新しい制度への対応は、会計事務所とお客様双方の業務効率化・DX化のチャンス

2016年6月に開業されたサン共同税理士法人様。
さまざまな経営スタイルの税理士事務所がある中で、サン共同税理士法人は、DXを最大限に活用し、業務の効率化とコストダウンを実現。特にスタートアップ企業のサポートを中心に事業を大きく成長させています。

そんなサン共同税理士法人様が、インボイス制度・電子帳簿保存法対応に弥生のサービスを選択された理由とは?新しい制度に対して、急成長する組織はどのように対応したのか?詳しく伺いました。

インボイス制度・電子帳簿保存法の対応方法

いつから今回の法令対応に取り組んでいますか?

2022年9月、私をプロジェクトリーダーとして「インボイス制度に関する社内プロジェクト」を立ち上げました。
プロジェクトの最終目標を「お客様ご自身でインボイス登録事業者の登録申請を行うかどうかを決めていただくこと」とし、その前段階として、インボイス制度への理解を深め、担当者の対応力の強化や、お客様向けの説明フォーマットの構築などに取り組んできました。
2023年3月時点で、すでに8割以上のお客様がインボイス発行事業者の申請登録へのアクションを決めています。

電子帳簿保存法(以下、電帳法)への対応については、今後、お客様への説明や業務フォーマット作りに取り組む予定です。
2023年前後から対応するソフトウェアが機能面でも出揃ってきたように感じますので、制度面はもちろんですが、ソフトの特徴や効果的な運用についても情報提供を行っていきたいと思っています。

インボイス制度対応によって、事務所の業務の進め方等への影響や課題はありますか?

弊社は創立以来、DXを最大限に活用し、業務の効率化とコストダウンを進めてきました。
おかげさまで設立7年目の現在、拠点は全国に10か所、従業員120名、お客様2,000件まで急成長しており、組織に見合ったルールやシステム作りも、常に走りながら構築しています。

そのため、インボイス制度など新しい制度への対応は、制度のインパクトやお客様への影響、また、当社業務の品質管理も考慮して、社内ルールを整備するきっかけのひとつだと考えました。
例えばインボイス制度対応を担当者個人の裁量に全て委ねてしまうと、拠点ごと、あるいは担当者ごとの対応に差が出てしまい、事務所のガバナンスやコンプライアンスに問題が起きる可能性があるため、社内で統一されたルール作りと業務の標準化が絶対に必要でした。

その対応はどうしていますか?

インボイス制度が始まる1年以上前という早い段階でプロジェクトを立ち上げ、制度の理解はもとより、実務的な工数増加やスケジュール感の確認、説明資料や業務フローの標準化を進めてきました。
2022年中には、統一されたルールのもとで、全国一斉に運用を始めています。
インボイス制度対応を通じて社内のルール化、業務の標準化を進めた経験値は、他の業務プロセスにも応用できるのではないかと考えています。

令和5年度改正で2割特例が追加になりました。どんな影響がありましたか?

2割特例が加わったことにより、免税事業者が課税事業者になる際の申告方式の選択の幅が広がり、消費税の課税・免税のポジション評価はもちろん、納税額シミュレーションのニーズが高まっています。

弊社では、消費税の申告方式による納税額シミュレーションレポートを有償でご提供していますが、特にスタートアップ企業や小規模事業者の方には、申告方式の選択だけでなく、経営の意思決定の参考資料としてレポートを大いに活用いただいています。

顧問先のインボイス制度対応について

顧問先のインボイス制度対応のスケジュール・進め方はどう考えていますか?

インボイス制度に関する社内プロジェクトを通じて、2022年12月中旬までに、全てのお客様向けに制度説明会を実施しました。
インボイス制度へのアクションを決めたお客様に対しては、売り手側・買い手側の両面から実務上注意する点について、お客様の実情に合わせてご説明していく予定です。

顧問先への周知方法、現在の取り組みの状況はいかがですか?

