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【2024年6月スタート】定額減税とは?制度の内容や対象者、実施される背景をわかりやすく解説

2024/05/13更新

この記事の監修中川 美佐子(税理士)

近年の記録的な物価高を背景に、2024年(令和6年)6月から納税者を対象とした所得税(国税)3万円、個人住民税(地方税)1万円の特別控除(定額減税)が実施されます。定額減税は、働き方や家族構成で実施方法や減税額が変わるなど、少し複雑な制度です。

本記事では、制度の詳細やメリット、懸念される給与計算業務の負担増加について、実際の計算例とともに詳しく解説します。

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定額減税とは?わかりやすく解説

昨今、急激な物価の上昇が続いており、日本政府は賃上げの支援や定額減税を含めたさまざまな政策を打ち出しています。どれも物価高に耐えうる所得増加を目指すための重要な施策ですが、中でも定額減税は直接的な個人の可処分所得増加につながるため、注目されています。

定額減税は、2024年(令和6年)4月1日に施行された「令和6年度税制改正法」に含まれる制度で、納税者本人とその扶養家族1人につき、所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が2024年(令和6年)の税金から控除されます。

配偶者がいる場合も、扶養に入っていなければ2人とも納税者本人という扱いです。ただし所得制限があり、所得税にかかる合計所得金額が1,805万円を超える人(給与所得のみの場合は2,000万円を超える人)は減税されません。

会社員や、扶養に入っていないパート、アルバイトなど給与所得者の場合は、所得税が2024年(令和6年)6月の源泉所得税から、住民税は7月から減税されます。住民税は個人住民税から1万円の特別控除を引いた額を11分割し、11分の1ずつを2024年(令和6年)7月から2025年(令和7年)5月まで支払います。

その一方で、フリーランスなどの事業所得者は、2024年(令和6年)分の確定申告時に給与所得者と同様の特別控除が適用されます。また、所得税や住民税の非課税世帯については、別途給付金支給制度が設けられます。2023年(令和5年)時点で非課税の世帯や、2024年(令和6年)で新たに非課税となる世帯、低所得者の子育て世代にも順次7万円~10万円が支給されます。

参照:国税庁「定額減税特設サイト新規タブで開く

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定額減税が実施される背景

定額減税を含む令和6年度税制改正が施行された背景には、世界的な物価高が挙げられます。

2020年(令和2年)から続いたコロナ禍を経て、その後は景気が回復すると同時に世界中で急激な物価高が起きています。日本は石油などのエネルギーをはじめ、食料もさまざまな品目で輸入に頼っており、その影響は免れません。

生活にかかわる物やサービスへの支出変動を測定するため、総務省統計局は「消費者物価指数」を作成しています。これは家計の消費構造を一定に固定したうえで、物価と出費の変動を調べるしくみです。ここで算出された結果は、経済施策や年金額の改定にも使用されます。

2020年(令和2年)の生活費を基準とした2023年(令和5年)の消費者物価指数では、総合指数が前年比3.2%の上昇となりました。生鮮商品とエネルギーを除いた場合は前年比4.0%もの上昇があり、家計の負担は確実に大きくなっています。短期間にこれほどの物価上昇が起こると、賃上げによる所得の増加だけでは間に合わず、生活が苦しくなる世帯が増加します。そのため、政府は一時的な手段として、税金の一部還元を決定しました。

参照:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均 (2024年1月19日公表)新規タブで開く

定額減税の実施方法

定額減税は、以下のような方法で実施されます。

所得税の減税(本人、扶養家族1人につき3万円) 住民税の減税(本人、扶養家族1人につき1万円)
給与所得者 2024年6月徴収分より、合計3万円を徴収額から減税 (6月分で引ききれない場合は7月以降も継続) 2024年6月分の徴収は無し 本来の年税額から1万円を引いた額を11分割し、2024年7月から2025年5月の11か月間で徴収する
事業所得者 予定納税がある場合は2024年7月の第一期から減税 (引ききれない場合は2024年11月の第二期も継続) 予定納税がない場合は確定申告時に減税 2024年6月徴収分より、合計1万円を徴収額から減税 (6月分で引ききれない場合は8月分以降も継続)
年金所得者 2024年6月徴収分より、合計3万円を徴収額から減税 (年金の支給は2か月に一度のため、6月分で引ききれない場合は8月以降も継続) 2024年10月徴収分より、合計1万円を徴収額から減税 (10月分で引ききれない場合は12月分以降も継続)

