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リフレッシュ休暇とは? 特徴やメリット・デメリットを紹介

更新

リフレッシュ休暇とは、文字通り従業員がリフレッシュするために取得できる休暇です。しかるべきタイミングに連休を取得することで、従業員のリフレッシュを促し、モチベーションアップや生産性の向上、さらに、企業のイメージアップを目指す制度です。

リフレッシュ休暇は、法で定められた休日とは異なり、付与日数や給与の取り扱いなどのルールは企業ごとに設定する必要があります。本記事では、リフレッシュ休暇の概要、メリットやデメリット、導入に際してのポイントなどを解説します。自社に適したリフレッシュ休暇を創設、運用する際の参考にしてください。

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リフレッシュ休暇とは

リフレッシュ休暇とは、企業が従業員に付与する数日~数か月の休暇のことです。リフレッシュ休暇の目的は、従業員の心身の疲労回復やリフレッシュであり、厚生労働省によると以下のように定義されています。

職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇です。例えば、勤続3年ごとに5日間の休暇を付与することなどが考えられます。

引用:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト

取得の条件や給与の取り扱いなどについては、各企業が独自のルールを設ける必要があります。

リフレッシュ休暇は義務ではない

リフレッシュ休暇は、法律によって労働者への付与が義務付けられているわけではありません。法定休日や年次有給休暇などとは異なる「法定外休暇」に当たります。そのため制度の導入については、企業が任意で決めることができます。また、取得についても強制するものではなく、従業員は任意で決めることが可能です。

リフレッシュ休暇のルールは企業によって違う

法定の休日・休暇に関しては、労働基準法によって企業側の義務が細かく定められています。その一方で、リフレッシュ休暇は法定外休暇で企業が独自に設定できる制度なので、ルールも各企業が自由に決めることができます。主に検討すべき項目は以下のとおりです。

  • 取得条件
  • 付与日数
  • 給与の扱い

それぞれについて詳しく解説します。

取得条件

リフレッシュ休暇の取得条件は企業ごとに異なります。一般的に、勤続年数や出勤率を判断材料として付与する企業が多く、勤続3年目・5年目・10年目といった節目に取得できる企業が多数です。特に決まったルールはないため、中には勤続年数にかかわらず、全従業員が平等に取得できる企業もあります。

付与日数

リフレッシュ休暇の付与日数は「勤続5年目で10日間」のように、勤続年数に応じて設定するケースが一般的です。

あまり短すぎると、休暇の間にリフレッシュしきれず、リフレッシュ休暇の本来の目的を果たせない場合があります。そのため、付与日数については、リフレッシュ休暇の目的に合うように適切な長さに設定するのが理想的です。

有給にするため長期の付与が難しいといった場合には、付与日数を少なめに設定し、週末や連休と組み合わせることで長期休暇になるようにしているケースもあります。なお、平成31年の厚生労働省による調査では、リフレッシュ休暇1回における最高日数の平均が5.5日と報告されています。

給与の扱い

リフレッシュ休暇中の給与の扱いについても、各企業で異なります。無給にしてしまうと、金銭的な理由で取得できない人がいます。また、無給にすることで利用するモチベーションが下がってしまう人もいるため、有給扱いにするケースが一般的です。有給の場合は、全額支給なのか一部支給なのかなど、細かい事項についても法律では定められていないので、導入前に企業による取り決めが必要です。

リフレッシュ休暇の導入状況

実際にどれくらいの企業がリフレッシュ休暇制度を導入しているのか、統計に基づいて状況を解説します。

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、リフレッシュ休暇を導入している企業は全体のうち12.9%です。令和4年度は11.8%であったため、やや増加傾向にあることがわかります。特に従業員数1,000人以上の企業においては、43.6%と高い割合で導入されています。

リフレッシュ休暇の他にも「ボランティア休暇」「教育訓練休暇」がありますが、これらを含めた特別休暇制度を設けている企業は全体の55%で、設けていない企業は全体の42.9%です。また、平成31年の調査によると、リフレッシュ休暇を導入している企業のうち95.9%が休暇中の賃金を全額支給していると報告されています。

参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況新規タブで開く(p.7)」

参照:厚生労働省「平成31年就労条件総合調査の概況新規タブで開く(p.6)」

リフレッシュ休暇を導入するメリット

リフレッシュ休暇を導入する企業が増えている背景には、次のようなメリットが考えられます。

  • 従業員のモチベーションを高められる
  • 生産性の向上につながる
  • 離職率の低下に役立てられる
  • 採用時のアピール要素になる
  • メンタルヘルス対策に役立てられる

