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よい税理士の探し方|失敗しないポイントや選び方の注意点

監修者: 高崎 文秀

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税理士には、税務管理や経理業務、経営課題に対する施策の検討など、事業活動におけるお金の取り扱いを依頼・相談できます。これらを依頼する際、基本かつ重要な視点が「よい税理士にお願いすること」です。本記事では、よい税理士に出会い、経営のパートナーとして長きにわたって付き合うための入り口として、税理士の探し方と選ぶ際の注意点、税理士事務所のタイプ、そして失敗しないためのポイントを解説します。

よい税理士の探し方

よい税理士の定義は、法人や個人事業主といった事業規模の違い、また業種・業界によっても多少異なります。しかし共通点として、税理士からサービスを受ける際に「対応が迅速・丁寧である」や「些細なことも相談しやすく相性がよい」、「料金体系が明瞭」「専門知識や経験が豊富で、あらゆるケースに対応できる」といった部分が整っていれば、よい税理士といえます。

まず、よい税理士をピックアップするための6つの探し方について取り上げます。

インターネットで検索する

最も手軽に税理士を探せるのが、インターネットによる検索です。「地域名+税理士事務所」で検索すれば、近くにある税理士事務所・会計事務所をピックアップできます。ホームページ等を閲覧すれば、これまでの実績や利用者の口コミも確認でき、事務所などを訪問することなく依頼したい税理士を見つけられるでしょう。便利である一方、掲載されている情報の信憑性や、やり取りの中で感じられる相性などまでは知ることができないので、時に税理士選びに失敗するリスクがあることも念頭に置いておく必要があります。

税理士を探す際には、専用の検索サイトや紹介サービスを活用するのも1つの方法です。例えば、「税理士情報検索サイト新規タブで開く」や「税理士紹介サービス(税理士紹介ナビby弥生)新規タブで開く」があります。

日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトを活用する

国税庁のサイトでも紹介されている方法が、日本税理士連合会が運営する「税理士情報検索サイト」を利用する方法です。税理士およびその所属事務所(法人)は、各地域の税理士会に所属し、日本税理士連合会に登録されています。したがって、同サイトを利用して検索すると、税理士としてきちんと登録されているのかが確認できます。

同サイトの検索方法には、「地域から探す」「詳細から探す」の2つがあります。詳細検索では「主要取扱業務」「主要取扱業種」、さらには性別や日本語以外の対応言語なども指定でき、ご自身の希望に適った税理士・税理士法人が絞り込めます。

参照:日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト新規タブで開く

税理士紹介サービスを活用する

税理士の紹介に特化したサービスを利用することも1つの方法です。税理士紹介サービスとは、利用者の希望や条件に合った税理士を紹介してくれるサービスのことです。多くの場合、無料で相談ができ、専門スタッフが複数の税理士から提案してくれるため、初めて税理士を探す場合でも安心して利用できます。例えば弥生の「税理士紹介ナビ」は、提携している税理士・会計事務所の中から検索・紹介できるサービスです。紹介料が完全無料で、ご自身に合った税理士の紹介を受けられます。

知人に紹介してもらう

法人・個人事業主にかかわらず、同業界でつながりのある人やご自身の友人・知人から税理士を紹介してもらうのも1つの方法です。労力や時間をかけずによい税理士が探せるメリットに加え、得意な分野や人柄、経験値などもあらかじめ確認できます。また、信頼できる知人からの紹介であれば、安心して任せられる税理士である可能性が高まります。しかし、税理士と相性が合わなかった場合に「紹介してもらった手前、依頼を断りにくい」と感じる人には、個人のつながり以外から探した方がストレスを感じにくいでしょう。

金融機関に紹介してもらう

取引のある金融機関から税理士を紹介してもらう選択肢もあります。金融機関は税理士や税理士事務所等と提携していることが多く、信頼できる税理士を紹介してもらえると考えられます。また、金融機関と提携しているということは、経営や資金調達などに関するアドバイスに対応できる可能性も高まります。