インボイス制度は、売上規模や事業内容、顧客・仕入先、創業年数など、お客様の状況によって課題となる論点が異なるため、非常に複雑です。
そこで、お客様向けの説明会と並行して、担当者がお客様からヒアリングして課題を共通認識し、制度に関するメリット・デメリットを表裏なく伝えるなど、きめ細かなヒアリングと説明も欠かさず行ってきました。

インボイス制度や電帳法にスムーズに対応するために、紙ベースの証憑類をやり取りをしているお客様に対して証憑類のデータ化などもご提案しています。これは結果として、お客様と我々の業務の効率化に繋がってきます。

業務量増に伴い顧問料をどうしますか?

単純に「インボイス制度が始まるから」「世の中物価が高騰しているから」という理由で何となく値上げをするのでは、お客様の納得感はありません。とはいえ、インボイス制度対応によって、どうしても我々の工数は増えるため、値上げの交渉は避けられません。

インボイス対応が必要か、自計化しているか、会計データや証憑類のデジタル化がどの程度進んでいるのか、といったお客様の状況によって作業工数の増え方は変わってきます。
プロジェクトでは、お客様の状況に応じた工数の増え方を分析し、工数の増加数に応じてお客様を分類させていただき、顧問料を改定する必要のあるお客様に関しては、一定のルールを決めさせていただきました。そのうえで、新しい顧問料について説明会や説明資料を使って、お客様に丁寧に説明してきました。

顧問料の値上げに応じていただけるかどうかは、普段の我々のサービスに対する満足度調査のように感じています。日常の対応に不満があれば絶対に応じていただけません。
先日、あるお客様から値上げに対して「お支払いできるように頑張ります!」とご回答いただき、良い通信簿を貰ったように感じました。

弥生を活用した制度への対応

今回の改正に対応していくソフトウェアとして、弥生を選んだ理由は何ですか?

弥生のスマート証憑管理は、「インボイス制度にも電帳法にも対応できる」というメッセージがわかりやすく、お客様はコンプライアンスを遵守しながら新しい制度への対応ができます。
また、保存された証憑がOCR読み込みで自動仕訳される仕組みは我々の作業の工数削減にも繋がり、まさにお客様と我々にとってWin-Winの関係と言えるでしょう。
すでに弥生会計を使っているお客様にはゼロコストでスマート証憑管理を導入できるため、コスト的なハードルが低い点も勧めやすいポイントです。

弥生製品・サービスの活用方針を教えてください。

スマート証憑管理は、コンプライアンス的にも安心な、証憑類保存の外部ストレージとして大いに活用していく予定です。
弥生会計は、キャッシュフロー分析ができるなど、他のソフトに比べて財務報告のアウトプットの質が高いので、これから成長が見込まれるお客様にも長く使っていただけるソフトとして活用したいと考えています。

「スマート証憑管理」の詳細はこちら

会計事務所へのメッセージ

弥生のサービス活用によるインボイス制度・電帳法対応を検討している会計事務所の皆様に向けて、メッセージをお願いします。

インボイス制度や電帳法対応は、会計事務所業界では大きな課題となっており、弥生をはじめ各ベンダーからは対応したソフトが次々とリリースされています。しかし、こうしたソフトは導入すれば課題が解決するものではありません。

まず、会計事務所側の課題は何かを分析すること。次に、お客様の課題について、会計事務所とお客様が話し合い、共通認識を持つこと。課題の把握には、法令の読み込みや理解に加えて、どのように実務に落とし込んでいくのかも考える必要があります。
その落とし込みの一手段として、弥生などのソフトを利用する、という整理の仕方になると思います。

迷っている方は、まずは弥生を試験導入してみてはいかがでしょうか。
試した結果、事務所の運用フローと合わなければ製品を変えればよいですし、逆に弥生に合わせて業務を変えていくという決断もあるかと思います。例えば、スマート証憑管理を使って証憑類のデータ化を進めて、事務所自体の業務効率化、DX化を進めていくといった取り組みも考えられます。

新しい制度への対応は、トライ&エラーを繰り返しながら会計事務所・お客様双方の経営の効率化やDX化を進めるチャンス、と考えられるのではないかと思います。

サン共同税理士法人

代表者
朝倉 歩
所在
東京都港区
設立
2016年
従業員数
120名

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