それぞれについて以下で詳しく解説します。

従業員のモチベーションを高められる

従業員のモチベーション向上が期待できることは、従業員自身はもちろん、企業にとっても大きなメリットです。

近年「ワークライフバランス」という言葉が浸透していることからもわかるように、働き方に対する意識は変化しつつあります。仕事とプライベートの両方を充実させたいと願う従業員にとって、日々の業務はストレスが蓄積される要因となり得ます。リフレッシュ休暇によってプライベートの時間を確保できれば、家族や友人と過ごし、心身ともにリフレッシュして仕事に戻ることができます。

また、自身のスキルアップのために利用することもでき、その場合はキャリアアップや会社からの高評価にもつながります。先に紹介した厚生労働省の調査でリフレッシュ休暇1回における最高日数の平均が5.5日と報告されていることから、基本的に長期休暇であることがわかります。3日以上の連続した休暇を取得するのが難しい企業でも、まとまった休みを取得できれば、従業員はプライベートを充実させやすくなり、心身の疲労回復にも効果的です。

これによって、モチベーションアップにつながり、仕事とプライベートの好循環が生まれます。

生産性の向上につながる

生産性が向上することも大きなメリットです。業務効率の改善と生産性の向上には、従業員の意欲や心身の状態が大きく影響します。

日々の勤務で疲労が蓄積している状態では、思考が働きにくく生産性が低下しがちです。リフレッシュ休暇を取得することで心身の疲労が回復すれば、休暇後に新鮮な気持ちで仕事に取り組めるため、労働意欲が増し、生産性の向上効果が期待できます。

また、長期休暇を取得するにあたり業務の効率化を進める必要があり、おのずと既存の業務フローが見直されるため、無駄な業務が減ってさらなる生産性の向上が期待できます。

さらに、休暇中の人に代わり業務を遂行することで、引き継いだ従業員の業務の幅が広がり、属人化の防止にも効果的です。このように、休暇を取得した従業員の生産性が向上することに加えて、間接的なメリットもあります。

離職率の低下に役立てられる

リフレッシュ休暇の導入は、離職率の低下に貢献する重要な手段でもあります。

ワークライフバランスを保つためには休暇を利用してプライベートの時間を確保することが有効です。しかし企業によっては連続の休暇がほとんど取得できず、仕事とプライベートの両立が難しいことが原因で退職を選択せざるを得ない人もいます。この点、適切なタイミングで長期休暇を取得できれば、仕事とプライベートのバランスや心身の健康を保ちやすくなる可能性があります。結果として自社に対する満足度が向上すれば、定着率が高まり離職率の低下につながります。

採用時のアピール要素になる

求職者にとって、企業が提供する休日数は重要なチェックポイントのひとつです。最近はワークライフバランスを重視する求職者が増えているため、休日数が多い企業は、特に魅力的に映ります。

企業がリフレッシュ休暇を導入している事実は、プライベートを大切にしている求職者に対するアピール要素になり、求職者から高い評価を受けることが可能です。その結果、優秀な人材が集まりやすくなり、企業の成長や利益の上昇にもつながります。

メンタルヘルス対策に役立てられる

リフレッシュ休暇は、従業員のメンタルヘルス対策としても有効です。現代のビジネス環境では、業務過多や長時間労働などが原因で、ストレスや精神的負担を抱える人が多くいます。こうした状態をそのまま放置すると、従業員のパフォーマンスや生産性が下がるだけでなく、心の健康を害する原因になりかねません。その結果、休職や退職する人が増えるリスクもあります。

リフレッシュ休暇を利用して適切なタイミングで長期休暇を取得できれば、精神の安定やストレス解消につながり、心の健康を損なうリスクを減らすことができます。

リフレッシュ休暇のデメリット

リフレッシュ休暇によって多くのメリットが期待できる一方で、次のようなデメリットも存在します。これらのデメリットにより、リフレッシュ休暇が、かえって逆効果となってしまわないよう注意しましょう。

  • 給与が発生する
  • 一時的に人手不足の状態になる
  • 業務内容によっては調整が必要になる

それぞれについて以下で詳しく解説します。

給与が発生する

リフレッシュ休暇に関する法的なルールはなく、企業が休暇中の給与を支払う義務はありません。しかし、有給扱いではない場合は取得しない従業員が出てくる可能性があるため、全額支給している企業が多いのが現状です。休暇中の給与を支払うことは、企業側にとって経済的な不利益になる場合があります。さらに、業務の引き継ぎに時間を要し残業が必要な場合もあり、その分のコストが発生するケースも考えられます。リフレッシュ休暇を導入する際は、給与に関する規定を明確にして従業員に提示することが必要です。

