メジャーリーガーをケガから守るのは、日本の職人だ。”
ベルガードファクトリージャパン株式会社 | 代表取締役社長 永井和人 さん

YAYOI USER'S CHALLENGE STORY

私たちがいつも見つめているのは、技術を生み出し、
まだないものを生み出そうとしてチャレンジし続ける人たち。
ここでは、そんな人たちのSTORYをご紹介します。

メジャー9球団の4番打者が愛用!埼玉の野球防具メーカー

ベルガードファクトリージャパンさんはどのようなことをしている会社でしょうか?

「主に野球の防具を作っている会社で、打者や捕手の防具、審判の防具などを作っています。大手メーカーの下請けではなく、自社ブランドとして防具を作っているメーカーは他にありません。自社ブランド商品に加え、メジャーリーガーや日本のプロ野球選手にオーダーメイドの防具を提供しています。

どのような選手が、ベルガードさんの商品を使っているのですか?

メジャーリーガーが多く、例えば、今年のホームラン記録で話題になった選手や、同じチームの4番打者。2013年のWBCで大会MVPに輝いた選手。2016年にメジャー外野手史上最高額の超大型契約を結んだ選手など、現在約70人の選手、9球団の4番打者がベルガードの防具を使っています。

そうそうたるメンバーですね。そもそも、なぜ、メジャーリーガーたちが使うようになったのでしょうか?

もともと日本人野手メジャーリーガーのパイオニアのトレーナーと知り合いだったのですが、そのトレーナーを通して所属チームの選手たちからオファーを受けたことがきっかけです。好きなカラーで選手の名前を入れる特注品が非常に喜ばれました。そして、その選手たちが他球団に移籍し、選手間の口コミで全米中に広がっていったのです。かつてメジャーリーグでは、「防具をつけずに、ボールが当たっても痛くないふりをするのがカッコいい」という考え方があり、もともとアメリカには防具を特注する習慣がなかったということも我々の商品が広まった要因のひとつと言えます。

商品の特徴を教えていただけますか?

メイドインジャパン、素材にこだわって作っています。通常、大手の下請けは材料のコストを抑えていますが、ウチは大手が使っているものの倍以上の値段がする素材を使っています。防具のゴムやヘリの部分など自社オリジナルで日本の会社に染めや織りをお願いしているので、耐久性に優れているのです。そして、使い心地が良いらしく「今までこんなのつけたことがない」と言ってくれることがとても多いですね。

勤続30年目で突然の倒産。「会社をなくしてはいけない」と再建を決意

そもそも、野球防具メーカーに入ったきっかけは何だったのでしょうか?

ベルガードは一度倒産しているので、前身のベルガードに入社した時の話になりますが、もともと、野球が好きで二十歳の頃、地元の草野球チームに入っていました。そのチームの監督がベルガードの製品カタログを作っていた方で、キャッチャー役のカタログモデルとしてお手伝いをさせてもらっているうちに、「野球が好きなんだったらベルガードに来なよ」と誘われて入社しました。

倒産してしまったときの話を聞かせていただけますか?

勤続30年目(2012年)のことでした。ある日、いつも通り仕事をしていたら、知らない女性が急に現れて「今日で会社はおしまいです。明日から入れませんので、荷物を持って帰ってください。」と告げられたのです。その女性は弁護士の方だった。その時は驚きましたが、すぐに自分の手で再建しようと決めました。

一社員だった永井さんが再建を決めた理由は何だったのでしょうか?

当時から売上が落ちていたということもあって、独立を考えて、外で色々作れるようにテストをしていたり、起業家向けのセミナーで勉強したりしていました。ですが一番の理由は、ベルガードのような野球防具メーカーは他にないから。大手の下請けをしている会社ならありますが、自社ブランドを持っているところはないのです。そんな会社をなくしてはいけないという想いがありました。
また、当時、隣国のプロ野球選手もベルガードの防具を使っていたので、その国の企業から「従業員として手伝ってもらい、再生させたい」という出資の話がきました。しかし、相手に任せてしまうと、技術を覚えた時点で切られてしまうことは目に見えていたのでお断りし、自分の手での再建を強く心に決めました。

どのように会社を再建していったのでしょうか?

倒産して4ヶ月後には、管財人の弁護士と話をつけて商標などを買い取り、現在の「ベルガードファクトリージャパン」を立ち上げました。最初は私一人しかいなかったのですが、ある程度、販路ができてから以前勤めていた職人たちに声を掛け、一緒にやってもらうようになりました。
そして、再建のための大きなポイントは“OEMからの脱却”でした。前身の会社では大手のOEM(相手先のブランドに合わせて商品を供給すること)が売り上げの約70%を占めていたのですが、職人が戻ってきたと言えど、それでも人員的に苦しくなることがわかっていたので、自社ブランドだけの展開を決めました。自社ブランドだけでやると売り上げこそ一気には伸びませんが、利益率が全然違うんです。同じ量を作っても、利益が全然違いますからね(笑)。

利益率が上がり、順風満帆に再建できたということでしょうか?

