合同会社の資本金はいくらが適正?1円にするリスクと平均額を解説

2024/05/17更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

合同会社の資本金をいくらにするか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?合同会社は資本金1円から設立できますが、資本金を1円にしてしまうと、事業開始後すぐに資金不足に陥ることがあります。逆に、資本金1,000万円以上など大きな額にすると、税額に影響します。

資本金が何に影響するのかを知らないまま適当に金額を設定してしまうと、資金繰りに困ってしまうことがあるかもしれません。起業時に適正な金額を設定することは、資金がショートするといったリスクを避け、変更手続きを防ぐことにもつながります。

ここでは、合同会社の資本金を1円にするリスク、資本金の平均額、影響する税金や融資といった金額を決める際に押さえておくべきポイントを解説します。

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合同会社の設立時の資本金は「300万円未満」が約8割

資本金の金額は、自社の事業内容や規模に応じた金額を設定する必要はありますが、会社の体力を表すことから、一般的な平均額を参考として確認しておくといいでしょう。総務省「登記の種類別・資本金階級別 会社の資本金の額の変動の件数及び金額新規タブで開く」(2023年)によると、2023年1月時点での資本金階級別の合同会社設立件数は以下の表のとおりです。

2023年1月時点での資本金階級別の合同会社設立件数
100万円未満 100万円以上 300万円以上 500万円以上 1,000万円以上 2,000万円以上 5,000万円以上 1億円以上
設立件数 1,602件 1,218件 241件 450件 15件 4件 1件 1件
  • 設立合計:3,532社、総金額:53億4,785万円

新たに設立された合同会社のうち、資本金を300万円未満に設定している会社は、全体の約8割です。また、全体の約45%の会社は、資本金100万円未満で設立しています。

しかし、自社の事業のことを考えずに、資本金を100万円未満にしてしまうと、資金がショートして、事業の運転資金がなくなる可能性があります。金額の決め方は後述する項目で見ていきましょう。

資本金が1円の場合に考えられるリスク

資本金が1円など極端に低い金額の場合に考えられるリスクとして、店舗やオフィスを借りる際の契約料や、備品の購入費用などが不足してしまうことが挙げられます。その理由は、資本金が事業を行うための元手だからです。

資本金は、起業するための初期費用の他、家賃や人件費といった事業を運営していくための運転資金としても使われるお金であることから、会社の体力を表すものといわれています。また、資本金は定款や登記事項証明書にも記載して、誰でも見ることができるため、会社の信用度にも直結します。

資本金が極端に低いと、事業を行う体力がないとみなされ、金融機関の融資が希望する額で受けられなかったり、融資自体を受けられなかったりするかもしれません。融資が必要ない場合や事業を行ううえで運転資金が少なくてもいい場合は、資本金が低くても事業運営に影響しませんが、融資を必要とする場合は資本金の設定に注意しましょう。

株式会社の資本金とは扱いが異なる

合同会社と株式会社では資本金の扱いが異なります。合同会社は増資を行うことはできませんが、株式会社は株式を発行して、増資することが可能です。

また、合同会社は出資金のうち、資本金にしないお金は資本余剰金として扱いますが、株式会社は、資本金の2分の1の金額を資本準備金として税負担を抑えられます。

資本金は自社の初期費用と運転資金で決める

資本金の目安は、初期費用と運転資金6か月分です。会社の設立直後は、売上を安定させることが難しく、半年間ほど思うような売上が上がらなかったとしても、事業を継続できるようにするため、初期費用に加え、運転資金6か月分を資本金に設定することが一般的です。

また、運転資金にどの程度の金額が必要かは、業種や事業的規模、従業員の有無などによって異なるため、自社の実態に即した金額を算出します。初期費用は、合同会社の設立費用、店舗・事務所の敷金礼金、デスクやパソコン、専用ソフト、事業に必要な機器といった設備費、Webサイトやチラシなどの広告宣伝費などです。

