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副業でばれたらどうなる?副業を行う際の注意点と対応を解説

監修者:齋藤一生(税理士)

2024/07/01更新

副業を始めたい人や、既に副業に取り組んでいる人の中には、本業の勤務先が副業を禁止しているケースもあるでしょう。副業をしていることがばれたらどうなるのか、不安に感じている人もいるはずです。

結論から言うと、副業がばれるリスクを減らす方法はあるかもしれませんが、絶対にばれない方法はありません。
副業を本業の勤務先が禁止している場合は、「リスクを冒してまで副業に取り組むべきか?」を、真剣に考えて判断してください。本記事では、副業がばれた場合に起こり得ることや、ばれた場合の対応についてわかりやすく解説します。副業に取り組む際の注意点にも触れていますので、参考にしてください。

副業がばれたら罰則を科される可能性も

副業禁止の会社で副業をしていることがばれた場合、どうなるのでしょうか。結論から言うと、就業規則など所定ルールに則って何らかの罰則が科される可能性があります。

近年は副業解禁の機運が高まってはいますが、副業を独自に禁止している企業は少なくありません。企業としては自社が決めたルールに則って組織を運営していく必要があることから、就業規則などに副業禁止規定があれば、ルールに従うのが基本的な考え方といえます。

また、禁止されていると知りながら副業に取り組んでいたことが判明すれば、懲戒処分になることもあり得ます。戒告やけん責で済んだとしても、社内での信頼を失うでしょう。ルールを守らない人という印象を抱かせてしまい、重要な仕事や責任あるポジションが回ってこなくなる可能性も否定できません。
このように、副業禁止の勤務先で副業をすることにはリスクが伴います。

副業がばれてしまう理由

本業の勤務先が、従業員の副業を察知する要因の1つが住民税です。住民税は前年度1年間の所得を基に算出されます。住民税の徴収方法は特別徴収(給与から控除)と普通徴収(自分で納付)の2種類です。

副業分の所得にかかる住民税を普通徴収していない場合、本業の勤務先には給与所得+副業所得の合計額を基に算出された住民税額が通知されます。勤務先が計算した住民税額よりも多いことが判明すれば、給与所得以外に何らかの収入があることがわかってしまうのです。

また、副業で赤字申告をしている場合も、所得税・住民税に影響を与えます。副業で生じた赤字は給与所得と損益通算されるため、勤務先が計算した所得税や住民税よりも納税額が少なくなるのです。このように、税金額のずれが原因で副業がばれるケースは決して珍しくありません。

副業がばれないためには?

続いては、本業の勤務先に副業がばれないようにするための、一般的な方法を紹介します。ここで紹介する方法は、副業がばれないことを保証するものではありません。基本的には企業の就業規則を遵守し、社内規程で禁止されている場合は、規程を冒してまで副業をする必要があるのかを判断してください。また、副業がOKな企業でも副業の内容を勤務先に届け出るなどが必要な場合、所定の手続きを行ったうえで副業に取り組むことをおすすめします。

給与所得のアルバイト型副業をしない

アルバイトなど給与所得となる仕事を副業に選んだ場合、副業の所得が判明しやすくなります。給与所得を基に算出される住民税は、基本的に特別徴収として処理されるケースが多いからです。つまり、本業と副業で得た所得の合計額を基に住民税が計算され、翌年度の住民税額が勤務先に通知されることになります。副業を始めるのであれば、雑所得や事業所得と見なされる仕事を選ぶのが一般的です。

住民税は自分で納付する

副業の所得が雑所得や事業所得に該当する場合は、確定申告時に住民税の納付を「自分で納付(普通徴収)」を選択します。副業分の住民税のみ普通徴収にしておけば、本業以外で課税される住民税の存在を勤務先に知られることは基本的にありません。

ただし、一般的に住民税は特別徴収が推奨されています。普通徴収は納付忘れが発生する恐れがあるため、給与から天引きする特別徴収の方がより確実に税金を徴収できるからです。

確定申告書の「自分で納付」を選択して税務署に提出したとしても、実際に普通徴収にするかどうかは各自治体の判断によって異なる場合があります。住民税を自分で納付するよう手配すれば、確実に副業がばれないとは言い切れない点に注意してください。

副業所得が年間20万円以上なら確定申告を行う

副業の所得が年間20万円を超えたら、確定申告を行う必要があります(副業が給与所得の場合は給与収入が20万円超か否かで判断します)。確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税が課されるなどのほか、副業が勤務先にばれる以外のリスクが生じかねません。

確定申告は、勤務先で行われる「年末調整」とは別の手続きです。年末調整では、本業の勤務先から支払われた給与所得と所得税が計算されます。副業分の所得については自分で確定申告を行い、所得税を納める必要がある場合には期日までに必ず納めてください。なお、確定申告書には本業の源泉徴収票の情報も記載する必要があることには注意しましょう。

ふるさと納税はメリット・デメリットを考えて行う

ふるさと納税の納税額は、当年分の所得税の還付や翌年度の住民税の控除に適用されます。金額によっては、住民税を普通徴収分(副業分)から控除しきれないと、本業の給与所得にかかる住民税からも控除されることになります。すると、本業の給与所得以外に何らかの副収入があることが勤務先に知られる原因になりかねません。

また、副業が給与所得以外で、そもそも普通徴収にできる人がふるさと納税すると、特別徴収税額決定通知書に印が付いて副業が判明することもあるので注意しましょう。

ふるさと納税は節税効果のほか、返礼品が受け取れることがあるなど多くのメリットを得られる制度です。しかし、副業を隠していて、副業所得の存在を勤務先に知られたくないのであれば、あえてふるさと納税は利用しないという選択もあります。

