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経費精算を効率化する方法とは?課題や注意点などを解説

経費精算を効率化する方法とは?課題や注意点などを解説

経理担当者にとって、経費精算は日常的に発生する業務の1つです。経費精算は頻度が高く、他の業務に支障をきたすこともあります。
本記事では、経費精算の種類や経費精算業務の課題について解説します。経費精算を効率化するための方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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経費精算の効率化が求められている理由

経費精算を正確に行うことは、経理担当者の重要な役割です。同時に、経費精算は効率化が求められている業務といえます。その主な理由は以下のとおりです。

長時間労働の防止

長時間労働を防止することは、経費精算を効率化すべき理由の1つです。
労働基準法の遵守は企業にとって法的義務であり、違反した場合は労働基準監督署による是正命令や違反金の徴収などの制裁を受ける可能性があります。特に、労働基準法では労働時間、休憩、休日、時間外労働の上限規制などが定められており、これらに違反すると企業に対する指導や罰則の対象となります。

経費精算は企業運営において不可欠な業務のため、経理担当者は多くの時間を取られやすい業務です。その結果、業務時間が圧迫され、残業が増え、長時間労働が常態化する原因となります。経費精算の効率化により、業務時間の削減が可能です。適正な労働時間を実現し、適宜休暇を確保することは、法的リスクを回避するための重要なポイントになります。

働き方改革の推進

経費精算の効率化が求められる理由として、働き方改革を推進する必要性が高まっていることもあげられます。
働き方や労働環境の改善、健康増進、ワークライフバランスの実現に向けては、効率化が可能な業務から順に見直すことが大切です。日常的に発生する経費精算は、効率化に向けた動きが求められている業務といえるでしょう。また、働き方改革の推進により、業務の生産性と従業員満足度が共に向上します。従業員のモチベーションを高め、離職率の抑制を図るためにも、働き方改革の推進は重要な取り組みです。結果として、優秀な人材が集まりやすくなり、採用の面でも良い影響がもたらされるなど、好循環が生まれるきっかけになる可能性があります。

主業務への集中

主業務への集中も、経費精算の効率化が求められる理由の1つです。
経費精算は重要な業務ですが、売上には直結しません。また、時間と手間がかかるため、組織全体の生産性低下を招く一因となっている可能性があります。経費精算の効率化を図ることによって、経理担当者をはじめとする従業員は主業務に集中しやすくなります。その結果、生産性が向上し、企業全体の成長にも寄与することは十分に考えられるでしょう。

経費精算の種類

経費精算とは、企業活動で従業員が立て替えた経費を精算し、払い戻すことを指します。主な経費精算の種類は、「小口精算」「交通費精算」「旅費精算」の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

小口精算:事業活動に関連した少額な支出の精算

小口精算は、事業活動に関連した少額な支出の精算です。
一般的に、小口精算は日常的な業務に必要な経費や雑費に関する支払・精算のことを指します。具体的には、オフィス用品の購入や接待費の精算などがあげられます。なお、小口精算の多くは、1回あたりの精算は少額ですが、現金の管理や受領したレシートの保管といった煩雑な業務を伴うのが特徴です。

交通費精算:業務のために利用した交通費の精算

交通費精算とは、従業員が業務のために利用した交通手段にかかった費用を企業が負担し、精算することを指します。
対象となる経費は、公共交通機関の利用料金やタクシーの運賃、自家用車を使った場合のガソリン代、駐車料金などがあげられます。移動にかかった交通費を正確に計算し、請求する必要があることから、従業員は公共交通機関やタクシーを利用した際に、領収書と併せて経路の記録を提出しなければなりません。経理担当者は提出された経路の記録が適正か、金額に誤りはないかといった点を一件ずつ確認します。

旅費精算:出張などの旅行費全般の精算

旅費精算とは、出張などで必要となる旅行費用全般を精算することを指します。
対象となる経費は、主に交通費や宿泊費、取引先との食事代、その他に必要な出費です。出張や業務による長期滞在などにかかった費用を正確に計算し、請求する手続きが必要になります。また、高額な旅行費用が見込まれる場合は、事前に仮払いし、出張後に精算するケースが一般的です。この場合、出張前後にそれぞれ処理が発生します。

