フリーランスエンジニアの確定申告はいくらから?経費や申告の流れ、青色申告の活用を解説
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フリーランスのエンジニア(SE・プログラマ)は、確定申告を自分で行う必要があります。
確定申告が必要となる所得の基準や「自分の年収だと申告は必要?」「エンジニアは経費にできるものが少なくて損?」「パソコン代・通信費はどこまで経費にできる?」など悩むことも多いでしょう。本記事では、確定申告の基本的な流れや経費の判断基準、青色申告を活用した節税のコツまで解説します。
なお、本記事は、令和8年度税制改正の内容を盛り込んで記載をしております。
令和8年度税制改正の少額減価償却資産の特例(2026年4月1日以後に取得した資産についての扱い)や2026年(令和8年)分以後の所得税について適用される基礎控除について反映しております。
2027年分から改正の青色申告特別控除75万円の要件には「優良な電子帳簿」で対応できるので、今から使うと安心です!
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POINT
- 一般的に経費の少ない職業であるフリーランスプログラマ・SE・ITエンジニアは青色申告がおすすめ
- 専業、副業など仕事のスタイルが違っても、フリーランスプログラマ・SE・ITエンジニアの収入は決算書上の「売上」となる
- フリーランスのプログラマ・SE・ITエンジニアの経費となるもの、ならないものについて知ろう
エンジニアの確定申告はいくらから?
専業のエンジニアの場合は、基礎控除額超の所得(2026年分は104万円)があれば確定申告が必須です。
副業のエンジニアの場合は、本業の給与所得以外の副業などの所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告が必要かどうかは「収入」ではなく「所得(収入から必要経費を差し引いた金額)」で判断します。
専業エンジニアは基礎控除額超の所得があれば確定申告が必須
前述したように専業のエンジニアの場合は、基礎控除額超の所得(2026年分は104万円)があれば確定申告が必須です。
過去の年分をさかのぼって確定申告(還付申告など)を行う場合は、その年分の基礎控除額を判定基準にします。
令和8年度税制改正により、基礎控除額は年分によって変わります。2026年分は104万円(2025年分は95万円、2024年分までは48万円)以下で確定申告をしなくても問題ありません。
年別 確定申告が必要となる判定基準
| 対象となる年分 | 基礎控除額(確定申告が必要となる判定基準) |
|---|---|
| 2026年分 | 所得が104万円を超える場合 |
| 2025年分 | 所得が95万円を超える場合 |
| 2020年~2024年分 | 所得が48万円を超える場合 |
基礎控除は、納税者の年間合計所得金額が2,500万円以下の場合に受けられる所得控除制度の1つです。合計所得金額によって、基礎控除は額が減っていき、2,500万円超でゼロになります。
なお、令和8年度税制改正により、2028年(令和10年)分以後の基礎控除額は、物価上昇などに連動して2年ごとに見直す仕組みが導入されました。
-
参考;国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし
」より
副業でエンジニアをしている場合は所得20万円が境目
前述したように本業は会社員として給与を受け取りながら、副業でエンジニア案件を請け負っている場合は、本業の給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
副業の場合の所得区分は、継続的・一定規模以上の活動であれば「事業所得」、単発・小規模で受注している場合は「雑所得」として扱われる場合がほとんどです。雑所得では青色申告で申告することはできません。
なお、副業の所得が20万円以下であるために所得税の確定申告をしない場合には、利益が出ているなら住民税の申告が必要となるので忘れないようにしましょう。
副業の20万円ルールについては、以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
