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現金管理とは?企業に与える影響や負担を軽減する方法などを解説

現金管理とは?企業に与える影響や負担を軽減する方法などを解説

経理にとって、現金管理は大切な業務の1つです。金額の大小にかかわらず、現金を適切に管理することは、経理業務の基本といえるでしょう。その一方で、出金や入金の処理は頻繁に発生しやすく、業務が煩雑になりがちです。

本記事では、現金管理が企業に与える影響や具体的な管理方法について解説します。現金管理の負担を軽減する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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現金管理とは、企業が資金を効率的に運用し、健全な財務状況を維持するための業務

現金管理とは、企業が保有する現金の収支状況を把握し、資金を効率的かつ無駄なく運用するための業務です。日々の出金や入金を記録して残高を把握し、資金繰りを計画的に行うことも現金管理に含まれます。

現金とは、企業会計では一般的に紙幣、硬貨、小口現金、普通預金・当座預金のうち、即時に引き出し可能なものを指します。企業が日常の取引や支払に即時に使用できる資産であることが、現金の特徴です。本記事で扱う現金は、会計上の現金に加え、事業活動で即時に利用可能な短期性資金を含む広義の現金を対象としています。具体的には、手元の現金や即時に引き出し可能な預金、さらに売上入金として近く入金予定の資金も、本記事では現金管理の対象に含まれていると考えてください。

企業においては、支払や給与支給の遅延、資金繰りの悪化などを防ぐためにも、現金の流れを正確に把握しなければなりません。現金管理を適切に行うことで、資金調達のタイミングを見極めやすくなる他、必要以上の借入や不要な支出を抑えることにつながります。このように、企業の財務を健全に保つためにも、現金管理は重要な業務の1つといえるでしょう。

その一方で、現金管理を適切に行うには現金の出入りを正確に把握・記録し、責任分担や業務手順を明確に定めた管理体制を構築すると共に、内部統制の観点からチェック体制・承認フローを整備することも重要です。内部統制の整備は、現金の不正使用や記帳ミスの防止にもつながります。例えば、出納業務と承認業務を別の経理担当者が行うことで、不正リスクの低減が可能です。こうした体制の運用には、会計の知識だけでなく、資金繰りの計画立案や税務対応に関する理解も経理担当者に求められます。

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現金管理が企業に与える影響

現金管理は、企業経営に大きな影響を与える要素の1つです。現金管理が不十分な企業では、資金繰りの悪化がしばしば発生する傾向があります。資金繰りが悪化すれば、給与や仕入代金の支払に必要な現金が確保できず、信用不安を招くことにもなりかねません。特に、中小企業は、大企業と比べてキャッシュ・リザーブ(現金余力)が十分でないケースも多く見られます。現金管理が適切に行われていない状態は、経営リスクに直結することも少なくありません。

例えば、出金のタイミングや優先順位を見誤れば、手元の資金が不足してしまう可能性があります。結果として、重要な支払や納税が滞り、延滞金・罰則といった不利益が生じることもあります。また、銀行などから資金調達を行う際、会計帳簿やキャッシュ・フローの整合性は審査時の重要なポイントとなります。現金管理が不十分な場合、信用力の低下や借入条件の悪化を招く原因になることもあるでしょう。

このように、現金管理は単に経理業務の一環と捉えるのではなく、企業の財務の健全性と経営の安定性を左右する重要な業務であると認識すべきです

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現金管理の具体的な方法

現金管理には、適切に行うための具体的な方法がいくつかあります。ここでは、現金管理で押さえておきたい具体的な3つの方法について見ていきましょう。

現金出納帳を活用する

現金管理の具体的な方法として、現金出納帳の活用があげられます。
現金出納帳とは、日々の出金や入金を記録するための帳簿のことです。現金管理を適切に行うには、現金出納帳を正確かつ継続的に記帳していくことが基本になります。特に、小口現金を扱う場合は、現金出納帳が必須となるでしょう。小口現金とは、消耗品の購入や交通費など日々発生する少額の支払に対応するために用意する現金のことです。少額の支払が多いとはいえ、支出内容が曖昧になると過不足や不正利用に気づきにくくなります。少額だからといっておろそかにすることなく、取引ごとに正確に記録することが大切です。

現金出納帳を適切に活用することで、現金の管理精度が高まり、不正やトラブルの未然防止にもつながります。以下に、現金出納帳の主なメリットを紹介します。

現金出納帳のメリット
  • 取引が発生したらその都度記録する習慣をつけることで、出納の流れが明確になり、現金残高の把握がしやすくなる
  • 月末や週末など定期的に残高を確認し、実際の現金と帳簿上の金額が一致しているかチェックすることで、小口現金の過不足や支出の異常にいち早く気づけ、トラブルの防止につながる

現金出納帳そのものは小口の現金を管理するのがメインの目的であり、企業の資金繰りという大きな視点から見れば細かい業務かもしれません。ただし、こうした細かい現金の管理を行うことが担当者レベルで現金管理の重要性を意識するきっかけにもなります。

