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精算表とは?書式や書き方、作成のポイントなどを解説

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精算表は決算のときに作成する書類の1つです。決算に必要な帳簿ではありませんが、精算表を作ると、貸借対照表や損益計算書での記入ミスをなくすのに役立ちます。では、精算表とはどのような書類で、どのように作成すればよいのでしょうか。

ここでは、精算表の概要や書式、作り方のポイントなどを、具体的な作成例と共に解説します。

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精算表とは、決算手続きの一連の流れをまとめた一覧表

精算表とは、この残高試算表から決算整理仕訳を経て、貸借対照表と損益計算書を作成するまでの一連の流れをまとめた一覧表のことです。法人の決算手続きは複雑なため、貸借対照表や損益計算書の記入ミス防止のために精算表を使用します。また、精算表は、当期純利益や決算の内容を前もって知りたいときなどにも役立ちます。

決算手続きの一連の流れは、下記のとおりです。

精算表の作成方法(8桁精算表)

  • 1.
    残高試算表を作成する
  • 2.
    決算整理仕訳(修正記入)を行う
  • 3.
    損益計算書および貸借対照表を作成する

なお、会計ソフトを使用している場合は貸借対照表や損益計算書が自動で作成されるため、精算表を作る必要がありません。しかし、決算の流れを把握するためにも、経理担当者は精算表について理解しておいた方がよいでしょう。

精算表を作成する際には「残高試算表」が必要

精算表を作成する際には、残高試算表が必要です。残高試算表とは、各勘定の借方と貸方との金額の差、つまり各勘定科目の残高を一覧にした表のことで、試算表のひとつです。
試算表は仕訳帳から総勘定元帳への転記の整合性を検証するための表であり、残高試算表の他にも、合計試算表や合計残高試算表があります。

決算時には、原則として決算整理の前と後に試算表を作成しますが、決算整理前に作成される表のことを、通常の残高試算表と区別して「決算整理前残高試算表」といいます。
精算表を作成するときには、精算表の試算表欄に、決算整理前残高試算表の借方・貸方の金額をそれぞれ記載しなければなりません。

精算表を作成する際には「決算整理仕訳」を行う

精算表作成の際には、決算整理仕訳を行う必要があります。決算整理仕訳を行うことで、精算表の修正記入欄への金額記載が可能になるからです。

決算整理仕訳とは、期中の取引記録では把握できなかった財産の変動を記録し、期間計算に反映させるための仕訳のことです。このとき、費用の勘定に資産が混合されている場合はその金額を資産勘定へ振り替えるなどを確認し、帳簿を修正します。

また、決算時の棚卸資産の残高を確認するために在庫を点検・計測する「実地棚卸」を行って商品等の減耗損を計上して棚卸資産の残高を修正したり、固定資産の減価償却を行ったりするのも、この仕訳のタイミングです。

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精算表の書式

精算表の書式にはいくつかの種類がありますが、一般的には「8桁精算表」を使用します。8桁精算表には、「試算表」「修正記入」「損益計算書」「貸借対照表」という4つの記入項目が設けられています。

8桁精算表の記入項目

  • 試算表:決算整理前残高試算表の金額を記入
  • 修正記入:決算整理仕訳を記入
  • 損益計算書:費用と収益の金額を記入
  • 貸借対照表:資産、負債、純資産の金額を記入

上記4つの記入項目が、それぞれ借方・貸方に分かれており、合計8つの列から構成されているため「8桁精算表」と呼ばれます。

精算表の書式には、8桁精算表から修正記入の項目を省いた「6桁精算表」や、決算整理後残高試算表の項目を加えた「10桁精算表」があります。

精算表の作成方法

では、実際に精算表を作成するにあたっては、どのような手順が必要なのでしょうか。ここでは8桁精算表の作成方法についてみていきましょう。

1 決算整理前残高試算表の金額を試算表欄に記入する

まず、決算整理前残高試算表を作成します。その後、決算整理前残高試算表の借方と貸方の金額を、精算表内の試算表欄の借方・貸方にそれぞれ記入します。

2 決算整理仕訳を行い、修正記入欄に記入する

次に、決算整理仕訳を行います。その後、精算表の修正記入欄に記載します。

今回は、次の場合の精算表を考えてみましょう。

  • 支払保険料勘定のうち翌期分の支払い40,000円を資産の勘定である前払保険料勘定へ振り替える
  • 受取地代勘定のうち翌期前受け分を負債の勘定である前受地代勘定へ振り替える

この場合の精算表を示したのが、下記の表です。なお、実際の業務では数多くの勘定科目が並びますが、今回は例として4つの科目だけを表示しています。

決算整理仕訳を行い、修正記入欄に記入した際の精算表の記入例

3 損益計算書と貸借対照表の欄を記入する

1の試算表欄と2の修正記入欄の金額をもとに、損益計算書・貸借対照表の各項目を記入します。

費用と収益に該当する勘定科目は損益計算書欄、資産・負債・純資産に該当する勘定科目は貸借対照表欄に記載しなければなりません。なお、借方の科目(資産・費用)は修正記入欄の借方の金額を加算し、貸方の金額を減算します。

