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アルバイトの有給休暇の付与要件や賃金の計算方法とは?取得を促すコツも解説

監修者:下川めぐみ(社会保険労務士)

2024/03/01更新

アルバイトやパートにも、心身を休められるよう有給休暇が付与されるケースがあります。ここでは、労働基準法で定められている付与基準や日数をはじめ、賃金の計算方法についてわかりやすく解説します。また、自社の従業員に取得を促すためのコツも紹介します。

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アルバイト・パートに有給休暇が付与される要件は2つ

労働の対価には賃金のほか、さまざまな種類の休暇も含まれます。例えば、有給休暇(年次有給休暇)はその名のとおり「給与が発生する休暇」です。逆に、給与が発生しない休暇は「無給休暇」と呼ぶこともあります。

有給休暇は、労働が一定の要件を満たした場合に必ず与えなければならないものです。もし要件をクリアしているにもかかわらず、使用者の都合やミスで付与しなかった場合は労働基準法違反となり、罰則が発生してしまうため、十分注意しましょう。有給休暇は正社員だけのものと勘違いされがちですが、次のような2つの要件をクリアすれば、アルバイトやパートなどの雇用形態にかかわらず、有給休暇を付与する必要があります。

  • 6か月以上、勤務を継続していること
  • 所定労働日の8割以上は出勤していること

参考:厚生労働省「年次有給休暇制度について新規タブで開く

これは、あくまで労働者を守るために定められている最低限のルールです。そのため、上記の要件を満たせていないケースでも、使用者は自社の判断で有給休暇を与えることは可能です。また、有給休暇を取得できる日数や時間については、契約上の労働日数や時間で変動します。

有給休暇の付与日数の基準

ここからは、アルバイトやパートといった非正規の労働者に対して、有給休暇をどう付与すればよいのか、2つの基準に分けて解説します。

週30時間以上か週5日シフト以上の基準

アルバイトやパートで週30時間以上、あるいは週5日以上のシフトで働く場合、半年以上継続して8割以上出勤していれば、年間10日の有給休暇が与えられます。出勤率は、「(実際の出勤日数÷所定労働日数)×100%」で計算可能です。

また、育児休暇や介護休暇などの休暇制度を利用した場合も、出勤日数に含んで計算できます。入社半年で年間10日の有給休暇が与えられた後、勤続年数を重ねるごとに付与される有給休暇の日数も増え、6年半たつと1年ごとに20日の有給休暇が付与されるようになります。
参考:厚生労働省「年次有給休暇制度について新規タブで開く

シフトが週4日以下の基準

たとえ労働時間が週30時間未満で、かつ週4日以下の場合でも、1年間を通じて8割以上出勤していれば、有給休暇は付与されます。先に解説したフルタイム勤務のケースと同様に、出勤率は「(実際の出勤日数÷所定労働日数)×100%」で計算可能です。

また、育児休暇や介護休暇などの各種休暇も出勤日として算入でき、変わりはありません。ただ、フルタイム勤務と異なる点もあります。

有給休暇の日数は勤続年数とともに増えていくものの、その日数は少ないのが特徴です。勤続年数6.5年以上で見たとき、例えば、週4日勤務であれば最大15日、週3日なら11日、週2日なら7日、週1日なら3日となっています。
参考:厚生労働省「年次有給休暇制度について新規タブで開く

アルバイトが有給休暇を取得した際の賃金計算方法

冒頭で解説したように、有給休暇は賃金が発生する休暇です。では、アルバイトやパートの労働者が有給休暇を取得した際、どのように賃金を計算すればよいのでしょうか。ここでは、労働基準法で定められている3つのパターンについて解説します。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第39条新規タブで開く

通常賃金から計算する方法

アルバイトやパートでも、1週間や1か月で労働日数や時間が決まっている場合は、通常賃金から計算するのがわかりやすくおすすめです。具体的には、「有給取得日の勤務時間×時給」で算出できます。

平均賃金から計算する方法

固定給ではない、つまり1週間や1か月で労働日数や時間が決まっていない場合は、平均賃金から計算することも可能です。具体的には「直近3か月間の賃金総額÷直近3か月間の総暦日数」あるいは、「直近3か月間の賃金総額÷直近3か月間の総労働日数×0.6」で計算します。いずれか高い方を平均賃金として、有給休暇の賃金を計算する際に採用しましょう。
参考:厚生労働省「平均賃金の計算方法新規タブで開く

