独立開業におすすめの仕事とは?個人事業主が独立開業する方法も解説

2024/01/16更新

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

独立開業するには、自分で事業内容を考え、事業開始の手続きや設備の準備、資金の調達などを行う必要があります。自分一人でどこまでできるのかをイメージできていないと、許容範囲を超えて事業を継続することが難しくなるかもしれません。

独立開業に向いている仕事をはじめ、開業までの流れや必要な手続きなどを知っておくことで、ビジネスとして実現できるかどうかを判断することにつながります。
ここでは、独立開業に向いている仕事や独立開業までの流れの他、開業後に必要な手続きについて解説します。

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独立開業とは、組織を退職して自分で事業を開始すること

独立開業とは、会社やお店などの組織に所属していた方が、退職して自分で事業を立ち上げることを指します。開業と同じような意味を持つ言葉に「起業」がありますが、一般的に、開業は個人事業主として事業をするときに、起業は法人を設立するときに使われます。つまり、独立開業とは、会社やお店などの組織を辞めて、個人事業主になることともいえるでしょう。

独立開業すると、事業運営をはじめ、商品やサービスの価格設定や収支管理、経理処理、税務申告など、これまで会社やお店がやってくれていた管理や手続きなども、全て自分で行わなければなりません。開業までの流れや必要な準備を事前に確認しておくことで、独立開業してから慌てずに進めることができます。

  • 個人事業主として開業する方法については以下の記事を併せてご覧ください

おすすめの主な事業

独立開業するにあたっては、どのような事業を行うのかがポイントになります。どのように利益を得るのかが決まらなくては、売上の見込みも必要な経費も考えることができません。事業のイメージが固まらない場合は、さまざまな事業を見て参考にするのもいいでしょう。

独立開業におすすめの事業は、主に以下のようなジャンルに分けられる傾向があります。

店舗が必要な事業

独立開業をする方の中でも人気が高いのが、飲食店や美容室などの店舗を構える事業です。例としては、ラーメン店、カフェ、テイクアウトの飲食店、美容院、雑貨店などが挙げられます。

自分の理想のお店を作り、お客様の反応をダイレクトに受けることができれば、やりがいを感じられ、モチベーションアップにもつながるでしょう。

一方で、店舗や設備が必要な仕事は、物件取得費用や内装工事費、設備費といった初期費用に加え、仕入れ代や家賃、人を雇う場合は人件費などの費用もかかります。例えば、店舗の規模や立地、内装工事費によっても変わりますが、カフェの開業費用は一般的に600万~900万円ほどです。

店舗や設備が必要な仕事は、事業計画を立てたうえで資金繰りを考え、場合によっては融資や補助金・助成金といった資金調達も検討する必要があります。初めは小さな規模からスタートさせれば、開業にかかる支出を抑えられる他、事業計画どおりにいかない場合のリスクを最小限に抑えられます。

  • 飲食店やカフェの開業については以下の記事を併せてご覧ください

Web関連の事業

インターネットを利用したWeb関連の仕事は、スキルや経験を生かして集客ができれば自宅でビジネスを行うことができます。開業費用は、パソコンや周辺機器、ソフト、机、通信費などになるため、店舗が必要な仕事よりも大幅に費用を抑えられるでしょう。また、会社員のまま副業で事業を開始し、軌道に乗ってから独立することが可能ですので、Web関連の仕事はリスクを抑えて始めやすいことも特徴です。

Web関連の仕事例としては、ネットショップ運営、アフィリエイター、YouTuber、コンサルタント、ライター、イラストレーター、デザイナー、システムエンジニア、翻訳者などがあります。

資格を生かした事業

事業によっては資格がないとできないものがあります。必要な資格を持っているなら、それを生かして独立開業するのもおすすめです。例えば、税理士、行政書士、社会保険労務士、マンション管理士、ドライバー(運送業)、ネイリスト、エステティシャン、ペットシッター、講師(学習塾、英会話、書道、音楽等)などが挙げられます。

資格を生かせる仕事の中でも、自宅をオフィスやサロン、教室に活用することができれば、パソコンや周辺機器、専用の道具、机などの準備のみで開業費用を抑えられます。ただし、資格があるから事業を成功させられるのではなく、集客の方法を考えたり、サービスやスキルで他者との違いを打ち出したりするなどの工夫は必要です。

フランチャイズ

初めから自分1人で開業を目指すのではなく、フランチャイズに加盟して開業する方法もあります。フランチャイズのロイヤリティ(手数料)は発生しますが、メニューや経営ノウハウなどがパッケージ化されており、未経験者でも始めやすいのが特徴です。

ただし、店舗や設備などの開業費用、人件費などはかかりますので、店舗が必要な事業と同じくらいの初期費用と当面の運転費用がかかります。フランチャイズの例としては、コンビニや飲食店をはじめとする各種チェーン店やリユース事業などです。フランチャイズを展開している会社では、営業用のモデルケースを紹介している場合がありますので、資料請求したり、Webサイトを確認したりしてみましょう。

独立開業までの流れ

独立を決めてから実際に開業するまでの流れは、以下のとおりです。

独立開業の流れ

  1. STEP1.
    独立開業する目的や理由、メリットを明確にする
  2. STEP2.
    お金に関する知識を身に付ける
  3. STEP3.
    事業計画を立てる
  4. STEP4.
    資金を集める
  5. STEP5.
    開業時期を決め、開業手続きを行う

独立開業では全てを自分で行うため、仕事のやり方やライフスタイルが会社員時代などとは大きく変わります。他人の意見や状況に流されないようにするには、なぜ独立したいのか、独立することで自分にはどのようなメリットがあるのかといった理由や目的を明確にし、独立開業する意思を固めましょう。