源泉徴収と還付について
源泉徴収とは、報酬や給与を支払う側があらかじめ所得税を差し引いて国へ納付する仕組みを指します。フリーランスエンジニアが受け取る業務委託などの報酬は、通常のプログラミング業務やシステム開発業務であれば、原則として源泉徴収の対象外です。
プログラマやSEなどの業務が、所得税法上の「源泉徴収が必要な報酬・料金」に含まれていないためで、報酬から所得税が差し引かれず、契約した金額をもとに支払いが行われるのが一般的です。
しかし、技術セミナーの講演料や技術記事の執筆料、コンサルティング業務など、仕事内容によっては、源泉徴収の対象になる場合があります。
源泉徴収されている場合は、確定申告によって年間の所得税額を計算し差額を精算します。納め過ぎていれば還付、不足があれば追加納税となります。なお、年間所得が基礎控除額以下で申告義務がない場合でも、源泉徴収されていて還付される税額があれば申告することで税金が戻ってきます。還付申告は5年遡って申告ができます。
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節税効果の高い「青色申告」が有利
青色申告特別控除とは、青色申告を行う個人事業主が、帳簿の形式や申告方法に応じて一定額の控除を受けられる制度です。
令和8年(2026年)分の確定申告では、控除額は最大65万円になります。受けられる控除額分だけ課税される所得を減らすことができるので、必ず受けておきたい制度です。
控除額は、以下の3段階にわかれています。
青色申告特別控除の区分(2026年分まで)
| 要件 | 10万円控除 | 55万円控除 | 65万円控除 |
|---|---|---|---|
| 所得の種類 | ・事業所得 ・不動産所得 ・山林所得 |
・事業所得 ・不動産所得(※) |
・事業所得 ・不動産所得(※) |
| 簿記の種類 | 単式簿記 | 複式簿記 | 複式簿記 |
| 添付書類 | 損益計算書 | 損益計算書+貸借対照表 | 損益計算書+貸借対照表 |
| 期限内申告 | 期限後でも可 | 期限内申告必須 | 期限内申告必須 |
| 提出・帳簿保存方法 | e-Tax(電子申告) もしくは 優良な電子帳簿を作成と保存の上、書面提出 |
書面提出 | e-Tax(電子申告) もしくは 優良な電子帳簿を作成と保存の上、書面提出 |
| 備考 | 55万円控除もしくは65万円控除の要件を満たさない場合 |
- ※不動産所得で55万円控除以上を適用する場合は、事業的規模が要件です。ただし、事業所得と不動産所得の兼業の場合は、不動産所得が事業的規模である必要はありません。
-
参考;国税庁「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分
」
なお、令和8年度税制改正により、2027年分(令和9年分)の青色申告から特別控除の要件と上限が変わります。上限は最大75万円になります。75万円控除については後述の「2027年(令和9年)分から青色申告の要件と上限額が最大75万円に変わる」で記載しています。
青色申告特別控除については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
40万円未満の資産を一括経費にできる【少額減価償却資産の特例】
青色申告の場合、取得価額40万円未満(2026年3月31日以前に取得した資産は30万円未満)の減価償却資産を購入して使用開始した年に一括で経費にできる特例があります。「少額減価償却資産の特例」と言います。
通常、取得価額10万円以上の備品(パソコン・ディスプレイ・外付けSSDなど)は固定資産として計上し、耐用年数に応じて数年にわたって経費化(減価償却)する必要があります。
「少額減価償却資産の特例」は、青色申告事業者が選択できる制度であり、白色申告ではこの特例は利用できません。
エンジニアの場合、高額な高スペックパソコンやディスプレイを必要とするケースも多いでしょう。
例えば、24万円のパソコンを購入した場合、白色申告なら耐用年数(4年)に従って1年間で6万円ずつしか経費にできませんが、青色申告なら購入して使用開始した年に24万円を全額経費計上できます。
