法人カードの審査に影響するポイントは?落ちる原因や対策法を解説

2023/12/04更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

法人向けのクレジットカード(以下、法人カード)は、申し込みの際にカード会社による審査があります。審査の対象は会社や経営者個人で、審査基準はカード会社やクレジットカードの種類によって異なります。

法人カードは後払いができるので、支払いの計画が立てやすくなるというメリットがあります。事業運営にすぐ活用できるよう、法人カードの審査に影響するポイントを知っておきましょう。
ここでは、法人カードの審査に影響するポイントや審査に落ちる原因、審査に落ちてしまった場合の対処法について解説します。

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法人カードの審査に影響するポイントは信用情報と財務状況

法人カードの審査基準はカード会社の機密事項のため詳細を知ることはできませんが、審査に影響するポイントはあります。例えば、クレジットカードは後払いのシステムのため、返済能力に影響する経営者個人の信用情報や会社の財務状況を確認される傾向があります。

また、法人カードの中には大企業向けのコーポレートカード、中小企業や個人事業主向けのビジネスカードといった種類の他、一般カード、ゴールドカードなどのランクもありますが、いずれも返済能力は審査で見られるポイントといえるでしょう。

経営者個人の信用情報

法人カードの審査に影響するポイントの1つに、経営者個人の信用情報があります。信用情報とは、顧客を信用できるかを確認する情報で、具体的にはクレジットカードやローンの申し込み、支払い状況などのことです。信用情報は信用情報機関にて一定期間登録されており、カード会社では審査の際に登録情報と照会しています。

経営者個人の信用情報にクレジットカードやローンの支払い遅延、債務整理といった登録があると、法人カードの審査において不利になる可能性があります。法人カードの審査においては、経営者個人の支払い能力が重要視されているからです。信用情報機関に登録される情報の保有期間は、クレジットカードやローンの契約中あるいは契約終了後5年以内となっていますが、支払い遅延がないように気をつけてください。

なお、信用情報機関に登録されている自分の情報を知りたい場合は、情報開示請求制度が利用できます。国内の信用情報機関は、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つで、情報開示の受付はWebサイトや郵送、窓口など組織によって異なります。また、情報開示には500~1,000円程度の手数料がかかりますのでご注意ください。

会社の経営業績や財務状況

法人カードでは、会社の経営実績や財務状況も審査に影響するポイントといえます。返済能力を審査するため、会社の決算書や登記簿謄本といった書類の提出を求められることがあります。法人カードの審査はあくまでも、信用情報や財務状況などから総合的に判断されるため、赤字だから審査に落ちるとはいい切れません。赤字より黒字である方が望ましいものの、赤字続きでも法人カードが発行される場合もあります。

ただし、申し込みの条件として黒字決算であることを挙げている法人カードもあります。特に、ゴールドカードやプラチナカードといったランクの高いクレジットカードは利用限度額が大きいため、数期連続で黒字決算といった条件が設けられています。利用限度額が高いと求められる返済能力も高くなるため、審査は厳しくなるといえるでしょう。

また、法人カードは設立3年目以降といった実績が必要なことはありますが、会社設立後まもなくでも発行できるものもあるので、法人カードの申し込み条件を確認しておきましょう。

なお、会計ソフトをはじめ、法人カードや法人口座といった会社設立後に必要なツールや環境が揃えられる起業支援パッケージ「起業・開業応援パック」を利用するのもひとつの方法です。

法人カードの申し込みに提出が必要な書類

法人カードの申し込みに必要な書類はカード会社によって異なりますが、主に経営者個人の書類と会社の書類が必要になります。代表的な提出書類の中には事前に発行手続きが必要なものがあるので、もれなく準備しておきましょう。

法人カードの申し込みに提出が必要な書類例
  • 経営者の本人確認書類(免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 会社の本人確認書類(登記簿謄本)
  • 決算書

経営者個人の本人確認書類は、顔写真付きの運転免許証やマイナンバーカード、パスポートです。写真付きでない本人確認書類は2点必要になる場合があります。また、会社の本人確認書類は発行から6か月以内の登記簿謄本のうち、現在事項全部証明書や履歴事項全部証明書の提出を求められることがあります。オンラインで交付請求ができるので余裕を持って受け取っておきましょう。

書類の注意点としては、住所や本店所在地が申し込みの際に入力した現住所と本人確認書類の住所で異なる場合は、追加書類の提出を求められることがあります。書類を再提出すると発行までに時間がかかるので、全ての情報を証明書と一致させるようにしましょう。

なお、会社設立1年未満の場合を除き、会社の業績や財務状況の確認のために決算書の提出を求められることがあります。設立1年目の場合は定款の提出を求められることもあるので、カード会社に確認しておきましょう。

法人カードの発行は申し込みから1~2週間程度

法人カードの発行は申し込みから1~2週間程度かかります。申し込みの際に入力ミスをしたり、郵送する資料に不備があったりすると、発行までに時間がかかりますので注意してください。

