法人登記に必要な印鑑の種類は?作っておくべき会社の実印を解説

2023/12/04更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

会社設立にあたって法人登記をする際には、原則として会社の印鑑を提出します。法人では用途に合わせて必要な印鑑が異なるため、法人登記はどれを使うのかわからないという方もいるかもしれません。
法人登記に必要な印鑑と、実務上で必要な印鑑の両方を適切に使い分けるために、違いを知っておきましょう。

ここでは、法人登記に必要な印鑑と、会社設立の際に作っておくといい実印の種類、実印を作る際の注意点を解説します。

【利用料0円】はじめてでもカンタン・安心な「会社設立」の書類作成はこちらをクリック新規タブで開く

弥生のかんたん会社設立 案内にしたがって入力を進めるだけで株式会社・合同会社の設立に必要な書類を作成できます。 「無料」かんたんに会社設立

無料お役立ち資料【一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた】をダウンロードする新規タブで開く

無料お役立ち資料【はじめての会社経営】をダウンロードする新規タブで開く

法人登記には代表印(会社実印)が必要

法人登記で提出が必要な会社の印鑑は、代表者印(会社実印)です。法人の代表者印は、法務局に印鑑届書を提出し、会社の実印として印鑑登録をする必要がありますが、この手続きは法人登記の際にまとめて行います。

なお、代表者印は、押印することで会社の正式な意思決定を示す重要な実印です。他の実印とは分けて、気軽に取り出せない場所に保管するようにしましょう。

オンライン申請なら印鑑の提出は任意

法改正により、2021年2月15日から、法人登記をオンラインで行う場合は印鑑届書の提出が任意となりました。しかし、法人登記で印鑑届書の提出が不要になったからといって、代表者印を作らなくていいわけではありません。

代表者印は、金融機関に融資の申し込みをするときや取引先との契約を結ぶときなどに使用します。そのため、法人登記をオンライン申請で行う場合でも、代表者印を作成します。

法人登記と同時申請であれば、オンラインで印鑑を提出することも可能ですが、印鑑届書の提出を法人登記とは別で行う場合、従来どおり法務局の窓口で書面での提出が必要です。

代表者印のサイズには規定がある

代表者印にはサイズの規定があり、1cm以上3cm以内の正方形の中に納まるものでなければいけません。規定のサイズではない印鑑は、会社の実印として登録することができませんので、作る際には代表者印という指定をはんこ屋に伝えるようにしましょう。

代表者印の形状については特に規定は設けられていませんが、一般的には二重丸で作成します。二重丸の外側の部分を回文、内側部分を中文と呼び、回文には会社名を入れ、中文には代表者の役職名を入れるのが基本です。

代表者の役職名は、株式会社や合同会社といった会社形態ごとに異なります。これから代表者印を作る際は、次のような例を参考にしてみてください。

彫刻する役職名の例

株式会社:代表取締役印、代表取締役之印

合同会社:代表社員之印、代表職務執行者之印

合資会社、任意団体:代表者印、代表之印

回文あり
回文なし

提供元:昇成堂

なお、どこで印鑑を買うかどうかを悩んでいる方は、昇成堂の利用を検討してみてください。昇成堂は「送料無料サービス」「印影確認」「即日出荷サービス」などの各種サービスを用意しているため、安心して印鑑を作成できます。詳しくは、「昇成堂の公式サイト新規タブで開く」をご確認ください。

代表者印を作る際は素材や書体にも注意する

代表者印は長く使っていくものですから、作るときには素材や書体にも注意し、劣化するリスクを抑えましょう。例えば、以下のような点に気をつけてみてください。

素材

代表者印は、長く使い続ける印鑑なので、摩耗によって印影が変化することのないよう、耐久性に優れた素材を選びましょう。印鑑の素材として一般的な柘(つげ)、柘よりも耐久性の高い黒水牛、強度に優れ高級感もあるチタンなどが選ばれる傾向があります。ゴム製のような変形や破損のおそれがある素材や朱肉を使わないインク浸透印は、代表者印には適しません。

書体

代表者印に書体の定めはありませんが、読みづらい書体では判別が困難になったり、シンプルすぎる印面では偽造のリスクが生じたりします。

代表者印として使用される傾向があるのは、篆書体(てんしょたい)です。他にも、吉相体(きっそうたい)、古印体(こいんたい)、隷書体(れいしょたい)などの書体があります。漢字、カタカナ、ひらがな、アルファベットといった文字の種類や画数の他、文字数などによっても印鑑の印象は変わるので、社名に合わせて書体を検討するといいでしょう。

情報通信業の主な業種と業務内容
書体の種類
篆書体 古印体 隷書体
表記
弥生株式会社

提供元:昇成堂

会社設立時には銀行印や角印なども作っておく

代表者印は、印鑑登録をして公的な効力を持つため、事業運営上で承認をする際の印鑑と分けておく必要があります。代表者印以外にも会社設立時に準備しておきたい印鑑は、銀行印、角印、ゴム印の3つです。

代表者印と一緒に作っておくことで、作る際にセット割引が受けられる場合もあります。銀行印、角印、ゴム印は主に以下のような場面で使います。

銀行印は法人口座開設に使う

銀行印は、金融機関で法人口座を開設するときに使用します。代表者印を銀行印にしても法的に問題はありませんが、代表者印は公的な効力を持つ、会社にとって重要な印鑑です。銀行印は経理担当者が管理することもあり、紛失のリスクを防ぐうえでも、代表者印とは別に銀行印を作成しておく方がいいでしょう。

