資金調達ナビ

認定支援機関とは(2)

2020/04/08

認定支援機関に相談をするメリットとは?
どういった施策を利用することができるのか

認定支援機関に相談をするメリットは、認定支援機関からの指導を受けることが必須とされている公的施策がある、という点です。他にも、専門家から経営指導を受けることができる点もあげられます。

たとえば、先端設備等導入計画(生産性向上特別措置法)、法人版事業承継税制(経営承継円滑化法)、個人版事業承継税制(経営承継円滑化法)、事業承継・集約・活性化支援資金融資事業、事業承継補助金、ものづくり・商業・サービス等補助金、経営改善計画策定支援事業、早期経営改善計画策定支援事業、中小企業経営力強化資金、経営力強化保証制度、企業再建資金(企業再生貸付制度)、商業・サービス業・農林水産業活性化税制などがあります。(※一部必須でない制度もあります。)

事業者がこれらすべてを把握するのは大変かと思われますので、「資金調達」に関する特に利用しやすい制度を以下にまとめました。

お勧めの資金調達関連の公的施策制度

制度名称 内容
事業承継補助金 新しいウィンドウで開く 事業承継・世代交代を契機として、経営革新や事業転換に取り組む中小企業に対し、認定支援機関の助力を得て行う設備投資・販路拡大・既存事業の廃業等に必要な経費を支援する補助制度
ものづくり・商業・サービス等補助金 新しいウィンドウで開く 中小企業・小規模事業者が認定支援機関と連携して、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助制度
中小企業経営力強化資金 新しいウィンドウで開く 創業又は経営多角化・事業転換等による新たな事業活動への挑戦を行う中小企業であって、認定支援機関の支援を受ける事業者を対象とする日本政策金融公庫の融資制度

これら、「事業承継補助金」「ものづくり・商業・サービス等補助金」「中小企業経営力強化資金」の3つについては、資金調達に関する施策ですので、特にお勧めします。

また、資金調達施策ではありませんが、「経営改善計画策定支援事業」「早期経営改善計画策定支援事業」については、業績が悪化して、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えてしまった中小企業などを対象としている制度です。

「経営改善計画策定支援事業」は、計画策定に係る費用について上限200万円の補助、「早期経営改善計画策定支援事業」については上限20万円の補助を受けることができます。なお、「早期経営改善計画策定支援事業」については、業績などが悪化する前に、平常時から資金繰り管理や採算管理が行えるよう支援を行う施策です。よって、比較的支援も受けやすくなっているので認定支援機関に相談してみてください。

「中小企業経営力強化資金」の詳細

資金調達施策の中で、是非とも知ってほしい制度が「中小企業経営力強化資金」です。本制度は、日本政策金融公庫の数ある制度の中でも、認定支援機関の指導を必要とするために比較的審査がやや緩い傾向があります。直近の傾向として、徐々に審査基準が厳しくなっている感はありますが、それでもやはり利用しやすいといえるでしょう。

また、申請支援の実務経験のない顧問税理士さんでも、比較的取り組みやすい制度です。必要に応じてご相談してみてください。

中小企業経営力強化資金

ご利用いただける方 次のすべてに当てはまる方
  • 1.
    経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
  • 2.
    自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
資金のお使いみち 「ご利用いただける方」に該当する方が、事業計画の実施のために必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
ご返済期間 設備資金 20年以内
<うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内
<うち据置期間2年以内>
利率(年)
  • 1.
    融資限度額のうち2,000万円以内で無担保・無保証人にてご利用いただく方[特別利率S 新しいウィンドウで開く
    ただし、「中小企業の会計」(注)を適用している方または適用を予定している方は、[特別利率S 新しいウィンドウで開く-0.1%]
  • 2.
    前1以外の方[基準利率 新しいウィンドウで開く]
    「中小企業の会計」(注)を適用している方または適用を予定している方は、[基準利率 新しいウィンドウで開く-0.1%]
担保・保証人 お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。
融資条件など
  • ご利用いただける方に該当される方は、「借主が策定した事業計画期間内において、年1回以上、事業計画進捗状況を公庫に報告すること。」がご利用者の要件です。
  • 上記ご利用者の要件を満たさなくなったことが判明した場合、期限の利益を喪失することになり、繰上償還となります。

出典:中小企業経営力強化資金の概要 新しいウィンドウで開く(2020年3月現在データ)

ポイントは、「融資限度額のうち2,000万円以内なら無担保・無保証人で利用することができる」ということです。また、創業時にも利用することができ、自己資金の基準も特に示されていません。(現実的には自己資金は必要資金の1/3を用意しておくと審査基準がやや緩くなる傾向があります。)

また、「中小企業の会計に関する指針」および「中小企業の会計に関する基本要領」などを適用していると低利率で利用できる場合もあります。

なお、「策定した事業計画期間内において、年1回以上、事業計画進捗状況を公庫に報告すること」、また、「利用者の要件を満たさなくなったことが判明した場合、期限の利益を喪失することになり繰上償還しなければならない」などの条件もありますので、注意が必要です。

  • 期限の利益とは、「取り決められた期限が来る前に返済を請求されない権利」のことをいいます。債務者(事業者)に「期限の利益」があると、債権者(金融機関)は、支払期限が到来する前に債務の支払を請求することはできません。債務者(事業者)が期限の利益を失ったら、債権者(金融機関)は、ただちに全額を債務者(事業者)に請求できるようになります。

著者:吉田 学(財務・資金調達コンサルタント)

株式会社MBSコンサルティング代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。
主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。

また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。