一時的に人手不足の状態になる

リフレッシュ休暇によって不在の従業員がいる期間は、一時的な人手不足や業務の遅延が生じる可能性があります。特に、引き継ぎが不十分だった場合には、その傾向がより顕著に現れます。

また、休暇中の従業員がいれば、残っている従業員の業務負担が普段より増えます。特に、重要なポジションを担う従業員が不在の場合は、部署全体での協力が必要です。誰がどのタイミングでリフレッシュ休暇を取得しても業務に支障をきたさないように、普段から準備しておくのが効果的な対策です。

業務内容によっては調整が必要になる

社内の全員が、リフレッシュ休暇を取得しやすい立場にいるとは限りません。特に、専門性が求められる業務に関わっていると、取得しにくい状況にある人もいます。また、取得できたとしても、休み明けに滞っていた分の業務の対応に追われ、仕事量が増加する場合があります。

企業側は、従業員が一定期間の休暇を取得しても業務が滞ることがないよう業務を調整する必要があります。リフレッシュ休暇の導入前に、部署内の業務負担をバランスよく配分しておくと、スムーズな導入につながります。

リフレッシュ休暇を導入する際のポイント

リフレッシュ休暇のメリット・デメリットを把握したうえで、以下のポイントを押さえて導入することが制度の効果を高める鍵となります。

  • 内容を明確化して周知する
  • 上司が積極的に取得する
  • 柔軟な対応を行う

それぞれについて詳しく解説します。

内容を明確化して周知する

リフレッシュ休暇の導入にあたり、明確な内容を従業員と共有することが重要です。取得条件や付与日数、給与の扱いなど、企業が定めたルールを明確に提示すれば、従業員は安心して制度を利用できます。

また、デメリットに直結する引き継ぎについても、明確なルールを作っておくことが望まれます。引き継ぎのせいで休暇前に一時的に負担が増したり、引き継ぎがうまくいかず休暇中に対応したりといった事態が発生するのは避けたいものです。

リフレッシュ休暇は企業側が独自にルールを設定できる制度であり、理念を反映させやすい制度です。この点を活かして「どのような目的で設けるのか」「どのような活用方法が自社に適しているのか」を考慮したうえで制度を構築し、それを従業員全員に明確に提示することが重要です。

上司が積極的に取得する

リフレッシュ休暇制度があっても、上司が取得していない状態では、部下としては取得しにくいと感じることがあります。この問題を解消して、取得しやすい環境を整えるためにも、まずは上司が積極的にリフレッシュ休暇制度を利用することが重要なポイントです。また、上司が不在中の業務を任されることで、従業員は期待に応えようと努力し、スキルアップが期待できるという相乗効果も狙えます。

リフレッシュ休暇は、勤続年数によって取得できる場合が多く、上司のポストに就いている人はこの条件を満たしている場合が多いはずです。企業側が率先して上司の立場に当たる人材に取得を奨励することで、リフレッシュ休暇制度を取得する企業文化を築くのも成功に導くポイントです。

柔軟な対応を行う

リフレッシュ休暇のルールを作るうえで重要なのが、柔軟性です。

例えば「業務上まとまった休暇が所得できない場合は分割して取得できる」「急な業務で申請済みのリフレッシュ休暇を取得できなくなってしまった場合は再申請できる」など、柔軟な対応を検討しましょう。また、従業員全員のリフレッシュ休暇の取得率を把握して、取得期間が近づいている従業員に通知するといった体制を整えるのも方法です。ただし、ルールが厳密すぎると活用しにくい場合もあるので、適切なバランスが求められます。

また、柔軟性が必要とはいえ、休暇の取得時期については事前にヒアリングしておくのが望ましいでしょう。決算期や繁忙期などに取得者が集中すると、他の従業員の負担が増えてしまいます。リフレッシュ休暇の取得予定がある従業員には、期初の時点で年間スケジュールに休暇期間を記載してもらったり、3か月以上前に申請するルールを設けたりなど、自社の業務に支障を与えない範囲での柔軟な対応が求められます。ただし、対応の柔軟さが人によって異なると不公平感につながってしまうため、注意が必要です。

リフレッシュ休暇を導入してよりよい職場環境を整備しよう

リフレッシュ休暇は、従業員の心身の健康を保つことを目的とした制度です。従業員の仕事に対するモチベーションアップや生産性の向上が期待でき、結果として企業価値の向上にもつながります。リフレッシュ休暇の具体的なルールは企業が決める必要がありますが、その際は本記事で紹介した情報を参考にしてください。

  • 2024年9月時点の情報を基に執筆しています。

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この記事の監修者下川めぐみ(社会保険労務士)

社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ所属社労士。
医療機関、年金事務所等での勤務の後、現職にて、社会保険労務士業務に従事。

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