法人カードの申し込みは現在カード会社のWebサイトからオンラインで申し込むことが主流ですが、中にはカード会社に資料請求して書面で郵送する方法もあります。

法人カードの発行までの流れは以下のとおりです。審査はオンライン後すぐに行われる場合の他、必要書類を送付後に行われる場合があります。

法人カード発行までの流れ
  1. 1 オンライン申し込み
  2. 2 カード会社による審査
  3. 3 入会申込書や本人確認書類を郵送する
  4. 4 法人カードが届く

また、カード会社によって審査の順番は異なるため、オンライン申し込みでも申込書を別途郵送する場合もあるので、申し込みの流れはカード会社のWebサイトで確認してください。

なお、発行された法人カードは郵送で指定の住所に届きます。受け取った後に裏面にサインをしたり、会計ソフトと連携させたりしておきましょう。

法人カードの審査に落ちる要因と対処法

法人カードの審査に落ちても、カード会社から落ちた理由については通知されません。審査基準はカード会社やカードの種類によって異なるため、A社の審査には落ちたがB社の審査には通過したということもあり、実際に申し込んでみないと審査結果はわからなくなっています。

なお、次のような要因があると法人カードの審査で不利になる可能性が高いといわれていますので、申し込み前に対処法と併せて確認してください。

法人カードの審査に落ちる要因として考えられるもの
  • 経営者個人の信用情報に問題がある
  • 会社の設立年数が浅い
  • 一度に何枚も申し込みをしている

経営者個人の信用情報に問題がある

審査に落ちる要因として考えられることのひとつに、経営者個人の信用情報に問題があることが挙げられます。信用情報には、税金や家賃・住宅ローンなどの未払い・支払い遅延のほか、スマートフォンといったモバイル端末の分割払いでの支払い遅延も含まれるため注意が必要です。

未払いや支払い遅延がある場合は速やかに解消しましょう。審査基準はカード会社によって違うため、別のカード会社に申し込むと審査に通ることもあります。また、信用情報機関に登録されている期間は数年なので、しばらく期間をおいてから申し込んでみるのもひとつの方法です。

会社の設立年数が浅い

設立年数が浅い会社は事業実績が少ないため、支払い能力が低いと判断される可能性があります。ただし、法人カードの中には、会社の登記簿謄本や決算書などの提出が不要で、法人の代表者や個人事業主本人に対して発行するカードもあります。

設立年数が浅い、もしくは起業後間もない場合は、条件に合う一般カードを選ぶようにしましょう。信用情報はカードの利用履歴が登録されるので、支払い遅延がなく、定期的に利用をすることで良い信用情報を積むことができます。良い信用情報を積んでいくことで種類の異なる法人カードの他、ゴールドカードやプラチナカードといったランクの高いクレジットカードを持てる可能性がありますので、将来持ちたいカード会社の一般カードを選ぶのがいいでしょう。

なお、仕事用だからといって法人カードを作らなくてはいけないわけではありません。個人カードを事業の支払いに利用することも可能ですが、その場合は事業用とプライベート用でクレジットカードを分けておくと会計帳簿に記載する仕訳の手間が省けます。

一度に何枚も申し込みをしている

クレジットカードを短期間に何枚も申し込むと、多重申し込みとして審査に落ちる可能性があります。信用情報は申し込み状況も登録されるため、一度に何枚も申し込みをするとお金に困っていると思われることがあるからです。

審査が不安でも一度に複数のカード会社に申し込みをするのは避け、審査に落ちてから次の法人カードを申し込むようにしましょう。

なお、審査に受からない場合はクレジットカードではなく、法人向けのデビットカードを作る方法もあります。デビットカードはクレジットカードのような審査がなく、利用したら即座に銀行口座から引き落とされるのが特徴です。いくつも法人カードの審査に落ちる場合にはデビットカードを検討してみましょう。

会社設立直後に法人カードを手軽に準備する方法

会社設立直後は、法人カードの申し込みをはじめ、事業の準備や商品の仕入れなどやらなければいけないことがたくさんあります。事業準備にかかる手間を減らしたいときにおすすめなのが、「起業・開業応援パック」です。

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他にも、会計ソフトや固定電話などのバックオフィスツール、パソコンをはじめとするIT機器、Webサイトや事業計画書の作成など、起業時に発生する事務手続きや設備環境の準備などを効率化し、すぐに本業に集中できる環境づくりを後押しします。

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法人カードの審査に影響するポイントを押さえて申し込もう

法人カードは後払いができるので、支払いの計画が立てやすくなるのが特徴です。法人カードの発行には審査があり、経営者個人と会社の財務状況などが審査に影響するポイントとなっています。

審査基準はカード会社の機密事項ですが、個人のクレジットカードやローンで未払いや支払い遅延があると返済能力がないと判断され、法人カードの審査に落ちてしまう可能性があります。また、信用情報ではなく、会社の設立年数が浅いために事業実績がないことから審査に通りにくいこともあるでしょう。法人カードの審査に通らない場合は、経営者個人や個人事業主本人が管理する法人カードやデビットカードを申し込む方法もあります。法人カードは申し込んでみないと審査に通過するかはわからないものですから、まずは条件を満たす法人カードを探して申し込みをしてみましょう。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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