少額減価償却資産の特例については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
赤字を3年間繰り越せる【純損失の繰越控除】
青色申告には、赤字になった場合、翌年から3年以内に黒字になった際に繰り越した赤字と相殺して税額をおさえる制度があります。一方、白色申告ではこの繰越控除は原則として利用できません。
フリーランスエンジニアとして開業した当初は、パソコンなどの設備投資が先行し、年間で赤字になるケースもあります。
例えば、開業した年に300万円の赤字が発生し、その翌年に200万円の黒字になった場合、前年から繰り越した赤字300万円のうちの200万円と相殺することで、翌年の課税所得を0円にできます。さらに、相殺しきれなかった残りの100万円分の赤字は、その後2年間(最長で3年目まで)にわたって繰り越すことが可能です。
なお、この制度を適用できるのは開業年に限りません。ただし、制度の適用を受けるためには、赤字が発生した年を含め、その後も毎年欠かさず青色申告(確定申告)を行う必要があります。
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エンジニアが経費にできるもの、できないもの
フリーランスエンジニアが経費にできるのは、売上を得るために直接要した費用や業務上必要な費用です。プライベートの支出や個人の税金などは経費にできません。
以下は、フリーランスエンジニアに関係しやすい主な支出の経費可否です。参考にしてください。
| 内容 | 経費 | 理由 | 科目 |
|---|---|---|---|
| 事業税 | 租税公課 | ||
| 所得税、住民税 | 個人の税金のため。 事業用のお金から支払った場合は、「事業主貸」を使用 |
||
| 委託先への宅急便代 | 仕事で使うため | 荷造運賃 | |
| 自宅兼事務所の電気代 | 家事按分が必要 | 水道光熱費 | |
| ICカードのチャージ代 | チャージ全額は不可。仕事で使った分のみ家事按分 | 旅費交通費 | |
| 仕事先への交通費 | 交通費精算書など仕事用わかる記録があれば可 | 旅費交通費 | |
| 自分の出張手当 | 従業員の出張手当は可だが、事業主自身の出張手当は不可 | 旅費交通費 | |
| 仕事専用の携帯電話代 | 通信費 | ||
| プライベートと 兼用の携帯電話代 |
家事按分が必要 | 通信費 | |
| プロバイダ料金・クラウドのサーバ代 | △ | プライベートでも使用している場合は家事按分が必要 | 通信費 |
| HP作成料・名刺代 | HP作成料は更新度が高く、効果1年未満なら全額経費 | 広告宣伝費 | |
| 取引先・同業者との飲食代 | 業務上の親睦、今後の仕事につながる場合 | 接待交際費・会議費 | |
| 家族・友達との飲み会 | 事業とは関係がないため不可 | ||
| 一人でカフェで仕事しながらのコーヒー代 | カフェで仕事をしていた場合 | 会議費 | |
| 一人での食事代 | 仕事をしていなくても食べるため不可 | ||
| 文房具・プリンター・インク代など | 消耗品費 | ||
| 技術書・専門書 | 消耗品費・新聞図書費 | ||
| 印刷代(プレゼン用など) | 消耗品費・雑費 | ||
| 自宅兼事務所のトイレットペーパーなど | 仕事をしていなくても使うため不可 | ||
| 40万円未満のPC、ディスプレイ、タブレット端末(青色申告) | 少額減価償却資産の特例が受けられる場合 | 消耗品費または減価償却費 | |
| 40万円以上のPC(白色申告・青色申告とも) | 工具器具備品として資産計上し、4年間で経費化 | 減価償却費 | |
| PC用ブルーライトカット眼鏡・マイクヘッドセット | 消耗品費 | ||
| 40万円未満の開発用ソフトウェア(青色申告) | 少額減価償却資産の特例が受けられる場合 | 消耗品費または減価償却費 | |
| 40万円以上の開発用ソフトウェア | ソフトウェアとして資産計上し、5年間で経費化 | 減価償却 | |
| 自宅兼事務所の家賃 | 家事按分が必要 | 地代家賃 | |
| レンタルオフィス・コワーキングスペース代 | 地代家賃・支払手数料 | ||
| 必要経費の振込の手数料 | 支払手数料 | ||
