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副業の収入を確定申告しないとどうなる?ペナルティや対応法を解説

監修者:齋藤一生(税理士)

2024/07/01更新

近年、副業を認める企業は増加傾向にあり、副業を検討している・実際に行っているという人も増えつつあります。副業で収入を得た場合、状況によっては確定申告が必要です。確定申告が必要な人が、万が一確定申告をしなかった場合、どのようなペナルティがあるのか、気になる方もいるでしょう。

そこで本記事では、確定申告をしないことによるペナルティや、税務署から調査が入った場合の対応法などを解説していきます。

副業で確定申告をしない人は多い?

副業の収入が少なく確定申告が必要な所得に満たなかったなどの理由から確定申告をしない人はいるでしょう。他にも、知識不足などでそもそも副業において確定申告が必要なことがあると知らない、副業をしていることが本業先にばれたくないなどの理由で、確定申告をしない人もいるかもしれません。

国税庁の「所得税及び消費税調査等の状況」によると、2022年分における所得税の税務調査件数約63万8,000件の中から所得税の申告漏れが指摘されたのは、約33万8,000件に上りました(※)。この件数すべてが副業というわけではありませんが、数字を見ると申告漏れの数は多いといえそうです。しかし、未申告はいずればれます。

納税は国民の義務です。きちんと義務を果たすためにも、まずは確定申告についての知識を深め、必要な手順や申告方法、期限などを理解しておきましょう。

副業の確定申告をしなかった場合のペナルティ

本業以外で副業の年間所得(すべての収入から経費を差し引いた残りの金額)が20万円を1円でも超える場合、所得税の確定申告を行う必要があります。では、副業の年間所得が20万円を超えているのにもかかわらず確定申告をしない場合、どういったペナルティがあるのでしょうか。

本来納めるべき所得税の納付に加え、主に「無申告加算税」「延滞税」「重加算税」などが課される場合があります。

無申告加算税

無申告加算税とは、納めるべき税金について期限内に申告されなかった場合に本来の税額に加算される形で課せられる税金です。各年分の無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて課されます。2024年(令和6年)1月1日以後に法定申告期限が到来する2023年分(令和5年分)以降は、50万円までは15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%の割合を乗じて計算した金額となります。

ただし、確定申告の期限(例年3月15日)を過ぎてしまった場合でも、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告を行うことで、無申告加算税が5%軽減されます(50万円までは10%、50万円を超え300万円までの部分は15%、300万円を超える部分は25%)。

さらに、申告期限から1か月以内に確定申告を行い、納付すべき税額の全額を法定納期限(税金を納めるべき期限)までに納付しているなどの条件を満たすと、無申告加算税は課されません。

法定納期限については、国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日新規タブで開く」から確認できます。

延滞税

所得税が定められた期限までに納付されない場合、無申告加算税に加え、延滞税もかかる可能性があります。延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じ、所定の割合で課されるものです。そのため、年数が経つほど、税金の額も大きくなります。

延滞税の割合は、国税庁のWebページから確認可能です。

重加算税

重加算税は、所得税に対して課される加算税の一種です。税務署から調査を受けた際、意図的に申告内容を仮装・隠蔽したなど、悪質と判断された場合に課されます。無申告加算税に代えて課される場合の重加算税の税率は40%です。

無申告を繰り返すとペナルティが増える

前述の無申告加算税において、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をすると、無申告加算税の税率が5%軽減されると説明しました。しかし、無申告を繰り返した場合は異なります。

2023年の法改正により、過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課され、さらに無申告だった場合、10%の割合が加重されることとなりました。これは、意図的な無申告を防ぐとともに、自主的な申告を促すためです。無申告を繰り返すと、ペナルティとして課される金額も大きくなることを知っておきましょう。

青色申告特別控除額の減額

所得税の確定申告における申告方法の1つに、青色申告があります。青色申告の場合、要件を満たすことで最大65万円の特別控除が受けられるのが大きなメリットです。
青色申告特別控除は満たす要件によって、65万円、55万円、10万円の特別控除があります。

青色申告特別控除の65万円控除、55万円控除は、期限内申告が要件の1つです。
しかし、所得税の確定申告期限を過ぎた場合、青色申告特別控除は最大10万円になります。

青色申告特別控除についてこちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。

期限内に副業の確定申告をしておらず、税務調査が入った場合の対応

副業の所得が20万円を超えているにもかかわらず期限内に確定申告をしなかった場合、税務調査が入る可能性があります。税務調査とは、国税庁が管轄する税務署などによって納税者が正しく確定申告を行っているかを調査することです。

