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法人の交際費・個人事業主の接待交際費の違い

執筆者: 柳原つつじ

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事業を営んでいれば、取引先やお得意様と食事をしたり、お中元を贈ったり、事業所の移転祝いをおくったりすることもあるでしょう。そのときの費用を「接待交際費」として経費に計上することができます。しかし、無制限に認められるわけではありません。個人と法人では、どのように異なるのか、解説していきたいと思います。

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POINT

  • 個人事業主は、業務上、必要不可欠なものであれば、接待交際費を必要経費として計上できる
  • 資本金が1億円以下の中小企業の場合は1事業年度で最大800万円まで交際費に計上できる
  • 法人の場合、1人あたり5,000円以下の飲食代は一定の要件を満たす場合、交際費から除外される

個人事業主の「接待交際費」とは?

「接待交際費」と聞くと「食事」というイメージが強いと思いますが、それだけではありません。個人事業の必要経費については、所得税法上は以下のように定められています。

「必要経費に算入すべき金額は、その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。」(所得税法第37条からの部分抜粋)

つまり、業務を行ううえで必要なものであれば、接待交際費についても必要経費として計上することができます。特に上限は設けられていない代わりに、事業に関係ないような接待交際費は、税務調査の際に問題になるかもしれません。

個人事業の場合、接待交際費を含め経費は、きちんと説明できる内容であることが重要だと言えるでしょう。

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法人の場合の「交際費」とは?

一方、法人の場合は事情がかなり異なってきます。資本金または出資金の金額が1億円を超えている法人の場合は、たとえ業務の遂行上、必要なものであっても、交際費を経費にすることはできません。これを「損金不算入」と表現します。

しかし、景気対策の一環として、平成26年度税制改正において、資本金または出資金の金額1億円以上の大企業も交際費の50%まで損金算入できる特例ができました。特例の適用期限が2年延長され、現時点では平成30年3月末まで、この特例は有効となります。

資本金が1億円以下の中小企業の場合は、交際費を1事業年度で最大800万円まで経費にすることができます。法人の場合の「交際費等」は、国税庁で次のように定義されています。

「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」

平たくいえば、仕事にかかわる人を酒や食事でもてなしたり、労をねぎらったり、物を贈ったりするときにかかる費用が「交際費」ということになります。

ちなみに、資本金が1億円以下の中小企業であっても、さきほど説明した、交際費のうち接待飲食代の50%を損金算入とする特例のほうを選択することもできます。接待飲食代のみで1600万円を超える場合には、特例を選択したほうがよいことになりますが、さすがにこちらはレアケースでしょう。多くの中小企業は、年間800万円まで接待交際費を損金算入する方法を選ぶことになるかと思います。
国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算新規タブで開く

  • 資本金の額または、出資金の額が5億円以上の法人の100%子会社を除く

ただし、法人の場合、以下は交際費から除外されるので、注意しましょう。

  • 販促用のカレンダー、手帳、手ぬぐい等の物品贈与などに要する費用
  • 会議に関連しての茶菓、弁当などで要する費用
  • 会議に関連しての茶菓、弁当などで要する費用
  • 1人あたり5,000円以下の飲食代など

一人あたり5,000円以下の飲食代は……

1人あたり5,000円以下の飲食代は、交際費から除かれますが、会議費などで損金に算入することができます。その場合は、以下のすべてを記載した書類を会社内で保存しておかなければなりません。

  • 飲食などのあった年月日
  • 相手先の会社名、氏名、及びその関係
  • 飲食などに参加した人数
  • 飲食などの金額と飲食店の名称および所在地
  • そのほか参考となるべき事項

取引先と店のはしごをした場合も1人あたり5,000円以下ならば、「会議費」として損金とすることができます。ただし、社内飲食代は全額損金にすることはできませんよ。あくまでも取引先など社外の人と飲食をした場合に限られます。

以上、個人事業と法人における接待交際費の違いについて、説明いたしました。

景気対策のために、拡充した法人の交際費ですが、その分、ルールをきちんと理解する必要があります。また、個人事業主の接待交際費の場合も、法人のような制限がない分、しっかりと第3者に説明できるよう、メモを記載しておくなど、日々領収書を管理しておきましょう。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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