『記帳代行支援サービス』の活用と工夫で仕訳確認時間の短縮化を実現

KVI税理士法人(大阪府大阪市)
岡森 久倫 さん

KVI税理士法人では、お客様(経営者)にとってかけがえのない相談者になるため、時間の創出、リモートワークでも質を下げずにタイムリーなサービス提供することを課題としている。そこで記帳業務の効率化を図るための取り組みについてお話しいただいた。

『記帳代行支援サービス』の活用の背景にある事務所の課題

働き方改革に関連し、特に繁忙期における残業時間をどうコントロールするか、お客様により良いサービスを提供していくためにも、メンバーに様々な働き方・考え方を認め、在宅勤務(リモートワーク)の場合でも、いかに質を下げずタイムリーにサービスを提供するか、が重要な課題となっていました。
今回サービスの活用をするにあたり、経営者にとってかけがえのない相談者になるために

  • より早く、より精度の高い月次決算情報をお届けする
  • みんなの考える時間・社長と対話する時間を確保する
  • メンバーが元気であるために、空間的・地理的・時間的制約から自由になる

この3つをテーマとしてメンバーに取り組んでもらいました。

『記帳代行支援サービス』の活用

記帳業務においては、領収書の処理など紙証憑からの入力に時間がかかることが課題です。そこから顧問先への報告の遅れ、記帳処理後の作業の停滞とつながり、結果として顧問先担当者の負担が増えます。また高付加価値業務への投下時間の減少にもつながります。そこで弥生の『記帳代行支援サービス』を導入することにしました。
サービスの導入前に領収書取り込みに適したスキャナの導入と、月次資料収集方法の変更を行いました。
バラバラでもらっていた領収書を整頓された状態でもらえるよう顧問先へ協力依頼することで、スムーズにPDF化が可能になり各種サービスの利用が可能になります。
これまでも、課題解消のために、他社の記帳代行サービスを利用するなど試行錯誤を繰り返していましたが、弥生の『記帳代行支援サービス』には、弥生会計との連携、手間、費用の3点全てにおいて他社と比較してメリットがありました。
他社サービスだと、弥生会計との連携でcsv形式でのエクスポート・インポートが必要になったり、領収書の確認・修正をブラウザ上で操作するため手間がかかったりしました。しかし、弥生の『記帳代行支援サービス』では、データ化が終わったら「取引の取り込み」ボタンを押すだけで仕訳に変換できますし、レシートの日付、摘要、金額はすべて入力してもらえるので、作業は勘定科目の確認のみでよく作業時間の低減につながります。また他社サービスに比べ費用も少し安くなっています。
『記帳代行支援サービス』の具体的な活用方法として、弊社ではパソコンのモニターを2画面にし、片方に証憑ビューアー、もう片方に弥生会計を開いて利用しています。弥生会計で仕訳をクリックすると証憑ビューアーで領収書が表示され、キーボード操作だけで順繰りに確認でき、さらに付箋機能を使うことで二重仕訳のチェックも簡単にできます。また軽減税率8%と10%の2種類の税率が混在していても分別して仕訳作成をしてくれるのでチェック時間の短縮につながります。
『記帳代行支援サービス』の導入により、

  • 紙証憑での確認作業の簡略化による記帳業務の負担軽減
  • 証憑の取り込みなど担当者以外でも処理できる定型業務のルーチン化
  • 弥生ドライブの利用によるリモートワークへの業務最適化

など効果として実感しています。

サービス導入の効果と残された課題

前述の3つの課題に対しては、精度、正確性を維持しながら記帳業務に関する時間を短縮できる、残業時間を抑制しながらより付加価値の高い業務への時間シフトを図る、在宅勤務・リモートワークとも非常に親和性が高く、優秀な人材の活用にもプラスに働くなど、いずれも効果があったと判断しています。今後は記帳代行支援サービスを利用した業務フローのブラッシュアップと、記帳代行の対象となる顧問先の拡大をしていくつもりです。その為には、顧問先から資料の入手方法の改善とリモートワークでも対応できる方法を考えていく必要があります。時間の短縮、他の業務への取り組みにもまだまだ改善の余地があると思っています。更にはRPAを業務に取り入れ記帳サービスと組み合わせることで、より一層の効率化、付加価値の向上が可能ではないかと考えています。
最後に、これらの取り組みはあくまで顧問先である中小企業の経営の継続・成長・発展へ役立てることが目的であることを忘れないようにしたいと思います。

  • 本内容は2020年10月開催「弥生PAPカンファレンス」発表レポートを掲載しています

KVI税理士法人

代表者
岡森 久倫
所在
大阪府大阪市
設立
1980年
従業員数
41人

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