会社法とは?定められている内容や条文を基本からわかりやすく解説
監修者: 森 健太郎(税理士)
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会社を設立したり運営したりする際に、必ず知っておかなければならない法律が「会社法」です。会社法には、会社に関するさまざまなルールがまとめられています。新たに会社を設立するときはもちろん、設立後に会社を運営していくときにも、会社法に定められたルールを守らなければなりません。
とはいうものの、「会社法という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどういった内容なのかよくわからない」などと、悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、会社法の役割や規定内容など、会社を経営するうえで知っておきたい、会社法のポイントについて解説します。
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会社法とは会社を運営するさまざまなルールについて定められた法律
会社法とは、会社の設立や運営、しくみ、組織などについて定められた法律のことです。全8編から構成されており、株式会社や合同会社といった会社に関する、さまざまなルールがまとめられています。
会社法の役割と目的
会社法の役割は、会社が適切に運営され、社会から信頼されるしくみを整えることです。必要なルールをまとめることで、会社はスムーズに事業を行い、透明性を確保しやすくなります。具体的には、取引先や株主、従業員などの利害関係者を守り、企業との取引を安心して行えるようにすることが目的です。
また、コーポレートガバナンス(企業統治)を強化し、経営の公平性を維持することも、会社法の重要な役割の1つと言えるでしょう。
なお、会社法では、帳簿の保存期間についても定められており、10年間の保存が義務付けられています。一方で、法人税法では、帳簿保存は原則7年間(欠損金の繰越控除をしている場合は、9年または10年の保存が必要)と、法律によって保存期間が異なります。そのため、双方の法律に抵触しないように、どちらの期間も満たす10年間を保存基準にすると安心です。
帳簿書類の保存期間における法人税法と会社法の違いについては以下の記事を併せてご覧ください。
会社法の成立と主な改正
会社法は2005年に成立し、2006年5月1日より施行された法律です。
会社法ができるまで、会社に関するルールは、商法の一部や有限会社法など、複数の法律に分散されていました。会社法の施行により、それまで個別に存在していた会社に関するルールが統合・一元化され、内容がよりわかりやすく整理されたのです。
会社法は2006年の施行後も、社会の変化に合わせて見直しが行われています。
中でも、これまで大きな改正が行われたのは、2014年と2019年です。2014年の改正では、コーポレートガバナンスの強化や、親会社・子会社間の取引に関するルールなどが整備されました。また、2019年には、株主総会における資料の電子化など、デジタル時代に対応した改正が行われています。
現行の会社法も今後改正される可能性があるため、最新の内容をチェックしておきましょう。
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会社法を構成する内容
会社法は、第1編から第8編までの8つの編で構成されています。それぞれの編の内容は、下表のとおりです。
会社法の構成
| 編 | 内容 |
|---|---|
| 第1編 総則(第1条~第24条) | 用語の定義や商号(社名)のルールなど、会社法全体に共通する基本的な事項が記載されています。 |
| 第2編 株式会社(第25条~第574条) | 株式会社に関する詳細なルールをまとめた編です。株式会社の設立や株式発行の手順、会計方法、取締役機関の設置、解散などが記載されています。 |
| 第3編 持分会社(第575条~第675条) | 合同会社・合名会社・合資会社という、3種類の持分会社について定められた編です。この3つの持分会社に関して、設立や解散、清算などが記載されています。 |
| 第4編 社債(第676条~第742条) | 会社が発行する債券(社債)について、公募社債の発行や譲渡、社債権者集会などのルールが定められています。 |
| 第5編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転(第743条~第816条) | 会社形態の変更や、M&Aなどに関するルールがまとめられた編です。会社組織の再編や変更、合併、会社分割、株式交換などが記載されています。 |
| 第6編 外国会社(第817条~第823条) | 外国会社が日本国内で事業活動を行う際のルールが定められています。外国会社とは、外国の法令に準拠して設立された法人等のことです。 |
| 第7編 雑則(第824条~第959条) | 会社に対する解散命令や訴訟手続、非訟手続、登記、公告など、幅広い分野についてのルールが定められています。 |
| 第8編 罰則(第960条~第979条) | 会社法に違反した場合の罰則について定められています。 |
上記の8つの編のうち、会社の設立や経営に直接関わるのは、主に第2編「株式会社」と第3編「持分会社」です。
そのほか、資金調達のために社債を発行する場合は第4編「社債」を、支店設置など組織変更があった場合には第5編「組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転」を、それぞれ確認しましょう。