ただし、必ずしもご自身の事業分野に精通している税理士であるとは限りません。また、探す負担は減るものの、多額の費用がかかる場合もあります。これは、税理士事務所が金融機関に対して紹介料を支払っており、この紹介料を踏まえて費用が決まることがあるからです。金融機関からの紹介は、高いレベルの知識や技術、成果を期待できる税理士に依頼したい方に適しています。

商工会議所を通じて探す

活気のある地域づくりや中小企業のサポートなどを目的として活動している商工会議所では、定期的に無料の税務相談会を実施しています(開催頻度、無料/有料などは商工会議所によって異なる)。このような機会を利用して、税理士と直接会い、相談したうえで依頼を決めるといった手もあります。

大きなメリットは直接話せるという点です。対応のよさや人柄などが確認できるため、より相性のよい税理士を見つけやすい傾向にあります。一方、一度に多くの税理士を紹介してもらうことは難しく、比較しにくいといったデメリットが存在します。加えて「条件が合わず顧問契約に至らなかった」というケースでは、税理士を最初から探し直すことにもなりかねません。

税理士主催のセミナーに参加する

税理士事務所の多くは、経営者や個人事業主向けに税務関連のセミナーを定期的に実施しています。会場が設けられ出向くかたちのもの以外にも、オンラインセミナーも開催されており、気になる税理士に気軽に相談できるのが特長です。ただし、まとめて多くの税理士を比べることはできないので、よりご自身に合った税理士を見つけようとする場合は時間がかかります。また、依頼を申し込んでも必ず受けてもらえるわけではありません。税務に関することを勉強しながら、じっくりと税理士を探したい方に向いています。

異業種交流会で探す

情報交換や人脈の形成を目的とした異業種交流会に参加して、税理士を探すといった方法もあります。異業種交流会であれば、税理士と直接話して相手を知ることができるため、対応力や知識量、相性などを確認できます。ただし、ご自身が参加する異業種交流会に、税理士が来る保証はありません。参加しても税理士がいなかった場合は、また別の交流会に参加し直す必要があります。また、税理士がいて仲を深められたとしても、必ず顧問契約を結べるとは限らないといったデメリットがあります。

税理士事務所のタイプは3つ

税理士事務所は、事務所ごとに経営方針や対応業務などが異なります。大枠として、以下の3つのタイプに分けられます。

  • 低価格型
  • 付加価値型
  • 特化型

これらはご自身に合った税理士事務所を探す際の指標の1つとなるため、知っておくと役立ちます。

1. 低価格型

低価格型の税理士事務所とは、提供するサービスの範囲が限定される代わりに価格が抑えられている事務所のことです。例えば、会計ソフトへの記入を代行したり、オンラインで完結する税務相談を受けたりといった業務を担っています。また、メールや電話でのやり取りが多く、顧問先に頻繁には出向かない傾向があります。

事業規模が小さく売上が少ない、また依頼内容が毎年ルーティンである場合などは、低価格型の事務所でも十分であると考えられます。しかし判断を誤ると、リーズナブルな価格に惹かれて契約したものの、対応できる業務の範囲が狭く、ご自身の負担が軽減されない結果となる可能性があります。

2. 付加価値型

付加価値型とは、税務だけでなく、経営コンサルティングや資金調達まで幅広い依頼に対応できる税理士事務所のことです。外部CFO(最高財務責任者)のようなポジションで面談や相談を定期的に行うところもあります。

事業規模がある程度大きい企業や、事業拡大を目指す企業は、税負担が大きかったり、資金調達のタイミングを誤ると資金が不足したりするといったリスクが存在します。そのため、経営について多面的に捉えて対応していかなければならない法人にとっては付加価値型が適しています。ただし、顧問料などの費用が高額になる傾向にあるため、自社の状況を鑑みて依頼を決める必要があります。

3. 特化型

特化型は、ある業種・業界に特化した知識や経験を有する税理士事務所のことです。実際に「医療法人に特化した税理士事務所」「相続税に強い税理士法人」といったそれぞれのニーズに沿ったサービスを提供するところが存在します。

特化型ならではの専門性の高い知識や実績を持ち併せており、その業種・業界の慣習などと併せてノウハウを発揮できるのが特長です。専門知識がないとスムーズに進まない場合もあるため、事業内容によっては特化型が適しているといえます。なお、昨今は営業目的で特化型をアピールしているケースも散見されます。その事務所の特化型としての実力を判断するため、実績や利用者からの評判にも目を向けてみることが大切です。

