有限会社と株式会社の違いは?資本金やメリット・デメリットも解説

2024/05/21更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

会社を設立する際には、会社法に定められている会社形態を選び、それぞれに沿った設立手続きが必要です。現在設立できる会社形態やその条件、会社形態ごとの違いなどを知っておくことにより、自社に合った会社形態を選ぶことができます。
ここでは、有限会社と株式会社の違いやその他の会社形態の特徴、会社形態を決めるポイントについて解説します。

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有限会社と株式会社の違いは資本金の額や役員数

有限会社と株式会社の違いは、資本金の額や役員数などです。また、有限会社は現在新たに設立することができません。現存する有限会社は特例有限会社といい、会社法上は株式会社として扱われます。会社法施行前の違いは以下の表のとおりです。

会社法施行前の有限会社と株式会社の違い
規程 有限会社 株式会社
資本金 最低300万円以上 最低1,000万円以上
(現在は1円以上)
役員 取締役1名以上 取締役3名以上、監査役1名以上
取締役会の設置も必要
(現在は取締役1名以上)
決算公告の義務 なし あり(株主総会)

以前は、小規模な事業を行う際に有限会社を選ぶケースはありましたが、2006年に会社法が施行されたことで、現在の株式会社は資本金が1円以上、取締役が1名以上で設立できるようになりました。株式会社の設立条件が見直されたことから、株式会社と有限会社を区別する意義がなくなり、有限会社は廃止されたのです。

特例有限会社と株式会社のメリット・デメリット

会社法施行前に設立された有限会社は、所定の手続きを経て株式会社に変更するか、従来の有限会社の制度の一部を引き継ぐ特例有限会社に移行しています。特例有限会社と株式会社には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。

特例有限会社と株式会社のメリットとデメリット
会社形態 メリット デメリット
特例有限会社
  • 役員の任期制限がなく、12年以上変更登記がなくても解散とみなされない
  • 決算公告の義務がない
  • 歴史が長い会社という印象を得られる
  • ワンマン経営になりやすい
  • 株式会社と比較して社会的信用度を低く見られやすい
  • 会社の吸収合併ができない
株式会社
  • 資金調達の方法が幅広い
  • 税金面でメリットがある
  • 知名度が高く、社会的な信用が得やすい
  • 出資額に応じて利益配分が決まる
  • 設立にかかる費用や手続きが多い
  • 決算公告の義務があり、掲載料もかかる

特例有限会社は、会社法では株式会社に分類されますが、有限会社からの移行にあたって特別な手続きは必要ありません。また、社名に有限会社を使用するため、会社法施行以前から続いていることがわかり、歴史や実績がある会社というイメージを持たれやすくなります。その半面、役員の任期がないためワンマン経営に陥りやすく、株式会社に比べて社会的信用度を低く見られることがあるといったデメリットがあります。

一方、所定の手続きを行って、有限会社から株式会社に移行すると、社会的信用度や透明性が向上する、株式を発行できることから資金調達の幅が広がるなどのメリットがあります。株式会社設立の手続きや費用が必要なだけでなく、有限会社にはなかった決算公告の義務が発生することはデメリットともいえるでしょう。

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最も多い会社形態は株式会社

総務省統計局「登記統計 商業・法人 年次 2021年新規タブで開く」(2022年5月公開)によると、2021年時点において国内で最も多い会社形態は株式会社ですが、次いで特例有限会社が多く存在します。有限会社の経営者の場合は、株式会社に移行するかどうかの判断が必要になります。

なお、有限会社から株式会社に移行すると、有限会社に戻すことはできないため、会社形態を変更する際はよく検討してから決めることが大切です。

2021年時点の会社形態の総数
会社形態 総数
株式会社 100万5,349社
特例有限会社 17万1,262社
合同会社 9万7,437社
合資会社 2,969社
合名会社 800社
  • 株式会社の設立方法については以下の記事を併せてご覧ください

