M&Aの手数料や成功報酬はどれくらい?仲介会社に支払う費用相場を解説

2024/01/04更新

M&Aを進める際には、仲介業務などのサポートを行うM&A仲介会社や専門家などに依頼して進めることが一般的です。そのため、企業を買収するにあたっては、株式譲渡の金額だけでなく、M&A仲介会社に支払う手数料なども必要になります。では、M&Aを進めるうえで、どれくらいの手数料がかかるのでしょうか?
ここでは、M&Aにかかる手数料の内訳とその費用相場を解説します。

M&Aにかかる手数料(報酬)とは?

M&Aで企業を買収する際にかかる手数料には、M&A仲介会社、専門家への相談料や契約した際の着手金などがあり、手数料率や支払うタイミングもそれぞれ異なります。どのタイミングでどの手数料が発生するかは、M&A仲介会社との契約次第で決まるため、事前に確認しておくことが大切です。

買手がM&A仲介会社や専門家に支払う手数料の項目は以下の表のとおりです。

買手がM&A仲介会社や専門家に支払う手数料の項目

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間報酬
  • デューデリジェンス費用
  • 成功報酬費用
  • リテイナーフィー(月額固定料)

M&A仲介会社は、売手と買手の双方とM&Aが円滑に進むよう支援を行うM&A仲介契約を結び、M&Aの成立をサポートしますが、ここでは、買手がM&A仲介会社に依頼した場合にかかる手数料の項目を見ていきましょう。なお、M&A案件の規模によって費用相場は変わるため、あくまで目安の金額になります。

1 相談料

相談料は、正式な依頼を行う前に、M&A仲介会社に相談した際にかかる費用のことです。一般的には、無料相談としていることが多いですが、中には数万円程度の相談料がかかることがあります。トラブルを避けるためにも、M&A仲介会社に相談する前に相談料はいくらかかるのかを確認しておくことが必要です。

2 着手金

着手金は、M&A仲介会社と業務委託契約を締結する際に支払う手数料のことです。M&A仲介会社によっては無料の場合もありますが、費用相場は50万~200万円程度と案件の規模によっても幅があります。なお、着手金は、たとえM&Aが成約しなかったとしても返金されません。

3 中間報酬

中間報酬は、買手と売手が意向表明書/基本合意書を締結した時点で支払うものです。M&A仲介会社によっては不要の場合もありますが、基本的には、成功報酬の10~20%分の金額を前払いし、M&Aが成約すると、成功報酬の支払時に中間報酬分の金額が差し引かれます。ただし、M&Aが成約しなかったとしても中間報酬は返金されないことが一般的です。

M&Aの流れについては、こちらの記事もご参照ください。

M&Aの流れ・フローとは?買手が行う手続きの手順や進め方、注意点を解説

4 デューデリジェンス費用

デューデリジェンスとは、財務・税務・法務・労務など、あらゆる側面から会社の実態を調査する企業監査のことです。買手にとってデューデリジェンスは、買収先企業の価値やリスクを正しく把握するうえで欠かかせません。デューデリジェンスは、幅広い分野の専門知識が必要となるので、弁護士や公認会計士、税理士などの専門家に依頼することが一般的で、この専門家に支払う報酬がデューデリジェンス費用です。関わる専門家の人数や稼働時間、案件規模によって違いはありますが、中規模企業が会計、財務、法務その他全般にわたってデューデリジェンスを実施する場合、費用相場は200~300万円程度が目安です。

5 成功報酬

成功報酬は、M&Aの最終契約締結後に支払う費用のことです。一般的には、取引金額を元に「レーマン方式」という方法で手数料率を算出します。
レーマン方式とは、取引金額に応じて手数料が変動する計算方式で、取引金額が大きくなればなるほど手数料の割合が下がる仕組みになっています。ただし、レーマン方式で基準となる取引金額は、株式譲渡価格(株式価額)の他、移動総資産(株式価額+負債総額)や企業価値(株式価額+有利子負債)を指す場合もありますので、契約する際に注意が必要です。一般的なレーマン方式による手数料率は以下のとおりです。

レーマン方式による手数料率(例)

取引金額 手数料率
取引金額が5千万円までの部分 10%
取引金額が5千万円超、1億円までの部分 5%
取引金額が1億円超、5億円までの部分 4%
取引金額が5億円超、10億円までの部分 3%
取引金額が10億円超の部分 2%

例えば、取引金額が7億円の場合は以下のようになります。

取引金額7億円の場合のレーマン方式による手数料率

  • 5千万円(5千万円までの部分)×10%=500万円
  • 5千万円(5千万円超、1億円までの部分)×5%=250万円
  • 4億円(1億円超、5億円までの部分)×4%=1,600万円
  • 2億円(5億円超、10億円までの部分)×3%=600万円

250万円+200万円+1,200万円+400万円=2,950万円

6 リテイナーフィー(月額固定料)

リテイナーフィー(月額固定料)は、M&Aが成立するまでM&A仲介会社に毎月支払う業務委託料です。必要になるかどうかはケースバイケースで、成功報酬に含まれることもあります。なお、リテイナーフィーは、M&A案件が成立するまで毎月かかります。M&Aは成立するまで1年以上かかることは珍しくなく、長引くと高額になってしまうことに注意が必要です。

中小企業のM&A案件を探す方法

M&Aにかかる手数料は案件の規模によって異なりますが、多くの費用がかかります。費用をなるべく抑えて中小規模のM&A案件を探すには、M&Aのマッチングサービスの活用がおすすめです。例えば、相手探しができるマッチングサービス「弥生のあんしんM&A 新規タブで開く」ならご登録無料で、マッチング成立時に30万円のサービス利用料のみとなっています。なお、専門家との契約にかかる費用は内容に応じて別途必要です。

「弥生のあんしんM&A」は、小規模案件を中心としていますので、これから事業を始めたい個人の方や、これから事業を拡大したい方、事業承継をしたい経営者の方、コロナ禍をチャンスに変えて事業の多角化を目指したい方にもぴったりです。

弥生のあんしんM&Aの主な特徴

  • 「弥生のあんしんM&A」の登録料は無料
  • マッチング成立時の手数料(買手企業のみ)は1件につき30万円
  • 弥生の認定する税理士・会計士(弥生PAP会員)がM&Aの取引をサポート
  • 掲載案件は中小企業の小規模案件が中心

中小規模のM&A案件はマッチングサービスを活用しよう

M&A仲介会社を利用してM&Aを行う場合、着手金や中間報酬、成功報酬などさまざまな費用がかかります。また、案件規模によっては取り扱っていない場合がありますので、小規模のM&A案件の場合は「弥生のあんしんM&A 新規タブで開く」などのM&Aマッチングサービスを上手に活用してみましょう。

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