なお、定額減税の対象となるのは、は2024年(令和6年)の所得税と住民税の納税者で、合計所得金額が1,805万以下の個人です。ただし、給与所得のみの場合は年収2,000万円以下、「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」を適用する場合は年収2,015万円以下の個人が対象です。

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定額減税の対象者と具体的な計算例

会社員などの給与所得者について、定額減税が実施された場合の納税額をシミュレーションしてみましょう。

納税額が多いケース

まずは、減税分を期間内に引ききることができる納税額を想定したケースです。単身世帯の会社員で、年収400万円と想定すると、大まかな月給と各種控除額は以下のとおりです。

  • 月給33万円、社会保険料72,000円、所得税9,000円、住民税18,000円

(1)所得税の3万円
毎月の所得税が9,000円のため、2024年(令和6年)6月から8月の3か月間が0円になります。残りの3,000円については2024(令和6年)年9月分の徴収分から控除されることで、合計3万円が所得税から減額されます。

(2)住民税の1万円
毎月の住民税が18,000円の場合、年額は216,000円です。2024年(令和6年)6月の徴収額は0円になり、年額から1万円を引いた額を11分割し、2024年(令和6年)7月から2025年(令和7年)5月までの11か月間で支払います。計算は(216,000円-10,000円)÷11か月=18,727円/月となります。

これらの計算から、本来の所得税と住民税の納税額から合計4万円が控除されます。手取りで考えた場合、2024年(令和6年)6月は27,000円増、7月と8月は8,273円増、9月が2,273円増となり、その後はほぼ従来どおりの見込みです。

納税額が少ない2つのケース

次に、所得税と住民税の減税額が4万円に満たないケースについて解説します。

単身者の給与所得では年収240万円前後がボーダーラインとなり、他にも扶養家族が多い場合などに、満額の減税が受けられない計算です。以下で解説するこれらのケースでは、期間内に受けられなかった減税分の差額を1万円単位で切り上げて給付されます。

1. 年収が少ない

扶養家族のいない単身世帯で満額の減税が受けられないと考えられる場合、年収を240万円と想定すると、大まかな月給と各種控除額は以下のとおりです。

  • 月給200,000円、社会保険料35,000円、所得税4,000円、住民税8,000円

この前提を基に、上述と同様の計算を行います。

(1)所得税の3万円
このケースでは毎月の所得税が4,000円のため、2024年(令和6年)6月から2024年(令和6年)12月の7か月間を0円としても、4,000円×7か月=28,000円となり、3万円にとどきません。差額は2,000円ですが、1万円単位で切り上げて給付されることが決定しており、この場合は1万円が別途支給されます。

(2)住民税の1万円
前提条件の8,000円から年額を算出すると、96,000円です。2024年(令和6年)6月の徴収額は0円になり、年額から1万円を引いた額を11分割し、2024年(令和6年)7月から2025年(令和7年)5月までの11か月間で支払います。計算は(96,000円-10,000円)÷11か月=7,818円/月となります。

2. 扶養家族が多い

扶養家族が複数いる場合は、その人数分受けられる減税額も所得税と住民税合わせて4万円ずつ加算されます。

例えば、本人、共働きの配偶者と16歳未満の子ども3人を含む5人家族の場合は、本人と扶養の子どもで4人分の減税を受けられます。この前提のうえで本人の年収が500万円の場合、だいたいの月収と各種控除額は以下のとおりです。