また、会社法には第8編「罰則」の定めがあり、違反した場合はペナルティの対象となります。例えば、取締役等の特別背任罪や代表社債者等の特別背任罪、虚偽文書行使等の罪、取締役等の贈収賄罪などに対しては、懲役または罰金が科されます。
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会社法が定める会社の種類
会社の種類は、株式を発行できるかどうかで、「株式会社」と「持分会社」に大別されます。さらに、持分会社は、出資者(社員)の責任範囲によって「合同会社」「合名会社」「合資会社」の3つに分かれます。
つまり、会社法で定められている会社の種類は、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つということになります。この4つの会社形態のうち、設立件数が最も多いのは株式会社、次いで合同会社です。
なお、有限会社は、2006年の会社法施行以降は、新たに設立できなくなっています。現存する有限会社は特例有限会社と言い、会社法上は株式会社として扱われています。
株式会社
株式会社は、株式を発行して資金を集め、その資金を元に経営する会社形態です。
株式とは、株式会社が出資者である株主に発行する証券のことを言います。出資者である株主と経営者の役割は切り離されており、事業活動によって得た利益の一部は、配当金という形で株主に分配されます。なお、出資者(株主)と経営者は、同一人物であっても問題ありません。
株式会社の出資者(株主)は有限責任となり、会社が倒産した場合でも、債権者に対して負う責任は出資額の範囲に限られます。
合同会社
合同会社は、2006年の会社法施行によって新しく生まれた会社形態で、持分会社の1つです。
持分会社では、会社に対する出資者の地位や権利として、株式ではなく持分が用いられ、全ての出資者は株主ではなく社員と呼ばれます。株式会社が出資者である株主と経営者が異なるしくみなのに対し、合同会社などの持分会社は出資者である社員と経営者が一致している点が特徴で、出資比率に応じた割合で経営に関わる会社形態です。
合同会社は、株式会社のように「取締役」や「社長」といった役職が会社法上存在しないため、社員から「代表社員」を決めて運営します。このため、対外的に通称として代表社員が社長と名乗っている場合もあるでしょう。
合同会社も「出資者(社員)=経営者」であるため、原則として全ての社員が経営に対する決定権を持ちます。そのため、合同会社の出資者(社員)の責任範囲は、株式会社と同様に有限責任です。
合名会社
合名会社も、合同会社と同様に、所有と経営が一致した持分会社です。
合名会社の特徴は、会社の負債に対して全ての責任を負う「無限責任社員」のみで構成されることです。そのため、会社が倒産した場合などには、社員は債権者に対して、負債総額を支払わなければなりません。
合資会社
合資会社も、合同会社や合名会社と同じく、所有と経営が一致した持分会社です。
合資会社は、会社の負債に対して全ての責任を負う「無限責任社員」1人以上と、出資額の範囲においてのみ責任を負う「有限責任社員」1人以上で構成されます。そのため、4種類の会社形態の中で、合資会社だけは1人で設立することができません。
株式会社や合同会社などの会社形態については以下の記事を併せてご覧ください。
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会社法が定める株式に関する原則
会社法には、株式会社がスムーズに経営されるために、株式についての基本ルールが定められています。その会社法で定められている株式に関する原則は、以下の2つです。
会社法に記載された株式に関する原則
- 株主平等の原則
- 株式譲渡自由の原則
株主平等の原則
株主平等の原則とは、会社法第109条において定められた、「株式会社は、株主が持つ株式の内容や数に応じて、平等に扱わなければならない」とされている原則のことです。
例えば、同じ種類・数の株式を保有する株主は、議決権や配当の受け取りにおいて同等の権利を持ちます。この原則によって、一部の株主だけが有利になったり不利益を受けたりすることがなくなり、安心して会社に出資できる環境が作られていると言えるでしょう。
株式譲渡自由の原則
株主は、原則として、自分が持つ株式を自由に他人に譲渡することが可能で(会社法第127条)、これを株式譲渡自由の原則と言います。株式譲渡自由の原則は、株主が自分の株式を売買できるようにして、投資の柔軟性や資金の流動性を確保するためのルールです。
なお、株式の譲渡については、定款で制限を定めることも可能です。株主が頻繁に変わると安定した会社運営の妨げになる可能性があるため、特に非上場の中小企業では、株式の譲渡制限を定款に定めておくことが多いと言えます。
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会社法が定める株式会社の役職や運営機関
会社法では、役職や運営機関といった、株式会社の運営のしくみについても定めています。以下の中で、全ての株式会社で必要なのが、株主総会と取締役、代表取締役です。その他の役職や機関は、会社によって設置の有無が異なります。
株式会社の主な役職や運営機関
- 株主総会
- 取締役・取締役会
- 代表取締役
- 監査役・監査役会
- 会計監査人・会計参与
- 執行役
- 監査委員会
- 指名委員会
- 報酬委員会
株主総会
株主総会とは、株式会社における最高意思決定機関のことです。会社法では株式会社に対して、事業年度の終了後一定の時期に、定時株主総会を開催することを義務付けています。
