会社設立のお祝いは何を贈る?メッセージの例文やマナーなども紹介
監修者: 市川 裕子
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会社設立のお祝いに贈るものは、現金や商品などさまざまです。その相場やタイミングなどを知らないまま贈ると、相手からマナーを知らないと思われる可能性があります。そうならないためにも事前に確認しておくことが大切です。マナーを遵守して、相手の好みや状況、贈る目的などを考慮したうえで、相応の品物を選ぶのがよいでしょう。さらにメッセージカードを添えることで、より親交を深められるきっかけになります。
本記事では、お祝いを贈るときのマナーや添えるメッセージのポイント、需要の高い商品について紹介します。会社設立のお祝いをする際に何を贈ればいいかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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会社設立のお祝いに選ばれている人気の贈り物5選
会社設立のお祝いに選ばれている人気の贈り物は次の5つです。
- 胡蝶蘭・観葉植物
- 現金・商品券
- カタログギフト
- お酒
- お菓子・スイーツ
人気の理由を解説しますので、商品選びの参考にしてみてください。
胡蝶蘭・観葉植物
胡蝶蘭は、古くからお祝いの贈り物として人気があります。胡蝶蘭の花言葉には「幸福が飛んでくる」という意味があり、会社設立の場面に合致するためです。
商品の特徴としては手入れの手間がかからず、白い花が空間を晴れやかにする効果が期待できます。観葉植物は職場の雰囲気を和ませ空気を清浄化する作用があり、オフィスや店舗の環境に馴染むため、会社設立の贈り物に適しています。さらに、鉢植えには「根付く」という意味合いがあるため、「幸福が根付く」という縁起のいいものとして選ばれています。
現金・商品券・ギフト券
会社設立時のお祝いとして、より実用的なものを贈りたいといった場合には、現金・商品券・ギフト券がおすすめです。使い道や用途を自由に決められること、会社設立にあたり必要なもの購入に使えること、さらに会社の設立祝いでは目上の方に贈っても失礼にあたらないことから選ばれています。
現金を贈る場合は、ご祝儀袋(熨斗袋)に入れて、紅白の蝶結びの水引を選びましょう。また現金を贈るのがあからさますぎると感じるようであれば、百貨店などの商品券やギフト券で代用するとよいでしょう。
カタログギフト
贈り物として品選びに迷ったときやどうしても決められない場合は、相手に選んでもらえるカタログギフトを選択するのがおすすめです。予算にあわせてカタログを選ぶだけで簡単に贈れ、品物を選ぶ手間がかからず便利です。
カタログギフトはオフィス用品をはじめとして食品や家具など、さまざまなラインアップから選べます。他の人とアイテムが重なる心配はなく、受け取った人が自分の好きな品物を選べることも喜ばれる理由のひとつです。
お酒
会社設立の贈り物として喜ばれる品物にお酒があります。関係者を招いて設立パーティを開くケースではアルコールが出されるため、開業のげん(験)担ぎや縁起のよいお酒、相手の好み、お店の提供銘柄などを考慮して選ぶとよいでしょう。
開業のお祝いで選ばれているのは日本酒や焼酎、シャンパン、ワインなどさまざまです。オリジナルボトルのお酒を選べば、飲み終わった後もインテリアとしてオフィスへ飾れますし、また酒瓶のラベルにお祝いの文言を印字できるサービスもあるため、祝福の言葉を添えてみるのもよいでしょう。
お菓子・スイーツ
幅広い年代に気軽に渡せて喜ばれるのがお菓子やスイーツなどの品物です。焼き菓子は比較的日持ちするので、好きなタイミングで食べていただけます。食べやすい形・個包装・賞味期限の長いお菓子を選ぶとよいでしょう。また、開業時に複数人のスタッフがいる場合は職場の皆さんで食べていただけるため喜ばれる品物といえます。
お祝いを贈る時期
お祝いを贈る時期は、開業の前日から1週間ほど前が一般的です。開業直前になると、相手は準備で忙しいので贈る時期を事前に確認しておくのがよいでしょう。開店・開業記念の披露パーティに招かれている場合、商品や現金は当日に持参します。また、品物を配送する場合はトラブルによる到着の遅れを防止するため、早い段階で発注し、期日指定などを活用して確実に到着させる工夫が求められます。先方が受け取れるタイミングにあわせて時間指定するなど、準備に忙しいなかでも迷惑がかからないようにしましょう。
