勤怠管理にAIは活用できる?自動化の具体例やメリット、導入の注意点を解説
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近年、テレワークやフレックスタイム制など働き方の多様化により、打刻確認や勤怠集計、従業員からの問い合わせ対応など、勤怠管理業務は複雑化しています。こうした業務負担を軽減する手段として注目されているのが、勤怠管理におけるAIの活用です。
AIを活用すれば、打刻データの確認や異常値の検知、シフト作成、問い合わせ対応などの効率化が期待できます。一方で、AIだけですべての業務を自動化できるわけではなく、勤怠管理システムや給与計算ソフトとの連携、運用ルールの整備も欠かせません。
本記事では、勤怠管理業務でAIを活用できる具体例やメリット、導入時の注意点、よくある質問を解説します。勤怠管理や給与計算の効率化を進める際の参考にしてください。
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昨今注目されるAIを活用した勤怠管理
近年、出退勤の記録や勤務状況の把握などに、AIを活用する企業が増えています。従来のタイムカードやExcelを用いた手入力での集計では、ヒューマンエラーが起きやすく、担当者の作業量も多いのが課題でした。
これに対し、勤怠管理システムやAIサービスを活用すれば、出退勤の打刻データの自動収集・集計や、生体認証による本人確認なども可能です。また、日々の勤怠データを確認しやすくなるため、長時間労働や有休取得状況などの変化にも早期に気づきやすくなります。
勤怠管理の基本について詳しくはこちらの記事で解説しています。
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勤怠管理でAIが活用される5つの場面
勤怠管理にAIを活用することで、打刻の正確性向上や不正防止、勤怠データの確認作業の効率化などが期待できます。また、シフト作成や従業員からの問い合わせ対応など、勤怠管理に付随する業務の自動化にも役立ちます。
本項目では、勤怠管理でAIが活用される主な場面を5つ紹介します。
生体認証による打刻で不正やなりすましを防止する
勤怠管理システムの中には、顔認証や指紋認証、静脈認証といった生体認証により、本人確認と打刻を同時に行えるものもあります。打刻時に本人確認を行うことで、他の従業員による代理打刻やなりすましを抑止し、勤怠記録の信頼性向上につなげられます。
さらに、こうした打刻データをAIによる確認・分析と組み合わせれば、不自然な打刻や勤務実態との差異にも気づきやすくなり、勤怠記録の確認作業を効率化できます。
また、スマートフォンやタブレットから打刻できるシステムであれば、テレワーク時の勤怠管理にも柔軟に対応可能です。近年では、スマートスピーカーを活用し、音声認証で打刻する方法も実用化されています。
厚生労働省は、労働時間を適正に把握するため、ガイドラインにおいて「客観的な記録」を確認するよう定めています。生体認証による打刻は、こうした客観的な記録を残す方法としても有効です。
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参照:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
」P.2
打刻漏れや申請忘れをAIが自動で検知し通知する
AIを活用すれば、打刻データと出勤予定、業務ログ(PCのログイン・ログアウト履歴など)などを照合し、通常とは異なる勤怠状況を検知できます。これにより、以下のようなケースを早期に把握し、確認や修正を促すことが可能です。
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- 打刻データと出勤予定が異なる→打刻漏れ、有給休暇などの申請忘れ
- 普段は定時退社が多い従業員の時間外労働や深夜労働が続いている→業務負荷の増加や勤務状況の変化
- 遅刻や欠勤が急に増えている→勤務状況や体調面に関する確認が望ましいケース
- 打刻時刻と業務ログに大きな差がある→サービス残業や勤怠記録の不備が疑われるケース
AIを活用して打刻漏れや申請忘れを早期に把握し、場合によって修正を促すことで、正確な勤怠情報を蓄積しやすくなります。勤怠データが整っていれば、その後の給与計算作業の効率化にもつながります。
