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労働時間の計算は1分単位が原則!勤務時間の計算方法を詳しく紹介

2024/03/07更新

この記事の監修川口 正倫(社会保険労務士)

労働時間の計算にはいくつかのルールがあり、正しく理解していないと、間違った計算をしてしまう可能性があります。ここでは、労働時間の種類や上限、参考にすべき制度などに触れながら、労働時間の正しい計算方法について解説します。

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労働時間の計算方法とは

労働時間とは、労働者が雇用主の指揮命令下で実際に働いた時間のことを指します。就業規則や雇用契約書の記載にかかわらず、客観的に見て「雇用主の指揮命令下にある」と判断されれば労働時間とみなされ、企業には賃金の支払い義務が発生します。ここでは、労働時間の計算方法について基本的な考え方を解説します。

労働時間の計算式は? 勤務時間から休憩時間を引いて算出

労働時間とは、労働者が実際に働いた時間のことです。例えば9:00に出社して18:00に退社し、途中に1時間の昼食休憩があった場合、労働時間は8時間です。この例で定時が17:00までであったとすれば、それ以降は残業になりますが、労働時間には残業時間も含まれます。労働時間は以下の計算式で算出できます。

労働時間=退勤時刻-出勤時刻-休憩時間

労働時間とよく似た言葉に勤務時間があります。混同されることもありますが、この二つの言葉の持つ意味は若干異なります。勤務時間とは、労働者が出勤してから退勤するまでの時間全体を指します。例えば、9:00に出勤して18:00に退勤した場合には勤務時間は9時間です。「出勤してから退勤するまで」の時間ですから、途中の1時間の昼食休憩も、また勤務が定時内でも定時外でも含まれます。出勤から退勤までの拘束時間と考えれば、理解しやすいかもしれません。

労働時間には2種類ある

労働時間には「法定労働時間」と「所定労働時間」の2種類があります。

労働基準法第32条で定められている労働時間の上限が法定労働時間です。労働基準法では、使用者(雇用者・企業)は原則として1日に8時間かつ週に40時間を超えて労働者を働かせてはいけないと定められています。法定労働時間を超えて労働させる場合には、一般的に基礎賃金の1.25倍の残業手当を支払わなければなりません。労働基準法には労働時間の他にも休憩時間などに関する規定がありますが、これについては後述します。

一方、所定労働時間とは、企業ごとに定められた労働時間のことです。一般的に就業規則や雇用契約書などに、始業時刻・終業時刻、休憩時間と共に記載されています。計算式は労働時間と同様で、所定労働時間も休憩時間を差し引いた実労働時間です。所定労働時間は法定労働時間の制約を受け、使用者は法定労働時間を超えて所定労働時間を設定することはできません。労働時間についての関連記事はこちらをご覧ください。

原則として1分単位で計算する

労働時間は原則として1分単位で計算しなくてはなりません。労働基準法第24条1項「賃金は通貨で直接、労働者に全額を支払わなければならない」が根拠になっています。

定時内の賃金と同様に、残業手当などに関しても労働基準法第24条にもとづいて1分単位で計算することが原則です。ただし、時間外労働や休日労働、深夜労働に対する手当に関しては、いくつかの例外が設けられています。

例えば、1円未満の端数を四捨五入して算出することは認められています。さらに通常、1か月単位で支払われるこれらの手当では、1時間未満の端数を1時間単位に丸めることも認められています。また、ある1か月に10時間35分の残業があった場合に、切り上げて11時間としたり、10時間15分の残業があった場合、端数の15分を切り捨てて10時間としたりすることは、事務処理上の必要性から認められています。ただし、1時間未満の労働時間を常に切り捨てて処理することは、労働者の不利益となるため、認められません。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法第24条第1項新規タブで開く

遅刻や早退は労働時間から差し引いて計算する

従業員が遅刻や早退などの理由によって、所定労働時間を満たすことができていない場合には、不足分を差し引いて、賃金を支払います。遅刻や早退などの場合も、時間は原則として1分単位で計算します。例えば、13分の遅刻を15分に切り上げて、実際よりも労働時間を短くしてしまうことは、労働者の不利益となるため、認められていません。

労働時間に応じて休憩時間も必要

労働基準法第34条には、使用者が労働者に対して付与しなければならい休憩時間について定められています。労働時間が6時間を超えるときには少なくとも45分、8時間を超えるときには少なくとも1時間の休憩を従業員に対して与えなければなりません。

