カフェ・喫茶店の開業に必要な準備や資格は?出店費用も解説

2024/05/17更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

理想のカフェを作るには、どのような準備が必要なのか知りたい方もいるのではないでしょうか?中には飲食店での勤務経験がなく、カフェを開業したいと考えている方もいるかもしれません。

カフェを開業するには、小さな個人経営のお店だったとしても、開業の際に決めなくてはいけないことや手続きの他、開業資金の準備などやるべきことがあります。特に飲食業界の未経験者の場合は、開業までの流れや注意点なども含めて確認しておくことが大切です。

ここでは、飲食業界の未経験者がカフェを開業するためのステップと必要な届出の他、開業資金について解説します。

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未経験からカフェを開業するステップ

飲食業界の未経験者でもカフェを開業することは可能です。カフェの経営には、調理や接客のスキルだけではなく、店舗運営や資金繰り、宣伝、従業員のマネジメントなどが必要で、他業種での経験が役立つ場面も多くあります。カフェ開業までの主なステップは以下のとおりです。

カフェ開業までの主なステップ

  1. STEP1.
    開業に必要な知識やスキルを身に付ける
  2. STEP2.
    カフェのコンセプトをもとに事業計画を立てる
  3. STEP3.
    資金を準備する
  4. STEP4.
    店舗の装飾やメニュー開発、各種届出をする
  5. STEP5.
    レセプションやプレオープンで宣伝する

STEP1. 開業に必要な知識やスキルを身に付ける

未経験からカフェ開業を目指す場合、カフェの運営に必要な知識やスキルを身に付ける必要があります。カフェ開業のためのスクールに通ったり、カフェで働いたりすることで知識やスキルを得ることが可能です。また、カフェの運営について知り、将来の自分の働き方や暮らしを具体的にイメージすることで、開業への気持ちの確認にもなるでしょう。

なお、チェーン店のフランチャイズに加盟して、カフェを開業するという選択肢もあります。フランチャイズはメニューや経営ノウハウなどを提供してもらえるため、フランチャイズでカフェ経営の経験を積んでから、自分のお店を開くのも1つの方法です。

STEP2. カフェのコンセプトをもとに事業計画を立てる

一口にカフェといっても、店内飲食やテイクアウト、キッチンカーなどの販売方法、店舗規模などに合わせてコンセプトを考える必要があります。自分がどのようなカフェを開きたいのか、具体的なカフェのコンセプトを考えてみましょう。

カフェのコンセプトは、店舗の立地や店内装飾の他、提供するメニューやサービスに影響するため、まずはターゲットを明確にし、カフェを利用するシーンを想定します。「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」という「5W1H」で考えると、自分のカフェの独自性や強みを考えるのにも役立ちます。

また、コンセプトが実現可能か確かめるためには、事業計画を立てることが重要です。事業計画は、開業してカフェをどのように経営し、収益を上げていくかを具体的にまとめた経営指針になります。事業計画を立てた後は、事業計画書を作成し、資金調達や営業開始後の目標確認の際などに使用します。

カフェの場合、事業計画を立てる際には、店舗の立地やメニュー、設備、仕入れの方法、見込み客数、食器やテーブルなどの備品、店内装飾などの費用を踏まえ、実現可能な最小限の規模から始めることがポイントです。

なお、初めて事業計画書を作成する際には、事業計画書の作成ツールなどを活用するとスムースです。例えば、弥生の資金調達ナビの「創業計画をつくる 新規タブで開く」なら、Web上で質問に答えていくだけでかんたんに、創業融資の申請時に使える事業計画書を無料で作成できます。

※事業計画書の書き方については以下の記事を併せてご覧ください

STEP3. 資金を準備する

お店のコンセプトと事業計画が固まったら、カフェ開業にかかる資金を準備します。カフェの開業にかかる初期費用の他、事業開始後には、運転資金として材料費や店舗の家賃、光熱費、人件費といった費用が毎月かかります。事業計画どおりに事業が軌道に乗らないことも想定し、開業にかかる初期費用に加え、半年分の運転資金も最低限準備しておきましょう。

自己資金だけでまかなうことが難しい場合は、融資や補助金・助成金などで資金調達を行います。主な資金調達の方法には、国や地方自治体による補助金・助成金や日本政策金融公庫の「新規開業資金 新規タブで開く」などがあります。