| スーツ、仕事用バッグ、メガネ | 仕事以外でも使用するため不可 | ||
| 国民年金、国民健康保険料 | 経費不可だが、「所得控除」の対象 |
- ※△は家事按分が必要な項目です。○は全額経費計上可、×は経費不可を示します。
家事按分について
家で仕事をしている、いわゆる「自宅兼事務所」の場合は、家賃や電気代などを「家事按分」して経費計上します。家事按分とは、プライベートと事業用が混在している支出について、事業で使用した割合分だけを経費にする考え方です。
按分割合は、支出の内容に応じて合理的に決めます。例えば、家賃や水道光熱費は使用面積や使用時間、通信費や携帯電話料金などは業務利用の頻度をもとに判断するのが一般的です。
例えば、自宅の3分の1を仕事スペースとして使い、週5日・1日10時間程度を自宅作業に充てている場合は、
- 7分の5(日) × 24分の10(時間) × 3分の1(面積) = 約10%
という計算から、家賃や水道光熱費の約10%を経費にする考え方があります。
一方で、自宅兼事務所としながらコワーキングスペースでも作業している場合、自宅での作業時間が1日4時間程度であれば、
- 7分の5(日) × 24分の4(時間) × 3分の1(面積) = 約4%
が一つの目安になります。
また、週2日はクライアント先に常駐し、週3日だけ自宅で1日10時間程度作業する場合は、
- 7分の3(日) × 24分の10(時間) × 3分の1(面積) = 約6%
という考え方もできます。
重要なのは、「なぜその割合なのか」を税務署へ合理的に説明できることです。実際の働き方や使用状況に合った按分割合を設定し、根拠を残しておきましょう。
なお、持ち家の場合でも、固定資産税や水道光熱費などは家事按分できます。
ただし、事業利用割合が大きいと住宅ローン控除へ影響します。原則として、事業利用割合が5割を超えると住宅ローン控除を受けられません。
また、5割以下であっても、例えば3割を事業用としている場合は、住宅ローン控除の対象は残り7割分になります。
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確定申告の流れ|4ステップで解説
確定申告は、①所得の計算(決算書の作成)、②税額の計算(確定申告書の作成)、③申告(提出)、④納税という4つのステップで進めます。
①所得を計算する(決算書の作成)
「所得=売上-経費」で1年間の所得を計算します。フリーランスのエンジニアとして継続的に事業として行っている場合は、事業所得になります。青色申告の場合は「青色申告決算書」、白色申告の場合は「収支内訳書」を作成します。
「発生主義」のルールに従って帳簿付けする
確定申告では「発生主義」が原則となっており、実際の入金日ではなく、仕事を完了した時点(納品)の年分の売上として処理します。
フリーランスエンジニアの売上は、当年中に完了(納品)した業務に対応する報酬をもとに計上します。
例えば、12月に納品した案件の報酬が翌年1月に入金される場合でも、その報酬は当年の売上として計上します。入金日を基準に翌年1月の売上として処理するのは、発生主義の考え方とは異なります。
なお、取引先(クライアント)は、こちら(発注先)の業種によっては税務署に支払調書の提出を行いますが、発注先への支払調書の発行義務はありません。そのため、支払調書が交付されないケースもあります。その場合は、自分が発行した請求書の控えや契約内容、翌年1月の入金記録などを確認しながら、12月完了分の売上を計上します。
また、支払調書が発行された場合でも、記載金額は1月〜12月の入金ベースになっていることが多く、決算書の売上金額と一致しないケースは実務上珍しくありません。
支払調書の金額に合わせるのではなく、「当年中に完了した仕事分」を基準に売上計上します。
②税額を計算する(確定申告書の作成)
決算書で計算した所得をもとに、確定申告書で税額を計算します。所得から基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除などの所得控除を差し引いた「課税所得」に税率をかけて所得税額を計算します。
③申告する(確定申告書の提出)
