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賞与で控除される社会保険料はいくら?計算方法について解説

監修者:税理士法人古田土会計 社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

2024/04/02更新

賞与(ボーナス)には、給与と同じように社会保険料と所得税がかかります。従業員に賞与を支給するときには、控除される社会保険料や所得税を正しく計算しなければなりません。ただし、賞与と給与では、社会保険料の計算ルールが異なります。また、賞与の支給回数などによっても計算方法が変わることがあるため、注意が必要です。

ここでは、賞与から控除される社会保険料や所得税の計算方法、賞与計算の注意点などについて解説します。

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賞与には社会保険料と所得税がかかる

毎月の給与と同様に、賞与(ボーナス)にも社会保険料と所得税(所得税および復興特別所得税)がかかります。そのため、賞与支給時には、総支給額から社会保険料と所得税を差し引いた金額を、従業員に支払うことになります。なお、給与とは異なり、住民税は賞与からは控除されません。

賞与と給与では、社会保険料や所得税の計算方法が異なります。例えば、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の計算をするとき、給与では社会保険料を算出しやすくするために、従業員の月々の給料を特定の範囲ごとに区分した「標準報酬月額」を用いますが、賞与では「標準賞与額」を使用します。標準賞与額とは、所得税を控除する前の賞与総支給額から1,000円未満を切り捨てた額のことです。

また、給与から源泉徴収する所得税は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)新規タブで開く」から算出しますが、賞与の源泉所得税の計算には国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算定率の表新規タブで開く」を使います。

賞与から控除される社会保険料の計算方法

賞与から差し引かれる社会保険料は、「健康保険料」「介護保険料(40歳以上の場合)」「厚生年金保険料」「雇用保険料」です。社会保険のうち、仕事中または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、または死亡に対して労働者やその遺族に保険給付を行う労災保険の保険料は、全額が事業主の負担なので、賞与や給与からの控除はありません。

では、保険の種類ごとに、賞与から控除される社会保険料の計算方法について見ていきましょう。

健康保険料の場合

賞与から控除される健康保険料は、賞与の総支給額の1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に、健康保険料率を掛けて算出します。健康保険料率は、事業所が所在する都道府県や加入している健康保険組合によって異なるため、注意が必要です。算出した健康保険料は、事業主と被保険者が折半で負担します。

賞与から控除される健康保険料の計算式

賞与から控除される健康保険料=標準賞与額×健康保険料率÷2

なお、標準賞与額には、上限金額が定められています。健康保険料を算出する際の標準賞与額は、4月1日~3月31日の年間累計額573万円が上限です。

介護保険料の場合

40歳以上65歳未満の人は、健康保険料に加えて介護保険料がかかります。賞与から控除される介護保険料は、総支給額の1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に、介護保険料率を掛けて求めます。
介護保険料率は、協会けんぽであれば全国一律(2024年度は1.60%)ですが、それ以外は保険者に確認が必要です。介護保険料も、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。

賞与から控除される介護保険料の計算式

賞与から控除される介護保険料=標準賞与額×介護保険料率÷2

介護保険料の標準賞与額は、健康保険料と同じく4月1日~3月31日の年間累計額573万円が上限です。

厚生年金保険料の場合

厚生年金保険料は、賞与の総支給額の1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に、厚生年金保険料率を掛けて算出します。厚生年金保険料率は2017年9月(10月納付分)から18.3%となっています(2024年3月現在)。厚生年金保険料も、事業主と被保険者が半分ずつの負担です。

賞与から控除される厚生年金保険料の計算式

賞与から控除される厚生年金保険料=標準賞与額×厚生年金保険料(18.3%)÷2

厚生年金保険料の標準賞与額の上限額は、1か月当たり150万円です。

雇用保険料の場合

賞与から控除される雇用保険料は、賞与の総支給額に雇用保険料率を掛けて算出します。雇用保険料は、上にあげた健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料とは違い、標準賞与額ではなく総支給額で計算するので注意しましょう。

賞与から控除される雇用保険料の計算式

賞与から控除される雇用保険料=賞与総支給額×雇用保険料率(労働者負担分)

雇用保険料率は、事業の種類によって、事業主負担分と労働者負担分それぞれの税率が設定されています。2024年4月1日~2025年3月31日の雇用保険料率は、下記のとおりです。雇用保険料率は毎年見直されるため、最新の料率をチェックするようにしましょう。

令和6年度の雇用保険料率

賞与は社会保険料だけでなく所得税(源泉徴収税)も控除される

賞与には、社会保険料だけでなく所得税もかかるので注意しましょう。なお、2037年までは所得税と併せて復興特別所得税がかかりますが、この記事ではまとめて「所得税」とします。

賞与から源泉徴収される所得税額は、総支給額から社会保険料を差し引いた金額に、所得税率を掛けて求めます。

賞与から控除される所得税額の計算式

賞与から控除される所得税額=(賞与総支給額-社会保険料の合計額)×所得税率

賞与にかかる所得税の税率(源泉徴収率)は、前月の社会保険料控除後の給与額や扶養親族の数を基に決まるため、国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表新規タブで開く」を参照してください。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和6年分)

