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法人住民税とは?計算方法や税率、免除されるケースについて解説

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法人に課される税金の1つに、法人住民税があります。法人住民税は、都道府県および市町村に納税を行う地方税で、個人の住民税と同様に、法人も所在地の地方自治体に対して法人住民税を納めなければなりません。しかし、法人住民税は個人の住民税とは計算方法や納付期限が異なり、正しく把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。

ここでは、法人住民税の概要や納付期限、計算方法などのほか、法人住民税が免除されるケースについても併せて解説します。

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法人住民税は地方自治体に対して法人が納める地方税

法人住民税とは、事業所のある地方自治体に対して法人が納める地方税です。正確には道府県民税と市町村民税があり、これらを合わせて法人住民税と呼びます。なお、法人に課せられる税金には、法人住民税の他に法人税や法人事業税などがあり、それらをまとめて「法人税等」と呼びます。

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法人住民税の目的は公的サービスの費用負担

法人住民税は、その地域に所属する法人にも個人と同様に、地域社会の費用について幅広く負担を求めることが目的です。

都道府県や市町村は、その地域社会を営むうえで、さまざまな費用をかけています。例えば、道路の整備や警察・消防といった公的サービスにも、当然のことながら費用はかかります。このような公的サービスを享受しているという意味では、個人も法人も変わりません。公的サービスの恩恵を受ける代わりに、それにかかる費用を法人も負担するというのが、法人住民税の目的です。

法人住民税の納付期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内

法人住民税の納付期限は、原則として、事業年度終了日の翌日から2か月以内です。例えば、事業年度が4月1日~3月31日の場合、納付期限は5月31日となります。

納付方法は、納付書に現金を添えて納付する方法や電子納税などさまざまです。納付手続き方法の詳細については、申告先の自治体に確認してください。

なお、住民税の納付に関しては、法人住民税と個人住民税とで大きな違いがあります。個人住民税の場合は、納税者である個人が税額の計算をする必要はなく、市区町村によって住民税の税額が決定され、個人宛または勤務先に納税通知書(または特別徴収税額決定通知書)が送付されます。会社員などの給与所得者なら給与から天引きで、そうではない人は納付書で住民税を納付します。

一方、法人住民税の場合は、法人が自ら税額を計算し、事業年度終了日の翌日から2か月以内に自治体へ申告・納付しなければなりません。また、申告書は、都道府県民税は道府県税事務所、市町村民税は市町村役場と、それぞれ提出先が異なります。ただし、東京23区内の場合は、ともに都税事務所に提出します。

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法人住民税の仕組みと税率

法人住民税の税率はすべての法人に対して一律ではなく、税額の計算は少々複雑です。ここからは、法人住民税の仕組みについて詳しく説明します。

法人住民税は「法人税割」と「均等割」で構成される

法人住民税は「法人税割」と「均等割」によって構成され、この2つの合計額によって税額が算出されます。法人住民税の税額を計算するには、まず、この法人税割と均等割について理解しておく必要があります。

法人税割

法人税割は、法人税の税額をベースにして算出・課税される住民税です。

具体的には、法人税額に、定められた税率を掛けて算出します。法人税の税額は法人の課税所得にもとづいて決まるため、課税所得が多いほど法人税割の税額は高くなります。反対に、法人税を納付する必要がない場合は法人住民税の法人税割は発生しません。

なお、法人税割の税率については、国によって「標準税率」が定められています。ただし、標準税率はあくまで国による目安であり、各自治体は、原則として自由に税率を定めることができます。2022年10月時点の法人税割の標準税率は、都道府県に対して納める「道府県民税」が1.0%、市町村に対して納める「市町村民税」が6.0%と、それぞれ異なる標準税率が設定されています。

また、自治体によっては標準税率とは別に、一定の基準を超えている法人には超過税率を適用しているケースもありますので、各自治体に確認してみましょう。

均等割

均等割は、法人の資本金の金額や従業者数などに応じて算出・課税される住民税です。厳密には、都道府県民税では法人の資本金等の額で、市町村民税では資本金等の額と従業者数で、納める税額が区分されます。

決算が赤字の場合は課税されない法人税割と異なり、均等割は課税所得に関係なく計算されるため、赤字でも原則として納税義務があります。課税額は、資本金の金額や従業者数が多い法人ほど高くなります。

