スキルなしでも副業はできる?初心者向きの副業の種類と始め方を解説
監修者: 齋藤一生(税理士)
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副業を始めたいものの、「活かせるスキルや知識がないので何をすればよいのかわからない」という人は多いのではないでしょうか。しかし、特別なスキルがなくてもできる副業は多くあります。
本記事では、スキルなしでできる副業の種類や、スキルなしの状態から副業で収入を増やすコツについてわかりやすく解説します。副業を始めるにあたって注意しておきたい点にも触れていますので、スキル不要の副業を探している人はぜひ参考にしてください。
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スキルなしでも副業は可能
特別なスキルや専門知識がない人でも、副業で収入を得る手段はあります。例えば、パソコンやスマートフォンがあれば既存のブログサイトを利用してブログを立ち上げたり、さまざまなサービスを活用して商品を販売したりできます。これらの活動を収益化し、副業にしていくこともできるでしょう。また、パソコンやスマートフォンを使わなくても、昔ながらの内職のような作業を副業にすることも可能です。
このように、特別なスキルがなかったとしても、多くの選択肢の中から自分に合った副業を選べます。
スキルなしでできる副業の種類
初めて副業に取り組む人が、特別なスキルがなくてもすきま時間を活用して挑戦できる副業の例をご紹介します。それぞれの副
業の特徴や始め方も解説していますので、自分に合った副業を探す際に役立ててください。
データ入力
データ入力は、アンケート用紙や名刺など、紙に記入された文字をテキストデータとして入力していく仕事です。パソコンのキーボードで文字を入力できれば、副業として取り組める案件も少なくありません。
データ入力の案件は、クラウドソーシングや求人サイトに掲載されています。ただし、案件によっては基本的な業界用語や学術用語への理解が求められるものもあります。
一般的に報酬が高い案件ほど求められる知識やスキルも高度になるため、初心者のうちは「未経験可」「初心者歓迎」などと記載されている案件を選ぶとよいでしょう。
アンケートモニター
アンケートモニターは、アンケートサイトに登録し、企業が市場調査やマーケティングリサーチの一環として実施しているアンケートに回答することで報酬を得る仕事です。スマートフォンでの回答に対応しているサイトもあるため、外出先への移動時間など、すきま時間を利用して取り組めます。
アンケートに回答していく作業のみのため、特別なスキルや知識は求められません。ノルマや時間的な制約もないことから、気軽に取り組める副業といえます。
その一方で、1件当たりの単価が低いため、まとまった金額を稼ぐのは難しい副業です。すきま時間を有効活用したい人や、少しずつ着実に収入を得たい人に適しています。
商品モニター
商品モニターとは、企業が提供している商品やサービスを実際に利用して、アンケートに回答する仕事です。企業が商品開発やマーケティングリサーチの一環として実施しているケースが多く、一般消費者の視点が求められることから、特別なスキルがなくても取り組める副業といえます。
商品モニターの案件の中には、報酬が発生しないものもあります。企業やブランドのファンにとっては、新商品や人気商品を無料で試せること自体に価値があり、必ずしも報酬を求めていない人も多いからです。副業として取り組みたい場合には、報酬が発生するかどうかを確認したうえで応募することをお勧めします。
文字起こし
文字起こしとは、講演会やインタビューなどを収録した音声を聞きながら、その内容をパソコンで打ち込んでいく仕事です。近年は動画投稿サイトに公開されている動画や、公開予定の動画の文字起こしもニーズがあるため、案件数が豊富な副業です。
文字起こしには、大きく分けて3つの種類があります。聞こえたとおりに文字起こしをする「素起こし」、話の趣旨に直接関係のない「ええと」や「あの」といった言葉を取り除く「ケバ取り」、話し言葉を書き言葉に変換し、整った文章にする「整文」の3種類です。
一般的には素起こしが最も難度が低いため、初心者のうちは素起こしか簡単なケバ取りの案件を中心に探していくのがお勧めです。
専門知識不要のWebライティング
Webライティングとは、Webページに掲載する文章を書く仕事です。Webライティングの案件はジャンルや難易度が非常に幅広く、専門知識が必要ないものだけではなく、特定のジャンルに関する詳細な知識が求められるものもあります。このうち、専門知識が不要の案件を探していくことで、特別なスキルがなくても報酬を得ることが可能です。
求められる知識の専門性が高くなるほど報酬も高くなるため、専門知識不要のWebライティング案件は文字単価も低い傾向があります。まずはWebライティングの経験を積み、少しずつ単価の高い案件に挑戦していくのが得策です。
ブログアフィリエイト
ブログアフィリエイトとは、自分のブログにアフィリエイト広告を貼り、広告収入を得ることです。アフィリエイトとは、広告主の商品やサービスが広告経由で購入された場合や広告がクリックされた場合に報酬が支払われる「成果報酬型広告」のことを指します。
ブログの読者が増え、記事がおもしろい・役立ったと感じた読者が広告経由で商品の購入などをすると報酬が発生します。広告を経由した購入数が増えれば、まとまった収入を得ることも可能です。
ただし、ブログアフィリエイトは収益が発生するまでに時間がかかります。これからブログを立ち上げるのであれば、少なくとも半年間から1年間は報酬ゼロの状態が続くことを覚悟しておかなくてはなりません。
