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会社を売却する際の注意点は?会社を売るメリットと併せて解説

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会社の売却とは、会社や事業の一部またはすべてを第三者に譲渡し、対価として金銭を得ることです。近年では、後継者不足を解消するため、第三者へ事業承継するM&Aが大企業だけでなく中小企業においても増えてきています。しかし、会社を売却することにはメリットがある一方、注意すべき点もいくつかあります。
では、経営者が安心して会社を売却するには、どのようなことに注意したらいいのでしょうか?
ここでは、近年の売却の動向や会社売却のメリット、売却する際の注意点について解説します。

近年の売却動向

中小企業M&A仲介大手3社 2013年度 182件 2014年度 241件 2015年度 312件 2016年度 414件 2017年度 534件 2018年度 612件 2019年度 710件 2020年度 760件 事業承継・引継ぎ支援センター 2013年度 33件 2014年度 102件 2015年度 209件 2016年度 430件 2017年度 687件 2018年度 923件 2019年度 1,176件 2020年度 1,379件 ※「中小企業M&A仲介大手3社」とは株式会社日本M&Aセンター、株式会社ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社を指す。

中小企業庁が発表した「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ~中小M&A推進計画~ 新規タブで開く」(2021年4月)によると、中小M&Aの実施件数は右肩上がりで増加しており、2013年度は215件だったのが、2020年度では2,139件まで増えています。買手も大企業であるケースは少なく、中小企業同士の小規模なM&Aが多くなっているという現状です。

  • M&A仲介大手3社と事業承継・引継ぎ支援センターの合算

近年では、上記のとおりM&Aは後継者問題の解消をはじめ、事業においてさまざまな面で役立つポジティブなものと広く認識されていますが、ひと昔前はM&Aの認知が低い中、大企業による敵対的買収だけが注目されたため、ネガティブなイメージを持つ方もいました。

そこで中小企業庁では、M&Aや会社売却のイメージを改善し、中小企業経営者の高齢化と後継者不足の対策としてM&Aを活用してもらえるよう、2006年に「事業承継ガイドライン」を発表しました。現在、M&Aに対してのイメ―ジは向上しており、中小企業庁「中小企業白書 新規タブで開く」(2021年4月)では、会社を売却(譲渡)することについて、21.9%が「プラスのイメージになった(抵抗感が薄れた)」と回答しています。

また、コロナ禍での事業撤退、縮小による売却の増加と、コロナ禍をチャンスとみて企業買収に乗り出す会社や個人も増加しており、会社(事業)の売却やM&Aは、経営戦略の1つとして広く受け入れられるに至っています。

売却のメリット

では、売手の事業者にとって会社(事業)を売却するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、売却のメリットについて解説します。

第三者に売却すれば資金が得られる

売却のメリットとして、第三者に事業を売却することで資金(売却益)を得られることが挙げられます。事業の投資回収は時間がかかりますが、将来見込める収益も含めた価格で買い取ってくれる買手が見つかれば、投資回収までの時間を大幅に短縮することが可能です。
会社(事業)を売却することで、ある程度まとまったお金を受け取れるので、残った借入金の返済にあてる他、引退後の生活資金にも利用できます。

事業を整理できる

メインの売上に直結しない事業であるノンコア事業を切り離して整理できることも、売却のメリットの1つです。収益性の低い事業を売却することで、自社の中核事業に経営資源を集中することができます。自社にとっては利益になりにくい事業でも、他社にとっては業務効率化を図れたり、サプライチェーンの拡大につながったりする場合もあります。

事業が継続できる

事業が継続できることも売却のメリットです。親族や従業員に後継者がいなくても第三者を引き継ぎ先とした事業承継が可能になります。
廃業ではなく、事業を承継して会社が存続できれば、従業員が職を失うことはありません。顧客や取引先にも影響なく取引を続けられます。会社独自の商品やサービス、ノウハウも残すことができるという点もメリットといえます。