ただし、住民税の普通徴収分の範囲内で控除できるふるさと納税額の場合は、ふるさと納税を行うことによって住民税が下がるメリットもあります。そのため、副業の所得によって住民税額が変わっても、本業の勤務先に知られるリスクを軽減できる可能性があります。メリットとデメリットを踏まえ、ふるさと納税を行うとよいでしょう。

副業がばれたときの対応

副業禁止の職場で副業をしている事実を知られてしまった場合、どのようにすればよいのでしょうか。
前述のとおり、勤務先がルールを定めている以上、ルールを破っていたことについて謝罪するのが第一です。

謝罪や弁明を受けてどのような対処をするかは、会社によってまちまちです。前述のように、何らかの処罰が科される可能性もあります。こうした事態を避けるためにも、就業規則をはじめ勤務先が定めているルールは遵守するのが基本と捉えてください。副業がばれるリスクをゼロにはできないことを前提に考えることが重要です。

副業した際の確定申告の方法

確定申告が必要になるのは、基本的に雑所得等の副業の年間所得又は副業の給与収入が20万円を超えた場合です。ただし、副業の所得が年間20万円以下であっても、副業の収入や報酬から源泉徴収をされている場合は確定申告を行うと還付される可能性があります。そのほか、医療費控除や住宅ローン控除(初年分のみ)等を受けるために確定申告を行う際には、副業所得も含める必要があります。

なお、副業の所得が年間20万円以下でも利益が1円でもあれば、住民登録をしている市区町村への住民税の申告は必要です。

所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。例えば、副業を始めるにあたって購入・契約したソフトウェア代やインターネット回線の使用料、その他消耗品にかかった費用の中には、経費として申告できるものが少なくありません。

仮に副業の年収が25万円だったとしても、必要経費が年間8万円かかっていたとすれば、1年間の所得は17万円です。この場合、所得が20万円以下であることから確定申告は必須ではありません。

なお、副業の取引先が法人や個人事業主などの場合、適格請求書(インボイス)の発行を要求される場合があります。適格請求書発行事業者は、消費税の申告が必要です。副業を始める際には、適格請求書発行事業者としての登録と消費税申告についても視野に入れておくことをおすすめします。

副業は違法ではない

企業独自の方針やルールはさておき、法律という観点から見た場合、民間企業の従業員が副業に取り組むこと自体は違法ではありません。勤務先以外で仕事をするかどうかは、あくまでも個人の自由です。
ただし、法律で禁止されていないからといって、就業規則が無効になるわけではありません。副業を禁止する旨の規定が設けられている以上、従業員はその条件に則って就業すると承諾したことになるからです。

なお、公務員の場合は国家公務員法や地方公務員法によって副業が制限されており、民間企業に勤務する会社員とは大きく事情が異なります。
公務員には職務専念の義務を履行する必要があることから、営利企業の従業員や役員、自営業などには従事できません。収入が発生しない家事手伝いや、勤務先に申請したうえで行う執筆・講演活動、投資による資産形成など、所定の条件を満たしていれば公務員でも取り組める副業もあります。

企業が副業を禁止する理由

前述のとおり、現在も従業員の副業を禁止している企業は決して少なくありません。では、なぜ企業は副業を禁止するのでしょうか。主な理由として、次の3点が挙げられます。

本業との兼ね合いを懸念している

従業員が副業を始めると、必然的に勤務時間以外を別の仕事に費やすことになります。本来であれば心身を休めるための時間を副業に使うことによって、疲労やストレスが蓄積されていく可能性も否定できません。副業が忙しくなったことで深夜まで仕事に追われてしまい、翌日に睡眠不足の状態で本業の仕事をすることにもなりかねないのです。

このように、本業と両立できる従業員ばかりではないことを懸念して、副業を原則禁止としているケースは十分に考えられます。こうした理由で副業を禁止しているようなら、あくまでも本業に専念してほしいというのが会社側の意向といえるでしょう。

情報漏えいの可能性がある

従業員が副業に従事することによって、本業で知り得た情報やノウハウが漏えいするリスクがあります。例えば、リリース前の商品について、企画のアイディアを副業の取引先に話してしまうといったケースです。ほかにも、顧客情報のように企業にとって重要な情報を外部に漏らされてしまう可能性もゼロとは言い切れません。

特に、秘匿性の高い情報を扱う企業の場合、情報漏えいのリスクを懸念して従業員の副業を禁止するケースは十分に考えられます。従業員自身には情報を漏えいさせる意図がなかったとしても、「内部関係者しか知り得ない情報を無意識に副業で活用してしまう」「取引先に話してしまう」といったことがあり得るからです。

人材流失を危惧している

従業員の副業が、人材流出につながりかねないことを危惧しているケースもあります。特に能力の高い従業員の場合、副業先においても能力を高く評価され、引き抜かれてしまうことが懸念されるからです。あるいは、副業の収入が増えていくにつれて独立を検討する従業員が現れることもあり得るでしょう。

近年、企業では人手不足や採用難に悩まされる傾向があります。人材の流出は、企業にとって大きな痛手となりかねません。こうした背景から、人材流出を防ぐために副業を禁止している企業も少なからず存在することが想定されます。

副業がばれるリスクはゼロにはできないことを念頭に置こう

副業禁止の会社で副業がばれた場合、何らかの処罰が科される可能性は十分にあります。副業がばれるリスクを完全に排除することは現実的ではないため、基本的には勤務先の就業規則など所定のルールを遵守するべきでしょう。今回紹介した注意点を参考に、不安や懸念を抱くことなく副業に取り組む方法を検討してみてください。

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事業所得になる副業の確定申告は会計ソフトを使って楽に済ませよう

会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。

事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムースに行えます。

副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。

なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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