『記帳代行支援サービス』で残業を大幅削減、職員の意識も向上

村松悟税理士事務所(愛知県西尾市)
代表 村松 悟さん

建設業や美容院などを中心とした地場の顧問先に、税務会計のほか財務戦略の策定や中長期的な資金繰り管理、金融機関対応(資金調達)などのサービスを提供している村松悟税理士事務所(愛知県西尾市)。記帳代行率が9割を超えている状況で、『記帳代行支援サービス』導入に至った背景や記帳代行業務に感じていた課題と解決方法について伺った。

導入前の課題

村松先生の事務所では、記帳代行業務をどのように提供していますか?

当事務所では、担当者がお客様ごとに書類の回収・入力・報告をすべて一人で行っています。入力に関しては、一部、パートの方に手伝ってもらうこともあります。また、お客様の9割に記帳代行を提供しており、確定申告期には1年分の資料をまとめてお預かりすることも多く、入力のボリュームがかなりあります。そのため、お恥ずかしながら、以前は平常時でもスタッフの退社時間が21時前後となり、確定申告期はさらに遅くまで残業していることもありました。

かなり残業が多かったとのことですが、これまでに業務改善に取り組まれたことはあったのですか?

データで資料を回収して効率化を図ろうと思い、お客様に協力をお願いしたことがありました。けれども、お客様にとってはこれまで紙の証憑を郵送するだけでよかったものを、わざわざスキャンをしてデータにして会計事務所に渡すメリットがなく、協力していただけるところはあまりありませんでした。

また、オンラインバンキングと会計ソフトを連携した記帳の自動化もご提案しましたが、オンラインバンキングを利用しているお客様も少なく、やはりこちらもわざわざ変更してくださるお客様がほとんどおらず、受け入れてはいただけませんでした。

そのため、良い解決策がみつからないまま、従来通り、紙で資料をお預かりするお客様がほとんどという状況で記帳代行を行っていました。

選んだきっかけ

今回、弥生の『記帳代行支援サービス』の導入を決めたポイントはありますか?

メインで使っている会計ソフトが弥生さんなので、同じく弥生さんの『記帳代行支援サービス』とは相性が良いと思っていました。無料体験プランで使い勝手を確認してみて、業務効率化の効果も見えたのですぐに導入を決めました。

比較したサービスはありますか?

他社さんの記帳代行サービスのお話も聞きましたが、当事務所は弥生会計の使用割合が高いこと、また、費用面も他社さんと比較しましたが、あまり差もなかったので、使い勝手の良さで弥生さんに決めました。

導入の手順や手間

初めはどのようなお客様から導入しましたか?

まずはスタッフに1、2社試してもらい、やり方や感触をつかんだ後、確定申告期に法人20件と個人の確定申告50件ほど一気に導入しました。今後は、すべての法人顧客へ導入していこうと考えています。

『記帳代行支援サービス』を導入するとき気になる点はありましたか?

利用する前は学習機能がどれぐらい働くのか不安もあり、たくさん頼んでも無駄になってしまうかもしれないとも考え、通帳1枚だけを試してみるなど少しずつ進めていきました。

しかし、使い始めてみると学習機能が非常に高いことがすぐにわかり、どんどん活用するようになりました。

導入時に苦労した点はありましたか?

導入当初は、どんな細かい相談でも弥生さんの営業担当の方が毎日のように電話でサポートしてくれて、特に苦労したことはありません。私もスタッフも毎日のように弥生さんに電話をしていましたが、とても丁寧にサポートいただけました。

『記帳代行支援サービス』を導入して、お客様との資料のやり取りなど、業務の流れに何か変化はありましたか?

お客様はこれまで通り毎月の資料を当事務所に渡すだけなので、特に気にされてはいません。所内の業務もスキャンをするだけですし、以前より早く数字を報告できるようになったので、お客様にも好意的に受け止めていただいています。

導入後の成果

『記帳代行支援サービス』導入後は何か変化はありましたか?