弥生が提供する「弥生のいつでも労務相談AI」は、給与計算ソフトと併せて活用できるAIサービスです。このサービスには特化型アシスタントAIとして、タイムカードの集計処理を支援する機能もあります。画像(JPEG・PNGなど)やPDF、Word、Excel、CSVなど、さまざまなファイル形式に対応しており、アップロードしたタイムカードの内容をAIが読み取って表形式に変換します。面倒な手作業での転記や集計作業の効率化に役立ちます。
過去のデータからシフト表を自動で作成する
従業員による有給休暇の申請や勤務可能時間をすり合わせながら行うシフト作成は、管理者にとって負担のかかる作業です。こうした作業にAIを活用すれば、従業員による有給休暇の申請や勤務可能時間、スキルや資格、休憩時間や休日の確保といった労務管理上の条件を踏まえ、シフト案の作成を効率化できます。
さらに、過去の勤怠データや繁忙期の傾向をもとに、適切な人員数を予測し、配置を検討しやすくなる点もメリットです。AIの活用により、シフト作成にかけていた時間を短縮できるだけでなく、人員の過不足を抑える効果も期待できます。
勤怠状況を可視化し問題を早期に察知する
勤怠管理システムに蓄積された日々の勤怠データをAIに分析させれば、従業員や部署ごとの勤務状況を可視化できます。出勤・退勤時刻や休憩時間、部署ごとの勤務人数などをもとに、残業時間の推移や有休取得率といった労務状況を確認可能です。
例えば、残業時間が増加傾向にある従業員や、有休の取得率が極端に低い部署を早期に把握できれば、上限超過や業務負荷の偏りが深刻化する前に対策を講じられます。業務量の調整やシフトの見直しにもつなげられるため、長時間労働の抑制や有休取得の促進など、働き方改革の推進にも役立ちます。
従業員からの問い合わせにAIチャットボットが対応する
AIを活用すれば、有給休暇の残日数や各種申請方法など、従業員からの定型的な問い合わせにチャットボットで対応できます。システムによっては24時間自動で回答できるため、人事担当者は個別の電話やメールに対応する負担を軽減できます。従業員にとっても、担当者の不在時でもすぐに回答を得られる点がメリットです。
ただし、AIが対応しやすいのは、あらかじめ回答内容を整理できる定型的な質問です。就業規則の詳細な解釈や個別事情を踏まえた相談、イレギュラーな質問については、AIではなく人事担当者や労務担当者が回答できる体制を整えておきましょう。
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勤怠管理にAIを活用するメリット
AIは、打刻データの集計・確認作業の効率化や、不正打刻の抑止に役立ちます。担当者の作業負担を軽減できるだけでなく、勤怠データの正確性を高めることで、その後の給与計算業務にも活用しやすくなる点がメリットです。
本項目では、勤怠管理にAIを活用する主なメリットを2つ解説します。
集計や確認にかかる工数を大幅に削減できる
アナログで打刻データを集計する場合、入力や確認作業に多くの時間がかかります。AIを活用すれば、打刻データの収集・集計を自動化したり、打刻漏れや入力漏れなどの異常値を検知したりできるため、担当者の作業負担を軽減できます。
これまで人の手で行っていた集計や確認作業の工数を削減できれば、作業時間の短縮にもつながります。浮いた時間を労務改善や人事施策の立案といった業務に充てられるため、労働環境や業務品質の向上も期待できます。
不正打刻や記録の改ざんを防止できる
勤怠管理システムの中には、生体認証や位置情報を活用した打刻に対応しているものがあります。生体認証を取り入れると、顔認証や指紋認証、静脈認証、音声認証などにより、打刻時の本人確認を行えます。そのため、他の従業員による代理打刻の抑止に有効です。
また、スマートフォンの位置情報(GPS機能)と連動した打刻を活用すれば、打刻場所の確認も可能です。実際の勤務場所と打刻場所を照合できるため、勤怠記録の信頼性を高める方法として役立ちます。
さらに、AIを併用して打刻データや業務ログを分析すれば、打刻時刻や勤務実態に不自然な差異がないかを確認できます。生体認証や位置情報による記録と併せて確認することで、代理打刻や記録の改ざんを発見することができるので、勤怠データの信頼性向上につながります。