なお、運転資金は、事業運営に毎月かかる費用のことで、仕入代、店舗・事務所の家賃、人件費、通信費、水道光熱費、消耗品代などが挙げられます。自社の事業の初期費用と運転資金を漏れなく挙げ、必要な費用を計算するようにしましょう。

  • 資本金の平均額については以下の記事を併せてご覧ください

なお、合同会社を設立する際の資本金はいくらがいいのかについてはこちらの動画でも解説しているため、合同会社の設立を検討している人は参考にしてみてください。

資本金の金額は税金に影響する

資本金の金額は、消費税や法人住民税、法人税などの税金に影響します。どのように影響するのかを以下の表にまとめました。

合同会社の資本金の金額が影響する税金
税金の種類 資本金の金額 影響
登録免許税 およそ857万円以下 登録免許税は、「資本金額×0.7%」か「6万円」のどちらか高い金額になるため、資本金がおよそ857万円以下なら一律6万円となる。
消費税 1,000万円以下

資本金を1,000万円以下で会社を設立すると、原則として設立1期目と2期目の消費税が免除される。ただし、2期目に関しては、1期目の前半6か月の売上が1,000万円を超え、かつ人件費(役員報酬含む)が1,000万円を超えると課税対象となる。

なお、2023年10月から導入されるインボイス制度に伴い、適格請求書発行事業者の登録を受ける場合は課税事業者となるため、免除されない。

法人税住民税 1,000万円以下 赤字でも納める義務のある、法人住民税の均等割は資本金の金額によって課税額が変わる。自治体によっても金額は異なるが、東京都23区で従業員50人以下の会社の場合、資本金1,000万円以下なら均等割の年額は7万円、1,000万円超なら均等割の年額は18万円となる。
法人税 1億円以下 資本金1億円以下の会社で、所得が800万円を超える場合、所得800万円超の部分の税率は23.2%、800万円以下の部分は税率15%。所得が800万円以下なら税率は15%で一定となる。
法人事業税 1億円以下 資本金1億円以下なら法人事業税の外形標準課税が免除される。資本金1億円を超えると赤字でも外形標準課税は課税される。
  • 2023年3月時点

一般的に、資本金の金額が高くなると、納める税金も高くなります。資本金の金額を決める際には、初期費用と運転資金を算出したうえで、課税額をシミュレーションしておくといいでしょう。課税額については、税理士に相談するのも1つの方法です。税理士なら資本金や役員報酬、資金繰りなどについてもアドバイスがもらえます。

許認可や融資の要件にも注意する

許認可の種類によっては、資本金の金額が要件に含まれていることがあります。資本金の額が要件を満たさなければ許認可が受けられなくなってしまうため、資本金を決める前に確認しておきましょう。
資本金の額が要件に含まれる許認可には、主に次のようなものがあります。

許認可要件の例

  • 一般建設業:資本金500万円以上
  • 第一種旅行業:資本金3,000万円以上
  • 一般労働者派遣事業:2,000万円×事業所数の金額以上

また、資本金の金額は、金融機関の融資要件になっていることが一般的です。例えば、日本政策金融公庫の「新規開業資金新規タブで開く」では、融資要件として、創業に必要な資金総額の10分の1以上の自己資金が必要となっています。融資を受けたい金額の10分の1以上の資本総額がなければ、希望する額の融資が受けられないので注意が必要です。

  • 許認可と新規開業資金については以下の記事を併せてご覧ください

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合同会社の資本金は自社の状況に合わせて金額を決めよう

資本金は事業運営の元手となる資金であると同時に、会社の体力や信用度を測る指標にもなります。会社設立前の計画どおりに売上を立てられなかったときのことも考えて、起業時には初期費用と運転資金の6か月分の資本金を準備しておくようにしましょう。

また、合同会社の設立手続きでは、定款の作成や法人登記などが必要です。事業の準備と併せて、スムースに設立手続きを進めるには、「弥生のかんたん会社設立」や「弥生の設立お任せサービス」の活用もご検討ください。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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