均等割の税額の標準となる区分と税額は、以下の表のとおりです。

均等割の区分と税額
資本金などの額 都道府県民税均等割 市町村民税均等割
従業者数50人超
市町村民税均等割
従業者数50人以下
1,000万円以下 2万円 12万円 5万円
1,000万円超1億円以下 5万円 15万円 13万円
1億円超10億円以下 13万円 40万円 16万円
10億円超50億円以下 54万円 175万円 41万円
50億円超 80万円 300万円 41万円

例えば、資本金が1,000万円以下で従業者数が50人以下の法人の場合、都道府県民税均等割2万円と市町村民税均等割従業者数50人以下5万円で、均等割の税額は7万円ということになります。

法人住民税が免除されるケースは?

個人の場合は、「前年の合計所得金額が定められた額以下」などの要件を満たすと、住民税は非課税になります。では、法人住民税の場合、免除になるケースはあるのでしょうか。

法人税割は赤字決算なら課税されない

法人住民税のうち法人税割は、決算が赤字の場合は課税されません。前述のとおり、法人税割は、法人税の税額に所定の税率を掛けて算出されます。法人税は課税所得に対して課税されるものなので、課税所得がマイナスである赤字のときは、法人税も発生しません。法人税が課税されないため、それをベースにした法人税割も課税されないのです。

すべての法人が対象となる均等割が免除の対象となるケースもある

一方で、法人住民税のうち均等割は、法人の課税所得が赤字・黒字にかかわらず、基本的に法人が存続する限り課税されます。均等割は、法人税割のように法人の損益に影響されず、資本金の額や従業者数といった法人規模によって納めるべき税額が決まるためです。そのため、たとえ赤字であっても、均等割は納付する義務があります。

しかし場合によっては、均等割の納付が免除されるケースがあります。均等割が免除される可能性があるのは、主に下記2点のいずれかに該当した場合です。

均等割が免除されるケース

  • 非営利法人として活動している場合や収益事業を営んでいない場合
  • 法人としての活動を休業している場合

このケースに当てはまる場合、各自治体によって設定されている条件を満たせば、均等割の納付が免除されることがあります。自治体によって免除の可否や条件は異なるため、問い合わせてみてください。

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法人住民税の仕組みを知って、正しく申告・納税しよう

法人住民税は、法人税や法人事業税などと並び、法人が納めなければならない税金の1つです。法人税の税額に応じて決まる法人税割と、資本金や従業者数で決まる均等割で構成されています。税額もそれぞれ違うため、仕組みをしっかり理解しておかないと正しく計算するのが難しいでしょう。

また、法人住民税には納付期限があり、事業年度終了日の翌日から2か月以内に申告と納付をしなければなりません。しかし、法人住民税の中でも法人税割は、法人税が確定しないと算出することができないため、できるだけスムースに決算を進めることがポイントになります。決算や税の申告にかかわる業務を効率化するなら、会計ソフトの導入がおすすめです。自社に合った会計ソフトを活用して、会計処理にかかる手間を軽減してみてはいかがでしょうか。

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よくあるご質問

法人住民税とは?

法人住民税とは、事業所のある地方自治体に対して法人が納める地方税です。正確には道府県民税と市町村民税があり、これらを合わせて法人住民税と呼びます。詳しくはこちらをご確認ください。

法人住民税の納付期限はいつ?

法人住民税の納付期限は、原則として、事業年度終了日の翌日から2か月以内です。例えば、事業年度が4月1日~3月31日の場合、納付期限は5月31日となります。納付手続き方法の詳細については、申告先の自治体に確認してください。詳しくはこちらをご確認ください。

法人住民税が免除されるケースはある?

法人住民税のうち法人税割は、決算が赤字の場合は課税されません。その他、非営利法人として活動している、収益事業を営んでいない、法人としての活動を休業している場合には、各自治体によって設定されている条件を満たせば均等割の納付が免除されることがあります。詳しくはこちらをご確認ください。

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この記事の監修者税理士法人 MIRAI合同会計事務所

四谷と国分寺にオフィスのある税理士法人。税理士、社会保険労務士、行政書士等が在籍し確定申告の様々なご相談に対応可能。開業、法人設立の実績多数。
「知りたい!」を最優先に、一緒に問題点を紐解き未来に向けた会計をご提案。

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