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働き方改革関連法とは
働き方改革関連法とは
今後、日本の労働力人口が減少していくと言われている中で、
企業存続のために安定的な人材の確保と育成が必要になります。
人材の定着、労働環境の改善、従業員満足度の向上を実現できるよう、
働き方改革関連法を正しく理解し、制度を導入していくことが望まれますので、
働き方改革の対象となる企業の範囲、法律の内容や施行時期を押えていきましょう。
関連法の対象となる中小企業
働き方改革関連法は大企業が先行して適用されるものがありますが、
人やお金、時間などのリソースが限られている中小企業に対しては大きな負担となるため、
一定の猶予期間が設けられております。
対象となる中小企業は下記のように定義されています。
業種 | 資本金の額または出資の総額 | または | 常時使用する労働者数 |
---|---|---|---|
小売業 | 5,000万円以下 | または | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 | |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | |
その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
働き方改革関連法の施行日
働き方改革関連法は2019年4月1日より段階的に中小企業へ適用されます。
適用時期に注意して計画的に準備を進めていきましょう。
働き方改革関連法の概要について
働き方改革関連法は労働者が多様な働き方を選択できるような社会を目指して作られた法律です。
具体的には、①長時間労働の是正、②多様で柔軟な働き方の実現、③雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
といった視点から、細かな条文が定められています。
時間外労働の上限規制
時間外労働の上限を原則月45時間、年360時間とし、特別条項は年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とします。
限度を超えた場合はこれまでなかった罰則の対象となります。
各事業所は施行後には、新たな36協定の締結が必要になります。
年次有給休暇の取得義務化
年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、毎年、時季を指定して5日の取得が義務付けられます。
また、年次有給休暇の管理簿の作成も必要となり、過去3年分の保管義務があります。
フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制とは1か月を上限とする一定期間内(この期間を清算期間とよびます)の総労働時間を予め定めておき、労働者はその範囲内で各労働日の労働時間を自主的に決定して働く制度です。
この清算期間が法改正により、1か月から3か月に延長されます。
1か月を越えるフレックスタイム制を採用しようとしている事業所は施行後に「清算期間が1箇月を超えるフレックスタイム制に関する協定届」を所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。この協定届を提出していない場合、罰則の対象となります。
高度プロフェッショナル制度の創設
年収1,075万円以上の特定高度専門業務従事者に対する労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とし、年間104日の休日確保等、健康確保措置の実施が義務付けられます。
客観的な方法による労働時間の記録
健康管理の観点から、裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての人の労働時間の状況が客観的な方法その他適切な方法で把握されるよう義務付けられます。
労働時間の状況を客観的に把握することで、長時間働いた労働者に対する、医師による面接指導を確実に実施します。
勤務間インターバル制度
勤務間インターバルとは1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みです。
新たに「勤務間インターバル制度」を導入し、翌朝の始業時刻を繰り下げると、その分休息時間を確保でき、睡眠不足の解消やワーク・ライフ・バランスの実現も期待されます。
同一労働同一賃金
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一企業内における正規と非正規の間不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けられるようにすることで、多様で柔軟な働き方を選択できるようにすることを目的としています。
より詳しいスケジュールは厚生労働省のサイトをご確認ください。
「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省)
働き方改革関連法の改定により、
以下の要件が『罰則』の対象となっています!
働き方改革関連法には罰則がありますが、以下に罰則の対象となる条件と内容を記載していますので、
法律違反とならないよう要件をしっかりと確認しましょう。
時間外労働の上限規制
罰則の対象
- 健康上特に有害な業務を1日2時間を超えた場合
- 単月で時間外労働+休日労働の合計時間が100時間を超えた場合
- 6か月の平均で時間外労働+休日労働の合計時間が80時間を超えた場合
- 月45時間を超える月数が6か月(6回)を越えた場合
罰則内容
6か月以下の懲役
または30万円以下の罰金
高度プロフェショナル制度
罰則の対象
「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務につく労働者」および「特定高度専門業務・成果型労働制の対象労働者」への医師の面接指導を行わなかった場合
罰則内容
50万円以下の罰金
フレックスタイム制の見直し
罰則の対象
労使協定の届出を行わなかった場合
罰則内容
30万円以下の罰金
年次有給休暇の年5日取得義務
罰則の対象
年間で最低5日の年次有給休暇を取得させなかった場合
罰則内容
30万円以下の罰金
厚生労働省から働き方改革に関する取り組みやリーフレットが出ていますので、あわせてご確認ください。
「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省)
リーフレット「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて」(厚生労働省)