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ホテル・旅館の買収をする際に知っておくべきM&Aの動向、事例を解説

2024/01/04更新

ホテル・旅館業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策により業界全体に大きな影響を受けました。もともと景気に左右されやすいので、その対応策としてM&Aが行われています。
ここでは、ホテル・旅館を買収する際に知っておくべき、ホテル・旅館業界の課題やM&Aの動向、M&A事例、買収する際の留意点について解説します。

ホテル・旅館業界の概況と課題

観光庁の「宿泊旅行統計調査(令和4年4月・第2次速報、令和4年5月・第1次速報) 新規タブで開く」(2022年6月)によると、2022年5月の宿泊者数は3,779万人泊で前年同月比プラス82.3%でした。行動制限が最初に行われた2020年の宿泊者数は大幅にダウンしましたが、少しずつコロナ禍前の2019年5月時点での宿泊者数4,812万人泊に迫りつつあります。
コロナ禍前は、観光庁の「令和2年版 観光白書(第Ⅰ部 令和元年 観光の動向)新規タブで開く」(2020年6月)によると、日本人の国内旅行消費額は21.9兆円で前年比7.1%増。日本への外国人旅行者数は2019年に3,188万人となり、2012年以降右肩上がりで伸びていたため、ホテル・旅館業界ではインバウンド需要の取り込みを目指して、M&Aや異業種による参入も多く見られました。
しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大防止策により、「令和3年版 観光白書(第Ⅰ部 令和2年 観光の動向)新規タブで開く」(2021年6月)、2020年の日本人の国内旅行消費額は10兆円で前年比マイナス54.5%、外国人旅行者は412万人で前年比マイナス87.1%となりました。
また、株式会社帝国データバンクの「特別企画:旅館・ホテル経営業者の動向調査(2021) 新規タブで開く」(2022年1月)によると、2020年に倒産したホテル・旅館業界の企業が118件あり、前年比約1.8倍まで増加。2021年は政府による各種助成金や支援策の整備によって倒産件数は70件まで減ったものの、休廃業・解散件数は174件を記録し、過去5年間で最多となっています。
こうした世界情勢や景気の変化を受けて、事業や施設を売却する動きが加速する一方、コロナ収束後の需要を見据え、高いシナジー効果の得られる企業とのM&Aを考える企業も出てきており、ホテル・旅館業界では業界再編が進んでます。

ホテル・旅館業界の特徴

ホテル・旅館業界の特徴の1つに、立地環境が業績に大きく影響することが挙げられます。例えば、都市部にあるビジネスホテルは、年末から1月は閑散期で、連休のある5月や8月が繁忙期です。また、近場で大規模な学会やイベントが開かれる際は、季節問わず、急に客室稼働率が跳ね上がることもあります。
一方、リゾートホテルや温泉街にある旅館などの客室稼働率は、付近のリゾート地や温泉街のニーズによっても大きく変わります。

また、ホテル・旅館業界の収益のカギは、客室稼働率を高く保つことです。現在は旅行代理店からの予約ではなく、宿泊サイト経由で顧客自身が予約することが増えています。そのため、オンライン予約の利便性の向上やWebサイトでの集客施策などが欠かせません。さらに、顧客に選ばれ続けるためには、設備の老朽化に備えた対策や、市場ニーズの変化に合わせた新たな設備投資も必要になります。ホテル・旅館で安定して集客していくには、一定の先行投資が必要な業界といえます。

ホテル・旅館業界のM&Aの動向

ホテル・旅行業界では、コロナ禍以降の旅行需要を見据えて、集客の強化や他社との差別化、ブランド価値の向上などを目指したM&Aが行われています。
地域一帯の観光施策を行うために、鉄道会社やディベロッパー、同地域の他のホテル・旅館などが買手となるM&Aも珍しくありません。また、経営が立ち行かなくなった地方のホテル・旅館を買収し、立て直すことを目的としたM&Aもあり、株式会社星野リゾートや大江戸温泉物語株式会社が代表的です。その他、ホテル・旅館が買手となるM&Aの場合、Webサイトでの集客ノウハウを持つ企業を買収することで、Webマーケティングを用いて集客施策を強化する動きもあります。

ホテル・旅館業界のM&A事例

ホテル・旅館業界のM&Aでは、新規顧客開拓のためのシナジー効果や人手不足の解消を目的として小規模事業者を買収することがありますが、ここでは実際に行われたM&Aの事例2つをご紹介します。

