「ラクちん帳簿づけ」を実現するためのコツと心がけ
執筆者: 安田博勇
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事業を行っていれば、必ず帳簿をつけなければいけません。会計ソフトの普及により、以前よりもずっと帳簿づけがラクになったと思いますが、まだまだ帳簿づけを面倒に感じている人は少なくないようです。帳簿づけをラクにする方法・心がけとは何か。あらためて考えてみました。
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POINT
- 会計ソフト普及により、帳簿づけはだいぶラクになった
- 領収書・レシートはシンプルに封筒にまとめるのがベター
- 帳簿づけをラクにする心がけとは?
年末近くまで、帳簿をつけていない人の割合は「44%」
弥生が2016年11月16日までに行ったアンケート「今年、今期の帳簿をつけていますか?」の結果によると、2016年で「帳簿をつけていない人」は全体の「44%」。これに対し、直近まで帳簿をつけている人は「34.5%」、半分くらいまでつけている人は「14.3%」にのぼっています。
「半分くらいまで帳簿をつけている」まで含めて、帳簿をつけている人が50%ほどに達していたことは、個人的になかなか興味深い結果です。
ひと昔前は「帳簿づけなんて1年分まとめてやればいい」なんて言って年明け1〜3月にまとめて行う人がたくさんいたはずですが、それも今は昔のこと——。推察するに、帳簿づけの習慣が広まっている要因として、会計ソフトが普及していることが大きいのだと思います。
株式会社MM総研が2016年12月末に行った調査では、個人事業主のおよそ3分の1がなんらかの会計ソフトを利用しています。低価格帯から利用できるクラウド会計ソフトの普及もその利用率上昇を後押ししているはず。かく言う筆者もクラウド会計ソフトを導入して以降、帳簿づけがとても楽しくなり、まったく苦にならなくなりました。
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作業を飛躍的にラクにする会計ソフトでの帳簿づけ
会計ソフトでの帳簿づけは、だいたいこんなイメージです。
筆者が使っている「やよいの青色申告 オンライン」では、「かんたん取引入力」という機能から取引の登録(記帳)を行うことができます。

手書きや表計算ソフトで帳簿をつける場合は、仕訳帳・総勘定元帳といった「主要簿」から記帳していく人が多いと思いますが、「やよいの青色申告 オンライン」では、収入・支出・振替といった項目ごとに、取引を入力していくと、現金出納帳・預金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳といった「補助簿」ができます。複式簿記の知識が必要な主要簿も、入力データから、会計ソフトが自動的に作成してくれます。

なお、いずれの帳簿も「やよいの青色申告 オンライン」のレポート機能から、確認と印刷ができます。筆者のような青色申告の事業者は、これらの帳簿を7年間保管しておかなければなりません。なお、白色申告事業者も平成26年分から記帳と帳簿書類の保存が義務づけられています。
領収書・レシートの保管はどうする?
とはいえ、①新たな売上を記録、②入金されたら回収されたことも記録、③支出した経費は科目ごとにまとめて記録、が基本的な作業であることは、会計ソフトでも手書き帳簿でも同じこと。問題は、帳簿づけにとりかかる以前に、請求書・領収書(レシート)・明細書といった紙資料をきちんとまとめておけるかどうか、です。
特に、帳簿づけで面倒なのが備品等を購入したときの取引の記帳なのではないでしょうか。「やよいの青色申告 オンライン」では「よく使う取引」を検索することで入力ができるため、勘定科目に迷うことはほとんどありませんが、筆者は登録時に科目ごとに入力しやすいよう、領収書を勘定科目ごとにクリップ綴じし、月ごとの封筒にまとめて保管しています。
最近はスキャナ保存制度の改正で、領収書保存も電子データでできるので、申請や準備も必要ですが、いずれ検討したいと思います。
もうひとつ、領収書・レシートの記帳を面倒にしないコツが、事業用のクレジットカードです。特に資料として購入することの多い書籍は、なるべくネットショッピングを利用するようにしています。クレジットカード購入のため領収書は発生しませんし、サイト上に購入履歴が残せ、クレジットカード会社からは明細書が届きます。明細データから会計ソフト上に取り込めるサービスもあるので便利です。
帳簿づけをラクにする心がけ
領収書・レシートといえば、たとえそれが実際に事業に使った経費でも、帳簿づけするまで保管しておくのを面倒に感じることから、もらわずにいたり捨ててしまったりする経験はありませんか?
個人事業主の間では有名な金言に「領収書は金券である」というのがあります。たとえ500円の領収書でも、20枚たまれば1万円。ひとつひとつの金額が小さくても事業に関係する費用であれば、すべて経費に計上して課税所得を下げられれば、節税になります。そのことから「金券のように扱え!」ということ。少額の領収書もちょっとずつ貯金していると思えば、大事に扱えるようになるはずです。
帳簿づけを習慣化する心がけとして、筆者がもう1つ重要だと思っているのが「ひと月区切りで記帳する」です。これは「2ヵ月区切り」とかでも構わないと思います。
月1ペースの帳簿づけは自分の仕事の成果を見る貴重な機会。サラリーマン時代と違って昇給やボーナスがない我々は「どのくらい仕事を頑張ったのか」をはかることができません。「その月にどのくらいの仕事をやったのか」「その仕事にかけたコストをどれだけ抑えることができたのか」を知り、前の月や前年と比較する—-。お金というひとつの指標を通して見ることで「このペースなら目標に達する」とか「来月はもっと仕事をしなければ」なんてことも考えやすくなります。
そう考えていけば、事業主にとっての帳簿づけは決して義務なんかではありません。事業を成功させる機会のひとつだととらえることが、帳簿づけをラクにする一番の近道なのではないでしょうか。
photo:Thinkstock / Getty Images
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この記事の執筆者安田博勇
1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。