税理士選びで失敗しないためのポイント

相性や知識・経験が好ましい税理士に出会えることは、日常の会計処理が円滑になるだけではありません。その業界をよく理解した節税対策を提案してもらえたり、経営者自身がコア業務に割く時間を増やせたりした結果、財務の最適化や事業の成長などにもつながります。そのため、だれしもが「税理士選びで失敗したくない」と考えているはずです。ここでは、失敗しないために見極めるべき4つのポイントを取り上げます。

対応が丁寧で相性がよく相談しやすいか

まずチェックしたいのは、話しやすさや受け答えの丁寧さ、コミュニケーションのしやすさといった点です。会話をリードしてくれるタイプが合うのか、あるいは要望などを細かく聞くのが上手で、適切なタイミングでアドバイスをくれるタイプが好ましいのかは人によっても異なります。今後何度もやり取りすることを想定しながら、相談しやすいと感じる税理士を選びましょう。加えて、専門的な話題も多くなるため、説明のわかりやすさも重要となります。

反対に、高圧的な態度の税理士だと相談しにくく、コミュニケーションが取りづらいため、業務に支障をきたす可能性があります。相性のよい税理士であれば、的確に依頼ができて仕事が円滑に進みます。今後何年間も依頼し続けることになるかもしれないため、真摯に対応してくれる税理士を選ぶことが大事です。

料金が明確で適切か

税理士を探す際、基本料金や顧問料などの費用が予算に見合ったものか確認する必要があります。しかし、税理士への依頼には顧問料や申告料、記帳代行料、手数料などさまざまな内訳があり、かつ料金体系は税理士ごとに異なり、決まった金額があるわけではありません。そのため、料金体系が明確に提示されていることと、その価格が適切であることが重要となります。「いくらでどこまで依頼できるのか」を確認し、不明瞭な点やわからない点があれば、契約前にたずねておきましょう。

スピーディーに対応してくれそうか

対応のスピーディーさも税理士選びで重視すべきポイントです。何日経っても返事が来ないといった事態が続くと、実務に影響します。特に、税務調査がある場合や確定申告・決算の直前などは、予期せぬトラブルが発生することも考えられます。緊急の際にもすばやく対応してくれる税理士であれば、迅速に不安要素を取り除けるようになります。税理士を探す段階から、レスポンスの早さなどをチェックしておくのがおすすめです。

業界・業種への知識や経験が十分ありそうか

どれだけ経験年数の長い税理士であっても、特定の業界や業種については知識・経験がない場合もあります。ご自身の業界や業種に対する知識や経験が十分あるか、税理士を選ぶタイミングで確認しておきましょう。判断する際、ご自身の事業に似ている業態との取引実績があるのか、そして具体的にどのような依頼に対応してきたのかをたずねると、経験値がある程度見えてきます。

以下の記事でも、失敗しない税理士の選び方を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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税理士を選ぶときの注意点

税理士選びに着手する際、2つのことに注意が必要です。いずれも実行しておくことで、よい税理士に出会える確率が高まり、さらに契約後のトラブルを防ぐことにもつながります。

見積もりをとり面談して比較する

先述のように、税理士の得意分野や経験値、依頼に対する費用などはさまざまです。そのため、複数の税理士に見積もりを依頼して、比較・検討することをおすすめします。具体的には、4〜5人の情報や見積もりを比較するとよりよい税理士が見つけられると考えられます。さらに、見積もりだけではなく面談する機会を作り、直接会って確認したい項目をチェックしておきます。特に「依頼したい業種の知識・経験はあるのか」は、実際に話して確かめておきたい点です。なお、できるだけ多くの税理士から比較・検討することは、ご自身が税理士を選択する基準を固めていくうえでも役立ちます。