銀行印は、一般的に代表者印よりやや小さめの二重丸で作成し、外側の回文には会社名、内側の中文には銀行之印と彫刻します。サイズの規定はありませんが、他の印鑑と区別できるように、角印、代表者印(実印)、銀行印の順にだんだん小さくなるように作成します。

なお、極端なサイズの銀行印は、金融機関に認められないことがありますので、口座を開設する金融機関の規定をあらかじめご確認ください。

角印は請求書や発注書に押印する

角印は、会社印、社判、角判とも呼ばれる四角形の印鑑です。請求書や発注書などの書類に押す印鑑として多く用いられます。角印には会社名のみを彫刻し、役職名は入れません。縦書きで作成するのが一般的ですが、会社名がアルファベット表記の場合は横書きにすることもあります。

角印は個人の認印のようなものですが、会社によっては、郵便物の受け取りや重要度の低い社内文書への押印のために、角印と区別して会社認印を作成することもあります。

ゴム印は会社名や住所の記載する際に使う

ゴム印は、領収書や封筒に会社名や住所などを記載する手間を省くために作成する、印面がゴム製のはんこです。会社名、住所、電話番号、代表者名などが彫られており、用途に合わせて組み合わせられるように分割できるものが主流です。縦書きと横書きがあるので、使いやすい方を選ぶといいでしょう。

法人登記の際には実印と銀行印、角印の3種類をセットで作成し、ゴム印はその後、必要に応じて作ることが一般的です。

法人登記には代表者個人の実印も必要

法人登記の申請には、会社の実印となる代表者印だけではなく、株式会社の場合は発起人、合同会社の場合は代表社員個人の実印も必要です。

法人登記の申請に必要な書類の中には、発起人や代表社員個人の印鑑登録証明書があり、発起人や代表社員が複数いる場合は、原則として全員の印鑑登録証明書を提出します。また、会社の実印である代表者印を登録する際に提出する印鑑届書には、届出人として発起人や代表社員個人の印鑑登録済みの印鑑の添付が求められます。

なお、株式会社の場合は、定款にも発起人の印鑑が必要です。合同会社は定款に印鑑は必須ではないものの、定款に記載する社員の住所や氏名は、印鑑登録証明書と同じでなければなりません。定款の内容を修正する際には社員全員の実印での訂正印が必要です。

発起人や代表社員個人の実印がない場合は、法人登記の申請までに印鑑登録を済ませておきましょう。個人の実印は、市区町村の役所で登録を行います。印鑑登録証明書の取得は、市区町村の役所や行政サービスコーナーの他、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付も可能です。

  • 法人登記の申請については以下の記事を併せてご覧ください

会社設立手続きを手軽に行う方法

会社設立に必要な手続きを手軽に行いたい場合におすすめなのが、自分でかんたんに書類作成ができる「弥生のかんたん会社設立」と、起業に強い専門家に会社設立手続きを依頼できる「弥生の設立お任せサービス」です。

「弥生のかんたん会社設立」は、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、定款をはじめとする会社設立時に必要な書類を自動生成できる無料のクラウドサービスです。各官公庁への提出もしっかりガイドしますので、事前知識は不要。さらに、パソコンでもスマートフォンでも書類作成ができます。

また、「弥生の設立お任せサービス」は、弥生の提携先である起業に強い専門家に、会社設立手続きを丸ごと代行してもらえるサービスです。専門家を探す手間を省ける他、電子定款や設立登記書類の作成、公証役場への定款認証などの各種手続きを依頼でき、確実かつスピーディな会社設立が可能です。会社設立後、専門家とご相談のうえ会計事務所との税務顧問契約を結ぶと、割引が受けられ、サービス利用料金は実質0円になります。定款の認証手数料や登録免許税など行政機関への支払いは別途必要です。

法人登記の際には代表者印や銀行印などを用意しておこう

法人登記の申請をする際には、会社の実印である代表者印の印鑑の提出が必要です。法人登記をオンライン申請する場合は、必ずしも印鑑を提出しなくてもかまいませんが、事業を行ううえで代表者印は契約や融資申請の際に必要になります。法人登記の際にまとめて印鑑登録を申請することも可能ですので、法人登記の前に実印を作っておきましょう。

また、事業において、印鑑は用途に応じて使い分けることもありますので、代表者印と併せて銀行印や角印をセットで作成するのがおすすめです。会社設立のタイミングは法人登記の他、実印の準備や印鑑登録などの手続きで忙しくなるため、設立手続きを手軽にするには「弥生のかんたん会社設立」や「弥生の設立お任せサービス」などもぜひご活用ください。

弥生のかんたん会社設立 案内にしたがって入力を進めるだけで株式会社・合同会社の設立に必要な書類を作成できます。 「無料」かんたんに会社設立
弥生の設立お任せサービス 専門家が実質0円であなたの会社設立を代行します。まずは専門家に無料相談

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

初心者事業のお悩み解決

日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

  • お役立ち情報

    正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

  • 無料のお役立ちツール

    会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

  • 虎の巻

    個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

事業のお悩み解決はこちら