給与の設定

個人事業主とは異なり、会社の場合は社長も役員報酬という形で業務の対価を受け取る点が挙げられます。当然、従業員を雇用していれば、給与の支払いも行わなければなりません。ここでは、どのように給与を設定すべきかのポイントを挙げていきます。

役員と従業員の給与の違い

役員報酬も従業員の給与も、ともに給与所得という点では同じですが、1点大きな違いが存在します。それが、役員報酬は原則として年度を通じて一定であり、変更は決算時の定時株主総会の1回だけという点です。役員報酬を変更するときは、税務上、定時株主総会議事録の形で決議内容をきちんと残し、議事録を保存することが必要です。

そのほかの違いは下記を参照してください。

役員 従業員
割増賃金(残業代) 適用なし 適用あり
健康保険・厚生年金保険 適用あり※1 適用あり※2
雇用保険・労災保険 適用なし 適用あり
最低賃金 適用なし 適用あり
日割り計算 できない できる
  • ※1
    非常勤役員で一定の場合は加入義務なし
  • ※2
    パートタイマー・アルバイトは1日または1週間の労働時間および1カ月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上あれば加入義務あり

給与金額を決め方

経営者の頭を悩ませるのが、給与金額の決め方です。役員報酬については、経営がひっぱくしないように無理のない範囲で定めましょう。起業直後は経営の安定が最優先ということを忘れないようにしましょう。

会社員から独立し、起業をする場合は、会社員時代の給与額と比較しないようにしましょう。無理に低く設定する必要もありませんが、計画通りにいくとは限りません、1年目の業績がよければ、2年目以降の役員報酬に反映させればよいことを念頭に入れておきましょう。

一方で、従業員の給料については、労働者保護の観点から考える必要があります。最低賃金や、8時間を超えた労働や深夜・休日労働に対する割増賃金など、さまざまな制度適用が必要です。また、売上が上がらないから給与を支給しないというわけにはいきませんから、事務所家賃などと同様に固定費として考える必要があります。

月給はなるべく低くして、業績に応じて賞与を手厚くすることもできます。仕入れや家賃、光熱費といった他の支払いとともにトータルで考えて、決めていきましょう。

中野 裕哲 なかの ひろあき
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。
年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。
著書・監修書に「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』新しいウィンドウで開く」、「図解 知識ゼロからはじめる起業の本 新しいウィンドウで開く」がある。
URL:http://v-spirits.com/ 新しいウィンドウで開く
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