信頼性の高い勤怠データは、その後の給与計算にも正確な労働時間を反映するための大切な情報です。残業代の計算や勤怠情報の確認もスムーズになり、給与計算業務の正確性向上につながります。
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勤怠管理へのAI導入時の注意点
勤怠管理業務にAIの導入を検討する際は、費用やセキュリティ面、自社の就業規則や勤務形態に対応できるかの確認が欠かせません。
本項目では、勤怠管理にAIを導入する際に押さえておきたい3つの注意点を解説します。
導入・運用にかかるコストを事前に把握する
勤怠管理にAIを活用する際は、利用するツールや連携方法によってコストが発生します。初期設定費用や月額利用料がかかることがあるため、導入前にAIの活用範囲や必要な機能を整理し、自社の規模や従業員数、運用体制に見合った方法を選びましょう。
サービスを選定する際は、導入によりどのぐらいのコスト削減効果が得られるか、費用対効果を検証することが大切です。手作業や集計ミス修正にかかる人件費等、システム導入により削減できる費用を詳しく算出し、導入にかかるコストと比較して、見合った効果が得られるものを選びましょう。
従業員の個人情報とデータセキュリティに配慮する
勤怠管理には、出退勤時刻や勤務場所の位置情報など、従業員のプライバシーにかかわるデータが含まれます。
特に、顔・指紋・虹彩・声紋・静脈・掌紋などの生体情報を、本人認証に利用できるよう変換したデータは、個人情報保護法上の「個人識別符号」に該当します。個人識別符号が含まれる情報は個人情報にあたるため、取得目的や利用範囲、管理方法をあらかじめ従業員に説明し、適切に取り扱うことが求められます。
また、勤怠データをクラウド型サービスで管理する場合は、データの保存先や暗号化の有無、アクセス権限の設定、外部事業者における管理体制も確認しておきましょう。サービスの利用形態によって、クラウドサービス事業者が個人データを取り扱うかどうかや、委託先として監督が必要になるかが変わる場合があります。そのため、契約前にセキュリティ対策や個人情報の取り扱い範囲を確認しておくことが大切です。
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参照:e-Gov 法令検索「個人情報保護法第2条第2項
」
参照:e-Gov 法令検索「個人情報保護法施行令第1条第1号」
参照:e-Gov 法令検索「個人情報保護法第4章」
自社の就業規則や勤務形態に対応できるか確認する
勤怠管理にAIを活用する場合でも、基本となるのは勤怠管理システムによる日々の勤怠データの管理です。AIは、勤怠データの集計や分析、異常値の検知などを補助する役割で活用されるため、前提となる勤怠データは自社の就業規則や勤務形態に沿って正しく管理されていなくてはなりません。
正社員、パート・アルバイトなど複数の雇用形態がある職場では、勤務条件に応じて労働時間や休憩時間、残業時間を正しく集計できるしくみが求められます。リモート勤務を導入している場合は、職場以外からの打刻や勤務場所の記録にも対応できるかを確認しましょう。シフト制の職場では、シフトの確認・変更・管理がしやすいかも確認しておくと、勤務実態に合った勤怠データを蓄積しやすくなります。
特殊な勤務ルールがある場合は、既存の勤怠管理システムの設定変更で対応できるか、場合に応じてカスタマイズできるかも確認しておきましょう。勤怠管理のルールと実際の運用がずれていると、AIを活用しても正確な分析につながりにくくなります。
勤怠管理ソフトの選び方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
AIで精度を高めた勤怠データを活かすには給与計算ソフトとの連携が欠かせない
勤怠管理にAIを活用して確認や分析の負担を削減しても、給与計算へ反映する工程が手作業のままでは、業務効率化の効果は限定的です。出退勤時刻や残業時間、有休取得日数などを給与計算ソフトへ手入力していると、転記ミスや入力漏れが発生する可能性があります。
勤怠管理システムと給与計算ソフトを連携できれば、出退勤時刻や残業時間、有休取得日数などの勤怠データを給与計算に反映しやすくなります。CSVインポートやAPI連携(システム間でデータを自動的に受け渡すしくみ)に対応しているサービスであれば、手入力の負担を減らし、給与計算業務の効率化にもつながります。