不動産投資・融資業を手掛ける企業が、コンセプチュアルでユニークな宿泊施設を主要都市に6店舗展開する企業を買収したケースです。不動産価値の向上が見込まれる宿泊施設の運営を行うことで、不動産事業の高収益化がのぞめ、優秀な人材も確保できると判断し、買収に至りました。

もう1つは、クルージング旅行を取り扱う企業が、京都の小規模旅館を買収したケースです。買手には、クルーズ船の利用者に旅館を提供して自社サービスの利便性を向上させ、インバウンド旅行者向けのホテル・旅館事業へ参入したいという目的がありました。その中で、売手の持っている京都市内での旅館の運営や集客のノウハウがあれば高いシナジー効果が得られると判断し、買収に至りました。
このように、売手との高いシナジー効果で集客が見込めることや事業拡大を目指したいという買手のニーズがマッチすれば、買収しやすくなります。

ホテル・旅館業界におけるM&Aの留意点

近年のホテル・旅館業界は、コロナ禍の影響で大手ホテルや小規模なゲストハウス、旅館などさまざまな売却案件があります。ただし、ホテル・旅館のM&Aを行う際にはいくつか留意点があります。特に確認したいのは以下の2つです。

許認可を引き継げるか

株式譲渡、合併や分割によってM&Aを行う場合は、売手の資産・負債・契約などは買手に包括的に承継されるので、基本的には事前の届出を済ませれば、許認可を取り直す必要はありません。この場合でもホテル・旅館の商号や代表者に変更がある場合は、取り直しが必要なこともあります。
一方、売手が個人の場合や事業譲渡によってM&Aを行う場合は、許認可の取り直しが必要です。一般的に許認可の取得に1~1.5か月はみておく方がいいため、スムースに事業を続けるには、事前に準備を進めておくことが大切です。

また、許認可を取り直す際は現行法令の基準で審査が行われるため、以前許認可を取得した時点では基準を満たしていても、現行の基準に合っていないこともあり得ます。その場合、許認可取得のために設備改修や危険物取扱者や食品衛生責任者など有資格者の配置が必要となり、思わぬ費用が発生する場合があるので注意が必要です。デューデリジェンスをしっかり行い、許認可を確認しておくことや、追加で設備改修などが必要な場合は買収価格に反映する必要があります。

ホテル・旅館の従業員の雇用継続

ホテル・旅館業界の業務は、土日祝など一般の方の休日に合わせた不規則なシフトを組んだり、休日数が少なかったりするため、離職率が高い傾向があります。事業に従事するうえで資格などは必要ありませんが、ホスピタリティに特化したホテル・旅館の従業員が不足してしまうと事業を営むことができないため、注意が必要です。買収後も継続して雇用ができるように確認しておくことが大切です。
また、慢性的な人材不足に対応するためには、チェックイン手続きのシステム化、予約管理や顧客管理のシステム化などITツールの導入も検討しておく必要があります。

M&A案件を探す方法

M&Aでは、買手のニーズとマッチした売手を探すことや交渉力に加えて、財務、税務、会計、法務、労務などの専門的な知識が必要となります。すべての手続きを自力で進めるのは困難なため、専門家の力を借りることも大切です。中小企業の案件を探すなら、ご登録無料のマッチングサービス「弥生のあんしんM&A 新規タブで開く」がおすすめです。利用料は、マッチング成立時にサービス利用料として30万円の手数料がかかるのみ。M&Aの専門家は、業界最大規模の全国12,000のパートナー会計事務所(2023年4月現在)が対応します。なお、専門家との契約にかかる費用は内容に応じて別途必要です。

「弥生のあんしんM&A」は、これから事業を始めたい個人の方や、事業を拡大したい方、コロナ禍をチャンスに変えて事業の多角化を目指したい方にもぴったりです。

弥生のあんしんM&Aの主な特徴

  • 「弥生のあんしんM&A」の登録料は無料
  • マッチング成立時の手数料(買手のみ)は1件につき30万円
  • 弥生の認定する税理士・公認会計士(弥生PAP会員)がM&Aの取引をサポート
  • 中小企業の小規模案件が中心

M&Aを行う際はまずはマッチングサービスを活用しよう

ホテル・旅館業界は、コロナ禍によって大きな変化が起こりましたが、今後の需要が見込める業界ともいわれています。M&Aを行って、高いシナジー効果を得られれば、集客の向上や人材不足の解決にもつながります。M&Aを行う際には、まずは「弥生のあんしんM&A 新規タブで開く」などのマッチングサービスを活用して進めましょう。

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