開業資金はいくら必要?独立開業にかかる費用相場や調達方法を紹介

2024/01/16更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

開業時に気になることの1つが、お金の問題です。開業しようと決めたものの、「開業資金はどのくらい必要なのだろう」「お金はどうやって用意すればいいのだろう」と、不安を感じる方もいるかもしれません。事業をスムースにスタートさせるためにも、自分に合った資金調達の方法を知っておくことが大切です。
ここでは、開業時に必要な費用の内訳や金額、それらの資金調達方法などについて解説します。

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開業に必要な資金は業種によって異なる

開業に必要な資金は業種によって異なります。例えば、飲食店や美容室などの店舗型ビジネスでは、店舗を借りるために保証金、敷金、礼金、前家賃、仲介手数料などが必要になります。他にも内外装工事費用、厨房機器の購入費用などが必要になるため、開業時の費用が高額になる場合があります。

また、事務所を準備すれば開業できる場合、事務所の賃貸契約に必要な費用、パソコンや業務用ソフトの購入、什器や文房具などの事務用品などを用意することにより営業ができるため、開業費用は店舗型ビジネスと比べて少額になる傾向があります。

なお、開業後1年以内の7,032社(不動産賃貸業を除く)を対象とした日本政策金融公庫総合研究所の「2023年度新規開業実態調査 新規タブで開く」(2023年11月30日)によると、開業費用の分布は下記のようになっています。

  • 250万円未満:20.2%
  • 250万~500万円未満:23.6%
  • 500万~1,000万円未満:28.4%
  • 1,000万~2,000万円未満:18.8%
  • 2,000万円以上:9.0%

500万~1,000万円未満の割合が最も多く、平均値は1,027万円であるため、開業資金を貯めたいと考えている人は500万~1,000万円を一つの目安として考えてみるとよいでしょう。

開業時に必要な費用の内訳

開業の際には、設備にかかる費用と数か月分の運転資金を用意する必要があります。設備にかかる費用と運転資金の内訳を把握すれば、開業時にどのくらいの費用がかかるのかがわかります。開業してすぐは売上が安定しない時期ですから、一般的に運転資金は3か月分程度、飲食店など売上がなくても仕入れにお金がかかるような業種では6か月程度を確保しておいた方が安心です。
開業の際にかかる費用の内訳について、忘れがちなポイントも含めていくつか例も見てみましょう。

設備にかかる費用

設備にかかる費用には、業種によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。

テナントの賃借やリフォームにかかる費用

店舗や事務所を借りる場合、一般的には賃料の他に敷金、礼金、保証金などの初期費用が必要です。賃料だけでなく、数か月分の金額が必要な場合もあるため、賃貸契約書をしっかり確認しましょう。また、高額になりがちな水回りも含め、リフォームが必要な場合はその工事費についても調べておくことをおすすめします。

事業に必要な機器・設備代

開業時には、事業用の事務用品や店舗用の什器など、大小さまざまな機器類を用意しなければなりません。これらは購入する他、リースで揃える方法もあります。電話やインターネットなど通信回線の工事が必要な場合は、その分も含んでおきましょう。

運転資金

運転資金とは、家賃、光熱費、仕入れ代金、外注費、通信費、広告宣伝費など、事業を運営していくうえで継続的にかかる費用のことです。

仕入れ代金

小売店や飲食店の場合、いくら店舗の体裁を整えても、店頭に並べる商品や料理を作るための材料がなければ営業はできません。オープン前までに定期的に仕入れができる取引先を確保し、商品や材料を仕入れます。これらの仕入れにかかる代金も、運転資金にあたります。

広告宣伝費

事業を軌道に乗せるためには、広告・宣伝も大切です。チラシを作る場合は紙代や印刷代が、Webサイトを作る場合はサーバーのレンタル料やドメイン取得費用が必要です。チラシやWebサイトの制作を外部の業者に依頼した場合は、それぞれ外注費が発生します。広告に付随する外注費なども運転資金となります。