貸方の科目(負債・純資産・収益)については修正記入欄の貸方の金額を加算し、借方の金額を減算します。加算もしくは減算した場合は、差額を記載する必要があるため注意が必要です。例えば、前払保険料は資産に該当します。例では試算表の前払保険料に残高はありませんが、残高がある場合は合算して貸借対照表の欄に記入します。

また、支払保険料は費用に該当するものです。残高の借方から修正記入欄の貸方を減算した差額を損益計算書の借方に記載します。計算式は次のようになります。

支払保険料の借方と貸方の差額を算出する計算式の例

試算表の借方-修正記入欄の貸方=損益計算書の借方に記載する金額

具体的な記入例は、以下の表のとおりです。金額がゼロの項目は空欄にします。

損益計算書と貸借対照表の欄を記入した際の精算表の記入例

4 当期純利益を求める

当期純利益は、損益計算書の貸借の差額で求めます。借方より貸方の金額のほうが大きい場合は損益計算書の借方に数字を記入し、また借方より貸方の金額のほうが小さい場合は当期純損失となるため損益計算書の貸方に数字を記入しましょう。求めた当期純利益の金額は、そのまま貸借対照表欄の貸方へ転記します。なお、当期純損失の場合はその逆となり、貸借対照表欄の借方に転記します。貸借対照表と損益計算書の差額は必ず一致しなければなりません。

当期純利益を求めた際の精算表の記入例

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精算表の作成業務を効率化するためのポイント

精算表の作成業務を効率化するためには、知っておきたいいくつかのポイントがあります。作成前には、次の点を確認しておくとよいでしょう。

修正仕訳は期中に行っておく

精算表を効率的に作成するには、期末を待たず、月次決算などで修正仕訳を行っておくことがポイントです。決算整理仕訳は決算手続きの中でも手間のかかる作業の1つであるため、早めに修正仕訳をしておくことで、決算前の作業の手間をできるだけ軽減することができるのです。暫定的に仮払金や仮受金としていた仕訳も、適切な勘定科目が確定したタイミングで修正しておくようにしましょう。決算前にまとめて処理する必要がなくなり、効率的に精算表を作成することができます。

会計ソフトを利用する

会計ソフトを利用することも、業務を効率的に進めるためのポイントの1つです。会計ソフトを利用すれば、入力した取引データから貸借対照表や損益計算書が自動で作成されるため、わざわざ精算表を作る必要がありません。データは自動入力されるため、記入ミスのリスクも軽減されます。

精算表作成後の注意点

精算表を作成した後の注意点は、精算表のデータと実際の残高を突き合わせして、内容が合致するかどうかの確認を忘れずに行うことです。例えば、貸借対照表欄の数値と預金残高や現金の有高が一致するか、損益計算書欄の賃金の総額が賃金台帳と一致するかなど、帳簿のデータと実際の状況を比べて確認しましょう。

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会計ソフトを活用すれば決算手続きも効率化できる

精算表は決算時に作成する書類の1つで、残高試算表から決算整理仕訳を経て、貸借対照表と損益計算書を作成するまでの一連の流れをまとめた一覧表です。手書きで帳簿をつけている場合などは、精算表を作成することで、貸借対照表や損益計算書の記入ミスをなくすのに役立ちます。
ただ、会計ソフトを利用すれば、そもそも精算表を作成する必要がなくなります。さらに、日々の記帳の手間も格段に軽減されるため、決算手続きの効率化にもつながるでしょう。企業の記帳業務や決算業務は、正確性と効率性の両立が大切です。精算表の役割を理解したうえで、さらなる業務効率化を目指すなら、会計ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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よくあるご質問

精算表とは?

精算表とは、残高試算表から決算整理仕訳を経て、貸借対照表と損益計算書を作成するまでの一連の流れをまとめた一覧表のことです。法人の決算手続きは複雑なため、貸借対照表や損益計算書の記入ミス防止のために精算表を使用します。詳しくはこちらをご確認ください。

精算表の作成方法は?

精算表の書式にはいくつかの種類があり、一般的な「8桁精算表」を作成する場合は、まず決算整理前残高試算表を作成し、金額を試算表欄に記入します。次に、決算整理仕訳を行って精算表の修正記入欄に記載して、試算表欄と修正記入欄の金額をもとに、損益計算書・貸借対照表の各項目を記入、当期純利益を求めます。詳しくはこちらをご確認ください。

精算表作成後の注意点とは?

精算表を作成した後の注意点は、精算表のデータと実際の残高を突き合わせして、内容が合致するかどうかの確認を忘れずに行うことです。帳簿のデータと実際の状況を比べて確認しましょう。詳しくはこちらをご確認ください。

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この記事の監修者税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。

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