「キャッシュフロー」って会社の血液みたいなもの?マンガでわかるスモールビジネス用語
執筆者:斎藤充博
2021/03/31更新
スモールビジネスを営んでいると、耳慣れない専門用語が現れるもの。そんな言葉を解説するマンガ連載です。ただし解説してくれるのは……。神出鬼没の謎のヒーロー?!
第4回は「キャッシュフロー」です。キャッシュフローとは企業活動における「現金の流れ」を意味する言葉。売上や利益だけでなく、現金が入るタイミングや、出ていくタイミングに留意しながら経営をすることは、とても重要です。
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キャッシュフローが重要
キャッシュフローとは「現金の流れ」のこと。仕事をして、売上が立ったとしても、 それがすぐには現金になるとは限りません。会社と会社の取引であれば、納品後に短くても1~2か月程度の時間がかかるのが普通でしょう。業界の習慣によっては、もっと長くなることもありえます。
しかし、その間に現金で払わなくてはいけない経費がたくさん発生した場合、手元の現金が少なくなってしまいます。赤字でも事業は続けることはできますが、現金が底をついて、支払いができなくなってしまうと、事業をたたまざるをえなくなってしまいます。
「キャッシュフローを改善させる」などというと難しく聞こえるかもしれませんが、ようは「手元に現金がある状態」を作り出せるようにすればいいのです。以下のような工夫が考えられます。
- 売上
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- 案件で工程やフェーズごとに納品・検収をおこなって売り上げ計上できるようにする。その売上の一部だけでも早めに入金してもらう
- 業者に売掛金を買い取ってもらう(ファクタリング)
- 発注書を担保に融資を受ける(POファイナンス)※POファイナンスの「PO」とは「Purchese Order」の略で注文書のことです。
- 手形の割引
- すぐに入金してもらえる仕事を増やす
- 経費
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- 支払のサイトを入金サイトより長くする
- ムダな経費をカットする
- 財務
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- 金融機関などからの借入を行う
- 自治体などからのもらえるお金(補助金・助成金)を探して適用できるものは申請して受け取る
- 設備や備品などを売却する
リストアップしてみると、いろいろありますね。もっとも、「売上の一部だけでも早めに入金してもらう」や「仕入れの決済を伸ばす」などは取引先との関係を考えると、そう簡単には行えないかもしれません。どの工夫をどんなタイミングで行うかは難しいですが、それが経営者の腕の見せ所とも言えるでしょう。
余談ですが、僕は「キャッシュフロー」というと初めて入った会社で新人だったときのことを思い出します。
夜に会社の先輩達の飲みに付き合う。支払いの精算は新人である僕の役目です。僕が参加者から料金を受け取って、お店に支払います。
このときにカード払いにすると、僕の手元の現金は減らさずに飲み会の現金がまるまる貯まるのです。そして、カードの決済日まで手元に潤沢な現金があるので、活動や生活にゆとりができます。……しかし、カードの決済日になると、飲み会で僕の手元に集まった金額はもちろん自分の飲み代もすべて失われてしまいます。
余分な現金を持っているのは、うれしいことのはずですが、逆に緊張するような気持ちもありました。キャッシュフローの難しさを、身をもって知ったわけです。
もしもいままでキャッシュフローのことを考えていなかったら、一度見直してみてはいかがでしょうか。自分のビジネスの思わぬ側面が見えてくるかもしれません。
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