独立してすぐに会計処理で困り青色申告会を訪問
県内有数のベッドタウンであり、商業地区としても大きく発展している千葉県の柏駅エリアで、焼肉店の経営にいどむ下町のカルビ屋本舗柏西口店。昭和レトロを意識したインテリアと、単価を押さえたメニュー構成で、若い客層に人気を得ている。「開業してやっと半年が過ぎたばかりで、確定申告も初めての経験だったので大変でした」。店長の森和也さんは、独立前までスポーツ用品販売会社に勤務しており、職場内の異動を契機に独立へ踏み出した熱意溢れる経営者だ。
「いずれは独立して何か自分で商売を始めたいと考えていたのですが、長年勤めていた店舗から本社の人事部へ移動したことが独立のきっかけでした」。もともと接客が好きで、入社以来ずっと店舗にたずさわっていたが、人事というまったく職種が異なる業務に就いたことが大きな理由だったと話す森店長。ノウハウが活かせるスポーツ用品店の経営も考えたが、個人経営では店独自の個性とセンスが求められる点に加え、仕入れが困難なこと、奥様の実家が飲食店だったことなどから、まったく異業種の焼肉店フランチャイズに挑戦し、独立を果たした。
さらに森店長は、大学時代に簿記の基礎を学んでいたことと、会社勤めの間にパソコン操作には慣れていたことから、当初、確定申告は市販の会計ソフトを購入して自分でやろうと考えていた。「フランチャイズ本社と契約している税理士の指導が受けられる予定だったのですが、それが難しくなりました。そこで実際の処理は、企業の経理部に勤めていた義兄から教わることにしたのですが、個人商店向けの処理はよくわからないという返事で、自力でやってみることにしました。ところが入力を始めようにも、何がどうなっているのかさっぱりわからないことが分かって、本当に困りました」。そこで柏青色申告会を訪問し、アドバイスを求めることになったという。
青色申告会のアドバイスでやよいの青色申告を導入
「青色申告会の存在は、妻の実家が飲食店を経営しており、青色申告会を使っていると教えられていましたので、知っていました」。市販の会計ソフトを使うなら「やよいの青色申告」と薦められ、購入した森店長は、その最初の印象を「以前の会計ソフトと比べると格段にわかりやすかったです。操作が楽だと感じました」と振り返る。
「青色申告会を訪問したのは12月の初頭だったため、まだそれほど混んでおらず、最初は2時間ほどかけて、どこに何を入力するなどをみっちり教えてもらいました。以後は、1ヶ月分の入力データを柏青色申告会へ持参し、処理内容の確認を受けるという形で進んだため、教えられた仕訳や操作を忘れてしまっても、もう1度しっかりと教えてもらえたので、徐々に無理なく覚えていけました」。気がつくと確定申告も無事に済んでいたと森店長は笑う。
下町のカルビ屋本舗柏西口店では、POSレジを使っているため、店の経営状態は日計や月計などのデータで確認できる。現在は、そのデータを月ごとにまとめ、時間があるときにやよいの青色申告へ入力するようになっている。「営業が24時までなので、帰宅は深夜になってしまいます。本当は毎日少しずつやる方が良いとわかっていますが、なかなか時間が作れません。でも、一度、確定申告を経験し、どのようなやり方で進めれば良いかわかりました」。経理の処理が分かったので、店の経営に専念できると森店長は話す。
独自のアイデアを活かして経営
下町のカルビ屋本舗柏西口店はフランチャイズだが、本部仕入れの肉と酒類の支払いを本部にするだけで、店舗毎の会計は個別に行える。また、店舗の内装はホウロウの看板を使うという取り決めがあるものの、基本的に自由なため、森店長のアイデアで、小学校のテスト問題やランドセルを飾るなど昭和レトロを強調し、駄菓子やおもちゃの販売も行っている。さらに肉の仕入れも、本部からのものとは別に、独自で行えている。
「BSEがそろそろ解禁されるだろうと思って焼肉店を始めたのですが、まだ先になってしまうようで、肉の値段が数倍に跳ね上がっています。やむをえず単価を上げましたが、極端に上げると今までのお客様が離れてしまうので難しいところですね。本部からの肉の配達は毎日ありますが、それとは別にいろいろと肉を仕入れています。人気がある牛タンなどは、BSEの影響や品薄で量が不足していますし、一番売れている豚カルビ肉も、地元の肉屋からの仕入れが難しいので、インターネットを利用するなど、工夫をしています」。柏駅周辺には5、6店ほど競合店があるものの、他店は和牛メインで単価が高い。
「うちは若い人がターゲットで、低価格でたくさん食べたい時に来る感じですね」。柏は学校がいくつかあるほか、単価の手頃さから時には高校生が来ることもあるという。こうした努力が実り、開店当初設定していた客単価は2500円前後だったが、現在は平均で3000円程度になっており、徐々に成果が上がっている。
「薄利多売ですから大変です」と話す森店長の笑顔は明るい。