※起業・開業時の資金調達方法については以下の記事を併せてご覧ください

STEP4. 店舗の装飾やメニュー開発、各種届出をする

お店のコンセプトや事業計画に見合う物件を決め、店内の装飾やメニューの開発、仕入れ先の選定などを進めます。その際の注意点として、飲食店の開業にあたっては、保健所に営業許可を申請する必要があります。飲食店の営業許可の要件には、店舗に設置しなくてはいけない備品やサイズなどの規制がありますので、工事着工前に保健所に図面などで確認してもらうといいでしょう。

また、カフェを開業するには営業許可の他にも必要な届出があります。例えば、個人事業主として開業するなら税務署に開業届を提出、会社を設立して法人化する場合は、定款の作成や法務局での法人登記などが必要です。

各種届出を行った後は、開店日を決め、営業に伴う準備を整えます。従業員を雇う場合は、開店日に合わせて求人募集を行います。なお、従業員を雇用する場合は、労災保険や雇用保険の加入手続きが必要になるため、従業員の雇用を検討している人は注意が必要です。

※法人と個人の違いや許認可の申請については以下の記事を併せてご覧ください

STEP5. レセプションやプレオープンで宣伝する

開業準備が整ったら、地域の方々へのお披露目を兼ねたレセプションやプレオープンを実施しましょう。レセプションやプレオープンは、オーダーや調理、レジ業務といったオペレーションの最終確認だけでなく、宣伝にもなります。話題作りを行うことで集客でき、安定した売上を確保することにもつながります。

カフェ開業に必要な資格や許可

カフェを開業する際に、取得が必要な資格は食品衛生責任者です。店舗内の衛生管理などを行う食品衛生責任者は、施設ごとに1名以上置くことが義務付けられています。また、店舗内の収容人数が30名以上の場合は、火災などの被害を防止するための防火管理者を置かなければなりません。

食品衛生責任者、防火管理者のいずれの場合も、条件によっては資格取得のために講習会を受講する必要がありますので、余裕を持って準備しておきましょう。
カフェ開業に必要な資格や届出は、主に以下のとおりです。

なお、飲食店の種類や取り扱う食品によって必要な許認可が異なり、飲食店の中でも、カフェなどお酒を扱わずに茶菓子を提供する飲食店は、喫茶店営業の許可となりますので、あらかじめ自分のお店の形態を確認しておきましょう。

飲食店の開店の際の主な届出や提出先

資格や申請書類 講習の主催先や提出先 条件
食品衛生責任者 各都道府県の食品衛生協会 各都道府県の食品衛生協会が主催する養成講習会の受講が必要。ただし、栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、畜場法に規定する衛生管理責任者、作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者の有資格者は受講不要
防火管理者 都道府県知事、市町村の消防長、一般財団法人日本防火・防災協会のいずれかが主催 各地域で主催される講習会の受講が必要。講習会は、防火対象物全体の収容人数や延べ面積によって分けられ、甲種防火管理者か乙種防火管理者のいずれかを選択
営業許可申請書 保健所 必ず開業前に許可が必要
菓子製造業許可申請 保健所 パンやスイーツを製造し、店舗販売やテイクアウト販売する場合
防火管理者の選任(解任)届出書 消防署 30名以上収容できる店舗の場合
防火対象物使用開始届出書 消防署 建物や建物の一部をこれから使用しようとする場合
防火対象物工事等計画届出書 消防署 使用形態を変更して工事を行う場合(居抜きも含む)
火を使用する設備等の設置(変更)届出書 消防署 火を使用する設備等を設置する場合
個人事業の開業・廃業等届出書 税務署 個人で開業する場合
所得税の青色申告承認申請書 税務署 確定申告で最大65万円の青色申告特別控除を受けたい場合

カフェの開業費用は600万~900万円

カフェ開業にかかる費用は、一般的に600万~900万円ほどといわれていますが、実際にかかる費用は、店舗の規模や立地、業態などによって大きく異なります。

例えば、家賃10万円、面積10坪程度のカフェを開業する場合の資金の内訳を見てみましょう。
店舗の家賃や従業員の人数、メニューの内容、内装や宣伝へのこだわりなどによって、実際にかかる費用は変動しますので、あくまで参考値です。