会社設立のお祝いの相場
会社設立のお祝いの相場は、相手との関係性によって金額が異なります。相場より安い金額だと気持ちが伝わりにくく、相手からマナーを知らないと思われる可能性があるため、事前に相場を調べておくことが必要です。会社設立における一般的なご祝儀の相場は、以下のとおりです。
- 友人・知人:5,000円~30,000円
- 家族・親族:30,000~50,000円
- 一般的な取引先:10,000~50,000円
- 重要な取引先:30,000〜50,000円
普段から親交の深い相手であれば、多めに金額を準備しておくと祝福の気持ちが伝わりやすいでしょう。
会社設立のお祝いを贈るときの基本的なマナー
ここからは会社設立のお祝いを贈るときの基本的なマナーについて解説します。お祝いの準備をするときの参考にしてみてください。
胡蝶蘭・観葉植物には立札をつけて贈る
胡蝶蘭や観葉植物を贈る場合、立札をつけるのが一般的です。立札には贈り物がだれから届いたものか告げる役割があります。立札に載せるお祝いの文言には「御祝」「祝御開店」「祝御開業」などを赤字で入れ、贈り主の名前もあわせて記入します。
立札の記入例については、以下を参考にしてみてください。
- 株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 様(贈り先名)
祝 御開店 〇〇株式会社
代表取締役 〇〇(贈り主名)
ただし、花屋によってフォーマットが異なる可能性があります。また立札には木目調・ホワイトの2種類があり、木目調は上品な印象を、ホワイトはシンプルで清潔な印象を与えることができるでしょう。
現金は熨斗袋に入れて贈る
熨斗袋とは金銭を入れて相手に贈るための袋のことで、慶事や弔辞などで使用されます。熨斗袋についている水引は「蝶結び」を用意しましょう。蝶結びは何度でも結び直せることから「喜びごとが何度も訪れるように」という意味が込められており、会社設立の祝い事に適しています。
熨斗袋に記入するときは、濃い黒の筆ペンか毛筆を使いましょう。なお、ボールペンや万年筆などの線が細い筆記具で書くのはマナー違反になるので注意してください。熨斗の上部は「表書き」といい、贈り物の目的を示しています。会社設立のお祝いで記入する表書きは、次の文言を入れるのが一般的です。
- 御祝
- 祝御開店
- 祝御開業
- 祝御発展
- 御開店御祝
- 御開業御祝
お札を入れる際にはお札の表面(肖像画が印刷されている面)が表になるように、整えてから入れましょう。熨斗袋のマナーを参考にしながら準備してください。
会社設立のお祝いでNGなマナーとは?
会社設立のお祝いでNGなマナーには、次の行為があげられます。
- 誤字脱字をする
- 旧札を贈る
- 贈り物に送付状をつけない
相手に失礼がないように準備しましょう。
誤字脱字をする
会社名や送り先の住所などに誤字脱字があるのは厳禁です。特に会社名の「後(株)・前(株)」や「株式会社」「合同会社」「合資会社」などの会社形態は間違いやすいので、注意深く確認しましょう。他にも会社名がアルファベットのときは、大文字・小文字の違いやスペルミスが起こりやすくなります。記入した後に間違いがないか、お祝いを贈る直前にもチェックしましょう。
旧札を贈る
お祝い金を贈るときに旧札を使用してはなりません。お祝いごとの場面では新札を使用するのがマナーであり、旧札を使用するのは相手に対して失礼にあたります。手元に新札がない場合、銀行の窓口や両替機で新札交換に対応しているので、交換してから贈りましょう。
贈り物に送付状をつけない
配送によりお祝い品を贈る際には、送付状(添え状・送り状)を添えることがマナーです。送付状とは、贈り物を郵送するときに同封する挨拶状のことです。配送により贈り物を贈るときは、送付状も同封できるか業者へ確認しておきましょう。贈り物と一緒に同封できない場合は商品が届く前に、手紙かハガキを使いお祝いメッセージとして送付することがよいでしょう。
会社設立のお祝いで注意したい。贈ってはいけないものとは?
