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補助金・助成金をもらうためのポイント

2019/11/19

補助金・助成金をもらうためのポイント

「新製品開発」、「販路開拓」、「地域活性化」「人の雇用」「従業員の能力アップ」「工場や設備投資」「特許など知的財産権の取得」など、何か新しいことを始めようとする場合に資金面から補助するのが補助金・助成金ですが、基本的な特徴を知らなかったばかりに、せっかくの補助金・助成金をもらうチャンスを逃してしまうことがあります。補助金・助成金をきちんと受け取るためのポイントを押さえておきましょう。

自分たちの事業があって補助金・助成金がある

補助金・助成金をもらうために事業をしているわけではありません。

「何か補助金や助成金が欲しいからそれに合った事業を行う」とか、「補助金・助成金の条件(事業内容や事業の実施時期)に合わせて事業を行う」というような本末転倒な考え方では、事業そのものの成功確率が低くなってしまいます。

補助金・助成金の目的を確かめる

すべての補助金・助成金には、それぞれ「目的」があります。

どんなにすばらしい事業内容であっても、補助金・助成金の目的と合わない取り組みには助成されません。

補助金・助成金の対象を確かめる

補助金・助成金制度では、目的と同じくそれぞれ「対象者」「対象費用」「対象期間」など申請要件が決められており、その点については拡大解釈や融通が利くということはありません。

たとえば「対象者」であると、中小企業向けといっても、「2期分の決算書が提出できること」であったり、「経営革新計画の承認を受けていること」といった要件が定められている場合がありますし、「対象期間」についても、事業の実施時期が補助金・助成金の対象となる時期と合っている必要があります。

また、特に「対象費用」については事前によく確認しておかなければ「当てが外れる」ということにもなりかねません。

税金や労働保険料はきちんと支払っておく

「補助金・助成金の対象を確かめる」の項目と関連しますが、補助金・助成金の原資は税金や雇用保険です。税金や雇用保険料の未加入金や滞納があると対象となりません。

事前に申請する

補助金・助成金はすでに支払った費用を補填するものではありません。

「これから始める」という段階で申請しなければなりません。

つまり、「何か新しいことをやろう」と考えたときには、「この事業にあった補助金・助成金はないか」と補助金・助成金を探すことが必要です。

補助金・助成金は申請のタイミングをはかる

研究開発に関する補助金・助成金の多くは、申請時期が限られています。そのような場合、自分たちの事業の実施時期と補助金・助成金の申請時期のタイミングあっていることが重要です。なぜならば、前述の通り、すでに支払った費用については助成されないからです。補助金・助成金の公募から申請、審査の期間を考慮すると、事業計画検討のかなり早い段階で申請時期があるのが望ましいといえます。補助金・助成金の申請時期は新年度が始まる前、2月、3月くらいが多いようですので、その時期にタイミングよく申請できるためには、それより前に事業計画を策定できていることが求められます。

また、対象とも関連してくることですが、「経営革新計画の承認を受けていること」のように、事前に何らかの承認や他の支援を受けていることが申請要件となることもあります。

そのような場合は、要件を満たす事前の準備に時間がかかります。公募要項が公表された時には、「申請要件を満たす時間がない」ということもあります。

補助金・助成金の情報収集は早めに行っておかなければなりません。

事業の完了時期にも気を付ける

補助金・助成金は申請した事業を定められた時期に完了させ、その成果報告に基づき補助金・助成金が支払われます。事業の開始時期だけでなく、完了時期についても注意が必要です。

全額補助・助成はではない場合がほとんど

一般的な事業者向け補助金・助成金の多くは、対象経費の1/2や2/3というように、あくまでも対象となる費用の一部が助成されるものです。

当面は自己資金でやりくりする

補助金・助成金のデメリットの項でも述べていますが、多くの補助金・補助金・助成金が「精算払い(後払い)」方式を採用しています。

ということは、何か新しいことを始める際には補助金・助成金が支払われるまでの「つなぎ資金」を借入等で準備する必要があります。

最近では、そのようなつなぎ資金を融資する制度もあります。

申請書提出は事業内容をよく理解している人が行う

申請書の提出方法が持参となっている場合、提出時に事業内容について簡単な質問を受けることがあります。逆の見方をすれば、提出内容について最後の確認ができるということでもあります。

書類を持参した人の印象や受け答えが審査にも影響する場合がありますので、内容を理解している人が提出に行きましょう。きちんとした身だしなみも重要です。

また提出方法が郵送であったり、電子申請であったりする場合には、提出前のチェックはより入念に行う必要があります。

著者:那須 藤生(中小企業診断士・一級販売士)

総合商社等で中国・アジアビジネス担当、現地法人設立、海外新規事業推進に携わる。1999年有限会社ピー・エムスリーを設立、代表取締役に就任後、補助金・助成金、公的融資等資金調達支援、組織・人材関連、医療福祉介護、流通業・飲食業関連コンサルティングの他、累計1000人以上の起業・創業を支援。東京都中小企業振興公社専門相談員、川崎市経済局金融課創業支援融資診断員、ダイヤモンド社公認インストラクター、金融財政事情研究会講師などとして活動。