税理士が解説!確定申告を委託する際のポイント
執筆者:税理士法人 MIRAI合同会計事務所
2021/03/31更新
確定申告など税金のことで自分の代わりに書類を作成したり、税金や資金繰りのアドバイスをもらったり、また、税務署との対応などを引き受けたりしてくれるのが税理士です。自分のことをわかってくれる心強い味方なのですが、その税理士に相談する際に気をつけるポイントをみていきましょう。
POINT
- 価格だけでなく、相性の良さも判断基準に入れよう
- 「自分でどこまでできるのか」を考えて相談しよう
- 依頼するならできるだけ早めに
税理士に委託するメリット
「自分でも頑張ってできそうかな」と思う確定申告ですが、税理士に委託した場合はどんなメリットがあるのかをみていきましょう。
- 経理業務にかかる時間を削減することで本業により集中でき、余裕をもった仕事ができる。
- 自分でやるとどうしても「間違っていないだろうか」という不安が残りますが、専門家に依頼することでそうした不安が解消される。
- 税金や会計の改正点を踏まえた確定申告になるので、青色申告の65万円控除や様々な税額控除などの特典を受けられる。
- 万が一、税務署の調査が入った場合に強い味方となる。
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税理士に委託するデメリット
メリットがあれば逆にデメリットもあります。次にそのデメリットを記載しました。
- 費用がかかります。領収書の入力から全部お願いするパターン(「丸投げ」と言います)より、弥生会計などの会計ソフトを使って、自分で領収書などを入力した方が費用は少なくなります。
また、依頼する税理士によっても費用は違ってきますので、依頼する前に料金は確認しておく必要があります。 - コミュニケーションを取る以上、税理士との相性の問題があるため、話をしてみて自分と合うかどうかを確認する必要があります。
メリットとデメリットの両方を比較して、依頼すべきかどうかを考えましょう。
税理士に依頼するまでの流れ
次に税理士に依頼する場合の流れと注意点を確認してみましょう。
1)税理士を探す
依頼する税理士を探す方法は概ね以下のとおりです。自分のお金を託すわけですから、数人と会ってみて決めた方が良いでしょう。
- (1)知人や銀行などに紹介してもらう
- 紹介者がいるので、比較的安心です。ただ、紹介者にとっては良い税理士でも自分に合うかどうかはわかりませんし、合わない場合、逆に断りにくい面もあります。
- (2)インターネットや電話帳で探す
- インターネットや電話帳で検索すると様々な税理士が出てきます。それぞれのホームページなどを見て、場所や年齢など自分に合いそうな人を探すのもひとつですし、インターネットでは税理士の紹介サイトもありますので、そうしたところから紹介してもらう方法もあります。知人などの紹介より、断りやすい面もありますが、探したり会ったりする手間がかかります。
- 参照
- 弥生PAP検索
- (3)地域の税理士会や市役所に聞く
- それぞれの地域に税理士会がありますので、そこに電話して紹介してもらうか市役所の無料税務相談などで話をしてみて、話しやすそうな人を選ぶのもひとつの方法です。
2)税理士との相談と申告まで
相性や料金を明確にした上で、税理士に依頼することになりますが、その場合にどんなことに気をつけた方が良いのかを確認してみましょう。
- (1)依頼の時期
- なるべく早い方が良いです。特に確定申告の時期は忙しいため、遅ければ遅いほど処理が雑になる可能性があり、また、必要な資料を揃える時間もなくなりますので、節税対策なども疎かになりがちです。1月末までに資料が渡せれば理想的ですが、遅くとも2月20日ぐらいまでがよいと思います。
- (2)必要な資料
- 必要な資料はケースバイケースなため、前回の申告書と今回の確定申告に関係しそうなものを持って相談を早めにしましょう。不足している資料は後日送付する方が効率的。
- (3)申告内容の確認
- 今回の確定申告ができたところで税理士の申告内容を確認します。通常、申告書の提出は税理士が行いますが、場合によっては自分で持ち込む場合もありますので、その際は依頼した税理士に確認が必要です。また、税金の納付がある場合、振込みなのか引き落としになるのかも確認する必要があります。
- (4)申告書など資料の返却と報酬の支払
- 申告後、税務署に提出した確定申告書と預けた資料の返却をしてもらいます。あわせて税理士への報酬の支払が発生します。
3)その他の注意点
- (1) 税理士が引き受けにくいお客さま
- 税理士もサービス業なので、お客さまのために業務をしますが、以下のようなケースは困る場合があります。
- 経費にならないものを経費にするようにと無理を言う方
- 資料の提出が遅い方
- 「適当にやっといて」という方
また、当然ですが「売上を減らせ」など脱税の強要には応えられません。
- (2)税理士に依頼した方が良い場合
- 確定申告を自分でされているケースも多いですが、そうした場合でも以下のような時は税理士に依頼した方が良いと思います。
- 売上が増加し、利益が出たので、法人化を検討したい場合
- 不動産を売却した場合、また、特に国などに売却したなど特例が適用できる可能性がある場合
- 事業を開始した場合や新たに大きな設備投資をした場合
まとめ
利害が関係する関係上、税理士のアドバイスはどうしても自分の有利になるようになりがちなのは知っておいたほうがよいでしょう。ただ、よい税理士であればフラットな観点で専門的なアドバイスが受けられますし、税理士は多様なジャンルの顧客と付き合いがありますので、自分の職域とは違う観点でのアドバイスを受けられます。
そうした点でも是非活用してみてください。
photo:Thinkstock / Getty Images
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この記事の執筆者税理士法人 MIRAI合同会計事務所
四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。