PAPカンファレンスセミナー報告

NTTデータ 弥生 共催 会計業界「勝ち抜き戦略」セミナー

2009年7月14日(大阪/ハートンホール)、7月17日(東京/ベルサール神保町)にて株式会社NTTデータ弥生共催会計業界勝ち抜き戦略セミナーを開催いたしました。今回セミナーの事例の1つとして愛知県の税理士法人スマッシュ経営様をお招きし自身の体験談を元に「環境悪化の著しい愛知県。知立市№1事務所の取り組み」のご紹介をいただきました。
セミナーは全国各地から多数の会計事務所が参加され、大盛況のもと終了しました。

  • 税理士法人スマッシュ経営 事業開発部部長・税務4課統括部長 安田 敏明氏
    税理士法人スマッシュ経営
    事業開発部部長・税務4課統括部長 安田 敏明氏
  • セミナー会場内
    セミナー会場内
税理士法人 スマッシュ経営
事業開発部部長・
税務4課統括部長
安田 敏明
所在地 本社:愛知県知立市、名古屋オフィス(名古屋市)
設立 1978年(2002年 法人化)
顧問先 800社
職員数 55名

弥生導入までの経緯

事務所の所在地である愛知県知立市は豊田市に隣接した小さな市である。トヨタ自動車のお膝元とはいえ、土地面積が狭く、トヨタ関連企業が進出する余地はほとんどない。隣の刈谷市、安城市は事業者が増加していったが、知立市には大きな事業所はあまり無かった。昭和53年当時、既に知立市には会計事務所が数件開業しており、大手顧問先を新規で獲得するのは難しい状況であった。税理士法人スマッシュ経営は必然的に小規模事業者に特化した営業活動を展開していくことになる。事務所内業務を徹底的に標準化したことにより、月額顧問料を5,000円ほどに抑えることに成功した。安田敏明氏は「だが、それでも、待っていただけでは顧問先は増えなかったでしょう。同業者のネットワークを最大限利用し、他地域の事務所を紹介してもらい、見学させてもらいました。そこで積極的な営業活動を行っている会計事務所を目の当たりにして、考え方が変わりました。他事務所の営業手法を積極的に取り入れ、飛び込み営業も行っていました。おかげで税理士会からは随分怒られました(笑)。」ということである。また、既存顧問先を集めての運動会や、忘年会開催などのイベントを企画し、話題づくりを積極的に行っていた。「お客様同士での話題に出てくる、会計事務所を目指していた。」今で言う、「口コミ」を狙った活動である。

そうした営業が功を奏し、小規模企業以外の顧問先も徐々に増加していった。しかし、その反面、顧問先へ提供するサービスにバラツキが生じ、業務の標準化が崩れ、生産性の低下を招いていくことになる。こうした状況を改善する為、これまでの提供者視点から顧客視点へシフトし、提供サービスの内容を見直し、顧問先のニーズがない業務は整理した。また、顧問先数の増加に伴い、既存の"計算センター"を利用したシステムからオフコン(会計専用機)を導入することになった。平成13年、Windows95の登場に伴い、PCが普及し始めてきた。その当時、intuit(弥生の前身)のカンファレンスに参加した安田敏明氏は、弥生会計の従来のDOSシステムと違う、Windows画面に沿ったインターフェイスに新鮮な驚きを覚えたという。会計ソフトを利用したことがない顧問先にとっては、使い易く、導入が容易ではないかと直感した。また今後は、会計事務所からの推薦だけではなく、量販店などで独自に会計ソフトを購入し、自計化していく層が出てくるだろう、と予想し新規顧問先獲得のツールとして弥生会計の選択を決断した。当初は、従来のシステムに慣れ親しんでいた職員から反発があった。「弥生会計を使うと言ったら、職員から総スカンをくらいました(笑)」安田敏明氏は、既存の顧問先には薦めなくてもいい、新規顧問先拡大の為に利用してほしいと職員を説得した。

新規顧問先獲得の方法として、量販店店頭でのデモや説明会講師を積極的に引き受けるかわりに、事務所名を必ず告知してもらうようにした。店頭デモや説明会の来場者からの顧問契約を期待するのではなく、会計事務所名を積極的に露出させ、地域での知名度を向上させることが目的であった。

新規顧問先には弥生会計を導入するにしても、既存の会計システムもあり様々なシステムが混在することになる。それでは、どのように使い分けをしているのだろうか?「数が増えてくると標準化、ルールを作る、大きく分ければ記帳、自計となるでしょう。」自計化率は全体で4割、その中の6割は弥生が占めている。だが、記帳代行でも弥生会計を使用しているケースがある。オフコンの記帳代行の原則として、関与先に出納帳記帳をお願いしているが、例外的に記帳をしていない顧問先もある。そういう時は、手書きをするよりも早いので、職員が自分で打ち込んでしまうケースがある。」従来、オフコンは市販会計ソフトは違うというのが、一般的な常識であったが、法改正により摘要入力が厳しくなってくると、オフコンも市販会計ソフトもあまり変わらないというのが印象です。」

電子申告についてはどうだろうか?「立ち上がりは"計算センター"を利用していたが、達人キューブによる申告が徐々に増えています。弥生会計で作成した決算データを、達人シリーズに連動させれば、手作業が入らないことが影響しているのでしょう。」現在は個人で1,200ほどの確定申告があるという。

また今後の取り組みについては、「今後、中小企業は減少傾向になるだろう。これからも顧問先を獲得していくことに変わりはないが、15年ほど前から、個人資産家の税務的なフォローに取り組んでいます。具体的には、高齢層向けの趣味の会などを開催し、相談などを受けやすい環境を作り出せるような取り組みを始めています。」

今後は資産税部門にも、重点を置いていくということである。