会社法の目的や規定内容とは?初心者にもわかりやすく解説

2023/12/04更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

会社法とは、会社に関するさまざまなルールがまとめられた法律です。会社を設立したり運営したりするときには、会社法に定められたルールを守らなければなりません。とはいえ、「具体的にどういった内容なのかよくわからない」などと、悩む方もいるのではないでしょうか。

ここでは、会社法の役割や規定内容など、会社を経営するうえで知っておきたい、会社法のポイントについて解説します。

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会社法は会社に関するさまざまなルールを統合した法律

会社法とは、会社の設立や運営、仕組み、組織などについて定められた法律です。2005年に成立し、2006年5月1日より施行されました。
会社法ができるまでは会社についてまとめられた固有の法律はなく、商法の一部や有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律といった、複数の法律に分散されていた会社のルールを総称して、「会社法」という言葉が使われていました。2006年に会社法が施行されたことで、個別に存在していた会社に関するルールが統合され、一元化されたのです。

会社法は2006年の施行後も改正が行われているため、改正内容についてもチェックしておくことが大切です。中でも、これまで大きな改正が行われたのは、2014年(2015年施行)と2019年(2021年施行)の2回です。

会社法の役割

会社法の役割は、会社経営に対する柔軟性を高め、法律を活用しやすいよう機動力を上げることです。そのため、会社法があることで、取引相手の保護や利害関係者の利益確保、法律関係の明確化といったものが可能になります。

会社法が定められたことによって、例えば、会社の必要な情報を開示することで、それぞれ取引相手の保護を図ることができるようになりました。また、利害関係者の権利利益を保護し、お互いに利益を得やすい仕組みを構築できるようにもなっています。

会社法の主な記載事項

会社法は、第1編から第8編までの8つの編で構成されています。主な記載事項は、以下の表のとおりです。

内容
第1編 総則(第1条~第24条) 会社法の全体に共通している、一般的、もしくは包括的な規定や事項が記載されています。
第2編 株式会社(第25条~第574条) 株式会社に関して、設立や株式発行の手順、会計方法、取締役機関の設置や解散などのルールが定められています。
第3編 持分会社(第575条~第675条) 持分会社における3種(合同会社、合名会社、合資会社)の会社形態に関して、設立や解散、清算などのルールが定められています。
第4編 社債(第676条~第742条) 会社が発行する債券(社債)に関して、公募社債の発行や譲渡、社債権者集会などのルールが定められています。
第5編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転(第743条~第816条) 会社組織の再編や変更、合併や会社分割、株式交換などについてのルールが定められています。
第6編 外国会社(第817条~第823条) 外国の法令に準拠して設立された法人等を「外国会社」と位置付け、日本国内で事業活動を行う外国会社に適用される各則です。
第7編 雑則(第824条~第959条) 会社に対する、解散命令や訴訟手続、非訟手続、登記、公告など、幅広い分野についてのルールが定められています。
第8編 罰則(第960条~第979条) 取締役等の特別背任罪や代表社債者等の特別背任罪、虚偽文書行使等の罪、取締役等の贈収賄罪、株主等の権利の行使に関する贈収賄罪など、会社に関連する罪についての規則が記載されています。

なお、第2編「株式会社」には、株式会社の設立の手順をはじめ、株式発行の手続き、株主総会、会計方法など、株式会社の経営に関わる詳細な規定が記載されています。株式会社を設立するときはもちろん、会社を運営するうえでもしっかり確認しておきたい項目です

また、資金調達のために社債を発行する場合などは第4編「社債」を、支店設置など組織変更があった場合には第5編「組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転」を、それぞれ確認する必要があります。

会社法で規定された「設立できる会社の種類」

会社法では、会社の種類について、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つと定義しています。このうち、株式会社以外の3つの会社形態は、持分会社(もちぶんがいしゃ)と呼ばれます。株式会社と持分会社の違いは、「株式を発行するかどうか」です。

なお、有限会社は、2006年の会社法施行以降は、新たに設立できなくなっています。

株式会社

株式会社は、株式を発行して資金を集め、その資金をもとに経営する会社形態です。株式とは、株式会社が出資者である株主に発行する証券のことです。株式会社では、出資者である株主と法人の経営者の役割が切り離されています。ただし、出資者(株主)と経営者は、同一人物であっても認められています。

  • 株式会社については以下の記事を併せてご覧ください。

持分会社

持分会社は、株式会社とは異なり、所有と経営が一致している会社形態です。持分会社では、出資者自身が経営に対する決定権を持って、業務を執行します。

合同会社

合同会社は、2006年の会社法施行によって新しく生まれた会社形態です。合同会社の出資者である社員は、会社の負債に対して限られた範囲の責任を負う「有限責任社員」のみとなります。

合同会社のメリットとして、株式会社よりも会社設立の費用が抑えられ、かかる時間が短いことが挙げられます。また、会社の所有と経営が一致していて、経営の自由度が高いことから、会社設立時に合同会社が選ばれるケースも増えてきています。

  • 合同会社については以下の記事を併せてご覧ください。

合名会社

合名会社は、会社の負債に対してすべて責任を負う、「無限責任社員」のみで構成された会社です。

合資会社

合資会社は、会社の負債に対してすべて責任を負う「無限責任社員」と、会社の負債に対して限られた範囲の責任を負う「有限責任社員」からなる会社です。

会社法で規定される株式会社の運営機関

会社法では、株式会社の運営の仕組みについても定めています。会社法で規定されている株式会社の運営機関には、次のようなものがあります。

株主総会

株主総会とは、株式会社における最高意思決定機関です。株式会社の出資者である株主が集まり、会社の基本方針や、役員や監査役の選任・解任、定款の変更など、会社に関する重要事項を決議します。会社法では、株式会社に対して、事業年度の終了後一定の時期に、定時株主総会を開催することを義務付けています。

取締役会

取締役会は、会社の業務執行の意思決定機関です。取締役会を設置するには、3名以上の取締役を置く必要があります。取締役は会社法に定められた役職の1つで、会社の業務執行に関する意思決定を担います。

監査役会

監査役会は監査方針の決定や監査報告書の作成などを行う機関で、3名以上の監査役(そのうち半数以上は社外監査役)によって構成されます。監査役は、取締役の職務執行状況を監督・監査する役職で、業務や会計上の不正がないかどうかをチェックし、不正が発覚した際は是正する役割を担います。

会計参与・会計監査人

会計参与は、取締役と共同し、貸借対照表や損益計算書といった計算書類等を作成する機関です。会計監査人は、会社の計算書類などを会計監査する機関で、公認会計士または監査法人のみが務めます。

監査委員会

監査委員会は、会計監査人の選任や解任などに関する内容を決定する権限を持ちます。また、取締役の職務執行の監査や監査報告の作成なども行います。

指名委員会

指名委員会は、取締役会の中に設ける社長など経営陣の選任・解任を議論する組織です。株主総会に提出する取締役選任案の策定を主導し、人選の理由や意図などをステークホルダーに説明する責任があります。

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会社を設立するには会社法を知ることが大切

会社法は、会社に関するさまざまなルールを取りまとめた法律です。特に、会社を設立するときには、会社法の内容をしっかり確認しておきましょう。

とはいえ、法律の条文を確認しながら、自分だけの力で設立手続きを進めるのは、なかなか難しいものです。会社法に定められたルールを知らなかったために、法令違反になってしまうこともあるかもしれません。

正しく手続きを進めるためにも、便利なクラウドサービス「弥生の設立お任せサービス」「弥生のかんたん会社設立」などを活用して、スムースな会社設立を目指しましょう。

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この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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