引っ越しした時の確定申告のやり方
執筆者:柳原つつじ
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3月から4月かけては、1年を通じて最も引っ越しをする人が多いシーズン。新しい土地に移って、新生活を始められた人も多いのではないでしょうか。事務所を移転して、新天地でビジネスを始めた人もいるかもしれませんね。水道、電気、ガス、インターネットなどさまざまな手続きを終えると、ようやく腰を落ち着けることができますが、忘れがちなのが税務面での手続き。今回は、引っ越しした時の確定申告の方法を説明します。
POINT
- 「納税地の異動に関する届出書」を提出
- 事務所が移転した際は「個人事業の開業・廃業等届出書」も
- 確定申告書の提出先は原則的に住所変更後の所轄税務署
引っ越しの際に必要な届出
引っ越しをしてすぐに「確定申告の手続きをしなきゃ!」と思う人は少ないかもしれませんね。しかし、住所が変わるということは、納税地が変わる可能性があります。新たな住所での所轄税務署がどこなのかを確認して、変わっている場合は、転居先を管轄する税務署で手続きを行うことになります。
勘違いしやすいのですが、一市町村につき、税務署は一つとは限りません。逆に、複数の市町村を一つの税務署が管轄するケースもあるので、下記から所轄の税務署がどこなのか調べましょう。
いずれにしても、引っ越しをした場合は、なるべく早い時期に「納税地の異動に関する届出書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。もし、引越し後に所轄の税務署が変更になる場合、提出先は、引っ越し前の所轄税務署と引っ越し後の所轄税務署のどちらでしょうか?
その答えは両方(※)です。
下記からダウンロードして、速やかに提出しましょう。自分の住所ではなく事業所などの所在地で納税したい場合も、この届出書を出すことになります。
ちなみに、海外に引っ越しした場合は、「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出します。これによって、親族や友人などを納税管理人に任命して、確定申告の提出や税金の納付を代行してもらうことになります。
ちょっと複雑ですが、イレギュラーな対応として、頭に入れておきましょう。
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※平成29年4月1日以後、主に変更や異動、移転等に関する届出書で、同じ書類を異動前と異動後の双方の所轄税務署に提出していた手間が省けるようになりました。
異動前の納税地を所轄する税務署に提出します。(2018/4/17 編集部追記)
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事務所が移転した場合は……
「納税は口座からの引き落としにしているのだけど……」
なかには、そんな人もいるかもしれません。
その場合は合わせて「納付書送付依頼書・預貯金口座振替依頼書」を、引っ越し後の所在地を管轄している税務署に提出すれば、同じように引き落としで納税することが可能です。
- 参照
- 納付書送付依頼書
また、事務所を移転した場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出することを忘れずに。そのほかに、給与などの支払いがある事務所を移転した場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」が必要になります。
年明けに引っ越した場合は……
こうして、納税地の異動届を出したのち、確定申告書を提出することになりますが、迷うのが、年明け~確定申告期間中に引っ越しをした場合です。
たとえば、1月に引っ越しをした場合、2月に前年分の確定申告を行うことになりますが、提出先は前年に住んでいた場所の所轄税務署か、引っ越した場所の所轄税務署のどちらでしょうか。原則的には、確定申告を行う「2月16日から3月15日に住んでいる場所」の所轄税務署長に、確定申書告を提出することになります。
こうして見てみると、ケースバイケースではありますが、引っ越しによって結構さまざまな、税金の手続きが必要になってくることがお分かりいただけたかと思います。見落としている手続きがないか、今一度チェックしてみてください。
photo:Thinkstock / Getty Images
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この記事の執筆者柳原つつじ
出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。