休憩時間は労働時間の途中に与えなければならないとも規定されており、始業時刻の前や終業時刻の後に与えることは認められていません。例えば、10:00から18:00までが所定労働時間の場合、18:00より後などの所定労働時間外の休憩時間は認められません。

参考:e-Gov法令検索「労働基準法第34条新規タブで開く

時間外労働時間とは

残業時間には法定内残業と法定外残業の2種類があります。一方、労働基準法では、法定労働時間を超えて働くことを時間外労働と呼び、その時間のことを時間外労働時間といいます。

法定内残業とは、所定労働時間を超えて働いているものの、法定労働時間の範囲に収まっている残業のことであり、法定外残業とは、法定労働時間を超えて行った残業のことを指します。例えば、ある企業の所定労働時間が9:00から17:00までの7時間(昼食休憩が1時間)と定められている場合、20:00まで残業をすれば、労働時間の区分は以下のようになります。

  • 9:00~17:00:所定労働時間(7時間)
  • 17:00~18:00:法定内残業(1時間)
  • 18:00~20:00:法定外残業(2時間)

労働基準法では、1日当たりの法定労働時間の上限は8時間と定められているため、18:00までは法定内残業として扱われます。8時間を超える18:00から20:00までが法定外残業です。

法定外残業に対しては、通常の賃金の2割5分以上5割以下の範囲内で、政令で定められた率以上の割増賃金を支払わなくてはならないと、労働基準法第37条で定められています。なお、時間外労働等をさせるためには、36協定の届出が必要となります。

参考:厚生労働省「労働基準行政全般に関するQ&A新規タブで開く

時間外労働について、こちらの記事で解説しています。

労働時間には上限があることも忘れてはいけない

従業員の労働時間には労働基準法によって定められた上限=法定労働時間があります。また、労働時間に応じて従業員には休憩時間を付与しなければならいことは上述したとおりです。

使用者である企業は、労働者である従業員の労働状況を正確に把握し、法定労働時間を超えた時間外労働が発生しないように管理する必要があります。従業員が法定外残業をした場合、割増賃金を支払わねばならないことは前述したとおりです。

残業手当の計算については、こちらの記事で解説しています。

労働時間・勤務時間の計算例

例えば、9:00から17:00までが所定労働時間である従業員が残業を行って19:30まで勤務したとした場合、勤務時間・労働時間・所定労働時間は下記のようになります(休憩は1時間とします)。

  • 勤務時間:19:30-9:00=10.5時間
  • 労働時間:19:30-9:00-1:00=9.5時間
  • 所定労働時間:17:00-9:00-1:00=7時間

法定労働時間は1日8時間と定められているため、このケースでは18:00から19:30までの1.5時間の残業は法定外残業となります。したがって企業は、この法定外残業の1.5時間分に対しては割増賃金を支払う必要があります。

労働時間は取り入れている制度によって計算方法が異なる

近年、厚生労働省を中心に働き方改革が推進されていることもあり、柔軟な働き方を導入している企業が増えています。ただし、働き方の自由度が広がったことで、労働時間の計算が複雑になる場合もあります。例えば、フレックスタイム制や変形労働時間制など、取り入れている制度によって労働時間の計算方法は異なります。

フレックスタイム制の場合

フレックスタイム制とは、一定の期間内で定められた総労働時間の範囲内で、労働者自身が日々の始業時刻や終業時刻、労働時間をある程度、自由に決められる制度です。

例えば、1か月当たりの総労働時間が150時間の場合、結果的に1か月の労働時間が150時間に達し、就業規則やフレックスタイム運用規則などで認められている範囲であれば、1日に6時間しか働かない日や12時間働く日があっても差し支えありません。フレックスタイム制では、法定労働時間である「1日8時間・週40時間」を超えたからといって即、時間外労働になるわけではありません。逆に1日の標準労働時間に達しない場合であっても、直ちに欠勤扱いになるわけではありません。フレックスタイム制では、法定労働時間は下記の計算式で算出できます。

(清算期間内の)法定労働時間の総枠=(清算期間の暦日数÷7)×40時間(1週間の法定労働時間)

清算期間とは、労働者が働くべき時間数を定めた期間のことです。以前は上限が1か月までとされていましが、2019年4月に施行された改正労働基準法によって上限が3か月までに延長され、より柔軟な働き方を選択できるようになっています。例えば清算期間が1か月(30日)の場合には、法定労働時間の総枠は以下の計算式で算出できます。