依頼する業務を明確にしておく

税理士を選んでいる最中、依頼する業務がぶれてしまうことは、比較・検討していた内容の変更に直結します。場合によっては、探し直しが必要になることもあるでしょう。そのようなことを避けるためにも、依頼する業務を事前に明確にしておきます。具体的には「帳簿の記帳代行だけお願いしたい」とあくまでも業務代行のみなのか、あるいは「経理業務を代行したうえで、適切な節税対策について助言してほしい」といった財務状況を含めて全体的にみてほしいのかによって、自社に合う“よい税理士”も変わってきます。これらを明確化するためには、自社の状況を洗い出し、解決したい課題を整理しておくことをおすすめします。

事業の困りごとについて相談できる税理士を探す方法

事業運営で発生したお金の困りごとについて税理士に相談したいと思っても、自力で税理士を探そうとすると手間や時間がかかります。そのような場合は、弥生株式会社の「税理士紹介ナビ新規タブで開く」がおすすめです。

「税理士紹介ナビ」は、起業全般や税、経理業務などに関する困りごとをお持ちの方に、弥生が厳選した経験豊富で実績のある専門家をご紹介するサービスです。業界最大規模の全国12,331のパートナー会計事務所から、ぴったりの税理士や会計事務所を最短で翌日にご案内できます。完全無料で、会社所在地や業種に合わせた最適な税理士をご紹介します(2023年5月現在)。

「税理士紹介ナビ」には、事業者のお困りごとに沿って弥生スタッフが最適な税理士や会計事務所を紹介する「税理士紹介サービス新規タブで開く」と、ご自身で自由に税理士を探すことのできる「税理士検索新規タブで開く」の2つのサービスがありますので、ご自身の状況に合ったサービスをご活用ください。

「税理士紹介ナビ」はこんな方におすすめ

「税理士紹介ナビ」は、特に次のような方におすすめです。

初めて会社を設立する方

会社を設立する際には、必要な手続きや資金調達など多くの不安や疑問が生じることがあります。「税理士紹介ナビ」なら、これから事業を始める方の悩みや困りごとに合わせて、最適な税理士探しをサポートします。個人事業主から法人成りを予定している方にもぴったりです。

起業後の会計処理や決算が不安な方

会社を運営するうえでは、法人税や地方税、消費税など、さまざまな税や固定資産の知識が必要になります。そのような場合も、会計処理や決算に関することをまとめてプロに相談できます。

できるだけ節税したい方

「節税したいが方法がわからない」という方にも「税理士紹介ナビ」はおすすめです。税理士からのアドバイスで節税方法を理解できれば、戦略的な経営にも役立つでしょう。

記帳業務を丸ごとプロに任せたい方

日々の取引を記帳するには手間や労力がかかります。売上が増えるとともに経理作業量も増え、負担が大きくなってしまうでしょう。記帳業務を税理士に丸投げできれば、その分しっかり本業に集中できるようになります。

税理士選びをお任せしたいなら「税理士紹介ナビ」がおすすめ

よい税理士とは、迅速・丁寧な対応で、相談相手として相性がよいと感じられる人です。そのうえで、ご自身の業界・業種に対する専門性を有していることが条件となります。探し方や失敗しないポイントなどを押さえて、長く付き合えるよい税理士に出会えるように働きかけてみてください。

「よい税理士が見つかるようにサポートしてほしい」という方は、弥生が展開する「税理士紹介ナビ新規タブで開く」の活用をおすすめします。税理士検索新規タブで開くでは、複数の税理士事務所の情報をまとめて比較できる他、要望に合った税理士を絞り込むことができます。また、税理士紹介サービス新規タブで開くから相談すれば、希望に合わせた税理士・会計事務所を無料で紹介します。よい税理士との出会いに、ぜひ役立ててみてください。

この記事の監修者高崎 文秀

高崎文秀税理士事務所 代表税理士/株式会社マネーリンク 代表取締役
早稲田大学理工学部応用化学科卒

都内税理士事務所に税理士として勤務し、さまざまな規模の法人・個人のお客様を幅広く担当。2019年に独立開業し、現在は法人・個人事業者の税務顧問・節税サポート、個人の税務相談・サポート、企業買収支援、税務記事の監修など幅広く活動中。また通常の税理士業務の他、一般社団法人CSVOICE協会の認定経営支援責任者として、業績に悩む顧問先の経営改善を積極的に行っている。

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