青色申告の場合は「青色申告決算書」、白色申告の場合は「収支内訳書」と確定申告書を税務署へ提出します。提出方法はe-Tax(電子申告)・郵送・税務署窓口への持ち込みの3種類です。申告期間は原則毎年2月16日〜3月15日(土日祝日の場合は翌平日)です。
なお、領収書や請求書、帳簿は申告書に添付せず、自分で保存します。保存期間は書類によってまちまちです。しかし、帳簿は最長7年間なので、最長期間に合わせて帳簿書類を保存しておくと安心です。万一、税務調査が入った場合には、提示が求められます。
なお、2025年1月以降、紙申告書への収受日付印の押印が廃止されているため、申告書の控えは自分で作成して保存します。確定申告書の控えは、特にローン審査や賃貸契約など、所得証明が必要な場面で必要になることがあります。
④納税する(もしくは還付を受ける)
申告期限(原則3月15日)までに所得税を納付します。口座振替・e-Taxによる電子納税・クレジットカード・コンビニ・金融機関や税務署窓口での納付が利用できます。申告と同様に期限を守って納税しましょう。なお、申告(提出)をする前に納税しても問題ありません。
なお、口座振替(振替納税)を利用する場合は、例年4月半ばに自動引き落としが行われるため、資金繰りに余裕ができます。振替納税以外の納付方法を選択した場合は、原則として3月15日の申告期限までに支払いを完了します。
ただし、引き落とし日に残高不足で振替ができなかった場合、延滞税が発生します。法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて税率が変わり、最高税率は14.6%です。
この場合は、納付額と延滞税を合算した金額を納付しなければなりません。
確定申告の結果、還付を受ける場合は、申告書に記載した指定口座(または公金受取口座)へ還付金が振り込まれます。振込時期の目安はe-Taxによる電子申告で約3週間、書面提出で1〜1.5か月程度です。実務上の手続きとして、必ず申告者本人名義の口座情報を正しく入力して申告を完了します。
納税方法について、詳しくは以下の記事で説明していますので参考にしてください。
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2027年(令和9年)分から青色申告の要件と上限額が最大75万円に変わる
令和8年度税制改正により、2027年(令和9年)分の確定申告から、青色申告特別控除の上限額が引き上げられます。さらに要件が変更になります。
控除額は以下の3段階に変わります。
2027年分以降の青色申告特別控除の区分
青色申告控除75万円・65万円の適用には、前提として以下のすべての要件を満たす必要があります。
- 青色申告特別控除(75万円・65万円)の共通要件
-
- 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
- 現金主義による所得計算の特例を選択していない
- 正規の簿記の原則(複式簿記)により作成した貸借対照表と損益計算書の添付
- 期限内申告(原則翌年3月15日まで)
つぎに共通以外の要件を表にまとめました。
| 特別控除額 | 帳簿 | 申告方法 | 共通以外の要件 |
|---|---|---|---|
| 最大75万円(新設) | 複式簿記 | e-Tax(電子申告) | 共通要件にプラスして以下、①~②のいずれかを満たす ①優良な電子帳簿 ②請求書データ等との自動連携(新設) |
| 最大65万円 | 複式簿記 | e-Tax(電子申告) | 共通要件を満たす |
| 最大10万円 | 複式簿記 | 書面での申告 | 共通要件を満たす |
| 最大10万円(※1,※2) | 簡易帳簿(簡易簿記) | e-Tax(電子申告)/書面での申告 | ・事業所得もしくは不動産所得に係る前々年の収入が1,000万円以下(事業所得及び不動産所得がある場合はいずれも1,000万円以下)の納税者 ・事業としての規模に満たない不動産所得者もしくは山林所得者等 |
- ※1不動産所得については、収入区分が1,000万円超である場合、事業的規模の方のみ控除対象外です。
- ※2事業的規模ではない規模(業務的規模)の方は、2027年分以降も最大10万円の控除を適用できます。なお、不動産所得が事業的規模ではない場合は、2027年分以降に複式簿記に移行したとしても、控除額は簡易帳簿の場合と同様に最大10万円です。
