法人カードを選ぶには? 法人カードの作り方解説
2023/08/25更新

この記事の執筆者安田博勇

いわゆる「法人カード」とは、会社の代表者が持つことのできるクレジットカードのことです。代表者の名義でカードをつくり、引き落としは法人名義の口座から行われます。まさに「社長のためのクレジットカード」という印象が強いですが、実は個人事業主やサラリーマンが作成可能なことも。法人カードのメリットについてまとめてみました。
POINT
- 法人名義の銀行口座とセットで「法人カード」を持つメリット
- 追加カード、別途発行できるケースも
- 個人事業主、サラリーマンでも発行できる
法人カードとは?
法人の登記申請が完了すると、いよいよ法人名義の銀行口座が開設できるようになります。以降、事業をしていくなかで発生する費用は経費として計上され、支払金額は、その銀行口座あるいは会社の金庫などで保管する現金のなかから捻出されていくことになるでしょう。
しかし、事務所の準備資金、設備・備品・什器類の購入、広告宣伝等にお金がかかりがちな開業当初というのは、いかんせん”キャッシュ”が足りなくなるもの……。毎月かかる水道光熱費・通信費の支払い、高額の交際費・出張費などの点からも資金繰りはたいへんです。
そうした経営者をサポートしてくれるのが、法人用のクレジットカードです。
法人用クレジットカードは、一般的に「法人カード」などと呼ばれています。VISA、MasterCard、JCB、AmericanExpress、DinersClubといった信販系の大手国際ブランドなどがサービスを展開しており、他にも「ビジネスカード」「コーポレートカード」などの名称で提供されているケースがあります。
法人カードのメリット
例えば、会社の代表者が何かの備品等を購入するとき、代表者がプライベートでも使用する個人のクレジットカードを使っているなんてことはありませんか? もちろん、しかるべき経費精算の手順が踏まれていれば、個人用クレジットカードで備品購入することは、まったく問題ありません。
しかし後々、事業用とプライベート用で使用した金額と内容の区別をしたり、その明細を保管・記録したりするのには少々手間がかかりそう……。
一方で、法人カードであればクレジットカードの引き落とし口座として「法人名義の銀行口座」を選択できます。法人が銀行口座とクレジットカードの両方をセットで持つことになり、かつ、翌月以降にはクレジットカード会社から明細書が発行されるため経費の管理がしやすくなります。
もしも「弥生会計 シリーズ」のユーザーならば、取引データを会計データに変換し、会計ソフトに自動的に仕訳して取り込むことのできる「スマート取引取込」がありますから、経費の管理はもっとラクになるでしょう。
法人カードのメリット
- 翌月以降の支払いのため、開業当初の資金繰りがしやすい
- 法人名義の銀行口座から引き落とされる
- 明細書が発行されるため、経費の管理がしやすい
- ポイント付与やカード会社の優待サービスが受けられる
社員向けにカードを追加できる場合も
法人カードの作成にはもちろん審査があります。多くの場合、申込時にその法人の業態や資本金などの情報を申告。ともに「代表者」に関する情報も申告します。
基本的に代表者の名義でカードが発行されるため、代表者のみが使えるクレジットカードという形にはなりますが、なかには役員や経理担当者用に「追加カード」を発行できるケースも。特に、事業用に自動車を持っている法人は、高速道路で利用できるETCカードを別途発行してもらえばとても便利ですよね。
また「法人カード」とはいいますが、なかには個人事業主やサラリーマンでも作成できる法人カードのサービスが存在します。個人事業でも事業用口座を持つ以上は、事業用クレジットカードは欠かせません。会社経営者以外の方もぜひご検討ください
なお、法人カードには、同じ会社で提供されているものでも、カードのステイタス(ゴールドカード、一般カード等)によって受けられるサービスや年会費が少々異なります。事業の規模に応じてお好きなカードを選択できますから、いちど各社のサービスを比較してみてはいかがでしょうか。
個人事業主が法人クレジットカードを使うことのメリットの詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
photo:Getty Images
この記事の執筆者安田博勇
1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。