副業としてブログアフィリエイトを始めるのであれば、自分の好きなことや趣味がある人は楽しみながら情報発信を続け、並行してアフィリエイトにも挑戦するという方法がお勧めです。
画像販売
画像販売とは、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像を、写真販売サイトに出品して収益化する方法です。購入された画像は、Webページや印刷物などに活用されます。写真撮影が趣味の人であれば、趣味がそのまま副業になります。
注意点として、写真販売サイトに画像を出品すれば必ず売れるとは限りません。人気のある画像のジャンルや傾向を調べて、写真販売サイトを訪れるユーザーが求めている画像を撮影することが大切です。
そのため、売れやすい画像を一度出品すれば、継続的な収入につながる可能性も十分にあります。初めはなかなか購入者が現れなくても、あきらめずに続けていくのがポイントです。なお、撮影および画像を販売する際には、肖像権や著作権を侵害しないよう、注意する必要があります。
ポイ活
ポイ活とは、ポイントサイトに登録し、広告を閲覧したりアンケートに答えたりすることでポイントをためていくことです。たまったポイントは、ショッピングやサービス利用時の支払いに使えるほか、ギフト券や電子マネーに交換できるサービスもあります。
スマートフォンがあれば始められることに加え、すきま時間を活用して取り組めるため、副業のためにまとまった時間を確保しにくい人にもお勧めです。
ただし、ポイ活でためられる1回当たりのポイントは、少額であるケースが少なくありません。ポイ活のみでまとまった収入を得るのはあまり現実的ではないため、毎月のお小遣いにプラスアルファの収入が欲しい人に適しています。
フリマアプリ
身の回りの品などをフリマアプリに出品し、欲しい人に購入してもらうことで収入を得る副業もあります。出品は無料で行えることもあるため、スキルがなくても試してみるのも1つの方法です。ただし、自身の身の回りの不用品を処分したことによる一時的な収入は副業とはいえません。自分で利用していた不用品の処分に対しては原則税金もかかりません。
なお、初めから販売することを目的として中古品を仕入れる場合には、古物商の許可が必要になります。販売時ではなく、仕入れの時点で古物商許可の取得が求められる点に注意が必要です。リサイクルショップなどで仕入れる際も同様となるため、フリマアプリを利用して副業をする場合は、必要な許可を得てから始めることが大切です。
覆面調査
覆面調査とは、飲食店などに客として来店し、所定の調査項目に回答することで報酬を得る仕事です。覆面調査員の案件が掲載されているサービスに登録し、案件に応募します。お店で提供された食事などはもちろん飲食できるため、おいしい物を食べることが好きな人にお勧めです。
注意点として、覆面調査の案件はコンスタントに募集があるとは限りません。また、応募すれば必ず調査員として指名されるわけでもないため、継続収入にはつながりにくい傾向があります。まとまった収入を安定的に得られる仕事でなくても問題ない人に適した副業です。

在宅コールセンター
在宅コールセンターとは、アポイント取得や顧客への連絡などの電話業務に自宅で取り組む仕事です。架電件数やアポイントの取得数に応じて報酬が支払われるケースもあるため、電話で話すのが苦ではない人に適しています。話す内容は台本やマニュアルにまとめられているので、特別なスキルがなくてもできる場合があります。
ただし、電話を受ける相手にとっては在宅の仕事かどうか、副業で取り組んでいるかどうかは関係ありません。特にセールス関連のアポイントの場合、話を聞いてもらえなかったり、電話を突然切られてしまったりすることもあります。電話口の相手の態度しだいでストレスと感じるような人は、苦痛に感じる仕事になる点に注意が必要です。
オンライン秘書
オンライン秘書とは、企業などの重役や個人事業主の秘書として、オンラインで行える業務を請け負う仕事です。事務作業や日程調整、会場予約といった業務が中心のため、特別なスキルがなくても始めやすい副業といえます。報酬は時給制の場合が多く、働いた分だけ確実に報酬を得られる点もメリットの1つです。
その一方で、オンライン秘書の中には英語をはじめとする外国語で対応できることが条件になっていたり、秘書業務の経験者を求めていたりするクライアントもあります。応募時には、応募要件や必須のスキル・経験などをよく確認することが大切です。
デリバリー
デリバリーとは、電話やインターネットなどで注文された商品を注文者の元へ届ける仕事です。特定の店舗と直接契約する方法と、フードデリバリーサービスなどに配達員として登録する方法があります。
アルバイトの場合は時給制、個人事業主の場合は配達ごとに報酬が発生するなど、業務形態によって収入が変わるケースが多いようです。自転車やバイクを運転できれば始められることから、スキル不要の副業を探している人でも可能です。
なお、特に注文商品が食べ物の場合は、店舗で商品を受け取ってから配達を完了させるまでの時間が限られているため、急いで目的地へ向かわなくてはなりません。
速度違反や駐車違反などのルール違反はもってのほかですが、交通事故などのリスクがあることを踏まえて、保険に加入し、常に注意深く運転する必要があります。すでに保険に加入している場合でも、契約内容を確認して必要があれば、契約内容を見直しましょう。
投資
投資は、株式投資や投資信託、外貨預金などで利益を得る方法です。副収入を得られる可能性があるものの、事業や業務ではないため、投資は副業とみなさない企業が多いといえます。そのため、基本的に副業を認められていない企業に勤めている人や公務員の人でも始めやすいといえます。少額から投資できる金融商品もあるため、投資に関する専門知識がなくても始めることは可能です。