65万円以上の特別控除を受けるためには、e-Taxが必須になります。書面での提出では10万円の控除額になってしまいます。また、前々年分の収入が1,000万円を超えている事業者が簡易簿記で帳簿付けをする場合は、特別控除の対象になりません。
優良な電子帳簿には、内容の訂正や削除を行った場合の履歴が残ることなどの各種システム要件があります。会計期間(1月1日から12月31日)を通じてすべての履歴を記録する必要があります。
また、請求書等のデジタルデータ(電子取引データ)を自動で保存し、帳簿に自動連携する仕組みに対応した制度が、電子帳簿保存法に新設されました。
最大65万円の特別控除の要件に加えて、この優良な電子帳簿か請求書データ等との自動連携のいずれかの要件を満たすと、最大75万円の特別控除を受けられます。2027年(令和9年)分の確定申告に備え、今からe-Taxや優良な電子帳簿・電子取引保存に対応できるよう準備しておきましょう。
弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下、JIIMA)が運営する「JIIMA認証」 の1つである「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得しています。(「電子帳簿ソフト法的要件認証(認証番号106800-00)」)
「やよいの青色申告 オンライン」では、直接e-Taxできて優良な電子帳簿にも対応しています。
優良な電子帳簿保存については、以下の記事で詳しく解説をしていますので参考にしてください。
-
※参考:国税庁「優良な電子帳簿の要件
」
-
※参考:国税庁「法第4条((国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等))関係
」
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難解な帳簿付けは確定申告ソフトにお任せ
「青色申告は複式簿記が必要で難しそう」と躊躇している方もいるかもしれませんが、確定申告ソフトを使えば、青色申告で必要な複式簿記の帳簿付けも、白色申告と大きく変わらない手間で進められます。簿記などの専門知識も必要ありません。
比較的経費が少ない業種であるフリーランスエンジニアにとって、青色申告特別控除の節税効果は特に大きくなります。確定申告ソフトを活用して、手間を抑えながら節税メリットを最大限に受けましょう。
「やよいの青色申告 オンライン」なら、日々の取引入力をするだけで確定申告に必要な書類を自動作成できることはもちろん、e-Taxでの申告と優良な電子帳簿への対応が標準で備わっています。
ただし、優良な電子帳簿の要件を満たすには、会計期間(1月1日から12月31日)を通じてすべての履歴を記録する必要があります。そのため、早めの準備をおすすめいたします。
photo:PIXTA
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よくあるご質問
フリーランスエンジニアが確定申告が必要になるのはいくらから?
フリーランスエンジニアの確定申告は、「売上」ではなく、売上から必要経費を差し引いた「所得」で判断します。原則として、年間所得が基礎控除額を超える場合は、所得税の確定申告が必要です。
令和8年度税制改正により、基礎控除額は年分によって変わります。2026年分は104万円(2025年分は95万円、2024年分までは48万円)以下で確定申告をしなくても問題ありません。
ただし、所得税の申告義務がない場合でも、報酬から源泉徴収されている所得税がある場合は、確定申告によって還付を受けられる可能性があります。
エンジニアは30万円超の高スペックPCの購入費を経費にできますか?
青色申告者であれば「少額減価償却資産の特例」を利用することで、取得価額40万円未満(2026年3月31日以前の取得した資産は30万円未満)の減価償却資産を購入して使用開始した年に全額一括で経費計上できます(年間合計300万円まで)。事業用として使用しているPCであれば全額、プライベートと兼用している場合は、家事按分した事業利用分が経費になります。この特例は白色申告では利用できません。
12月に完了した仕事の報酬が翌年1月に入金される場合の処理は?