株主総会では株式会社の出資者である株主が集まり、会社の基本方針や、役員・監査役の選任および解任、定款の変更など、会社運営に関する重要事項を決議します。
なお、社長1人の会社であっても、形式上は株主総会が必要です。ただし、実際には株主総会を開催せずとも、書面での決議でよいとされています。
取締役・取締役会
取締役とは、株式会社の業務執行に関する意思決定を行う役職のことで、株主総会の決議で選任されます。株式会社では、必ず1名以上の取締役を置かなければなりません。
また、取締役会は、会社の業務執行の意思決定機関のことです。取締役会を設置するには、3名以上の取締役を置く必要があります。
代表取締役
代表取締役とは、株式会社を代表する責任者のことです。取締役の中から選定され、複数名の代表取締役を置くこともできます。代表取締役を選定しない場合には、各取締役が代表取締役となります。
監査役・監査役会
監査役とは、取締役の職務執行状況を監督・監査する役職のことです。業務や会計上の不正がないかどうかをチェックし、不正が発覚した際は是正する役割を持っています。
また、監査役会とは監査方針の決定や監査報告書の作成などを行う機関のことで、3名以上の監査役(そのうち半数以上は社外監査役)によって構成されています。
会計監査人・会計参与
会計監査人とは、会社の計算書類(決算書)などを会計監査する機関のことで、公認会計士または監査法人のみが務めます。
また、会計参与とは、取締役と共同で、貸借対照表や損益計算書といった計算書類などを作成する機関のことです。
執行役
執行役とは、取締役からの委任を受け、本来は取締役会の権限である業務執行の決定などを行う機関です。株式会社のうち、「指名委員会等設置会社」には、会社法によって、執行役を置くことが定められています。
監査委員会
監査委員会とは、株式会社のうち、「指名委員会等設置会社」の取締役会の中に設置され、取締役や執行役の職務執行を監査する機関のことです。また、会計監査人の選任や解任などに関する内容を決定する権限も持っています。
指名委員会
指名委員会とは、「指名委員会等設置会社」の取締役会の中に設置され、取締役などの経営陣の選任・解任を議論する機関のことです。株主総会に提出する取締役選任案の策定を主導するため、人選の理由や意図などをステークホルダーに説明する責任があります。
報酬委員会
報酬委員会とは、「指名委員会等設置会社」の取締役会の中に設置され、取締役や執行役員、会計参与の報酬額や報酬体系について決定する機関のことです。報酬委員会の選任は、取締役会によって行われます。
取締役や監査役などの会社役員については以下の記事を併せてご覧ください。
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会社の設立手続きを手軽にする方法は?
会社を設立する際には、会社法をはじめとする法律の知識に加え、税に関する知識も必要です。ただ、実際に会社設立の手続きを進めると不安になったり、つまずいたりすることがあるでしょう。
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会社を設立する前に、会社法について知っておこう
会社法は、会社に関するさまざまなルールを取りまとめた法律です。株式会社や合同会社といった会社形態にかかわらず、会社を設立・運営する際には、会社法の内容をしっかり確認することが大切です。
とはいうものの、慣れない会社設立手続きにおいて、法律の条文を確認しながら準備を進めるのは、なかなか難しいものです。場合によっては、会社法に定められたルールを知らなかったために、法令違反になってしまうこともあるかもしれません。
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よくあるご質問
会社法とは?
会社法は、会社を設立したり運営したりする際に守らなければならないルールをまとめた法律です。2005年に成立し、2006年より施行されました。全8編から構成されており、株式会社や合同会社といった会社の設立や運営、仕組み、組織などに関するさまざまなルールがまとめられています。
また、会社法には、日々の取引に関する帳簿の保存期間なども定められています。
会社法については、詳しくはこちらをご確認ください。
会社法が定める会社の種類とは?
会社法に定められている会社の種類は、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4つです。
このうち、合同会社、合名会社、合資会社の3つは持分会社と呼ばれます。株式会社と持分会社の大きな違いは、株式を発行するかどうかです。また、3つの持分会社は、それぞれ出資者(社員)の責任範囲が異なります。
会社法が定める会社の種類については、詳しくはこちらをご確認ください。
会社法が定める株式会社の運営機関とは?
会社法に定められている株式会社の役職・運営機関には、「株主総会」「取締役・取締役会」「代表取締役」「監査役・監査役会」「会計監査人・会計参与」「執行役」「監査委員会」「指名委員会」などがあります。
このうち、全ての株式会社に置かれるのは、株主総会と取締役、代表取締役です。その他の役職や機関については、会社によって設置の有無が異なります。
会社法が定める株式会社の役職や運営機関については、詳しくはこちらをご確認ください。
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この記事の監修者森 健太郎(税理士)
ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネルを運営。