現在設立できる会社形態は株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つ

現在、国内で新しく設立できる会社形態は、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つです。株式会社以外の合同会社、合資会社、合名会社の3つは持分会社といいます。株式会社は出資者である株主と会社を経営する経営者の役割は分かれていますが、持分会社は出資者が会社の経営者となり、所有者と経営者の一致が特徴の1つです。

持分会社では、出資者のことを社員と呼び、原則として全ての社員に代表権と業務執行権があります。出資者同士が対立して意思決定が滞らないよう、業務執行権を持つ「業務執行社員」と執行権を持たない「社員」に分けることが可能です。また、会社の代表者として、株式会社の代表取締役にあたる「代表社員」を定めることも可能ですが、定款に定める必要があります。持分会社である3つの会社形態は以下のとおりです。

合同会社の特徴

合同会社は、2006年施行の会社法によって新しく設けられた会社形態で、株式会社と同様に資本金1円、代表者1名以上で設立できます。会社設立の際に、株式会社では公証役場で定款の認証が必要ですが、合同会社は定款の作成のみで認証は不要です。また、法務局で登記申請する際の登録免許税が、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円となり、株式会社よりも設立手続きの手間や費用が抑えられることが特徴です。

さらに、合同会社は決算公告の必要もなく、役員の任期もありません。ただし、株を発行できないため資金調達の方法が限られる、株式会社よりも認知度が低いなどのデメリットはあります。

その他、出資者が経営を行うため所有と経営が一致しており、事業を行ううえで迅速な意思決定が可能です。出資者の責任範囲には、会社の負債に対して全て責任を負う「無限責任」と、出資額の範囲においてのみ責任を負う「有限責任」がありますが、合同会社は有限責任社員のみで構成されます。

  • 株式会社や合同会社の違いについては以下の記事を併せてご覧ください

合資会社の特徴

合資会社を設立するには、代表者が無限責任社員1名以上と有限責任社員1名以上の2名以上が必要です。会社が倒産した場合、有限責任社員は出資額以上の負債を負う必要はありませんが、無限責任社員は債権者に連帯して出資額以上の負債も負担しなければなりません。

また、株式会社や合同会社の出資は金品または現物という規定がありますが、合資会社は労働自体を出資する労務出資ができ、資本金が0円でも設立できることも特徴の1つです。合資会社の設立方法の手順などは主に合同会社と同様です。

  • 合資会社の特徴については以下の記事を併せてご覧ください

合名会社の特徴

合名会社は、代表者1名以上で設立でき、合資会社と同じく資本金の規定はありません。合名会社の特徴としては、全ての出資者が無限責任社員となり、会社が倒産した場合などは大きな負担を強いられる可能性があるという点です。また、合名会社の設立方法の手順などは主に合同会社と同様です。

会社形態を決めるポイントはリスクを抑えること

会社を設立する際には、まず会社形態を決める必要があります。会社形態を決めるポイントはリスクを抑えることです。例えば、現在設立できる4つの会社形態のうち、合資会社と合名会社は、無限責任社員が抱えるリスクがあります。そのため、株式会社か合同会社のいずれかを選んで設立することが一般的です。

株式会社と合同会社のどちらの形態が適しているかは、事業の内容や規模などによっても異なります。例えば、株式による資金調達や株式上場を目指すなら株式会社、スタートアップ時期の小規模事業や大きな資金調達を必要としない事業の場合は合同会社を選ぶことも考えられるでしょう。

ただし、株式会社は設立にかかる手続きなどが多く、合同会社より設立費用もかかります。リスクを抑えるなら、まずは合同会社で起業して、事業が軌道にのってから株式会社へ変更するのも1つの方法です。

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会社形態の違いを知って自分の事業に合う形態で起業しよう

現在では、新たに有限会社を設立することはできません。新たに設立できる会社形態は株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つです。会社形態を決める際には、事業内容をはじめ、設立手続きや費用、万一の際の責任範囲などを検討することが大切です。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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