ただし、投資は必ず儲かるとは限らない点に注意が必要です。購入時の金額よりも価値が下がれば、損をすることにもなりかねません。投資の中には、FXや暗号資産といった相場が乱高下しやすく、利益の確保が難しいものもあります。特に初心者のうちは、長期・分散・積立という投資の基本を守っていくことが大切です。
スキルなしの副業で収入を増やすコツ
特別なスキルを必要としない副業の多くは、始める際のハードルが低いものの、報酬もあまり高くない傾向があります。そのため、収入を増やしていくには長く続けて慣れていくことが重要です。
特別なスキルが不要とはいえ、作業のコツをつかむことによって始めた当初よりもスムースに進められる面は必ずあります。長期にわたって続けながら、こうしたコツをつかんでいくことで収入の増加につなげることができるでしょう。
また、副業を長く続けるには、自分の好きなことや得意なジャンルの仕事を選ぶことをお勧めします。好きなことや得意なことであれば楽しんで続けやすく、徐々に収入が増えていく可能性も高まるからです。
副業を始める際のハードルの低さだけでなく、「自分が好きなことか」「得意なことを活かせるか」といった点も重視することをお勧めします。
スキルなしで副業を始める際の注意点
続いては、スキルなしで副業を始めたい人が注意しておくべき点について解説します。トラブルに発展するのを防ぐためにも、以下の2点を必ず押さえておきましょう。
本業の会社の就業規則を確認する
副業を始めるにあたって、本業の勤務先が定めている就業規則を確認しておく必要があります。副業が認められていて、申請なども必要ないのであれば、問題なく副業を始めることができます。近年は従業員の副業を認める企業が増えているとはいえ、競業避止義務や過重労働防止などの観点から副業を制限している企業も少なくありません。企業によっては、副業を始める際に届出や申請をするようルールを設けているケースもあります。
勤務先の就業規則に違反した場合、何らかの処罰が下されたり、周囲の信頼を失ったりする事態にもなりかねません。職場のルールをきちんと守り、必要な報告や届出を行うことが大切です。
安全性の高い副業求人サイトを活用する
副業の仕事を紹介しているサイトの中には、詐欺や犯罪行為を助長する求人を掲載しているものもあるため注意が必要です。不自然に高い報酬を提示していないか、仕事の内容は明示されているかといった点をよく確認したうえで応募することをお勧めします。
また、SNSなどでは副業に興味がある人を勧誘しているユーザーも見られます。中には「闇バイト」のような犯罪行為を紹介しているユーザーも存在することから、報酬の高さや仕事の始めやすさだけにとらわれないことが重要です。
既に多くのユーザーが利用している安全性の高い副業求人サイトを活用し、仕事内容を十分に確認してから応募することが重要です。
副業でも確定申告が必要なことがある
副業による所得の多くは雑所得ですが、事業的規模で継続的に行っている場合は事業所得となります。
こうした副業による所得を含めて、本業以外の年間所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。年間の所得が20万円以下で、確定申告の必要がない場合でも、1円でも利益があれば、居住地の自治体に住民税の申告が必要です。
取り組む副業の種類にもよりますが、副業のために支払った費用の中には経費にできるものもあります。例えば、ブログ運営のために契約したサーバー代やドメイン代、在宅コールセンターを始めるために購入したヘッドセット代などは、必要経費として計上が可能です。自宅で副業をするのであれば家賃や電気代の一部も必要経費に計上可能です。
なお、データ入力やライティング、オンライン秘書などは、取引相手が事業者のケースが多いと考えられます。その場合、取引相手先から適格請求書(インボイス)の交付を求められる可能性があるため、その場合は副業でも適格請求書発行事業者として登録を行うことも視野に入れておきましょう。
適格請求書発行事業者になると、消費税の課税事業者になるので、消費税の申告と納税、要件に従った帳簿付けなどが必要です。
副業の確定申告についてはこちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。
スキルなしでもチャレンジできる副業はたくさんある!
特別なスキルや専門知識がなくても始められる副業は数多くあります。スキルがないからとあきらめるのではなく、自分にできる副業を積極的に探す姿勢で臨むことが大切です。
その一方で、初めて副業に取り組む際にはトラブルにならないよう、注意しておきたい点もあります。今回ご紹介したコツや注意点を参考に、ぜひ自分に合った副業を見つけてください。
副業のバックオフィス業務は弥生のクラウドソフトで効率化
事業所得になる副業の確定申告は申告ソフトを使って楽に済ませよう
会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。
事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムーズに行えます。
副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。
なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。
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