M&Aを行う売手の目的についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

赤字でもM&Aで売却を検討してみよう

売却にはメリットがあるといっても、赤字では売却できないと考える経営者の方もいるかもしれません。しかし、会社(事業)が赤字であっても、売却できる可能性はあります。
会社(事業)を買収しようとしている会社の多くは、買収によって新規事業に参入することや企業規模を拡大することが目的です。自社にはない分野のノウハウや技術、人材、ブランド力を持つ会社を買収することで、高いシナジー効果が期待できることや、事業成長のスピードを向上できるため、たとえ赤字でも買いたいという会社はあります。

また、売却によってその地域に会社を残すことに意味がある場合もあります。例えば、地域社会の産業を支える設備工場などの場合、その会社(事業)がなくなってしまうと、地域住民や地域産業に多大な影響がでることが考えられます。この会社(事業)がないと成り立たない仕事や取引がある場合、そこが魅力と捉える買手もあります。どのような会社(事業)でも買手側にとっての魅力が見つかる可能性があるため、廃業を考えていた場合でもM&Aを検討してみることが大切です。

売却における注意点

売却は相手があることなので、売却を進める上で注意すべき点がいくつかあります。ここでは、会社(事業)を売却する際の4つの注意点を見ていきましょう。

売却先探しに時間がかかる

売却では、売却先探しに時間がかかってしまうことが注意点の1つに挙げられます。会社(事業)を売却する場合、希望する条件に見合う相手探しや交渉などに時間がかかります。
売却には相手探しや交渉の他にもさまざまな工程があり、完了するまで1年近くかかることも珍しくありません。買手が見つかっても、希望する売却価格が折り合わずに交渉が難航するケースもありますので、時間がかかることを想定しておきましょう。

M&Aの流れについてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

思ったような条件で売れない可能性もある

会社(事業)を売却する際の注意点として、思ったような条件で売れない可能性があることも挙げられます。売却は売手と買手の双方が合意できる条件にならないと成立しません。折合いがつかず交渉が長引いたり、譲渡価格や売却後の従業員の待遇が希望どおりにはならなかったりすることもあります。
売却を進める前に、何のために会社を売却するのかをはっきりさせ、条件に優先順位をつけておくことが大切です。培ってきた技術やノウハウを残すことを優先させたいのであれば、技術やノウハウを高く買ってくれる企業を探すことになります。

売却後に従業員の雇用条件が悪化するかもしれない

売却後の従業員の雇用条件も注意しておきたいポイントです。会社そのものを売却する株式譲渡の場合は、契約関係も含めたすべてが買手に引き継がれるため、雇用契約に変化はありません。しかし、会社の一部を売却する事業譲渡の場合、会社と従業員の契約は解消されるため、従業員は買手と新しく雇用契約を結び直します。

中小企業庁が発表した「中小企業白書 新規タブで開く」(2021年度版)によると、M&Aを実施した企業のうち、8割以上の企業が「全従業員の雇用を継続している」と答えています。また、新しく雇用契約をする際に給与や雇用形態が大きく変わることは多くありませんが、従業員のことを考えるなら、契約書に「M&A後、当面の間は雇用条件・業務内容(勤務地変更を含む)を変更しない」といった一文を盛り込んでおくことも必要です。

取引先や顧客との信頼関係が悪化するかもしれない

売却の注意点として、取引先や顧客との信頼関係が悪化する可能性があることも挙げられます。売却によって事業内容や契約条件の変更、担当者の交代などが行われると、取引先や顧客との関係が悪化することも考えられます。これまで取引先や顧客と良好な関係を築いてきた担当者が関わるなど、売却後も取引先や顧客との信頼関係を築いていけるように配慮が必要です。

M&Aの相手先を探す方法

M&Aの相手探しには、M&A専門のマッチングサービスの利用がおすすめです。費用も比較的リーズナブルです。また、小規模案件を中心に掲載していますので、事業承継をしたい経営者の方にもぴったりです。

会社(事業)を売却する際にはM&A支援サービスを活用してみよう

会社(事業)を売却すると、売却益を獲得したり、集中したい事業に専念できたりすることなどのメリットがあります。たとえ、赤字の事業でも、買手側にとっては魅力に感じる部分があるかもしれません。まずは「M&A・事業承継相談窓口 by BATONZ新規タブで開く」で相談してみましょう。

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