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資金調達の種類

2019/05/13

資金調達の方法がどれくらいあるのかご存知でしょうか。誰もが知っている代表的な方法は、「融資」「補助金、助成金」「出資」くらいでしょう。以下に資金調達の種類をまとめておきましたので、目を通してみてください。中小企業は、これらの方法を活用して資金調達、資金繰りをしていかなければなりません。

図表 資金調達の種類、全体像
大分類 内容
融資
  • 親兄弟、親族、親類等からの借入
  • 日本政策金融公庫からの融資
  • 信用保証付きの融資(貸し手は金融機関)
  • 民間金融機関からのプロパー融資等
  • ノンバンク等からの融資
など
補助金
助成金
  • 研究開発系の補助金・助成金
    (⇒経済産業省など)
  • 人材/能力開発系の補助金・助成金
    (⇒厚生労働省など)
  • その他、自治体などが実施する補助金、助成金
など
出資、社債等
  • 投資育成株式会社、VCからの資金調達
  • 個人投資家からの資金調達
  • 少人数私募集債による資金調達
など
中小企業支援法の承認
  • 中小企業等経営強化法による保証枠拡大等
    (経営革新計画、新連携計画、経営力向上計画など)
その他
  • 保険の活用(解約、及び契約者貸付)
  • 共済などの活用
    (小規模企業共済制度、中小企業倒産防止共済制度)
  • 農協
  • ファクタリング
  • クラウドファンディング
  • ICOなど

融資について

融資とは、資金を借りる(借入れをする)ことをいいます。融資を受けたら返済しなければなりません。また利息も支払わなければなりません。企業は政府系金融機関、都市銀行、地方銀行、信用信金、信用組合から融資を受けることになります。それ以外にも、親兄弟、親族、親類等から資金を借りるのも融資(借入)の一つです。

政府系金融機関は、主に日本政策金融公庫になります。企業規模が大きくなれば、商工組合中央金庫などもありますが、小規模・中小企業においては日本政策金融公庫(国民生活事業)が主な窓口になります。

都市銀行、地方銀行、信用信金、信用組合から初めて融資を受ける場合は、基本的に「信用保証協会」からの債務保証を受ける必要があります。いわゆる「信用保証付き融資」と呼ばれているスキームです。信用保証協会独自の制度と自治体が主体となって実施している制度があります。

また、都市銀行、地方銀行、信用信金、信用組合などの「民間金融機関」以外にも、いわゆるノンバンクと呼ばれている「金融会社」があります。ノンバンクとは、「預金業務を行わずに融資などを行う金融会社」のことをいいます。ノンバンクと闇金(悪徳金融)を同一視しないようにしてください。確かに銀行と比較すると高金利ですが、計画的に利用すれば問題ありません。

補助金、助成金について

国や地方自治体、財団などから中小企業向けに支給されている原則「返済不要な資金」、それが補助金や助成金です。補助金・助成金には、経済産業省が管轄する技術開発や研究開発費を対象にするものと、厚生労働省が管轄する人件費や人材育成を対象に支給されるものの、大きく2つに分けられます。また、経済産業省系の制度を「補助金」、厚生労働省系の制度を「助成金」と定義するという見方もあるようです。

補助金、助成金と融資の違いは、返済義務があるかどうか。という点です。融資は返済義務がありますが、補助金、助成金は原則として返済不要です。また、融資の場合は審査に通れば、直ぐに資金提供がされますが、補助金、助成金の場合は、一定期間(補助対象期間)が経過した後に支給されることになります。制度によって異なりますが、およそ半年後や一年後の支給になります。

出資、社債等について

出資とは、個人投資家やベンチャーキャピタル(VC)から資金を提供してもらうことをいいます。また、投資事業を行っているのはVCばかりではなく、政策実施機関である「中小企業投資育成株式会社」などもあります。

具体的には株主になってもらう形式で資金提供を受けることになります。また、出資とは異なりますが、企業が社債を発行して、個人投資家やベンチャーキャピタルに引き受けてもらう形式で資金提供を受ける方法もあります。小規模企業においては、少人数私募債という方法もあります。

出資と融資の違いは、原則として出資には返済義務がありません。しかしながら、株主となりますので、出資比率によっては経営権の問題が発生します。また利息の支払いはありませんが、配当金などを支払う必要があるケースもあります。

なお、出資を受けるには、相当のリターンが望める事業モデルである必要があります。また、これから創業する方、創業して数年の小規模事業者においては、出資を期待するのは、基本的には困難だと言わざるを得ません。やはり、創業当初や小規模事業の場合においては、融資を中心とした資金調達を第一に検討することになるでしょう。

中小企業支援法の承認について

中小企業支援法で特にお勧めなのは、「中小企業等経営強化法」です。信用保証付きの融資には保証限度枠(例:無担保保証枠8,000万円)が設定されていますが、事業計画書を作成して支援法の承認を受けることで融資枠が倍増します(別枠化)。しかしながら、保証枠が増えたからといって、融資が約束されるものではありません。金融機関の審査に通らなければ、融資を受けることはできません。

その他の資金調達方法について

融資、補助金、助成金、出資以外にも資金調達方法はあります。

まずは「保険、共済」についてですが、これらは解約すれば資金になります。解約しなくても契約者貸付という制度も利用可能です。共済には、小規模企業共済制度、中小企業倒産防止共済制度などがあります。

次に「農協」ですが、これも立派な金融機関です。農業従事者ばかりでなく、一般事業者向けの融資を実施している窓口もありますので確認されてみてください。

「ファクタリング (factoring)」は売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスのことをいいます。つまり、企業が保有している売掛金をファクタリング会社が買い取ることにより、企業に資金を提供するスキームのことです。悪質な業者が増加しているとの声もありますので、利用する場合は慎重に判断するようにしてください。

「クラウドファンディング(Crowdfunding)」は、アイデアやプロジェクトを持つ起案者が、インターネットを通じて、共感した人から広く資金を集める方法だといえるでしょう。不特定多数の人にプロジェクトを公開し、基本的には特典の提供を条件に、資金を提供してもらいます。

最後に「ICO」とは「Initial Coin Offering(イニシャルコインオファリング)」の略称で、「新規仮想通貨公開」などと訳されています。企業が「トークン」と呼ばれる独自の仮想通貨を発行します。そして、そのトークンを世界中の投資家に購入してもらうことで資金調達をするというスキームになります。色々な問題、課題等が山積していて、行政も注視しています。

著者:吉田 学(財務・資金調達コンサルタント)

株式会社MBSコンサルティング代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。
主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。

また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。

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