小口精算についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

現金を適切に保管する

現金を適切に保管することも、現金管理の具体的な方法の1つです。
現金を社内で管理する際には、災害や盗難のリスクを最小限に抑える対策が求められます。セキュリティ対策が講じられた金庫などを使用して、保管している現金が被害に遭わないように備えておくことが大切です

また、必要以上の現金を手元に置かないことも基本的な対策といえます。銀行口座へこまめに預け入れ、社内で保管する現金は必要最小限にとどめるのが重要です。やむを得ず高額の現金を保管する場合には、貸金庫などの金融機関のサービスを利用することで、保管に伴うコストやリスクを軽減できます。

なお、現金の保管状況は定期的に見直すことが大切です。保管場所や管理方法、取引状況などを常に確認し、不備があれば速やかに対応する必要があります。何らかの問題があると感じた場合には、ささいなことであっても共有し、改善を図りましょう。

経費精算のルールを設定する

現金管理の具体的な方法として、経費精算の明確なルールを設定することも大切です。
誰が、どのような費用を、どの条件で申請できるのか、といった点を明文化し、ルールとして周知する必要があります。例外事項を設けず、ルールどおりに運用していくことが、不正利用や手続き上のミス防止につながるでしょう

また、経費が発生した理由や利用目的を記録することも大切です。使途不明の経費として処理するのではなく、「なぜその費用が発生したのか」といった背景を必ず明記するルールを設けるのがおすすめです。これにより、経理担当者や会計事務所が取引の内容を把握しやすくなり、将来的なトラブルの回避につながります。

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現金管理の負担を軽減する方法

現金管理は、企業にとって財務の健全性と経営の安定性を左右する可能性がある重要な業務です。しかし、小口現金のように日々出金・入金が発生するケースも多いことから、現金管理は経理担当者にとって、少なからず負担となる傾向があります。ここでは、現金管理の負担軽減につながる具体的な方法を見ていきましょう。

キャッシュレス化を推進する

現金管理の負担を軽減する方法として、キャッシュレス化の推進があげられます。
従来は小口現金で対応していた取引を、クレジットカードや電子マネーで代替することにより、現金の受け渡し、出納管理に要する手間を軽減できます。結果として、経理処理の効率化につながり、経理担当者の負担も軽減されるでしょう。

また、キャッシュレス化を推進するメリットは、効率化や負担軽減だけではありません。取引の記録がデータとして保存されるため、帳簿との照合や支払管理がスムーズになり、支出状況の把握にも役立ちます。さらに、経費精算の迅速化や現金盗難リスクの低減も、大きなメリットといえます。

経費精算システムを活用する

経費精算システムを活用することも、現金管理の負担軽減につながります。
紙の書類による申請・承認手続きをシステム上で行えるようにすることで、申請者・承認者・経理担当者の三者にとって経費精算の手間が削減されます。なお、経費精算システムを選定する際には、操作性や機能の充実度、サポート体制を十分に確認しましょう。多機能性を重視するのではなく、自社の運用目的に適したサービスを選ぶことが大切です。また、経費精算システムの利用規約を正しく理解し、組織内での運用ルールを明確に整備することが求められます。

経費精算システムの導入にあたっては、税理士などの専門家と連携することにより、税務処理や帳簿管理との整合性を保てるようにすることも大切です。専門的な観点に基づく助言を求めることで、業務フロー上の懸念点を事前に指摘してもらえる他、より業務効率の向上につながる運用方法に関するヒントも得られます。

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画面を見れば操作方法がすぐにわかるので、経理初心者でも安心してすぐに使い始められます。 

だれでもかんたんに経理業務がはじめられる!

「弥生会計 Next」では、利用開始の初期設定などは、対話的に質問に答えるだけで、会計知識がない方でも自分に合った設定を行うことができます。 

取引入力も連携した銀行口座などから明細を取得して仕訳を登録できますので、入力の手間を大幅に削減できます。勘定科目はAIが自動で推測して設定するため、会計業務に慣れていない方でも仕訳を登録できます。 

仕訳を登録するたびにAIが学習するので、徐々に仕訳の精度が向上します。 

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会計業務はもちろん、請求書発行、経費精算、証憑管理業務もできる!

「弥生会計 Next」では、請求書作成ソフト・経費精算ソフト・証憑管理ソフトがセットで利用できます。自動的にデータが連携されるため、バックオフィス業務を幅広く効率化できます。 

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会社全体だけでなく、部門別会計もできるので、経営の意思決定に役立ちます。

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現金管理の効率化には会計ソフトの活用がおすすめ

現金管理は、単なる経理業務の一部ではなく、企業の財務健全性や経営の安定性に影響を与える重要な業務として捉える必要があります。小口現金の管理方法や現金の保管方法、経費精算のルールなどを総合的に見直すことにより、現金管理の正確性を維持しつつ、負担を軽減するための対策を講じることが大切です。

近年では、現金取引そのものを減らすことも、現金管理の効率化につながる有効な手段となっています。クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を取り入れると、現金の取り扱い自体を減らすことができ、結果として現金管理にかかる工数やリスクの軽減につながります。さらに、キャッシュレス決済の利用明細を自動で取り込める会計ソフトを活用すると、経理業務全体の効率化と処理の透明性も高めることが可能です。現金管理を見直す際には、こうした会計ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。

著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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