文具類

毎月の事務用具や備品代も運転資金の1つです。その他、名刺や印鑑、封筒、ファイルなどの文具類も用意しておく必要があります。

業務用ソフト

減価償却するような高額なもの以外であれば、クラウド版やインストール版などの業務用ソフトも運転資金となります。事業を開始すると、さまざまなお金のやりとりが発生します。事業が動き始めてから慌てることのないよう、法人設立のタイミングで会計ソフトなどの業務支援ソフトを導入しておくといいでしょう。例えば、会計ソフトを使うと、簿記や会計の知識がなくても、帳簿や決算書を作ることができます。

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法人の場合は設立費用も必要

法人として開業する場合は、法人設立のための費用がかかります。個人事業主の場合は、開業届の提出に費用はかかりません。

開業時の「法人」「個人事業主」の違いや費用については、こちらの記事も併せてご覧ください

法人と個人事業主の違いや起業スタイルの選択基準を解説

事前の資金調達が開業時の負担を減らす

開業時には、テナント貸借や設備の準備、仕入れなどに多くの資金が必要です。開業後も、運転資金が足りないと、資金繰りに苦しむことになりかねません。「2023年度新規開業実態調査 新規タブで開く」(2023年11月30日)でも、開業時に苦労したこととして、回答した企業の59.6%が「資金繰り、資金調達」を挙げています。
開業する際には、自己資金に加えて、あらかじめ金融機関などから資金調達をしておき、余裕をもって開業するのがおすすめです。

なお、当社では「創業計画をつくる 新規タブで開く」というクラウドサービスを無料で提供しております。「創業計画をつくる」では、飲食業や小売業など業種ごとのフォーマットを用意しており、質問に答えるだけでかんたんに事業計画書を作成することができます。
加えて、先輩起業家のデータと比較した判定結果を見られるため、金融機関に融資を申し込む予定の方はご利用を検討してみてください。

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開業資金の集め方

開業資金を集めるには融資や補助金、助成金などさまざまな方法があり、場合によっては複数の方法を組み合わせて資金を集めることも可能です。主な資金調達方法の特徴を確認しておきましょう。

開業資金の集め方

  • 融資
  • 補助金・助成金
  • 直接金融
  • クラウドファンディング
  • ビジネスコンテスト

公的機関である日本政策金融公庫や信用保証協会の他、銀行をはじめとする民間の金融機関では、起業家を対象とした創業融資を行っています。融資を受けるには、事業計画書を作成して窓口で相談し、審査をクリアする必要があります。

開業時に使える資金調達方法や事業計画書の詳しい説明はこちらの記事も併せてご覧ください

起業・開業に使える資金調達方法とそれぞれのおすすめポイントを解説

事業計画書とは?作成する目的や基本の書き方、注意点を解説

補助金・助成金

補助金・助成金は、中小企業庁や厚生労働省など国や地方自治体による支援制度です。いずれも受給には審査があり、一定の資格が必要な場合もあります。
補助金は募集期間や金額、採択件数があらかじめ決められているものが多く、申請しても必ず受給できるとは限りません。そのため、補助金の申請にあたっては、提出書類の内容が非常に重要だといえるでしょう。
一方、助成金は随時受け付けているものが多く、一定要件を満たせば受給が可能です。

融資や補助金・助成金を希望する際に、「どこに申請すればよいか」「提出書類をどうやって作成すればよいか」などと迷ったら、税理士や社労士の力を借りましょう。しかし、開業準備で忙しい中、自力で税理士を探すのは手間や時間がかかります。そのような場合は、弥生株式会社の「税理士紹介ナビ新規タブで開く」がおすすめです。「税理士紹介ナビ」は、起業全般や税、経理業務などに関する困りごとをお持ちの方に、弥生が厳選した経験豊富で実績のある専門家をご紹介するサービスです。業界最大規模の全国12,000のパートナー会計事務所から、会社所在地や業種に合わせて最適な税理士をご紹介します(2023年4月現在)。紹介料は、一切かかりません。

直接金融

自分のビジネスに投資家から出資してもらって起業資金にすることを、直接金融といいます。直接金融の代表的な例が、個人投資家やベンチャーキャピタル(VC)からの資金提供です。ベンチャーキャピタルの審査は厳しいため、一般的には起業後すぐに出資を受けるのは難しいですが、事業拡大を目指すタイミングであれば資金提供を受けられる可能性があります。