ただし、連携できる勤怠管理システムや連携方法は、利用する給与計算ソフトによって異なります。導入前に、現在利用している勤怠管理システムや給与計算ソフトがCSV出力・CSV取り込み・API連携に対応しているかを確認しておきましょう。
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勤怠管理のAI活用は給与計算ソフトとの連携で真価を発揮する
勤怠管理にAIを活用すると、不正打刻の抑止や異常値の検知、シフト作成・問い合わせ対応の効率化などが期待できます。一方で、給与計算への反映が手作業のままでは、転記ミスや入力漏れが発生し、効率化の効果は限定的です。
勤怠管理と給与計算を連携できるクラウドサービスを活用すれば、打刻から勤怠集計、給与計算、明細作成までの流れを効率化できます。「弥生給与 Next」は、給与計算に加えて勤怠管理や労務管理にも対応しているクラウドサービスです。労務相談や判断に迷う場面では、「弥生のいつでも労務相談AI」も活用できます。
勤怠管理や給与計算の効率化を進めたい中小企業は、ぜひ「弥生給与 Next」や「弥生のいつでも労務相談AI」の活用をご検討ください。
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※本記事は2026年6月4日時点の情報を基に制作しています。
※ご契約のプランによって利用できる機能が異なります。
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よくあるご質問
AIを導入すれば勤怠管理の担当者は不要ですか?
AI導入後も、勤怠管理の担当者は必要です。
AIは、打刻データの収集や異常値の検知、従業員からの定型的な問い合わせ対応などを効率化するのに役立ちます。一方で、急な欠勤や打刻漏れ、勤務ルールの例外的な運用など、個別の状況に応じた判断が求められる場面では、人による対応が欠かせません。また、就業規則は雇用形態や勤務形態によって解釈が分かれる場合もあり、従業員への説明や個別対応には担当者の確認が不可欠です。
AIは勤怠管理の担当者に置き換わるものではなく、定型業務の負担を減らすための補助的なツールです。担当者はAIによる検知結果や集計内容を確認しながら、より判断力が求められる業務に集中することで、勤怠管理の品質向上につなげられます。
中小企業でも勤怠管理システムやAIツールを導入できますか?
中小企業でも、勤怠管理システムやAIツールを導入できます。
クラウド型の勤怠管理システムの中には、初期費用を抑えやすく、月額利用料も1ユーザーあたり数百円程度から利用できるサービスがあります。少人数の企業向けプランを用意しているサービスもあり、従業員数が限られる中小企業でも導入のハードルを抑えられます。
導入を検討する際は、まず勤怠データの集計や修正対応、従業員からの問い合わせ対応など、現在の勤怠管理にかかっている工数を洗い出すことが大切です。そのうえで、AIや勤怠管理システムの活用によって削減できる作業と導入費用を比較し、費用対効果を確認しましょう。
勤怠管理システムと給与計算ソフトは別々に導入する必要がありますか?
結論としては、勤怠管理システムと給与計算システムは別々に導入しても、一体型のシステムを導入しても構いません。
ただし、別々のシステムで導入・運営する場合、データ連携に手間がかかったり、仕様の違いでうまく連携できなかったりするケースもあるため、連携のしやすさを事前に確認しておくことが大切です。
一方、勤怠管理と給与計算が一体となったクラウドサービスや、一体で使うことが前提のサービスを選べば、打刻データがスムーズに給与計算に反映され、導入や運用時における連携の手間を抑えられます。
特に中小企業の場合は、勤怠管理・給与計算・労務管理をまとめて対応できるサービスを選んでおけば、最小限の手間で最大限の効率化が期待できます。
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この記事の監修者税理士法人古田土会計
社会保険労務士法人古田土人事労務
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