30÷7×40=171.4時間

変形労働時間制の場合

労働者の労働時間が常に一定の時間に固定されていない制度には、フレックスタイム制の他にも変形労働時間制があります。

変形労働時間制では、季節や時期によって所定労働時間を設定できます。フレックスタイム制では、就業規則などの範囲内で労働者が始業時刻や終業時刻をある程度、自由に決めることができますが、変形労働時間制では使用者(企業)が労働時間を決定し、労働者には裁量は与えられていません。変形労働時間制は、繁忙期と閑散期とがはっきりしている業種などで採用されており、「繁忙期には所定労働時間を長くし、閑散期には短くする」といった柔軟な運用を可能にします。

さらに、繁忙期の長時間労働を抑制する目的もあります。変形労働時間制には、1か月単位、1年単位、1週間単位(非定型的)の3種類があり、それぞれで労働時間の上限などが異なります。

例えば、1年単位および1週間単位では、1日の労働時間の上限は10時間と定められているのに対して、1か月単位では上限は規定されていません。ただし、いずれの場合も1週平均の労働時間は40時間までと決められています。さらに1年単位のみ、労使協定の締結などによって1週の労働時間の上限を52時間までとできます。その他にも連続労働日数の上限などが異なるため、導入する単位によって労働時間を計算する必要があります。

みなし残業制の場合

みなし残業制とは、実際の労働時間にかかわらず、毎月一定時間の残業を行ったものと「みなし」て、事前に決めた賃金を労働者に支給する制度です。

基本賃金に一定時間分の残業代が含まれている「固定残業代制」と、残業を含めた毎月の労働時間を事前に定めたうえで、賃金が支払われる「みなし労働時間制」との2種類があります。特にみなし労働時間制は、実際の労働時間を把握しづらい営業職などに適用されることが多くあります。どちらも給与に残業代が含まれているため、原則として残業代は支給されませんが、みなし残業時間を超えて残業が発生した場合には残業代が支給されます。

労働時間を正しく管理するためのポイント

取り入れている制度や法定外残業の有無などによって、労働時間に対する考え方は異なり、従業員に支払う給与も異なってきます。使用者である企業には、労働時間に応じた給与や手当を支払うことと、労働時間管理の重要性を把握することが求められます。

労働時間に応じて正確に給与や手当を支払う

各従業員の労働時間を正しく計算し、当該時間に応じた給与や手当が支払われていない場合には、その原因がたとえ計算間違いであったとしても、労働基準法第24条で定められた賃金全額払いの原則に違反します。

給与や手当が正確に支払われなければ、従業員のモチベーション低下や離職につながるおそれもあります。「労働時間を把握できず、気がついたときには上限を超えていた」「月末にならないと、各従業員の残業時間がわからない」など、問題がある場合には速やかに改善策を検討し、実施しなければなりません。

労働時間に応じて正しく賃金を支払うには、従業員の労働時間を正確に把握するための体制を整える必要があります。エクセルや勤怠管理ツールなどを利用したり、勤怠に関するルールを制定し、運用したりすることは有効です。

企業が労働時間管理の重要性を把握する

各従業員の労働時間を管理するために新たなシステムが必要だとしても、「小規模な企業だから」「現在の方法でずっと管理してきたから」といった理由で、労働時間管理の重要性がなかなか浸透しないこともあります。労働時間を正確に管理し、把握できれば、従業員それぞれの業務実態も明らかになります。長時間労働を防止したり、人材配置の最適化を行ったりすることによって、企業の生産性を向上する新たなしくみ作りにつながるかもしれません。

ツールの活用で労働時間や給与の計算を効率化しよう

労働時間とは、従業員が出勤から退勤するまでの時間のうち、実際に労働を行っている時間のことを指します。休憩時間は含まれません。従業員の労働時間を管理し、把握することは、従業員に対して正確に給与や手当を支払うために重要です。現在の管理方法に問題がある場合には、適切なツールを活用して労働時間や給与の計算を効率化することをおすすめします。

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この記事の監修川口 正倫(社会保険労務士)

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ所属社労士。
総務・人事の分野で零細企業から上場企業まで勤務後、社会保険労務士に転身。平成19年社会保険労務士試験合格、その後平成31年に特定社会保険労務士の付記登録。『労務事情令和4年3月15日号』(産労総合研究所)に「年4回賞与の取扱いについて」を記事寄稿・『年金復活プランがよくわかる本』(Kindle本)を出版。

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