クラウドファンディング

インターネットを活用して自分のビジネスを紹介し、共感・応援してくれる不特定多数の個人から資金を集める方法です。寄附型、購入型、融資型などさまざまなタイプがあります。

ビジネスコンテスト

「ビジネスコンテスト(ビジコン)」は、個人や法人がビジネスプランの内容を競い合うイベントです。審査員によって選ばれた受賞者には、そのビジネスを有利に立ち上げ、展開するための特典が与えられます。賞金や特典が用意されているだけでなく、出場することで認知度が上がったり人脈構築につながったりするメリットもあります。

資金調達手段を手軽に探す方法

前述のとおり、資金調達には融資や補助金・助成金などさまざまな方法があり、自力で探すのは手間や時間がかかります。そのような場合は、弥生株式会社の「資金調達ナビ 新規タブで開く」がおすすめです。

「資金調達ナビ」は、資金調達手段を探したり、資金調達に欠かせない知識が学べたり、資金調達の専門家の紹介が受けられたりする完全無料のWebサービスです。全国の行政が提供する補助金や助成金の他、連携する金融機関の融資情報を一括で検索でき、自分に適した資金調達手段を手軽に探せます。

「資金調達ナビ」はこんな方におすすめ

「資金調達ナビ」は、特に次のような方におすすめです。

資金調達手段の探し方がわからない方

「資金調達ナビ」では、補助金、助成金、給付金、融資、制度融資を、地域や事業形態で絞り込んで検索できます。例えば、国や自治体が実施する補助金、助成金、給付金の最新情報と、全国の主要な金融機関の融資などの一括検索が可能です。かんたんな操作で、自分に適した資金調達手段を見つけることができます。

資金調達に関する知識を身に付けたい方

資金調達といっても、融資や補助金・助成金、株式発行による出資といったさまざまな方法があり、それぞれの違いや準備することなど、知っておきたいポイントも多くあります。「資金調達ナビ」では、専門家が執筆したコンテンツを発信しているので、資金調達の基本も学ぶことが可能です。

開業資金を集めたい方、自己資金だけで起業しようと思っている方

起業・開業時には、店舗や事務所を借りた場合の敷金や礼金といった初期費用の他、仕入れ代金などさまざまなお金が必要になります。自己資金を準備していても、事業開始後、計画どおりに進まないこともあるでしょう。融資は、赤字経営のときよりも、創業前のほうが受けやすいという傾向があります。そのため、自己資金でまかなえそうであっても、創業前に余裕をもって資金調達しておくことが大切です。「資金調達ナビ」を使えば、自分に合った資金調達手段を手軽に探せます。

融資に必要な事業計画書を手軽に作成したい場合

融資を申請する際には、どのように事業を運営しどのように利益を上げていくのかを示す、事業計画書が必要です。スムースな資金調達には、説得力のある事業計画書が欠かせません。しかし、いざ自分で事業計画書を作成するとなると、何をどう書けばよいかわからず戸惑う方もいるのではないでしょうか。
専門家に頼らず、自力で事業計画書を作るには、弥生の資金調達ナビ「創業計画をつくる 新規タブで開く」が便利です。質問に答えていくだけで創業融資の申請時に必要な事業計画書を、利用量が一切掛からずWeb上で作成できます。
飲食業や小売業(店舗)、ネットショップなど業種ごとのフォーマットが用意されており、さらに、日本政策金融公庫の「創業融資」の申請に必要な「創業計画書」も同時に作成することができます。
資金調達を行ううえでは、どのように事業を運営し、利益を上げていくのかを示す、事業計画書は欠かせないものです。フォーマットを活用して、融資元に納得してもらえる事業計画書を提示しましょう。

開業するための5つのステップについては、こちらの記事も併せてご覧ください

個人事業主として開業するには?開業の方法をステップに分けて解説

必要な開業資金を把握して、計画的に準備を進めよう

開業時に必要な資金は、業種や事業的規模、個人事業主か法人かによっても異なります。何にどのくらいの金額がかかるかをリストアップし、当面の運転資金も含めた必要な金額を算出します。
自己資金だけでは足りない場合は、資金調達を行う方法もあります。開業後の事業をスムースに進めるためにも、無理のない計画を立て、しっかりとお金の準備をしておきましょう。

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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