経費精算の課題

経費精算には、さまざまな課題が存在します。ここでは、企業が現状抱えている経費精算の課題を詳しく見ていきましょう。

人的ミスが発生しやすい

経費精算の課題は、人的ミスが発生しやすいことです。
経費精算を手作業で行っている場合、入力や計算のミスといった人的ミスが起こりやすいため注意しましょう。経理担当者による入力ミスのほか、経費精算を申請する従業員側が計算ミスをすることも考えられます。申請書類の記入漏れやミスも含めて経理担当者がチェックするのは、大きな負担となりかねません。また、ミスを修正する作業も含めれば、時間と手間は膨大なものとなっている可能性もあります。

さらに、領収書を紙で管理している場合は、書類を紛失するリスクもあります。書類を紛失しないためには、明確な手順を決めてファイリングしなければなりません。このように、経費精算は人的ミスが発生しやすいことに加え、ミスを防ぐための工夫が求められること、ミスを修正するための手戻りが発生することを踏まえると、他の業務への影響は決して少なくないでしょう。

申請書類の差し戻しによる遅延が発生する

申請書類の差し戻しによる遅延が発生することも、経費精算の課題の1つです。
経費精算において、記入漏れやミスが見つかった場合は申請書類を申請者へ差し戻し、再提出を求めなくてはなりません。特に、外勤などで不在となる時間が長い従業員の場合、申請書類の処理が滞りやすくなる傾向があります。

申請書類の差し戻しや修正対応は、申請者と経理担当者の双方にとってストレスの原因となります。したがって、こうした見えにくい業務上の課題にも目を向け、改善に取り組むことで、業務全体の生産性や従業員の満足度向上につながるでしょう。

払い戻しまでに時間がかかる

経費精算の課題として、払い戻しまでに時間がかかることもあげられます。
経費精算の一連のプロセスは、申請者と経理担当者の双方にとって時間を要します。そのため、従業員が立て替えた経費が実際に払い戻されるまでに時間がかかるケースも少なくありません。

例えば、紙の申請書をやりとりしている場合、外出先から経費申請書を提出するのは難しいため、結果として、まとめて申請する経費の件数が多くなり、処理に時間を要することも考えられます。また、締め切り直前の経費精算の集中や月次会計処理の遅延が懸念されます。こうしたタイムラグや業務過多のリスクを回避する意味でも、経費精算の効率化は重要な課題といえるでしょう。

経費精算を効率化する方法

ここでは、経費精算の効率化を図るための具体的な方法を紹介します。経費精算を効率化するには、以下の対策が有効です。

法人カードを活用する

法人カードの活用も、経費精算を効率化する方法です。
経費の支払を現金から法人用のクレジットカード決済に切り替えることで、従業員が経費を立て替える負担がなくなります。また、クレジットカードの利用明細が支払記録として残るため、監査や財務管理が容易になるだけでなく、経費精算における入力ミスが減少し、確認作業に費やす時間の削減も期待できます。さらに、現金を扱う機会が少なくなることで不正行為の防止につながり、社内ガバナンスの強化に寄与する点も大きなメリットです。

交通系ICカードを使う

経費精算を効率化する方法には、交通系ICカードの利用もあります。
交通系ICカードと経費精算システムを連携させることで、精算処理を自動で行えるようになります。運賃が自動算出される仕組みを構築できる他、事前に従業員ごとの定期区間を設定すれば、定期区間を控除した運賃の自動算出も可能です。

これにより、従業員は交通費を手間なく経費精算できるようになります。また、経理担当者も現金を取り扱う必要がなくなるため、迅速かつ正確に経費精算できる点がメリットです。結果として、経費の申請から支払までのプロセスが簡略化され、業務効率の向上につながるでしょう。

ペーパーレス化を進める

ペーパーレス化の推進も、経費精算の効率化に有効です。
経費精算に関わる書類がすべてペーパーレス化され、データでやりとりできるようになれば、書類の保管や管理にかかる手間やコストを削減できます。また、ペーパーレス化して管理することで、原本を保管するためのスペースが不要になる他、書類の適切な管理に欠かせないファイリングの工程も削減可能です。業務をより迅速に進められる点がペーパーレス化のメリットといえるでしょう。