いや、しばらくは手探り状態でした。一度倒産した「ベルガード」という名前を引き継いでいるので、最初は信用がなく、運送会社などにも契約をしてもらえないことがありました。ただ、それでも会社を立ち上げて一年を過ぎる頃には、目途が立ち始めました。

職人によるメイドインジャパンのものづくり。SNSがメジャーと埼玉を繋ぐ

“OEMからの脱却”という、再建にあたり企業としても方針を大きく変えたことはお聞きできましたが、それ以外に新しく始めたことは何かありますか?

企業診断士の方から「SNSはやった方が良いですよ」と助言を受け、会社のインスタグラムを始めました。聞くとアメリカではインスタグラムが主流らしく、試しに商品の写真をアップし始めると、沢山の注文メールが届くようになりました。どうやらアメリカではトップ選手が使う防具を紹介するサイトがあるそうで、インスタグラムをきっかけにウチの商品が紹介されたんです。アクセス数が一気に増えて、売り上げ増加に繋がりました。

ちなみに、メジャーリーガーからの発注は、どのような流れでくるのでしょうか?

球団や代理人から連絡が来るときもありますが、ほとんどが選手本人からインスタグラムを通じて、直接メッセージが届きます。最初にきちんと「○○というチームの○○です。」と伝えてくる選手もいますし、「あなたの会社の防具が好きだ」というメッセージが届いて、よくよく調べてみるとメジャーリーガーだったということもあります。

メジャーリーガーと直接やりとりをするということですか?

はい、メル友みたいな状況になります(笑)。デザインのリクエストが多く、「こんなデザインでいいか?」って送ったら「イエーーース!」ってハートマークと一緒に送ってくるんですよ、本当にこどもみたいに喜んでくれるのです。形に関してはバッティングフォームや腕の太さを写真や試合の動画を参考にして、こちらで判断しています。サイズ感なども写真を見れば大体わかりますね。そして、完成した防具を送ってあげると、絵文字付きのお礼メールや、笑顔で商品を持っている写真などを送ってくれるんです。それが凄く嬉しいですね。

ユーザーととても近い位置にいる印象を受けました。これもベルガードさんの特徴なのでしょうか?

そうですね、ウチは商品の修理を請け負います。これは大手の下請けにはできないことなのです。また、大手の場合は、一般のエンドユーザーが「プロ野球選手と同じものを作ってくれ」と頼んでも作ってくれませんが、ウチは全く同じものをユーザーに出せます。例えば、メジャーリーガーと同じ防具が良ければ同じものが出せます。ちなみに、あるメジャーの超有名選手が使っているモデルは、某製薬会社が開発した高齢者の転倒防止ベルトの技術を防具に応用した製品なのです。着けると血流が良くなり、体幹や身体のバランスを整え、身体機能と運動機能を向上させるシステムになっていて、その人が持っているパフォーマンスを最大限に生かすことができるんです。

お話を聞いていると、昔ながらのものづくりと科学的な製品の開発、また、デジタルでの発信など、色々なものを上手くミックスさせてビジネスをしているのですね。

私一人だけでは全然できないです。色々な方との出会いや、その方たちとのつながり。努力が功を奏してメディアに取り上げられたりと、本当に良い方向に向かっていると思います。

“日本の野球のため”アメリカでもっと有名になる

会社としての夢は何でしょうか?

アメリカで有名になり、逆輸入で、日本のプロ野球選手に「防具を買いたい!」と言ってもらえるようなブランドにすることです。日本のプロ野球には、“道具は提供されるもの”という考え方が根強い。その理由は、大手メーカーが広告費として莫大なお金をかけ、選手に道具を提供しているからです。実は、そのしわ寄せを受けているのが、こどもたちなどのエンドユーザー。広告にお金を使っている分、道具が高くなっているというわけです。もし、プロ野球選手が積極的に道具を買ってくれるようになれば、こどもたちが道具を安く買えるようになるのです。

現在、日本の野球人口が減っていますが、それは道具の値段が高いということも影響しているのですね?

やはり野球は、バットやグローブ、ユニフォーム、スパイク、防具とお金がかかりますからね。その辺を変えていかなければならないと思います。野球人口が減ることは、野球に携わる人間としてすごく寂しいことなので、日本の野球をもっと盛り上げていきたいと思っています。

最後に、挑戦し続けるために最も大事なものは何だと思いますか?

人と人との繋がりに感謝することだと思います。
その人たちに感謝するとともに、ジャパンテクノロジーを世界に発信し、メイドインジャパンの良さを伝えられたらと思っています。

ベルガードファクトリージャパン株式会社

ベルガードファクトリージャパンは、主に野球防具の製造、販売を行っているスポーツ用品メーカーです。「人と人との繋がりに感謝しジャパンテクノロジーを世界へ」を経営理念としMade in Japan の丁寧な、ものづくりと技術で、世界中のプレイヤーに感動を与えられる商品を提供できるように努めています。クラフトマンシップに誇りを持ちつつ、お客様目線での商品開発を続け、「ベルガードを選んで良かった」と思って頂ける商品を更に目指します。

ベルガードファクトリージャパン
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