カフェの開業資金の内訳例
費用名 内容 想定費用
物件取得費 前家賃6か月分、敷金、礼金、仲介手数料など 約120万~150万円
内装費 天井、壁、床など 約20万~50万円
設備費 電気・ガス・水道の配線や配管、厨房設備など 約200万~250円
備品費 テーブル、椅子、POSレジ、食器類など 約30万~50万円
宣伝費 看板、チラシ、Webサイト、グルメサイトへの掲載、ポスティング費用など 約20万~50万円
運転資金 家賃、光熱費、人件費、仕入れ代金など 最低6か月分

開業費用を抑える方法

カフェの開業費用のうち大きな割合を占めるのが、物件取得費や内装工事費、設備費です。前のテナントの設備や内装をそのまま使える居抜き物件を選べば、内装費や設備費の削減につながります。その他、自分で改装を行ったり、中古品やアウトレット品を活用したりするのも費用を抑えるには効果的です。

また、カフェには「独立店舗型」「自宅開業型」「移動式」という業態もあり、特徴がそれぞれ以下のように異なります。自分が決めたコンセプトと資金が合わない場合は、カフェの業態も検討してみましょう。

  • 独立店舗型カフェ:物件取得費、内装工事費はかかるが、装飾などの自由度が高い
  • 自宅開業型カフェ:物件取得費はかからないが、スペースが限られる
  • 移動式カフェ:物件取得費、内装工事費はかからないが、キッチンカーの購入費やレンタル費、燃料代や駐車場代、土地使用料などがかかる

おすすめの補助金・助成金

カフェ開業の資金調達の方法として、国や地方自治体による補助金・助成金があります。一般的に補助金・助成金は返済の義務がないためおすすめです。ただし、いずれも受給には審査があり、一定の資格が必要な場合もあります。

例えば、生産性向上や販路開拓に取り組む事業主を支援する「小規模事業者持続化補助金」、会計ソフトなどITツールの導入費用の一部を補助する「IT導入補助金」などは、カフェ開業時にも利用可能です。

また、返済の義務はありますが、日本政策金融公庫の「新規開業資金 新規タブで開く」も開業時の資金調達の方法の1つです。開業時の資金調達では、説得力のある事業計画書が欠かせません。

事業計画書の作成や資金調達方法に悩んだ場合は、税理士に相談するのがおすすめです。開業に強い税理士を探す際は、弥生の「税理士紹介ナビ 新規タブで開く」を利用すると、無料で経験豊富な税理士を紹介してもらえます。

※開業資金の調達方法については以下の記事を併せてご覧ください

開業の手続きを手軽にする方法

個人事業主として開業する場合は、開業から1か月以内に、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を納税地の税務署に提出する必要があります。また、確定申告で最大65万円の青色申告特別控除を受けられる青色申告を行うには、開業届を提出したうえで、事業開始から2か月以内に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。

個人事業主として開業する場合は、「弥生のかんたん開業届」を使えば、画面の案内に従って操作するだけで開業届などの必要書類の作成ができます。

また、クラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、簿記や会計の知識がなくても、最大65万円の青色申告特別控除の要件を満たした青色申告の必要書類がかんたんに作成できます。

また、クラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」はPOSレジと連携して売上データの自動取得が可能です。レジ締め後の時間を節約できるうえ、日別取引レポートで売上状況もタイムリーに確認できます。さらに、仕入れ先の紙のレシートや領収書もスマホやスキャナでかんたんに取り込めます。便利なソフトを活用することで、効率的なカフェ経営を目指せるでしょう。

開業後はお店の運営の他に、会計業務などお金の管理を自分で行うことが必要になるため、開業のタイミングで会計ソフトや確定申告ソフトなどを導入しておくのがおすすめです。

※飲食店を個人事業主として開業した方の事例はこちらをご確認ください

準備を整えて、理想のカフェの開業を目指そう

カフェを開業するには、運営の知識やスキルの他、コンセプトの設定や事業計画書の作成など事前準備が欠かせません。開業資金も必要になりますので、初期費用と運転資金を割り出し、開業前に準備しておくことが大切です。

カフェの開業準備では、書類を作成して届出を行う必要もあります。「弥生のかんたん開業届」などのクラウド確定申告ソフトを活用するとスムースな手続きが可能です。理想のカフェ開業に向けて、余裕を持って準備を進めていきましょう。

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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