お客様に早く試算表を届けられるようになったことに加えて、スタッフの残業時間を大きく削減することができました。これまで21時まで残業していたのが、担当顧客の決算が集中している月でなければ19時前には帰社できるようになり、早く帰れるようになったとみな喜んでいます。

また、『記帳代行支援サービス』を導入してから、スタッフの時間の使い方や仕事への姿勢も変わってきたように感じています。効率を考えるようになった人、空いた時間に勉強する人、お客様への対応時間を増やす人も出てきており、良い影響がありました。

使ってみた印象と感想

『記帳代行支援サービス』を使い始めたときの印象はいかがでしたか?

サービスを導入したのは昨年(2020年)の夏※ですが、実は春にも一度導入を検討した時期がありました。当時はスタッフから「自分で入力しないと中身が分からないから嫌」という反応が多く、抵抗が強くて断念しました。

その後、あらためて弥生さんの営業担当の方から無料体験プランが利用できると連絡をいただき、今度は導入することを前提としてなかば私の一存で話を進めていきました。

スタッフの反応は気になったものの、実際に使ってみたところスタッフからも大変評判が良く、もっと早く入れておけば良かったという声もあがってきました。

  • サービス開始前のベータ期間から利用

サービスは、通帳やレシートなど、お客様から預かる資料すべてに利用していますか?

カード明細、通帳や当座勘定照合表にも利用しています。カード明細は、表記は見やすく単純ですが、入力に手間がかかるので利用したほうが良いと思っています。

一方、現金払いの領収書には利用せずに手入力を行っています。領収書も読み込ませたらどうかとスタッフと相談したこともあるのですが、年に1度まとめて領収書を預かる場合、スキャンが大量になるため手入力より時間がかかる印象がありました。

そこで、実際に、スキャンする場合と、会計ソフトに直接入力する場合と、Excelに打ってスマート取引取込を使って取り込む場合の3つを比較してみましたが、会計ソフトへの直接入力とExcelを利用した場合の方が早かったので、領収書については利用しないこととしました。ただ、それでも時間短縮の効果はかなり上がっています。

成果物の品質についてはいかがでしたか?

初回のお客様を取り込むときは多少の設定も必要で手間はありますが、2回目以降は学習機能が効いているので特に苦労はありませんでした。

導入する前にスタッフの方々から挙がっていた「自分で入力しないと中身が分からない」という声に関してはいかがでしたか?

導入してみると特に問題はなさそうです。

確かに自分で入力することでよくわかる部分もあるとは思いますが、それではいつまでも労力がかかってしまいますし、そもそも「出来上がったものを見る力」はこの業界では大切な要素です。

『記帳代行支援サービス』を利用するようになり、スタッフのそういった力も以前よりついてきたと思います。

『記帳代行支援サービス』の料金についてはいかがですか?

『記帳代行支援サービス』を利用することで、弥生さんへの料金が発生しますが、利用していなければスタッフの残業代や繁忙期に雇うアルバイトの人件費がかかりますので、料金がかかること自体は気になっていません。

もちろん、より安ければ安いほど嬉しいですが、年間トータルで見ると、許容範囲内に収まっていると感じています。

これから導入する方へ

『記帳代行支援サービス』を導入して時間に余裕ができたということですが、今後の展望はありますか?

今後は、法人顧客については、特殊法人を除いて、全件に導入したいと考えています。

また、内部処理班と担当班に分けた製販分離を行い、内部処理班がすべての記帳代行を担当する体制にしたいと思っています。担当が代わっても分からないことがないよう、属人化しない体制づくりを目指しているところです。

導入を検討している会計事務所の皆様に向けて、メッセージをお願いします。

付加価値業務をとりいれたいと考えている事務所の皆様には、導入していただくのが良いと思います。

スキャンしてから仕訳データの納品まで1営業日のため、そこにスキマ時間ができます。この時間を付加価値業務などに活用すれば、間違いなく効率は上がるのではないでしょうか。

村松悟税理士事務所

代表者
村松 悟
所在
愛知県西尾市
設立
2007年1月
従業員数
9人
記帳代行支援サービス利用開始時期 2020年8月(ベータ期間含む)
サービスの方針 原則としてお客様に定期的に訪問する(訪問頻度はお客様との契約による。)
訪問時には資料を回収し相談にのる(特に資金繰り、財務に関する相談は多い)
事務所経営における方針 中小企業の財務部長的な立場で相談業務に比重を置く
業務を標準化して残業時間を削減する

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