また、どのような仕事で独立開業するにしても、大切なのはアイデアから具体的なビジネスモデルを構築することです。事業を行いながらお金に関する知識を学ぶこともできますが、先に知識を付けておくことで、事業計画を立てる際にも役立ちます。お金に関する知識を得ながら、商品・サービスの内容や価格、ターゲット層、資金計画などを考え、具体的な事業計画へ落とし込みます。

STEP4では、事業計画をもとに資金を集めますが、開業する際に必要な最低限の費用は、初期費用と6か月分の運転資金が目安です。開業後間もなくは事業計画どおりにいかないこともありますので、開業時に余裕を持って資金調達しておくのがおすすめです。

主な資金調達の方法には、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」をはじめ、国や地方自治体による補助金・助成金などがあります。融資や補助金・助成金などで資金を調達する際の要件に、自己資金割合が含まれており、自己資金割合が低いと希望する額の融資が受けられない可能性もあります。

資金計画や税金については税理士に相談するのも1つの方法です。資金も準備できれば、開業時期を決め、必要な手続きと店舗や設備の準備を行います。

  • 開業資金やビジネスにするための考え方については以下の記事を併せてご覧ください

開業に必要な手続きや届出

開業する場合は、納税地を所轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を事業開始から1か月以内に提出する必要があります。

また、個人事業主になれば確定申告が必要です。確定申告には白色申告と青色申告の2つがあり、青色申告なら、複式簿記による記帳などの要件を満たす必要はありますが、最大65万円の特別控除が受けられます。青色申告を希望する場合は「所得税の青色申告承認申請書」を事業開始から2か月以内に提出する必要がありますので、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)と一緒に提出することをおすすめします。

なお、従業員を雇う場合には「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要です。他にも、税務署などで税金関係、年金事務所で社会保険関係の手続き、従業員を雇う場合は、労働基準監督署で労災保険、ハローワークで雇用保険の手続き等を行います。

業種によっては許認可手続きも必要です。例えば飲食店営業なら保健所への許可申請が必要ですので、漏れのないように注意しましょう。

  • 独立に必要な準備と注意点については以下の記事を併せてご覧ください

開業手続きを手軽に行う方法

独立して事業を始めるには、個人事業主として開業する他、法人として会社を設立する方法もあります。個人事業主としてスタートするか、法人を設立するかで、必要な手続きは変わります。個人、法人のいずれの場合も、開業や設立手続きをかんたんにするには、以下のようなクラウドサービスの利用がおすすめです。

個人事業主の開業手続きを手軽に行いたい場合

個人事業主として開業する場合は、「弥生のかんたん開業届」を使えば、画面の案内に従って操作するだけで「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)などの必要書類の作成ができます。また、クラウド確定申告ソフト「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、簿記や会計の知識がなくても、最大65万円の青色申告特別控除の要件を満たした青色申告の必要書類がかんたんに作成できます。

開業後はお店の運営の他に、会計業務などお金の管理を自分で行うことが必要になるため、開業のタイミングで会計ソフトや確定申告ソフトなどを導入しておくのがおすすめです。

会社設立時の手続きを手軽に行いたい場合

会社を設立して事業を行う場合は、定款の作成や法務局での登記申請だけでなく、資本金や役員報酬の額を決める必要があり、個人事業主として開業するよりも多くの手続きを行わなければなりません。

会社設立の手続きを手軽にしたい場合は、起業に強い専門家に会社設立手続きを依頼できる「弥生の設立お任せサービス」と、自分でかんたんに書類作成ができる「弥生のかんたん会社設立」がおすすめです。

「弥生の設立お任せサービス」は、弥生の提携先である起業に強い専門家に、会社設立手続きを丸ごと代行してもらえるサービスです。専門家を探す手間を省ける他、電子定款や設立登記書類の作成、公証役場への定款認証などの各種手続きを依頼でき、確実かつスピーディーな会社設立が可能。事業の展望などを踏まえ、融資や助成金、節税などのアドバイスも受けられるので安心です。

また、「弥生のかんたん会社設立」は、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、定款をはじめとする会社設立時に必要な書類を自動生成できるクラウドサービスです。各官公庁への提出もしっかりガイドしますので、事前知識は不要。さらに、パソコンでもスマートフォンでも書類作成ができます。どちらもサービスの利用料金は無料ですが、定款の認証手数料や登録免許税など行政機関への支払いは別途必要です。

さらに、会社の場合は、クラウド型会計ソフト「弥生会計オンライン」で、日々の帳簿付けから決算資料の作成まで効率良く行うことができます。会社設立直後に必要なツールや環境が揃えられるパッケージ「起業・開業応援パック」も活用すれば、事業開始がさらにスムースに行えるでしょう。

独立開業するには事前準備を正しく行おう

一口に独立開業といっても、自宅でできる仕事から店舗を構える仕事、資格を生かした仕事まで、その種類はさまざまです。いずれの場合も、独立開業して事業をスムースに行うには、事業計画を立てて必要な資金を準備し、各種手続きを漏れのないように行うことが大切です。

開業をする際は、自分1人で開業の準備と手続きを行わなければなりません。手続きを手軽にするためにも、「弥生のかんたん開業届」などのクラウドサービスを上手に活用してみましょう。

この記事の監修森 健太郎(もり けんたろう)

ベンチャーサポート税理士法人 代表税理士。
毎年1,000件超、累計23,000社超の会社設立をサポートする、日本最大級の起業家支援士業グループ「ベンチャーサポートグループ」に所属。
起業相談から会社設立、許認可、融資、助成金、会計、労務まであらゆる起業の相談にワンストップで対応します。起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネル会社設立サポートチャンネル新規タブで開くを運営。

URL:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_mori/新規タブで開く

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