資金調達ナビ

全国の中小企業の資金調達の支援に全力を注いでいます

OneWorld税理士法人
公認会計士・税理士 大野修平様

企業の経理や財務のサポート業務を中心に、財務戦略や資金調達のコンサルティングなど、高付加価値業務も得意にしているOneWorld税理士法人(東京・中央区、代表社員=小野敏人公認会計士・税理士)は、最新のクラウドソフトやAIサービスを積極的に導入するなど、先鋭的な事務所運営をしている。
今回は、公認会計士・税理士でパートナーの大野修平先生にお時間をいただき、資金調達支援への取組についてお考えをお伺いした。

経営者が何でも相談できる税理士法人

事務所の特徴を教えてください。

大野:

私どもは、中小企業の夢を叶えるプラットフォームになることを目指しています。そのためにも事務所の規模拡大は重要な戦略の一つで、目標は各都道府県に1事務所を構えること。現在は、東京のほか名古屋と福岡にも拠点があります。30代の若手公認会計士・税理士が集り2018年4月に法人化しました。

顧問先にはアーリーステージの企業が多いですか。

大野:

顧問先には若い社長が多いです。だからと言って、アーリーステージの企業が多いわけではありません。創業2代目、3代目の若社長もいます。
そういう歴史ある企業は、先代の社長が選んだ税理士に見てもらっていることが多く、その税理士が事業承継できないなどの理由があると、新しい税理士事務所を探すことになります。そのタイミングで、私どもと顧問契約していただいております。

どのように顧問先を増やしてこられましたか。

大野:

ほぼ全ての顧問先が紹介です。
私は「いいサービスを提供していれば、必ず口コミで広まる」と考えています。 そうして、少しずつ顧問先を増やしてきました。

事務所の強みは何ですか。

大野:

税務顧問としての仕事はもちろん、顧問先のキャッシュにもしっかり目を光らせています。1~2年の資金繰りを予測して「売上を上げましょう」「人材を獲得しましょう」と、税務以外の仕事もどんどんサポートしています。 やはり、経営者にとって相談しやすい存在が税理士事務所ですから。
そうした経営者の幅広い相談に対応するために大切なことは、幅広く基本的な知識を身につけ、初動を間違えないようにすることだと考えています。そのため、定期的に勉強会を開催し、ストックオプションやエクイティファイナンス、経営戦略などについて勉強しています。

中小企業の資金調達をサポート

資金調達コンサルティングに力を入れていますが、なぜですか?

大野:

多くの経営者が資金調達に頭を悩ませています。ときに資金調達は、経営者にとって死活問題につながります。そのため「その人たちを助けたい」という思いがあります。税理士は、税務申告は完璧に仕事してあたりまえですが、資金調達は諦めていたお客さんから感謝される仕事。そこにやり甲斐を感じています。現在、私の業務のほとんどが資金調達支援です。全国の中小企業の資金調達の支援に全力を注いでいます。

どのような活動をしていますか。

大野:

お客様との接点として、資金調達のセミナーを月に15回~20回ほど開催しています。それを成功させるためには集客しなければいけませんので、事務所メンバーでランディングページを制作したり、 SNS広告を運用したりと、何でもやります。そうやって自分たちで実際に関わってみることで、さきほど申し上げた「初動を間違えないコンサルティング」ができると思っています。

どのような内容のセミナーを開催していますか。

大野:

セミナーでは、資金繰りの大切さ、金融機関との関係構築の方法などを具体的にお話しています。セミナーを受講された方の中から、私達の支援が必要な方について支援を行っています。
支援の際には、まず、経営者の方に、どんなビジネスをやっているのかヒアリングをします。これが事業計画の基礎となります。そこから、2時間ほどかけて経営者自らに頭をひねってもらい、5年分の事業計画書を作成してもらいます。損益計算書と資金繰り表の2つが完成したら、金融機関が見やすいように仕上げます。ここまで真剣に取り組んだ経営者は「◯年◯月に計上されているこの広告費は何ですか」と聞くと直ぐに応えられるようになります。

損益計算書と資金繰り表を作成することが重要だとお考えですか。

大野:

そうです。中小企業の経営者は借り入れ先のことばかり考えていますが、「どれくらい借りられると思いますか」と聞くと、ほとんど答えられません。私の考えでは、借りられる金額の最大値はその人が返せる金額です。もちろん最大値まで借りることが良いとは思いません。とはいえ、適切な借入水準というのはゼロと最大値の間のどこかにあるわけですから、最大値を知ることは重要です。
借りられる最大値=返せる最大値ですから、もし経営者の方から「借りられる金額っていくらですか?」と聞かれても、それは経営者しか答えられません。それぞれのビジネスによってどれくらい返済できるかは違うはずですので。そうすると、返せる金額をどう証明するのかが重要で、だからこそ事業計画書と資金繰り表が必要になるのです。
具体的な資料を作成して、それを金融機関に提出します。私達がお手伝いしている融資支援は、無担保、経営者保証無し、低金利という特別な制度を利用しています。将来の計画性をしっかりアピールすればそういう条件で借りることができるのです。そうした借入を国も後押ししてくれていますので、制度を積極的に利用するために準備を整えるということです。

スタートアップも銀行からの融資が可能

スタートアップ企業が銀行から融資を受けるのはかなりハードルが高いと思いますが。

大野:

そう考える人は多いですが、ポイントをつかめば大丈夫です。エンジェル投資家から1~2千万円の出資をうけているようなシード期のスタートアップ企業でも銀行からお金を借りられます。エンジェル投資家やベンチャーキャピタル(VC)、スタートアップの経営者たちはエクイティ・ファイナンス(資本金での資金調達)について詳しいですが、デット・ファイナンス(借入による資金調達)についてはあまり詳しくなく、経営者の中には「スタートアップだからお金を借りられない」と諦めている人が多いようです。

銀行をどのように説得できますか。

大野:

説得と言うよりは、見せ方の問題だと思います。2つのポイントがあります。
1つ目は、そもそも日本のスタートアップ企業への投資がハイリスクハイリターンではないということを金融機関にも分かってもらうということです。日本のスタートアップ企業のビジネスといえば、良くも悪くも堅実だと思います。 スタートアップとはいえその多くは、紙の業務をデジタル化させたり、手作業をAI化させたりと、従来のやり方を変えるものです。Facebookのように市場をゼロから作り上げるような画期的でハイリスクハイリターンのビジネスを生み出そうとするような企業は多くありません。
2つ目は、日本のスタートアップ企業には優秀な人達が集まっているということです。それぞれの人が各分野の専門家です。中にはその分野の第一人者のような方たちもいます。そうしたスタートアップ企業の話を詳しく聞いてみると、メーンのビジネス以外にちゃんと請負業などで稼げているんです。 例えば、システムの受託開発で毎月100万円ほど安定的にを稼いでいたり、コンサルティングで月30万円の収入があったりします。スタートアップ企業が行うピッチの多くは、エクイティ・ファイナンスにチューンナップされていますので、そうした実態がうまく表現されていないことがあります。しかし、金融機関にとってはメーンのビジネスのJカーブよりも、そういった地道な売上計上のほうが知りたいことが多いので、そのことを計画書にしっかり入れてしまえば、金融機関にとってもリスクの低い貸出先となり、安心してお金を貸してくれやすくなります。

資金調達方法をどう選べばよいか

最近は、さまざま資金調達方法がありますが、どう選べばよいでしょうか。

大野:

融資条件や企業の状況を総合的に考えながら、ケースバイケースで対応していくしかありません。たとえば、保証協会の何十周年記念などで「保証額を倍にするキャンペーン」を実施していることがあります。そうしたタイミングにあえば、その利用を積極的に考えるべきでしょうし、資金調達に関する時間的余裕があるのであれば、自治体の制度融資などをじっくり攻めて良い条件を引き出すべきでしょう。
資金調達の支援はお客様のニーズに合わせたカードをどれくらい切れるかが肝ですので、私達はそうした情報の収集を積極的にやっています。例えば、日本政策金融公庫と商工中金、中小企業庁、中小機構のホームページについては1日1回必ず確認しています。
資金調達支援サービスは、常に新しい情報を仕入れ、磨きを掛けておく必要があります。ビジネスモデルの構築からお手伝いして、「融資はこうしよう」「この補助金を活用しましょう」と、総合的な支援をできる事務所にならなくてはならないと思っています。