会社設立のお祝いには贈り物として適さない品物があるので、事前に確認しておきましょう。例えば、赤色の品物や火を連想させるものは赤字や借金を連想させるものとして贈り物には不適切です。他にもお祝い事の贈り物として不適切とされるアイテムは避けておくのが無難です。購入する前に品物の意味を確認し、贈り先に失礼がないよう注意しましょう。
会社設立時に喜ばれるお祝いメッセージを贈るポイント
会社設立時にお祝いメッセージを贈るかどうか悩む方もいますが、素直に祝福の気持ちを伝えたほうが相手から喜ばれます。また今後も親交が深まり、長期的な付き合いにつながるのでメッセージを贈るのをおすすめします。
メッセージを贈る際は、祝福の気持ちをストレートに書いたほうが自分の心情が伝わりやすくなります。反対に社交辞令だけを載せると、冷たい印象を与えるかもしれません。相手との関係性に配慮して、開業に至るまでの具体的なエピソードを盛り込むと印象的なメッセージにつながります。なお、倒産や赤字を連想させる言葉は使わないように注意してください。相手が喜ぶような文章を書くコツとしては、次の2点があげられます。
- 祝福の言葉にプラスして、これまでの苦労に対するねぎらいの言葉を添える
- モチベーションアップにつながる前向きな言葉を入れる
お祝いメッセージを受け取った相手は感謝の気持ちが高まりますので、会社設立をきっかけに今後の関係性が深まるでしょう。
会社設立のお祝いメッセージの例文
会社設立のお祝いメッセージの例文として「友人・知人」「取引先」に分けて紹介するので、準備するときの参考にしてみてください。
【友人・知人へ贈るお祝いメッセージの例文】
「ご開業、誠におめでとうございます。おそらくこれまでには多くの努力や苦労があったことでしょう。しかしながら、〇〇さんの努力が報われて、今日という日を迎えられたことを大変嬉しく思っています。これからも夢に向かって進む道のりが、幸多きものでありますよう心より願っております。今後ますますのご活躍と、貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
【取引先へ贈るお祝いメッセージの例文】
「このたびは、ご開業誠におめでとうございます。貴社の新しい門出に立ち合うことができ、心からお祝い申し上げます。これからも更なるご発展とご繁栄を心よりお祈りしております。今後も貴社の飛躍的な成長を見守らせていただきたいと存じます。更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
このような例文を参考にしながら、具体的な交流のエピソードなどを入れると、より相手に祝福の気持ちが伝わりやすくなります。
会社設立のお祝いのマナーを理解して相手の門出を祝福しよう
会社設立のお祝いは相手にとって重要なタイミングにあたるので、基本的なマナーを守ったうえで、喜んでいただけるような品物やメッセージを贈るのが大切です。お祝い金の相場や贈る時期については、事前に確認してから準備しましょう。
また、お祝いメッセージを贈るときは、相手との関係にあわせて会社設立に至るまでの経緯を盛り込みながら、素直に祝福の言葉を添えると相手に気持ちが伝わります。品物を選ぶときも相手が何を受け取れば喜んでくれるかイメージしながら、準備すると祝福したい気持ちが伝わるでしょう。本記事を参考にして、会社設立におけるお祝いの準備を進めてみてください。
この記事の監修者市川 裕子
マナーアドバイザー上級、秘書検定1級、ビジネス実務マナー、硬筆書写検定3級、毛筆書写検定2級、収納アドバイザー1級、など。 出版社や人材サービス会社での業務を経験。秘書業務経験よりビジネスマナーとコミュニケーションの重要性に着目し、資格・スキルを活かし、ビジネスマナーをはじめとする各種マナー研修や収納アドバイザー講師として活動。