【まとめ】会社設立後にするべきこととは?
2023/08/25更新

この記事の執筆者安田博勇

この記事の監修者中野 裕哲(起業コンサルタント®、税理士、特定社労士、行政書士)

いざ会社設立までこぎつけても、その後にやらなくてはいけない細々とした手続きがあります。ここでは会社設立後にやるべき手続きや届出などをまとめて解説いたします。
POINT
- 会社の登記申請が完了した後、ただちにやるべきことは3つある
- 6つの届出先に書類を提出しに行く必要がある
- 設立後のお世話になった人への挨拶や、設立した知人へのお祝いも大切
会社を設立したらまずやるべきこと
会社の登記申請が完了した後、ただちにやるべきことには、次のことがあります。
- 法人銀行口座の開設
- 法人設立届出書の提出
- 各機関への税務・労務関連届出(必要に応じて)
「法人設立届出書」は個人事業主の「開業届」に該当し、設立会社の基本情報を知らせるものとなります。納税地となる管轄税務署には会社設立から2ヵ月以内に、都道府県税事務所、市町村役場には設立1期終了日までにそれぞれ提出します。
法人設立届出書の添付書類
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)のコピー
- 定款のコピー
- 株式会社は認証済定款のコピー
- 株主名簿(社員名簿)
- 株主の氏名、住所、株式数、株式取得日を記載とのこと
- 設立時の賃借対照表
- 設立時資産として、出資を受けた金銭・現物出資を記載
なお定款作成・認証にかかった費用、設立登記の登録免許税、会社設立に際して司法書士・行政書士への支払報酬等は、法人税法の定めにより、会社設立前にかかった「創立費」として経費計上できます。
法人税法施行令(第14条第1項第1号)創立費
発起人に支払う報酬、設立登記のために支出する登録免許税その他法人の設立のために支出する費用で、当該法人の負担に帰すべきものをいう。
会社設立後に届出が必要な書類一覧
必要に応じて届出を要する書類には、次のものがあります。届出先もふくめてまとめてみましたので、会社設立後はチェックしてみてください。

また法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合や、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、「時間外・休日労働に関する協定書(36協定)」を所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。就業規則の作成と届け出は常時10人以上の労働者を使用する使用者と規定されているのに対し、36協定は労働者がたった1人でも法定の労働時間を超えて働いたり、法定の休日に労働したりする場合に届け出が必要となります。
会社設立したら知っておきたい社会保険について
法人格は必ず社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入しなければいけません。加入するには、会社設立から5日以内に、管轄の年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出します。社員が加入する際には「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出し、会社は社員の年金手帳も取得します。なお、各書類の提出時には、各種添付書類が必要となるので年金事務所ホームページからチェックしてください。
会社を設立したら送りたい挨拶状について
さて、会社設立はおカタイ手続きばかりが続くため得てして忘れがちですが、これまでにお世話になったご挨拶も欠かしてはいけません。
挨拶状は必ず開業前に送付を終え、挨拶状の文面には、新会社を設立したことをお知らせするとともに、事業内容、開業日、住所・電話番号・会社名なども明記します。感謝の意を表する場として、宴席を設け、そちらに招待するのもよいですね。
挨拶状文面の例文
謹啓 〜の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のお引立てを賜り 厚く御礼申し上げます
さて かねてより準備を進めてまいりました新会社が 株式会社○○ として
設立する運びとなりましたので 謹んでお知らせ申し上げます
つきましては ご挨拶をかね 下記の通り心ばかりの小宴を催したいと存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが ご光来賜りますよう謹んでご案内申し上げます
謹 白
平成○○年○○月 吉 日
会社設立した知人にはどんなお祝いをしたらいいのか
開業祝いに贈られるギフトとして人気なのが、次のような品々です。
- カタログギフト
- 花(胡蝶蘭や観葉植物など)
- お酒
- 電化製品・事務機器など
- 現金・商品券(5,000円〜5万円程度)
一方で、赤字を連想させる火器類、ライターや灰皿、赤いものは避けたほうがベターです。
photo:Getty Images
会社設立
- 事業計画書について
- 株式会社を1人で設立する方法
- 合名会社のメリットデメリット
- 形態別・会社設立のメリット・デメリットについて
- 会社設立の条件と会社形態について
- 会社設立の印鑑について
- 会社設立の登記申請書の書き方
- 会社設立の必要書類について
- 合同会社設立の必要書類について
- 【まとめ】会社設立後にするべきこと
この記事の執筆者安田博勇
1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

この記事の監修者中野 裕哲(起業コンサルタント®、税理士、特定社労士、行政書士)
起業コンサルタント®、税理士、特定社労士、行政書士、CFP®。起業コンサルV-Spirits/中野裕哲税理士・社会保険労務士・行政書士事務所代表。
起業コンサルV-Spiritsグループ
年間約300件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト「DREAM GATE」で10年連続相談数日本一。著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)、『オールカラー個人事業の始め方』(西東社)がある。