税務上は「発生主義」が原則となるため、売上は実際の入金日ではなく、仕事を完了(納品)した時点で計上します。例えば、12月に納品した案件の報酬が翌年1月に入金される場合でも、当年の売上として処理します。
なお、取引先には支払調書の発行義務がないため、支払調書が交付されないケースもあります。その場合は、自分が発行した請求書や契約内容、翌年1月の入金内容などを確認しながら、12月完了分の売上を計上しましょう。
支払調書が発行された場合でも、記載される金額は1月〜12月の入金ベースになっていることが多く、決算書の売上金額と一致しないケースは実務上珍しくありません。また、現在は確定申告書へ支払調書を添付する義務もありません。
支払調書の金額に合わせるのではなく、「当年中に完了した仕事分」を基準に売上計上することが重要です。
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確定申告ソフトなら、簿記や会計の知識がなくても確定申告が可能
確定申告ソフトを使うことで、簿記や会計の知識がなくても確定申告ができます。
今すぐに始められて、初心者でも簡単に使える弥生のクラウド確定申告ソフト「やよいの白色申告 オンライン」とクラウド青色申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」から主な機能をご紹介します。
「やよいの白色申告 オンライン」は、ずっと無料、「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料です。両製品とも無料期間中はすべての機能が使用できますので、気軽にお試しいただけます。もちろん、確定申告やe-Taxでの申告が可能です!
【損してない?】青色申告でいくら安くなる?売上・経費を入れて今すぐ比較!
初心者にもわかりやすいシンプルなデザイン
弥生のクラウド確定申告ソフトは、初心者にもわかりやすいシンプルなデザインで、迷うことなく操作できます。日付や金額などを入力するだけで、確定申告に必要な帳簿や必要書類が作成できます。
取引データは自動取込&AIの自動仕訳で入力の手間を大幅に削減!
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確定申告書類を自動作成。e-Tax対応で最大65万円の青色申告特別控除もスムーズに
弥生のクラウド確定申告ソフトは、画面の案内に沿って入力していくだけで、収支内訳書や青色申告決算書、所得税の確定申告書、消費税の確定申告書等の提出用書類が自動作成されます。
「やよいの青色申告 オンライン」なら、青色申告特別控除の最高65万円/55万円の要件を満たした資料の用意も簡単です。インターネットを使って直接申告するe-Tax(電子申告)にも対応し、最大65万円の青色申告特別控除もスムーズに受けられます。
自動集計されるレポートで経営状態がリアルタイムに把握できる
弥生のクラウド確定申告ソフトに日々の取引データを入力しておくだけで、レポートが自動で集計されます。経営状況やお金の流れをリアルタイムで確認できます。最新の経営状況を正確に把握することで、早めの判断ができるようになります。
【2027年分から改正】青色申告特別控除75万円の要件には「優良な電子帳簿」で対応
2027年分(令和9年分)から、青色申告特別控除が最大75万円に引き上げられます。この75万円控除を適用するための要件が 「優良な電子帳簿」もしくは、新設の「請求書データ等との自動連携」の対応です。
「やよいの青色申告 オンライン」は、特別な設定不要で使用を開始したその日から「優良な電子帳簿(仕訳帳・総勘定元帳)」としてデータが作成・保存されます。
2026年中の準備がおすすめな理由
優良な電子帳簿は「その課税期間の最初(個人事業主の場合1月1日から)」要件を満たしている必要があります。
2027年分以降で最大75万円の特別控除を目指すなら「やよいの青色申告 オンライン」を2026年から使用しておけば、2027年1月1日から優良な電子帳簿に対応できるので安心です。
※2027年分以降、65万円以上の青色申告特別控除の適用は、e-Taxでの電子申告など複数の要件を満たすことが必要です。
- ※「やよいの青色申告 オンライン」は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が審査する「「優良な電子帳簿」の機能要件承認」を満たし、電子帳簿ソフト法的要件認証製品一覧に登録されています。(認証番号:106800-00)
-
※「電子帳簿ソフト法的要件認証制度
」
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この記事の監修者齋藤一生(税理士法人センチュリーパートナーズ代表)
東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。
税理士法人センチュリーパートナーズ代表として、渋谷・恵比寿エリアを中心に、会社設立、創業融資、税務顧問、税務調査対応、無申告の解消支援などを幅広くサポート。
特に、起業直後の法人支援や、申告期限を過ぎてしまった法人・個人の期限後申告を得意としています。副業の確定申告や税金について解説した「副業起業塾 」も運営しています。

