以下の2つがあります。
1つ目は、電子帳簿保存法の改正に伴う証憑の電子化です。弥生では今年12月に予定しているOCR取込で証憑の読み取りと電子保存に対応、タイムスタンプを付与し電子保存できるようにします。

さらには入力の自動化です。昨年からスタートしたYAYOI SMART CONNECTを使い、さらなる利便性を追求していきます。

弥生の達成したいことは、クラウド化することではありません。クラウドは手段です。弥生が達成したいのは、会計業務を圧倒的に進化させて効率化することです。これからの弥生会計では証憑の整理から記帳、試算表、決算書作成までをすべて自動化していきます。

会計業務はさらなる進化へ-会計業務3.0-

■中小企業のために会計事務所の皆さまと弥生でできること

最後に、会計事務所の皆さまに対して、岡本からのメッセージが伝えられました。

弥生は、会計事務所の皆さまと共に、共通のお客さまである中小企業のお役に立ちたいと思っています。弥生は業務効率化のためのツールを提供していますが、お客さま一人ひとりに寄り添うことはできません。弥生はパートナーである会計事務所と共に事業コンシェルジュを目指していきます。
弥生は、今あらためて想いを共にする本当のパートナーとして、お客さまの未来を会計事務所の皆さんと「共創」していきたいと考えております。

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