「賞与に対する源泉徴収税額の算定率の表」を参照し、前月の社会保険料控除後の給与額と扶養親族の数から「賞与の金額に乗ずべき率」を確認します。これが源泉所得税の税率です。なお、所得控除を受けるために必要な「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない場合は、扶養親族の数にかかわらず「乙欄」が適用されます。

賞与を支給する場合に注意すること

賞与の支給にあたり、社会保険料が控除されない場合や標準賞与額の上限など、把握しておくべき点があります。ここからは、賞与の支給に関する注意点について見ていきましょう。

賞与から社会保険料が控除されない場合もある

まず注意したいのが、賞与から社会保険料が控除されない場合です。これには、下記の2つのケースが想定されます。

産前産後休業や育児休業中の場合

産前産後休業や育児休業中は、社会保険料を免除できる保険料免除制度があります。日本年金機構に申請をすることで、産休・育休中の健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料が、労働者負担・事業主負担、共に免除されます。産休・育休中に賞与が支給された場合も、免除申請をしていれば、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料はかかりません。また、これらは期間が短い育休の場合や、月末が育休期間ではない場合等には注意が必要です。こちら新規タブで開くをご参考ください。

次に、雇用保険は賃金に対して保険料が決まるため、産休・育休中でも賞与や給与が支給されれば雇用保険料を負担します。賞与や給与の支払いがなければ、雇用保険料はかかりません。

賞与が支給される月(末日を除く)に退職した場合

賞与が支給される月(末日を除く)に退職した場合も、賞与から社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)は控除されません。従業員が負担する社会保険料は、「退職日(資格喪失日)の翌日が属する月の前月まで」発生します。そのため、賞与が支給される月の途中で退職した場合は、社会保険料がかかるのは前月までなので、賞与からの控除はありません。

例えば、7月に賞与が支給され、7月20日に退職したケースで考えてみましょう。この場合、退職日の翌日(7月21日)が属する月の前月は6月なので、6月支給分までの賃金が社会保険料の対象となり、7月支給の賞与には社会保険料がかかりません。一方、7月31日に退職した場合は、退職日の翌日(8月1日)が属する月の前月は7月となり、7月支給の賞与にも社会保険料がかかることになります。

なお、雇用保険料については、退職日のタイミングにかかわらず、賞与総支給額に応じて控除されます。

標準賞与額には上限がある

前述したように、社会保険料の算出に用いる標準賞与額には、それぞれ上限額が定められています。上限を超えた額に対しては、保険料はかかりません。

健康保険料と介護保険料では、4月1日~3月31日の年間累計額573万円が、標準賞与額の上限です。なお、標準賞与額の年間累計額573万円を超えるとき、被保険者からの申し出に基づき「健康保険 標準賞与額累計申出書」を提出する必要があるため注意しましょう。

一方、厚生年金保険料の標準賞与額は、1か月当たり150万円です。もし同じ月に2回以上賞与を支給した場合は、合算額で判断されます。

同月に2回以上賞与を支給する場合

同じ月に2回以上賞与の支払いがある場合は、合算した賞与額から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」として、社会保険料を計算します。

例えば、同月に「500,900円」と「400,200円」の2回の賞与が発生した場合、合算した90万1,100円の1,000円未満を切り捨てた「90万1,000円」が標準賞与額となります。1回分ずつ計算すると、本来控除すべき保険料とずれが生じてしまう可能性があるため注意しましょう。

年4回以上賞与を支給する場合

就業規則や賃金規程に年4回以上支給することが定められている賞与は、社会保険上、給与と同じ「報酬」として扱われます。この場合は、毎年7月に行う算定基礎届の提出(定時決定)の際、月々の給与と共に標準報酬月額に反映されます。

年4回以上の支給とみなされるのは、同じ性質の賞与です。例えば、通常賞与が年3回、会社の業績に応じて支給された決算賞与が1回というようなケースは該当しません。

なお、毎年7月2日以降に賞与にかかる諸規定を新設した場合には、年4回以上の賞与支給について客観的に定められていても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月または9月の随時改定を含む)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、「報酬」ではなく「賞与」として取り扱われます。報酬と賞与の区分は社会保険料計算の基礎となるため、正しく判別するようにしましょう。

賞与明細書の発行と被保険者賞与支払届の提出

従業員に賞与を支給する際には、賞与明細書の発行が必要です。賞与明細書には、賞与の総支給額、賞与から控除される項目と控除額、差引支給額を記載します。

また、支給した日から原則として5日以内に、「被保険者賞与支払届」を日本年金機構へ提出しなければなりません。提出先は、管轄の年金事務所または日本年金機構の事務センターです。なお、賞与支払い予定月にすべての従業員に賞与を支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」を提出します。

賞与の社会保険料を計算するなら給与計算ソフトを使えば効率的

従業員に賞与を支給する際は、給与支払い時と同様に、社会保険料や所得税の計算が必要です。ただ、賞与にかかる社会保険料や所得税は、給与とは計算方法が異なるため手間がかかり、手作業で計算しているとミスも起こりがちです。
さらに、計算に用いる料率が頻繁に改訂されたり、自治体ごとに保険料率が違ったりすることもあるため、常に最新の情報に注意を払わなければなりません。

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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人エムケー人事コンサルティング

中小企業を経営する上で代表的なお悩みを「魅せる会計事務所グループ」として自ら実践してきた経験と、約3,000社の指導実績で培ったノウハウでお手伝いさせて頂いております。
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