では、税務調査が入るとの通知を受けた場合には、どのような対応を行えばよいのでしょうか。ここでは、3つの対応方法について紹介します。

税理士に相談する

税務署の調査が入る場合、専門的な知識や経験が必要になることもあります。そのため、自分1人だけで対応するのではなく、税理士などへ相談することを検討しましょう。

税理士は税務署との交渉に慣れており、的確なアドバイスや支援を受けられる可能性があります。顧問税理士がいる場合はすぐに連絡をしてください。
顧問税理士がいない場合は、周りに相談するなどしてスポットでも対応をしてくれる税理士を探すことをおすすめします。

必要な書類を整理する

税務調査が入った場合、まずは必要書類を整理することが重要です。本業の源泉徴収票や副業の収入・経費に関する書類を適切に整理した状態で税務調査官へ提供する必要があります。また、仮に不足している書類や情報があれば、税務調査官に対して正直に伝えなければなりません。

副業の多くは雑所得となり帳簿付けは義務ではありません。ただし、証憑については前々年の副業にかかる雑所得の収入が一定の条件を満たしている場合は、領収書や請求書の保存や収支内訳書の提出が必要です。

前々年の副業にかかる雑所得の収入金額による対応の違い
前々年の業務にかかる雑所得の収入金額 現金預金取引等関係書類の保存義務 収支内訳書の作成義務 帳簿作成義務
300万円以下 なし なし なし
300万円超1,000万円以下

あり

なし なし
1,000万円超

あり

あり

なし

なお、適格請求書(インボイス)発行事業者の場合、収入金額の規模にかかわらず、帳簿付けと適格請求書の発行・保存が必要です。2024年1月以降は、電子帳簿保存法の「電子取引のデータ保存」にも対応しなければなりません。

副業の規模や帳簿の有無などによっては、事業所得で確定申告ができる場合があります。帳簿書類や領収書などは、確定申告の方法によって保存期間が定められています。調査の際に必要な書類をすぐに提示できるように、あらかじめ整理しておきましょう。

青色申告の場合の帳簿書類の保存期間
保存が必要なもの 保存期間
帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年
その他の書類 取引に関して作成、または受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年
  • 前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の場合は5年
白色申告の場合の帳簿書類の保存期間
保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成、または受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類
  • 雑所得を生ずべき業務を行う方で、前々年のその業務にかかる収入金額が300万円を超える場合は、現金預金取引関係書類を5年間保存する必要がある
  • 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告新規タブで開く

期限後申告を行う

必要な書類が揃っている場合には、できるだけ早く期限後申告を行いましょう。税務調査の通知を受けた後、実際の税務調査が入る前に期限後申告を行った場合は、無申告加算税の税率が軽減されます。
延滞税を抑えることにもつながるため、早急な期限後申告を行うことが大切です。

副業で確定申告が必要なケースとは?

副業を行うにあたり、どのようなケースで確定申告が必要となるのでしょうか。雇用契約を結ぶ「アルバイト・パート」と、雇用契約を結ばない「業務委託など」のケースに分けて紹介します。

アルバイト・パートの副業で得た収入が年間20万円超

本業とは別に、平日の夜や土日を使ってパートやアルバイトをしており、そこからの収入が20万円を超える場合、確定申告の対象となります。国税庁のWebページでも、会社員であっても確定申告が必要な人として「2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、年末調整されなかった給与の収入金額が20万円を超える人」があげられています。

業務委託などの副業で得た所得が年間20万円超

業務による副業の所得が20万円を1円でも超える場合、所得税の確定申告が必要です。このときの所得とは、副業の収入から経費を差し引いた金額となります。
例えば、副業による収入が23万円で、副業のためにかかった経費が5万円の場合、副業の所得は18万円です。この場合、所得は20万円以下となるため、確定申告は不要となります。

副業の所得が確定申告不要でも、申告をした方がよいケースもある

副業など本業以外の所得の総額が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告はしなくても問題ありません。ただし、本業以外の所得が20万円以下であっても、確定申告が必要なケースや、確定申告をした方がよいケースもあります。

医療費控除や住宅ローン控除などを受けたい場合

住宅ローン控除や医療費控除など、年末調整の対象とならない控除を受けたい場合、個人で所得税の確定申告を行うことで、既に支払った所得税の還付を受けることができます。
副業以外の理由で確定申告をする場合でも、すべての所得の申告が必要なため、副業の所得も含めて申告しなければなりません。