標準報酬日額から計算する方法

標準報酬日額と呼ばれる金額をベースに、有給休暇の賃金を求める方法もあります。勤務先の健康保険に加入している、かつ労使協定を結んでいる場合に使えるのがポイントです。なお、標準報酬日額は1から50までの等級で区分されており、「標準報酬月額÷30」の計算式で求められます。標準報酬月額は以下の全国健康保険協会のサイト内で、都道府県ごとに確認できます。
令和5年度保険料額表(令和5年3月分から) | 全国健康保険協会新規タブで開く

支払基礎日数 標準報酬月額の決定方法
3か月とも17日以上ある場合 3か月の報酬月額の平均額をもとに決定
1か月でも17日以上ある場合 17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定
3か月とも15日以上17日未満の場合 3か月の報酬月額の平均額をもとに決定
1か月又は2か月は15日以上17日未満の場合(1か月でも17日以上ある場合は除く) 15日以上17日未満の月の報酬月額の平均額をもとに決定
3か月とも15日未満の場合 従前の標準報酬月額で決定

引用:全国健康保険協会「標準報酬月額の決め方新規タブで開く

アルバイトの有給日数を計算する際の留意点

アルバイトやパートの有給休暇の日数を計算する際は、いくつかの点に注意が必要です。ここでは特に重要な2つのポイントを紹介します。

未消化分を勝手に消化しない

アルバイトやパートでも、前年度に付与した有給休暇をすべて使いきれていない場合は要注意です。使用者の都合で勝手に消化してしまうと、労働基準法違反となってしまいます。また、そもそも有給休暇は労働者が理由に関係なく取得できる権利です。残っている有給休暇を無理やり使って休ませるといったこともしてはなりません。未消化分があれば、次年度に繰り越すよう適切に対応しましょう。

基準日の変更時には付与の前倒しを行う

基準日とは簡単に言えば、有給休暇を付与される日のことです。もし使用者が基準日を変更したい場合、労働者は日数の計算が変わることで休暇が不足してしまうこともありえます。そのため、基準日を変更する際は、労働者の不利益にならないよう付与の前倒しが必要です。

アルバイトの有給休暇取得について把握すべきこと

アルバイトやパートの有給休暇については、これまで解説した内容以外にも使用者として理解しておくべきことがいくつかあります。ここでは主な3つのポイントについて解説します。

最低でも年5日の年休取得が義務化

労働力が不足すると業務量をこなすために休みを削らざるをえません。また、これまで日本では有給休暇の取得日数について、労働者側に義務がありませんでした。そうした背景から、世界的に見ても有給休暇取得率が低い水準で推移してきたと言っても過言ではありません。ただ昨今は、デジタル化やDXが進むとともに、ワークライフバランスの充実を図る動きが活発化しています。

例えば現在、基準日(有給休暇を付与した日)を起点として、取得時季を指定して最低でも年間5日の有給休暇取得が義務付けられています。これは第196回通常国会において、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立したことで、2019年4月から施行されたものです。

もし年間5日の有給休暇を取得させられなかった場合は労働基準法違反となり、労働者一人当たり30万円以下の罰金が経営者へ科せられることになります。罰金だけで済むわけではなく、社会的な信用失墜も免れません。有給休暇に関する問題が発覚した場合は労働基準監督署からの指導が入るほか、今後の改善も求められます。そのため有給休暇の付与は、あくまで使用者側の義務としてあるものと認識しておくことが不可欠です。
参考:厚生労働省「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて新規タブで開く

年10日以上の有給休暇が付与されていればアルバイトも対象

先に紹介したように、年間5日の有給休暇取得義務化は日本の働き方改革にとって大きな前進と考えられます。対象となるのは、正社員だけではありません。年10日以上の有給休暇を付与されている労働者はすべて対象となるため、例えばアルバイトやパート勤務でも、要件に当てはまれば、最低でも5日以上の取得が必要です。もし付与から1年以内に取得できなかった場合は、使用者が労働基準法違反で罰金や指導の対象となってしまうため注意しましょう。

年次有給休暇管理簿で管理していくことが大切

労働者の有給休暇未消化は、使用者にとって大きな損失につながる問題です。そうしたリスクを減らすためには、労働者一人ひとりが有給休暇を問題なく取れているかどうかを適宜把握し、管理することが何より重要です。