経費精算のフローやルールを見直し、明文化・周知する

経費精算の効率化を図るには、フローやルールの見直しに加えて、それらを明文化し、社内にしっかり周知することが大切です。
手続きの流れや判断基準が明確になることで、申請者・承認者の双方が迷わず対応でき、経費精算をスムーズに進めやすくなります。例えば、経費精算の申請にあたって最低金額を設定し、その金額未満の経費は一定期間でまとめて精算する運用にすることで、少額経費が発生するたびに必要となる処理の手間を減らすことができるでしょう。また、出張費に関しては一律の旅費日当を設定するのも、経費精算の効率化につながる有効な方法です。

経費精算システムを導入する

経費精算を効率化する方法の1つが、経費精算システムを導入することです。
経費精算システムを導入することで、煩雑な手作業や紙の書類作成が不要になります。デジタル化によって経費精算が自動化され、申請者と経理担当者の双方にとってストレス軽減につながる点が大きなメリットです。

また、経費データの自動集計や統計分析といった機能が搭載されている経費精算システムであれば、迅速な精算処理と経費の可視化も実現できます。人的ミスのリスクが低減され、組織全体のフローの円滑化が期待できるため、業務効率の向上につなげられるでしょう。

経費精算システムを導入する際の注意点

前述のとおり、経費精算システムの導入は、経費精算を効率化するうえで効果的です。ただし、経費精算システムには多くの種類があるため、自社に合ったものを選定しなければなりません。ここでは、経費精算システムを導入する際の注意点について見ていきましょう。

入力精度を確認する

経費精算システムを導入する際は、必ず入力精度を確認する必要があります。
入力精度に問題が生じると経費データが不正確となり、データの誤りや欠損が頻発する事態になりかねません。経理担当者にとって見やすい画面レイアウトになっているか、入力ミスを起こしかねない仕様になっていないか、トライアル期間などを活用してチェックしましょう。

自社に適した設定が不可欠

経費精算システムを導入する際の注意点として、自社に適した設定が不可欠なこともあげられます。
設定が適切でない場合、経費精算の遅延や混乱、不正申請のリスクが高まる可能性もあります。経費精算システムを導入する際には、自社にとっての必須要件や解決すべき課題などを整理したうえで、必要な設定に対応しているものを選びましょう。また、導入後はすみやかに初期設定を行い、不備のない運用が可能な環境を整える必要もあります。

既存システムと連携可能か確認する

経費精算システムを導入する際は、既存システムとの連携可否についても、確認しておきましょう。
既存システムとの連携がスムーズに行えない場合、データの不整合や重複が生じることがあります。まずは、現在使用しているツールやシステムをリストアップし、経費精算システムと連携させるものを明確にすることが大切です。そのうえで、自社が求める連携機能を備えた経費精算システムに絞り込むことをおすすめします。

既存システムとの連携が実現すれば、会計システムや給与計算システム、人事管理システムと経費精算システムとの間でデータのやりとりが可能になります。これにより、複数のシステムに入力する手間が軽減される他、入力ミスを防ぐ効果も得られる点がメリットです。

サポート体制の充実度を確認する

経費精算システムを導入後、何らかの不具合や不明点が発生した際のサポート体制の充実度についても確認しておきましょう。
経費精算は迅速に進める必要があるため、システムが正常に作動しない、操作方法がわからないといった理由で業務が滞るのは避けなければなりません。そのため、問い合わせ対応の有無はもちろんのこと、具体的な連絡手段や対応可能な曜日・時間帯を詳細に確認することが大切です。

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経費精算システムを活用して業務効率化を実現しよう

経費精算は企業活動の中で頻繁に発生する業務であることに加え、正確かつ迅速な対応が求められます。そのため、申請者と経理担当者の双方にとって負担になりやすい業務です。また、煩雑な経費精算が原因で長時間労働を余儀なくされたり、他の業務に集中できない事態が起こったりするのを防がなければなりません。経費精算システムの導入は、こうした課題や懸念を解消するうえで有効な方法の1つです。今回紹介した経費精算を効率化する方法や経費精算システムを導入する際の注意点を参考に、業務効率化につながる方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者渋田貴正(税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士)

税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント®。
1984年富山県生まれ。東京大学経済学部卒。
大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。

著書『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’21~’22年版新規タブで開く

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