確定申告で税金の還付を受ける場合

副業の報酬が源泉徴収されて支払われている場合、確定申告を行うことで、税金が還付される場合があります。
また、副業が事業所得や不動産所得に該当し、赤字の場合、本業の給与所得から赤字分を差し引く「損益通算」を行うことができます。このとき、所得が減ることで所得税や住民税などの税金の負担を軽減することが可能です。なお、住民税が本業の給与から天引きされている場合は、住民税額の変動から本業の企業に副業をしていることがばれる可能性もあることは知っておきましょう。

副業は住民税、消費税にも影響する

副業で収入を得ることで影響があるのは、所得税だけではありません。住民税と消費税についても確認しておきましょう。

住民税の申告は別で必要

前提として副業の年間所得が20万円以下で所得税の確定申告は不要だとしても、副業で1円でも利益があれば、住民登録をしている市区町村に対して住民税の申告は行う必要があります。

基本的に所得税は「国の税金」であるのに対し、住民税は「都道府県または市町村の税金」です。このうち、所得税に対しては、前述したとおり副業の所得が20万円を超えない限り確定申告は不要という特別措置が設けられています。しかし、住民税にはこうした特別措置は設けられていません。

なお、所得税の確定申告をした場合は、その結果が自動的に住民税にも反映されますので、住民税の申告は不要です。

インボイス制度の対応で消費税の申告も必要なケースも

副業の取引先によっては、適格請求書(インボイス)の発行が求められます。そのため、適格請求書発行事業者になる必要があることもあるでしょう。
インボイス制度の対応で適格請求書発行事業者への登録申請を行うと、副業でも消費税を納める義務が発生します。

適格請求書発行事業者の登録を行って消費税を納める場合、消費税の確定申告も行う必要があるのです。所得税の確定申告が不要な所得金額や赤字でも、課税事業者の場合、消費税は課税売上があれば納付する必要があります。さらに、課税事業者として適格請求書を発行している場合、帳簿付けの必要も出てくるため、確定申告ソフトの導入なども検討しましょう。

インボイス制度についてはこちらの記事でも解説していますので、参考にしてください。

副業所得が20万円を超えたら、必ず確定申告をしよう

本業以外で副業の所得(すべての収入から経費や所得控除を差し引いた残りの金額)が20万円を1円でも超える場合、所得税の確定申告を行うことが必要です。仮に副業の年間所得が20万円を超えているのにもかかわらず確定申告をしない場合、本来納めるべき所得税の納付に加えて「無申告加算税」「延滞税」などが課されるおそれがあります。無申告は必ずばれると考え、きちんと期限内に確定申告を行ってください。

また、申告内容が正しくなく、悪質だと判断された場合は、「重加算税」が課される可能性があります。そのため、手間を軽減しながらできるだけ正確な帳簿付けや確定申告を行うためには、確定申告ソフトの導入も有効です。

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なお、「やよいの白色申告 オンライン」では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書の作成はできません。副業が雑所得で確定申告をする場合は、「やよいの白色申告 オンライン」で作成した書類を基に、国税庁の確定申告コーナーで転記をして申告するとスムースです。

バックオフィス業務は弥生のクラウドソフトで効率化

事業所得になる副業の確定申告は会計ソフトを使って楽に済ませよう

会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。

事業所得になる副業は、帳簿付けが必要です。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド確定申告ソフト『やよいの白色申告 オンライン』です。『やよいの白色申告 オンライン』はずっと無料で使えて、初心者や簿記知識がない方でも必要書類を効率良く作成することができます。e-Tax(電子申告)にも対応しているので、税務署に行かずに確定申告をスムースに行えます。

副業の所得区分を事業所得・雑所得どちらにするか迷っている場合、まずは帳簿付けをしておきましょう。事業所得で確定申告する場合は帳簿が必要です。雑所得の場合、帳簿付けの義務はありませんが、売上や仕入・経費などの集計に帳簿がある方が便利です。

なお、『やよいの白色申告 オンライン』では、雑所得の収支内訳書と所得税の確定申告書は作成できません。もし、『やよいの白色申告 オンライン』で作成した収支内訳書から確定申告書を作成すると自動で「事業所得」に集計されます。国税庁の確定申告コーナーで、自分で収支内訳書と確定申告書に転記して申告をしてください。

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この記事の監修者齋藤一生(税理士)

東京税理士会渋谷支部所属。1981年、神奈川県厚木市生まれ。明治大学商学部卒。

決算書作成、確定申告から、起業(独立開業・会社設立)、創業融資(制度融資など)、税務調査までサポート。特に副業関連の税務相談を得意としており、副業の確定申告、税金について解説した「副業起業塾 新規タブで開く」も運営しています。

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