労働基準法では、使用者側の義務として、年次有給休暇管理簿を作成すること、さらに管理簿を3年間保存することも定めています。罰則などはないものの、管理簿を作成し保存することで使用者として有給休暇取得に対する意識付けにはつながるはずです。うっかり未消化のまま放置してしまったといったリスクも軽減できます。

アルバイトの有給休暇取得を促すコツ

アルバイトやパートが有給休暇の要件を満たしていれば、積極的に取得を促していくことも、使用者にとって大切なことです。もちろん、無理に取得させることはあってはなりません。ここでは互いに気持ちよく、取得しやすいよう環境を整えていくためのコツとして、4つのポイントを紹介します。

年次有給取得計画表を作成する

有給休暇は、理由に関係なく限度内で自由に取得できる休暇であり、従業員によって希望はさまざまです。例えば、旅行でリフレッシュのために使いたい人もいれば、育児のため、介護のため、資格勉強のために使いたい人もいます。

そのため、まずいつ取得したいのかを年度別や月別など一定期間に区切り、その期間の有給休暇取得計画表を従業員に作成してもらいましょう。休暇の予定がある程度はっきりしていれば、希望を尊重したうえで、各従業員の業務や取得時季を調整することもしやすくなります。計画的に、年間5日以上の有給休暇取得を促せるのもメリットです。

時間や半休単位で年休消化できるようにする

日常生活では、学校行事や習い事、病院の付き添いなど、丸一日の休暇までは必要ないこともあります。その際、半日単位や時間単位で有給休暇を取得できるようにすれば、より取得を促せるためおすすめです。業務が繁忙期で1日単位の取得が困難なケースでも、取得日数を半日や時間に分けると、こまめに休みやすくなります。

なお、時間単位での有給休暇を付与できるようにするには、就労労使協定や就業規則へ明記しなければなりません。また時間単位での取得は、前年度の繰り越しを含め、5日以内におさめるよう定められています。半日単位を導入する際にも、その詳細については労使間でトラブルにならないよう、就業規則や雇用契約書へ明記しておきましょう。ルールを作っておくことで、使用者、労働者のそれぞれが気持ちよく休暇を取りやすくなります。

時季指定を行う

年間5日以上の有給休暇取得が必要な労働者の中で、もし取得率の低い人がいれば、使用者はより積極的に動く必要があります。例えば労働者が希望する時季において、「何月何日に有給休暇を取得してください」といったように促す方法です。本人の意思だけに任せると未消化になるおそれが高まるため、使用者は積極的に取得状況を注視していく必要があります。ただし時季はあくまで労働者によって決めることが大前提です。また時季指定の導入に関しては、就業規則に盛り込まなければなりません。

有給休暇の計画的付与を行う

時季指定以外にも、有給休暇を計画的に付与する方法も効果的です。例えば、義務化された年間5日以外の有給休暇について、あらかじめ取得日を計画してもらいましょう。そして、その日が来れば予定通り取得を促します。計画的付与には、大きく3つの方法があります。

まず「一斉付与」は全社が一斉に休業し、全従業員が長期休暇を取得する方法です。次に「交代制付与」はチームやグループ、班単位に分かれて交代して有給休暇を取得する方法です。個人が自身で作成した計画にもとづき取得する「個別性付与」もあります。

計画的に取得させるしくみをどのように設計するのかを検討し決定すれば、就業規則へ盛り込みましょう。さらに労働者側に不利とならないよう、次の内容などを含めた労使協定の締結も不可欠です。

  • 計画的付与の対象者
  • 計画付与日数と方法、および時季 など

計画的付与で有給休暇の日を決めた場合は、通常とは異なり、使用者側も労働者側も時季変更が原則できないことには注意が必要です。もしやむを得ない事情により変更の必要性がある場合は、労使協定にもとづいた所定の手続きを行ったり、労使協定の再締結が必要になったりするため、簡単ではありません。

有給休暇の管理は円滑に行おう

アルバイトも要件を満たせば有給休暇が発生するため、取得が少ない労働者については、積極的に取得を促すことも大切です。併せて取得状況の管理を徹底しましょう。休暇取得時の賃金計算に不安がある場合は、クラウド型給与計算ソフトの導入もおすすめです。

有給休暇の管理をする際には、賃金台帳や従業員台帳をチェックできる弥生の給与計算ソフト「弥生給与」と「弥生給与 Next」、「やよいの給与計算」がおすすめです。

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この記事の監修者下川めぐみ(社会保険労務士)

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ所属社労士。
医療機関、年金事務所等での勤務の後、現職にて、社会保険労務士業務に従事。

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