  • 月給420,000万円、社会保険料72,000円、所得税14,000円、住民税24,000円

(1)所得税の3万円
給与所得者の所得税の減税は本人と扶養の家族1人につき3万円ずつ行われるため、このケースでは、3万円×4人=12万円となります。これに対して毎月の所得税は14,000円のため、2024年(令和6年)6月から2024年(令和6年)12月の7か月間を0円とすると、14,000円×7か月=98,000円の計算で、差額が22,000円です。この場合の差額も1万円単位で切り上げての給付となり、3万円が別途支給されます。

(2)住民税の1万円
このケースでは毎月の住民税が24,000円で、年額は288,000円です。住民税についても、4人分の減税が適用されるため、減税額は1万円×4人=4万円です。2024年(令和6年)6月の徴収額は0円になり、年額から4万円引いた額を11分割し、2024年(令和6年)7月から2025年(令和7年)5月までの11か月間で支払います。

計算は(288,000円-40,000円)÷11か月=22,545円/月となります。住民税は、各自治体から通知される納税額が減税後の金額となります。

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【定額減税の対象外】低所得層の給付措置

定額減税は納税額を減額する制度であるため、所得が基準以下で納税していない層は対象外です。その代わり、住民税非課税世帯や、住民税の均等割りのみ支払い、減税の恩恵が十分に受けられない世帯には、給付金の支給が行われます。どちらも合計10万円ですが、当てはまる種別によって給付額が異なります。

1.住民税非課税世帯
住民税の非課税世帯には、2023年(令和5年)の時点で「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」として3万円の給付がありました。ここに7万円の追加を行い、合計で10万円となります。(2024年3月時点では、決定事項ではありません。)

2.所得税非課税世帯で住民税の均等割りのみ支払う世帯
住民税の均等割りについて課税対象だった世帯は、これまで低所得世帯に当てはまらず、2023年(令和5年)の支援を受けられませんでした。しかし、定額減税の実施を決定したことで、所得税や住民税の納税者と低所得世帯のはざまにいた世帯も、新たに10万円が給付されることになりました。2024年(令和6年)度に新たに住民税非課税世帯となった場合も、同様に対象となります。

また、上記1・2に当てはまる世帯のうち、18歳以下の子どもがいる子育て世帯には、子ども1人につき5万円が追加で給付されます。

参照:内閣官房令和5年経済対策給付金等事業企画室内閣府地方創生推進室「低所得者支援及び定額減税補足給付金新規タブで開く

定額減税のメリット

定額減税による最大のメリットは、低所得世帯にも高所得世帯にも当てはまらない中間層への恩恵が大きいことです。

現在は急激な物価高で、多くの中間層が家計の圧迫を受けています。所得が低い人ほど収入に対する生活費の割合が大きいため、一律4万円の減税で得られる効果も大きくなります。また、減税でもたらされる手取りの増加によって、中間層の消費や購買力の向上も期待されています。

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定額減税の実施で懸念される企業の負担

定額減税は納税している中間層への恩恵が大きい制度ですが、企業の場合は給与計算担当者の負担増加も懸念されます。

会社員のほとんどが源泉徴収によって所得税を天引きされていますが、給与計算担当者は従業員一人ひとりの扶養家族の情報などを把握し、減税額を算出しなければなりません。また、減税額が大きく引ききれない場合は、何か月にもわたって計算し続ける必要があり、終了時期も人によって異なります。

給与計算ソフトで定額減税における給与計算業務の負担を軽減しよう

2024年(令和6年)4月1日に施行された一律4万円の定額減税は、扶養家族の有無などで減税額が異なるため、給与計算業務の負担増加が懸念されます。定額減税対象者の判定や、家族情報の登録内容を基にした定額減税額の算出・管理など、煩雑な業務が想定されるでしょう。

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  • 本記事は2024年4月1日時点の情報を基に執筆しています

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この記事の監修中川 美佐子(税理士)

税務署の法人税の税務調査・申告内容の監査に29年勤務後、令和3年「たまらん坂税理士法人」の社員税理士(役員)に就任。法人の暗号資産取引を含め、法人業務を総括している。

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